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審決分類 審判 一部無効 商4条1項10号一般周知商標 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) Z10
管理番号 1093504 
審判番号 無効2001-35384 
総通号数 52 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-04-30 
種別 無効の審決 
審判請求日 2001-08-30 
確定日 2004-03-09 
事件の表示 上記当事者間の登録第4387328号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4387328号商標の指定商品中「医療用機械器具,家庭用電気マッサージ器」についての登録を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4387328号商標(以下「本件商標」という。)は、1998年10月5日アメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成11年3月16日に登録出願され、別掲に示すとおりの構成よりなり、第10類「医療用機械器具,氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,ほ乳用具,魔法ほ乳器,綿棒,指サック,避妊用具,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。),耳栓,医療用手袋,家庭用電気マッサージ器,しびん,病人用便器,耳かき」を指定商品として、同12年5月26日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証-1ないし同第17号証-3(枝番を含む。)を提出した。
請求人は、平成7年から、「遠赤外線治療器」に商標「On・Q」(以下「引用商標」という。)を使用しており、該商標を平成12年6月13日、第10類「遠赤外線治療器、その他の治療用機械器具」を指定商品として出願したところ、平成13年5月14日付けで被請求人の本件商標に類似するとの拒絶理由通知を受けた。
しかしながら、甲号各証に示すとおり、本件商標は、その指定商品中の医療用機械器具(遠赤外治療器具を含む)及びこれに類似する可能性がある家庭用電気マッサージ器について、請求人が使用している周知な引用商標に外観、称呼において類似するものであるから、商標法第4条第1項第10号に該当するものである。
なお、被請求人は、そのホームページ(甲第13号証)から、1985年に設立された腫瘍治療を専門とする医療機器の会社であることが認められ、商標「On〜Q」を特に麻薬を使用する痛み治療法に使用している(同号証第8頁)。そうとすれば、請求人が参加していたガンコンベンションに被請求人も当然、参加していたことが推認され、引用商標を知ることになったと推定される。
よって、本件商標は、商標法第46条第1項の規定により無効とされるべきである。

3 被請求人の答弁
審判長は、被請求人に対し審判請求書副本を送達し、この審判請求に対する答弁の機会を与えたところ、被請求人は、平成13年12月21日付けで期間延長請求書、平成14年1月21日付け及び同年4月22日付けでそれぞれ上申書を提出したが、本件の審理の猶予を求めるのみで、何ら答弁していない。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
(A)請求人の提出に係る甲号各証及び請求人の主張の全趣旨を総合すると、以下の事実が認められる。
(a)平成5年、請求人の代表取締役甲は、三友電気株式会社の常務取締役であったが、アイシー温灸器株式会社から、三井と女子(平成4年頃から温灸器を使用している治療師)が開発した遠赤外治療器の改良開発の要請を受けた。
(b)平成7年、三友電気株式会社は、その開発を完成し、この商品についてアイシー電気温灸器V2-C型として、平成7年9月28日、厚生省から医療用具承認番号07B857号を取得し、かつ製造承認を受けた(甲第1号証-1、同号証-2)。
(c)アイシー温灸器株式会社は、「On・Q」なる商標を付して上記遠赤外治療器の販売を開始した(甲第2号証)。なお、上記温灸器に関しては、意匠登録第936649号(甲第3号証-1及び2)、実用新案登録第3047172号も受けている(同号証-3)。
(d)アイシー温灸器株式会社は、平成7年4月倒産したので、甲は、平成7年4月頃から個人会社丼親堂本補を設立し、平成8年8月には請求人である有限会社丼親堂本補を設立し(甲第4号証)、前記温灸器の販売を開始した。
以後、平成10年までに、遠赤外治療器を年間約1000台、合計約4000台を販売し、当該商品のカタログを平成7年6月に5000部(甲第5号証の1及び2)、平成9年9月に1万部印刷し(甲第9号証の1及び2)、配布した。
また、請求人は、治療法の創案者三井と女子著「自分でできる温熱治療のポイント」(甲第10号-1)を、平成元年11月1日に初版として、平成5年2月1日に第2版として、平成8年11月1日に第3版として、それぞれ各1000部を出版した。いずれも、温熱療法がガン治療に有効であることが記載されている。
(e)アメリカ ガンコントロール協会日本支部主催の第1回日本ガンコントロールコンベンションが平成7年8月15・16日に東京で、第2回が平成8年8月24・25日に幕張メッセで、第3回が平成9年8月23日ないし25日の3日間、幕張メッセで開催され、三井と女子は、温熱療法に関する講演を行い、請求人は、それぞれの大会において、遠赤外治療器の商品カタログ各1000部を配布した(甲第10号証-1、甲第11号証、甲第12号証)。
(f)平成10年10月以降も引き続き、遠赤外治療器を年間約1500台、平成13年7月までに合計約9000台を販売し、当該商品のカタログを平成11年8月4日、約1万部印刷し、配布した(甲第15号証-1及び2)。
また、雑誌「健康ファミリー(平成12年3月号)」には、遠赤外温熱器「On・Q」の効果について、元東京女子医大教授 前田華郎教授の体験談が紹介されており(甲第16号証-1)、「健康ファミリー(平成12年10月号)」には、遠赤外温熱器「On・Q」の効果について「ガンと温熱効果」が紹介されている(甲第16号証-2)。
さらに、請求人は、神奈川県座間市商工会から「丼親堂本舗は平成6年5月に創立され、以来商品の遠赤外線治療器について、商標『On・Q』を付して販売を継続され、平成10年3月頃までには当該商標は、貴社が販売を継続された当該商品に係わるものとして、当商工会内及び我が国において広く知られていたことを証明します。」との証明書(甲第17号証-1)を受けている。
(B)以上の事実によれば、引用商標は、本件商標の出願時(優先権主張の基礎となった1998年10月5日当時)には、請求人の業務に係る商品「遠赤外線治療器」を表示するものとして、取引者・需要者の間に広く認識されていたものとみるのが相当であり、そのことは、本件商標の登録時においても変わらなかったものと認められる。
なお、引用商標が使用されている遠赤外線治療器の販売数量は必ずしも多いものとはいえないが、甲第16号証-1及び2の「健康ファミリー」によれば、該機器は、ガン等の難病に対して、血流を改善し、自然治癒力を高める効果がある旨紹介されているように、基礎的な側面において効果を発揮し得る機器と認められるものであるから、大量消費型商品とは、その性質を異にするものであり、販売数量の多寡をもって、直ちに周知性の認定を左右することにはならないものというべきである。
また、被請求人のホームページ(甲第13号証)によれば、被請求人は、1985年に設立された腫瘍治療を専門とする医療機器の会社であり、本件商標を特に麻薬を使用する痛み治療法に使用していることが認められ、その業務との関係からみれば、当然に前記ガンコンベンションに関心を持ち、あるいは、これに参加し、引用商標を知ることになったものと推認されても致し方のないところである。
そして、被請求人は、この点も含めて何ら答弁をしていない。

