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審判番号(事件番号) データベース 権利
無効200589039 審決 商標
無効200589076 審決 商標
無効200489106 審決 商標
異議200690007 審決 商標
無効200589025 審決 商標

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審決分類 審判 全部無効 観念類似 無効としない 025
審判 全部無効 称呼類似 無効としない 025
管理番号 1098259 
審判番号 無効2000-35672 
総通号数 55 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-07-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 2000-12-12 
確定日 2004-05-28 
事件の表示 上記当事者間の登録第4345512号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4345512号商標(以下「本件商標」という。)は、平成7年5月2日に登録出願され、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、第25類「パーカ,絶縁材からなるジャケット,レザージャケット,防寒用帽子,履物」を指定商品として、同11年12月17日に設定登録されたものである。

2 請求人の引用する登録商標
請求人は、以下の14件の登録商標を引用しており、いずれも現に有効に存続している。
(a)平成6年12月1日に登録出願され、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として、同9年8月1日に設定登録された登録第3335699号商標(以下「引用商標1」という。)
(b)平成6年12月1日に登録出願され、別掲(3)に示すとおりの構成よりなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として、同9年8月1日に設定登録された登録第3335700号商標(以下「引用商標2」という。)
(c)昭和43年5月23日に登録出願され、「BABYBEAR」の欧文字と「ベビーベアー」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、第17類「被服、布製身回品、寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、同45年6月23日に設定登録された登録第862065号商標(以下「引用商標3」という。)
(d)昭和53年8月11日に登録出願され、「GOLDEN BEAR」の欧文字を横書きしてなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として、同58年3月28日に設定登録された登録第1572840号商標(以下「引用商標4」という。)
(e)昭和53年8月14日に登録出願され、「ゴールデン ベアー」の片仮名文字を横書きしてなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として、同58年3月28日に設定登録された登録第1572841号商標(以下「引用商標5」という。)
(f)昭和63年2月27日に登録出願され、「LITTLE BEAR」の欧文字を横書きしてなり、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、平成2年6月28日に設定登録された登録第2239238号商標(以下「引用商標6」という。)
(g)平成3年7月1日に登録出願され、「FINE BEAR」の欧文字と「ファインベア」の片仮名文字とを二段に横書きしてなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、同7年10月31日に設定登録された登録第2710434号商標(以下「引用商標7」という。)
(h)昭和59年6月29日に登録出願され、「THREE BEARS」の欧文字を横書きしてなり、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、平成7年3月31日に設定登録された登録第2705437号商標(以下「引用商標8」という。)
(i)平成4年6月23日に登録出願され、「ミニベアー」の片仮名文字と「MINI BEAR」の欧文字とを二段に横書きしてなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類(靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具を除く),げた,草履類,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(乗馬靴を除く)」を指定商品として、同8年3月29日に設定登録され、その後、商標権の一部取消審判により、指定商品中「靴類(靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具を除く)」については、取消す旨の登録がなされている登録第3135725号商標(以下「引用商標9」という。)
(j)昭和43年7月26日に登録出願され、別掲(4)に示すとおりの構成よりなり、第17類「被服(ただし溶接マスク、防毒マスク、防じんマスクを除く)布製身回品」を指定商品として、同46年1月27日に設定登録された登録第887884号商標(以下「引用商標10」という。)
(k)昭和54年1月31日に登録出願され、別掲(5)に示すとおりの構成よりなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として、同58年11月25日に設定登録された登録第1630934号商標(以下「引用商標11」という。)
(l)平成2年3月30日に登録出願され、別掲(6)に示すとおりの構成よりなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、同5年3月31日に設定登録された登録第2516347号商標(以下「引用商標12」という。)
(m)平成5年11月18日に登録出願され、別掲(7)に示すとおりの構成よりなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同9年1月31日に設定登録された登録第3255110号商標(以下「引用商標13」という。)
(n)平成4年12月7日に登録出願され、別掲(8)に示すとおりの構成よりなり、第25類「セーター類,ワイシャツ類,下着,帽子」を指定商品として、同8年4月30日に設定登録された登録第3150491号商標(以下「引用商標14」という。)

