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審決分類 審判 全部無効 称呼類似 無効とする(請求一部成立)取り消す(申し立て一部成立) 132
管理番号 1090202 
審判番号 無効2001-35560 
総通号数 50 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-02-27 
種別 無効の審決 
審判請求日 2001-12-27 
確定日 2003-12-25 
事件の表示 上記当事者間の登録第2724371号商標の商標登録無効審判事件についてされた平成14年9月26日付け審決に対し、東京高等裁判所において審決取消の判決(平成14年(行ケ)第555号、平成15年5月22日判決言渡)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。 
結論 登録第2724371号の指定商品中「ビタミン、カルシウム、クロレラその他の栄養素を補給するための粉末状、錠剤状、顆粒状、ゼリー状、ペースト状、液状その他の加工食品」についての登録を無効とする。 その余の指定商品についての審判請求は成り立たない。 審判費用は、その2分の1を請求人の負担とし、2分の1を被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第2724371号商標(以下「本件商標」という。)は、平成3年1月14日に登録出願、「カミゲン」及び「加美源」の文字を二段に横書きしてなり、第32類「加工食料品、その他本類に属する商品」を指定商品として、同12年5月19日に設定登録されたものである。

2 請求人の引用する登録商標等
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録商標又は登録防護標章は、以下の(a)ないし(f)に示すとおりであり、いずれも現に有効に存続しているものである。
(a)昭和59年12月28日に登録出願、「カミゲン」、「かみげん」及び「髪源」の文字を三段に横書きしてなり、第1類「薬剤」を指定商品として、同63年5月26日に設定登録された登録第2050726号商標(以下「引用A商標」という。)
(b)平成1年3月6日に登録出願、「カミゲン」の文字を横書きしてなり、第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤、医療補助品」を指定商品として、同3年12月25日に設定登録、その後、当該商品の区分及び指定商品については、同13年12月26日付けで、第1類「化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),植物成長調整剤類」、第2類「カナダバルサム,壁紙剥離剤,コパール,サンダラック,シェラック,松根油,ダンマール,媒染剤,マスチック,松脂,木材保存剤」、第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,つけまつ毛用接着剤,洗濯用海草のり,洗濯用コンニャクのり,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり」、第4類「固形潤滑剤」、第5類「薬剤,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,歯科用材料」、第8類「ピンセット」、第10類「氷まくら,三角きん,支持包帯,手術用キャットガット,吸い飲み,スポイト,乳首,氷のう,氷のうつり,ほ乳用具,魔法ほ乳器,綿棒,指サック,避妊用具,人工鼓膜用材料,補綴充てん用材料(歯科用のものを除く。),耳栓」、第16類「事務用又は家庭用ののり及び接着剤」、第19類「タール類及びピッチ類」第21類「デンタルフロス」及び第30類「アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤」とする書換登録がされた登録第2362794号商標(以下「引用B商標」という。)
(c)昭和59年10月5日に登録出願、「髪之素」の文字を横書きしてなり、第32類「食肉、卵、食用水産物、野菜、果実、加工食料品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として、平成2年8月30日に設定登録された登録第2256847号商標(以下「引用C商標」という。)
(d)昭和60年1月29日に登録出願、「加美乃素」、「カミノモト」及び「KAMINOMOTO」の文字を三段に横書きしてなり、第32類「食肉、卵、食用水産物、野菜、果実、加工食料品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として、平成3年7月31日に設定登録、その後、当該商品の区分及び指定商品については、同13年8月29日付けで、第29類「食肉,卵,食用魚介類(生きているものを除く。),冷凍野菜,冷凍果実,肉製品,加工水産物,加工野菜及び加工果実,油揚げ,凍り豆腐,こんにゃく,豆乳,豆腐,納豆,加工卵,カレー・シチュー又はスープのもと,お茶漬けのり,ふりかけ,なめ物」、第30類「コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす」、第31類「食用魚介類(生きているものに限る。),海藻類,野菜,糖料作物,果実,コプラ,麦芽」及び第32類「飲料用野菜ジュース」とする書換登録がされた登録第2320430号商標(以下「引用D商標」という。)
(e)昭和26年7月21日に登録出願、別紙(1)に示すとおり「加美乃素」の文字を縦書きしてなり、第3類「髪油及髪液」を指定商品として、同31年2月20日に設定登録された登録第477022号商標(以下「引用E商標」という。)
(f)昭和47年7月28日に防護標章登録出願、別紙(1)に示すとおり「加美乃素」の文字を縦書きしてなり、第32類「食肉、卵、食用水産物、野菜、果実、加工食料品(他の類に属するものを除く)」を指定商品として、同57年9月9日に設定登録された登録第477022号商標に係る防護標章登録第15号についての標章(以下「引用F商標」という。)