(2)商標及び商品の類否について
本件商標は、別掲に示したとおり、「ON〜Q(Qの文字はやゝ大きく表されている)」の文字を横書きしてなるものである。
これに対し、引用商標は、前記したとおり、「On・Q」の文字を横書きしてなるものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、「〜」記号と中点、「N」の文字の大文字・小文字及び「Q」の文字の大きさにおいて差異が認められるものの、両者の印象を異にするほどの差異ではなく、欧文字の配列を同一にするものであるから、いずれも「オンキュー」の称呼を生ずるものと認められ、外観においても相似たものというべきである。
したがって、本件商標は、引用商標と外観及び称呼において類似するものといわなければならない。
また、引用商標は、遠赤外線治療器に使用されているところ、該治療器は、厚生省から医療用具としての承認を受けていることからみれば、本件商標の指定商品中の「医療用機械器具」の範疇に属する商品と認められるものであり、また、商品カタログの記載に徴すれば、本件商標の指定商品中の「家庭用電気マッサージ器」とその用途、機能等を共通にすることの多い互いに類似する商品とも認められるものである。

(3)むすび
以上のとおりであるから、本件商標は、請求に係る指定商品である「医療用機械器具,家庭用電気マッサージ器」について、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものといわなければならない。
したがって、本件商標の指定商品中の「医療用機械器具,家庭用電気マッサージ器」についての登録は、同法第46条第1項の規定により、無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本件商標

審理終結日 2002-08-27 
結審通知日 2002-08-30 
審決日 2002-09-13 
出願番号 商願平11-23469 
審決分類 T 1 12・ 25- Z (Z10)
最終処分 成立  
前審関与審査官 三澤 惠美子 
特許庁審判長 宮下 正之
特許庁審判官 高野 義三
山口 烈
登録日 2000-05-26 
登録番号 商標登録第4387328号(T4387328) 
商標の称呼 オンキュウ、オンキュー、オオエヌキュウ、オーエヌキュー 
代理人 柳生 征男 
代理人 足立 泉 
代理人 川和 高穂 
代理人 中田 和博 
代理人 青木 博通 

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