3 請求人の主張
請求人は、「本件商標の登録は、これを無効とする。」との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第25号証を提出した。
(1)利害関係について
請求人は、甲第11号証の商標権侵害・差止仮処分申請事件の債務者側の補助参加人となっている(甲第12号証)。そして、この商標権侵害・差止仮処分申請事件において、債権者である被請求人は、本件商標を商標権侵害・差止仮処分申請の根拠としているものであるから、本件商標を無効とすることについて明らかに利害関係を有するものである。
(2)無効理由について
本件商標は、その構成から「ベア一」の称呼、「熊」の観念が生じると考えられる。
この点については、被請求人自身が前述の商標権侵害・差止仮処分申請事件の仮処分申請書(甲第11号証)でもはっきり認めているものである。
これに対して、引用商標1及び引用商標2の構成は、「BEAR」の文字が他の文字より大きく、しかも別の行に独立した形で表示されており、一見しただけで「ベアー」の称呼、「熊」の観念が生じるものである。このことは、引用商標1、引用商標2を根拠にした、平成11年第91536号異議申立事件の取消理由通知書(甲第13号証)で明らかである。
したがって、「ベアー」の称呼、「熊」の観念が生じる本件商標は、引用商標1及び引用商標2と明らかに類似しているものである。
また、引用商標3ないし引用商標9の商標は、その構成中の「BABY/ベビー」、「GOLDEN/ゴールデン」、「LITTLE」、「FINE/ファイン」、「THREE」及び「ミニ/MINI」の各文字が商品の品質、用途、色彩、数量又は形状を表示するものであり、何れも、それ自体では、識別標識としての機能を有しない文字であって、これらを「ベアー/BEAR」の文字に結合させたものであるから、要部観察によれば、「べア一/BEAR」の部分が要部と考えられるので、「ベアー」の称呼、「熊」の観念が生じる本件商標とは当然類似と判断されるべきものである。
したがって、本件商標は、引用商標1ないし引用商標9と称呼、観念上類似する商標であるから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであり、商標法第46条第1項第1号の規定により無効とすべきである。
(3)答弁に対する弁駁
被請求人は、引用商標1及び引用商標2について無効審決が認められていることを主張しているが、引用商標1及び引用商標2については、過去の経緯からみても、出訴される可能性が極めて大きいので、無効審決が確定されたのか否かを確認する必要がある。
また、被請求人は、引用商標3ないし引用商標9については、統一観念が容易に看取されると主張するが、被請求人の主張する観念は、その意味を強引に結び付けたものであって、熟語として認められている訳ではない。しかも、被請求人の主張する観念には、どのような意味を有する語であるのか疑問となる観念も少なくない。
したがって、被請求人の主張は、単なる独断であり、自己に都合のよい解釈と言わざるを得ないものである。
また、本件商標は、「熊」の図と文字が分離していることから、当然「熊」の図のみでも他の商標との類否が判断されるべきものである。
そして、「熊」の図については、引用商標10ないし引用商標14が存在している。
本件商標とこれらの登録例とは、熊の向きが異なったり、色彩が若干異なるものの、外観において類似する可能性があり、又、明らかに「熊」の観念が生じる以上、少なくとも観念上類似する商標と考えられるものである。
さらに、被請求人は、代理人の選任に際し、代理人受任届に添付された委任状(甲24号証)を提出しているが、被請求人の代表者の署名は、平成10年審判第30311号の代理人受任届に添付された委任状(甲第25号証)とで署名が全く異なっている。
このため、本件審判の被請求人の代理人は、正当に委任を受けたものか疑問である。同一人による署名であるならば、このような署名の不一致はおこり得ないはずであり、何故署名の不一致が生じているのか、はたして、被請求人の代理人は、正当に委任を受けたものであるのか等を被請求人は立証すべきであると考える。正当な委任を受けたものでなければ、本件審判事件答弁書自体も、本来無効とされるべきものである。

