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審決分類 |
審判 全部無効 商4条1項8号 他人の肖像、氏名、著名な芸名など 無効としない Z2930 |
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管理番号 | 1091945 |
審判番号 | 無効2002-35230 |
総通号数 | 51 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2004-03-26 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 2002-06-03 |
確定日 | 2004-02-24 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4532745号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4532745号商標(以下「本件商標」という。)は、「ういろうとうふ」の平仮名文字と「外郎唐腐」の漢字とを二段に併記してなり、平成13年2月27日に登録出願、第29類「食肉,食用魚介類(生きているものを除く。),肉製品,加工水産物,豆,加工野菜及び加工果実,冷凍果実,冷凍野菜,卵,加工卵,乳製品,食用油脂,カレー・シチュー又はスープのもと,なめ物,お茶漬けのり,ふりかけ,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,食用たんぱく」及び第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,酒かす」を指定商品として、同13年12月28日に設定登録されたものである。 2 請求人の主張 請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし同第14号証を提出した。 (1)本件商標は、前記したとおりの構成よりなるところ、構成中の「外郎」は、請求人の姓である。しかも、日本に唯一つしかない、顕著な請求人の氏名の姓そのものである。したがって、本件商標は、請求人(他人)の著名な氏名(姓)を含む商標であり、商標法第4条第1項第8号に該当し無効とされるべきものである。 (2)株式会社小学館発行の「日本国語大辞典」(甲第5号証)には、「ういろう[外郎][名](外郎(がいろう)は中国の官名、定員外の職員の意。『うい』は唐宋音)・元の礼部員外郎で、室町時代日本に帰化した陳宗敬の子孫の立てた家名。代々医薬を業とした。」と記載されている。 また、株式会社角川書店発行の角川大字源(甲第6号証)によっても、「「外郎」(ういろう)・元の礼部員外郎の陳宗敬が帰化して立てた家名。」と記載されている。 この陳宗敬の子孫の立てた家名の家が、請求人外郎家であり、「外郎(ういろう)」は、辞典にも明記されている著名な請求人外郎の家名であり、姓又は通称である。 (3)したがって、本件商標は、請求人(他人)の著名な氏名(姓)を含む商標であり、商標法第4条第1項第8号に該当し、無効とされるべきものである。 3 被請求人の答弁 被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べた。 (1)商標法第4条第1項第8号は「他人の肖像又は他人の氏名若しくは名称若しくは著名な雅号、芸名若しくは筆名若しくはこれらの著名な略称を含む商標」と規定されている。 そして、商標審査基準は、次のように説明している。 ア)本号でいう「他人」とは、現存する者とし、また、外国人を含むものとする。 イ)自己の氏名等と他人の氏名等が一致するときは、その他人の承諾を要するものとする。 ウ)本号でいう「著名」の程度の判断については、商品との関係を考慮するものとする。 (2)つまり、本号で定める他人の氏名とは、一個人を特定する氏・名であり、氏のみを対象としているものではない。 そして、請求人が主張する「外郎」は請求人の氏であって、氏名ではない。 (3)したがって、本件商標は商標法第4条第1項第8号に該当しない。 4 当審の判断 本件商標は「ういろうとうふ」及び「外郎唐腐」の文字よりなるものである。 請求人は、本件商標中の「外郎」の文字部分は、請求人の氏名の略称として著名である旨主張し、証拠方法として甲第2号証ないし同第14号証を提出した。 そして、請求人提出に係る甲各号証によれば、「外郎」の姓は、十五世紀から十六世紀前半にかけて、京都を中心に活動した唐人の医師「陳外郎」に由来するものであり、その後、この一族により伝えられた菓子や薬(透頂香)の名称としても有名になった事実が認められる。 しかしながら、現在において、「ういろう(外郎)」の文字に接する取引者・需要者は、これより、名古屋等の名産として有名な菓子「ういろう」を容易に認識するとみるのが相当であり、「ういろう(外郎)」の文字より特定の者の氏姓を認識する場合は極めて少ないと判断するのが相当である。そして、この取引者・需要者の認識が本件商標の登録査定時(平成13年11月6日)及びそれ以降大きく変化したとする事情は認められない。 そうとすれば、本件商標中の「外郎」の文字部分が、他人の氏名又は名称の著名な略称であるとする請求人の主張は認め難い 。 したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に違反して登録されたものではないから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきでない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2003-02-24 |
結審通知日 | 2003-02-27 |
審決日 | 2003-03-12 |
出願番号 | 商願2001-16630(T2001-16630) |
審決分類 |
T
1
11・
23-
Y
(Z2930)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 内山 進 |
特許庁審判長 |
上村 勉 |
特許庁審判官 |
小池 隆 鈴木 新五 |
登録日 | 2001-12-28 |
登録番号 | 商標登録第4532745号(T4532745) |
商標の称呼 | ウイロウトウフ、ウイロートーフ、トーフ |
代理人 | 福田 伸一 |
代理人 | 福田 賢三 |
代理人 | 福田 武通 |
代理人 | 藤井 冨弘 |