4 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証及び同第2号証を提出した。
請求人が引用する引用商標1及び2の商標登録は、被請求人が自己の先願登録第2667318号商標を引用して無効審判請求をしたところ、これが認められ、平成13年4月19日付けで無効審決が認められているものである(乙第1号証及び乙第2号証)。
それ故、前記無効審決が確定すれば、本件無効審判は、前記2件の引用商標に基づく無効理由は存在しなくなるものである。
引用商標3は、全体で「子熊」という統一観念の言葉として認識されるものである。
引用商標4及び5は、いわゆる「ゴールデンベア-」のブランドとして世界的に著名な商標であり、常に単一の商標として使用され、かつ認識されているものである。
同様に、引用商標6「LITTLE BEAR」は、全体で同書、同大、同色で一連不可分に書されているばかりか、観念上「小さな熊」という統一された意味を有し、引用商標7「FINE BEAR/ファインベア」は、「すばらしい熊」を意味し、引用商標8「THREE BEARS」は、「三匹の熊」を意味し、引用商標9「ミニベアー/MINI BEAR」は、「小型の熊」を意味するのであって、単に「ベアー」と略称されたり、「熊」と観念されることはないのである。
すなわち、これらに共通していえることは、前半の語が請求人主張の如く一見、商品の品質とか用途などを表示するかのように見えるかもしれないが、いずれも次に来る語と結合し、「ベアー」、「BEAR」とは別の独立した統一的観念の言葉を形成しているのである。このような場合、前半の語は、もはや立派に商標の要部を構成し、商品の方を向いていないのである。
また、請求人が提出している甲第13号証の件については、異議取消に引用された本件審判事件における引用商標1及び2商標に対しては、無効審決がだされたわけであるから、被請求人は、目下、意見書を提出し、その旨主張しているところである。
なお、請求人が提出している甲第14号証ないし同第18号証の審決は、いずれも本件とは事案を異にするものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号には該当しないものである。

5 当審の判断
(1)本件商標は、別掲(1)に示すとおり、「Bear」の文字を中央部分に太字で大きく表し、その下にやゝ小さく「U.S.A.,Inc.」の文字を書し、「Bear」の文字の左側に細線で縁取られた白地の熊の図形を配してなるものである。
請求人は、本件商標から「ベアー」の称呼、「熊」の観念をも生ずると主張している。確かに、「Bear」の文字が大きく表されており、熊の図形を有する構成からみれば、「ベアー」(熊)の称呼、観念をもって捉えられる場合のあることを一概には否定し難いところがある。
しかしながら、最高裁 昭和39年(行ツ)第110号判決(昭和43年2月27日第3小法廷判決・民集22巻2号399頁参照)によれば、「商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには、そのような商品に使用された商標がその外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきであり、しかもその取引の実情を明らかにしうる限り、その具体的な取引状況に基づいて判断すべきものである・・・商標の外観、観念または称呼の類似は、その商標を使用した商品につき出所の混同のおそれを推測させる一応の基準にすぎず、・・・取引の実情によって、なんら商品の出所に誤認混同をきたすおそれの認めがたいものについては、これを類似商標と解すべきでない」と判示されているところである。
これを本件事案についてみれば、「Bear」の文字あるいは「熊」の図形を構成中に含む商標は、請求人が「ベアー」(熊)の称呼、観念を生ずると主張して多くの商標を引用しているように、この種商品の商標として数多く採択されている実情にある。そのため、構成中に「Bear」の文字あるいは「熊」の図形を含むからといって、それらの商標を全て、直ちに、「ベアー」(熊)の称呼、観念において類似する商標であるとみるのは、上記実情からすれば適切なこととはいい難く、他の構成要素、あるいは熊の構成態様等をも総合勘案してその類否が判断がされ、取引に資されているものとみるのが相当である。
しかして、本件商標は、前記したとおりの構成からなることからみれば、「U.S.A.,Inc.」の文字は「Bear」の文字に比べてやゝ小さいとはいえ、これらの文字は、全体としてまとまりよく一体的に表されており、観念上も、全体として被請求人の商号である「ベアーユーエスエーインコーポレーテッド」を認識することのできるものである。そして、これより生ずると認められる「ベアーユーエスエーインク」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものであり、図形部分も「Bear」の文字に相応した図形として理解されるものである。
してみれば、本件商標は、全体として不可分一体の構成からなる商標とみるのが自然であり、「ベアーユーエスエーインク」の称呼及び被請求人の商号である「ベアーユーエスエーインコーポレーテッド」の観念を生ずるものとみるのが相当である。そして、本件商標から「ベアー」(熊)の称呼、観念をもって取引される場合があるとしても、「Bear U.S.A.,Inc.(ベアーユーエスエーインク)」の「ベアー(熊)」として、あるいは、細線で縁取られた白地の熊(例えば、白熊の如き観念の熊)として記憶され、認識されているものとみるのが相当である。

(2)他方、引用商標1は、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、引用商標2は、別掲(3)に示すとおりの構成よりなるものであるところ、これらの引用商標は、いずれも、特徴のある子持ち菱形状の図形の中に熊の上半身の図形を描き、この図に重なるように白抜きの籠字で「BEAR(「B」の文字は他の文字より、やゝ大きく表されている)」の欧文字を表示し、熊の図形の左側に、引用商標1は「SNOW」の欧文字を、引用商標2は「SURF」の欧文字を表し、熊の図形の右側には、いずれも「BOARDS」の欧文字を表してなるものである(「SNOW」、「SURF」及び「BOARDS」の各文字はいずれも「BEAR」の文字よりも小さく表されている)。
このような構成からみれば、引用商標1及び2は、特徴のある子持ち菱形状の図形の中に熊の図形と文字部分とがまとまりよく構成された不可分一体の商標とみるのが自然である。そして、請求人の提出に係る甲第13号証「取消理由通知書」の(2)項の認定事項によれば、引用商標1及び2は、件外、アメリカ合衆国カリフォルニア州在のヴァルキリー・コーポレイションが「被服」に使用して、取引者・需要者間に広く認識されている商標であるとされていることからみれば、「SNOW BOARDS」あるいは「SURF BOARDS」の文字が表示されていることからも明らかなように、若者に人気のある「スノーボード、サーフボード」のマークとしての「ベアー(熊)」として、記憶され、認識されているものとみるのが相当である。
してみれば、請求人の主張に従い、本件商標及び引用商標1、2から「ベアー」(熊)の称呼、観念をもって取引される場合があるとしても、上記両商標は、その全体の構成において明らかな差異を有し、熊の図形部分のみを比較しても、その構成、印象に顕著な差異を有するものであり、かつ、前述のとおり、本件商標は、「Bear U.S.A.,Inc.(ベアーユーエスエーインク)」の「ベアー(熊)」として認識されているものというべきであるのに対して、引用商標1及び2は、「スノーボード、サーフボード」のマークとしての「ベアー(熊)」として認識されているものというべきであるから、これらの商標の構成中から「Bear」「BEAR」あるいは熊の図形部分のみを抽出して、単に「ベアー」(熊)の称呼、観念において類似するとの請求人の主張は採用し難く、取引の場においては、本件商標を使用した商品が引用商標1及び2を使用した商品とその出所につき誤認混同を生ずるおそれはないものとみるのが相当である。

(3)次に、引用商標3ないし引用商標9との関係についてみるに、前記したとおり、引用商標3は、「BABYBEAR」の文字と「ベビーベアー」の文字とを二段に横書きしてなるものであり、引用商標4は、「GOLDEN BEAR」の文字を横書きしてなるものであり、引用商標5は、「ゴールデン ベアー」の文字を横書きしてなるものであり、引用商標6は、「LITTLE BEAR」の文字を横書きしてなるものであり、引用商標7は、「FINE BEAR」の文字と「ファインベア」の文字とを二段に横書きしてなるものであり、引用商標8は、「THREE BEARS」の文字を横書きしてなるものであり、引用商標9は、「ミニベアー」の文字と「MINI BEAR」の文字とを二段に横書きしてなるものである。
しかして、これらの商標は、いずれも、前半部分を構成する「BABY/ベビー」、「GOLDEN」、「ゴールデン」、「LITTLE」、「FINE/ファイン」、「THREE」及び「ミニ/MINI」の各文字と後半部分を構成する「BEAR(S)」あるいは「ベアー」の各文字とは外観上まとまりよく一体的に構成されているものである。そして、観念上も全体として、引用商標3は「子熊」、引用商標4及び5は「黄金の熊」、引用商標6は「小さな熊」、引用商標7は「すばらしい熊」、引用商標8は「三匹の熊」そして引用商標9は「小型の熊」の如き一つの意味合いを把握することのできるものである。また、これらの各商標より生ずると認められる「ベビーベアー」、「ゴールデンベアー」、「リトルベアー」、「ファインベアー」、「スリーベアーズ」及び「ミニベアー」の各称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものであり、他に構成中の「BEAR(S)」あるいは「ベアー」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見い出せない。
そうとすれば、引用商標3ないし9の各商標は、それぞれ、その構成全体をもって不可分一体のものと認識し把握されるとみるのが自然であり、その構成文字全体に相応した上記各称呼及び観念のみを生ずるものというべきである。
してみれば、本件商標とこれらの商標とは、いずれも「Bear」、「BEAR(S)」あるいは「ベアー」の文字を構成要素としているとしても、外観において顕著な差異を有し、称呼及び観念においても上記の差異を有するものであり、上記した商標採択における取引界の実情をも合わせ考慮すれば、単に「ベアー」(熊)の称呼、観念において類似するとの請求人の主張は採用し難く、取引の場においては、本件商標を使用した商品が引用商標3ないし9を使用した商品とその出所につき誤認混同を生ずるおそれはないものとみるのが相当である。

(4)さらに、請求人は、弁駁書において、本件商標は引用商標10ないし14の商標とも類似する旨主張しているので、これらの商標との類否について判断する。
引用商標10ないし13は、別掲(4)ないし(7)に示したとおり、引用商標10の熊は、細線で輪郭を縁取られた内部を黄金状の色で表し、かつ、同色の太い楕円形で囲んだ構成からなるものであり、引用商標11の熊は、細線で輪郭を縁取られた内部をグレー状の色で表したものであり、引用商標12の熊は、目を白抜きにして全体を黒色で表したものであり、引用商標13の熊は、目を白抜きにして全体を茶系統の色で表したものである。
してみれば、本件商標と引用商標10ないし13の熊の図形とは、熊の姿態そのものが異なるばかりでなく、その描出方法にも差異があり、これらから受ける印象においても顕著な差異を有するものである。
加えて、これらの商標を「ベアー」(熊)の称呼、観念をもって捉える場合があるとしても、前述したとおりの事情が存する状況のもとにおいては、引用商標10ないし13の商標は、件外ゴールデン ベアー インターナショナル インコーポレイテッドの使用に係る「ベアー(熊)」として記憶され、認識されているものというべきであり、本件商標も前述のとおり、「Bear U.S.A.,Inc.(ベアーユーエスエーインク)」の「ベアー(熊)」として認識されているものというべきである。
そうとすれば、これらの商標は、いずれも「熊」を構成要素としているとしても、外観及び印象における顕著な差異と商標採択における取引界の実情を合わせ考慮すれば、単に「ベアー」(熊)の称呼、観念において類似するとの請求人の主張は採用し難く、取引の場においては、本件商標を使用した商品が引用商標10ないし13を使用した商品とその出所につき誤認混同を生ずるおそれはないものとみるのが相当である。
また、引用商標14は、別掲(8)に示したとおり、星と熊の構成からなるものであるから、本件商標とは、外観、称呼及び観念において著しい差異を有する別異の商標というべきである。

(5)してみれば、外観、称呼及び観念を総合して考察した場合、本件商標と引用商標1ないし14の各商標とを類似する商標であるとすることはできない。
なお、請求人が提出している審決例は、いずれも本件とは事案を異にし、事情を異にするものであるから、本件の判断の参考にはならない。
また、請求人は、被請求人が提出した委任状の署名について主張するところあるが、同一人による署名であっても、必ずしも常に同一のサインになるものとは限らず、仮に、請求人の主張のとおりであったとしても、そのことの故に、本件商標と引用各商標との類否についての上記判断に影響を与えるものではない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものでないから、商標法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲(1)
本件商標(登録第4345512号商標)

別掲(2)
引用商標1(登録第3335699号商標)

別掲(3)
引用商標2(登録第3335700号商標)

別掲(4)
引用商標10(登録第887884号商標)

(色彩については原本参照)
別掲(5)
引用商標11(登録第1630934号商標)

別掲(6)
引用商標12(登録第2516347号商標)

別掲(7)
引用商標13(登録第3255110号商標)

(色彩については原本参照)
別掲(8)
引用商標14(登録第3150491号商標)

(色彩については原本参照)
審理終結日 2003-07-17 
結審通知日 2003-07-23 
審決日 2003-08-05 
出願番号 商願平7-43991 
審決分類 T 1 11・ 262- Y (025)
T 1 11・ 263- Y (025)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 箕輪 秀人 
特許庁審判長 滝澤 智夫
特許庁審判官 野本 登美男
茂木 静代
登録日 1999-12-17 
登録番号 商標登録第4345512号(T4345512) 
商標の称呼 ベアーユウエスエイインコーポレーテッド、ベアーユウエスエイ、ベアー 
代理人 田中 敏博 
代理人 佐藤 一雄 
代理人 足立 勉 
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