3 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、証拠方法として甲第1号証ないし甲第21号証(枝番号を含む。)を提出し、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものであり、その登録は無効にされるべきである旨述べた。

4 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、証拠方法として乙第1号証ないし乙第3号証を提出し、本件商標は上記法条に該当するものではなく、その登録は無効にされるべきではない旨述べた。

5 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
(ア)本件商標と引用A及びB商標との類否について
本件商標は、「カミゲン」及び「加美源」の文字を二段に横書きしてなるところ、その構成中の片仮名文字部分が漢字部分の読みを特定したものといえるから、これよりは「カミゲン」の称呼を生ずるとみるのが自然であり、本件商標より特定の観念を生ずるということはできないから、本件商標は、その構成文字に相応し、「カミゲン」の称呼のみを生ずるといわざるを得ない。
他方、引用A商標は、「カミゲン」、「かみげん」及び「髪源」の文字を三段に横書きしてなり、引用B商標は、「カミゲン」の文字を横書きしてなるから、いずれも「カミゲン」の称呼を生ずるものである。
してみると、本件商標と引用A及びB商標は、「カミゲン」の称呼を同じくするものであり、かつ、本件商標の指定商品である「加工食料品、その他本類に属する商品」のうちの「加工食料品」中に包含される「ビタミン、カルシウム、クロレラその他の栄養素を補給するための粉末状、錠剤状、顆粒状、ゼリー状、ペースト状、液状その他の加工食品」と、引用A及びB商標の指定商品中「薬剤」に包含される「ビタミン剤」及び「滋養強壮変質剤」とは、本件商標の登録を認めた審決がなされた平成12年4月5日当時、その商品の内容、用途、及び、販売店舗、販売方法において共通する場合が多く、既に、一般の需要者にとって、その区別が付きにくく、商品として類似しているものであったといえるから、結局、本件商標は、その指定商品中の「ビタミン、カルシウム、クロレラその他の栄養素を補給するための粉末状、錠剤状、顆粒状、ゼリー状、ペースト状、液状その他の加工食品」については、商標法第4条第1項第11号に該当するものである。しかしながら、その指定商品中の前記商品を除く残余の商品については、引用A及びB商標の指定商品と類似するものとは認められないから、同法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(イ)本件商標と引用C及びD商標との類否について
本件商標は、上記したとおりであるところ、引用C商標は、「髪之素」の文字を横書きしてなり、また、引用D商標は、「加美乃素」、「カミノモト」及び「KAMINOMOTO」の文字を三段に横書きしてなるから、引用C及びD商標からは、いずれも「カミノモト」の称呼を生ずると認められる。
しかして、本件商標より生ずる「カミゲン」の称呼と引用C及びD商標より生ずる「カミノモト」の称呼とを比較すると、両称呼は、その音構成及び音数に明らかな差異が認められるから、容易に区別し得るものである。
そして、本件商標と引用C及びD商標とは、その外観、観念が紛らわしいものとはいえないから、非類似の商標といわざるを得ない。
(ウ)本件商標と引用E及びF商標との類否について
本件商標は、上述のとおりであるところ、引用E及びF商標は、別掲に示すとおり、「加美乃素」の文字を縦書きしてなるので、「カミノモト」の称呼を生ずると認められる。
そして、引用E及びF商標についても引用C及びD商標と同様に判断し得るから、本件商標と引用E及びF商標とは、その称呼、外観及び観念において紛らわしいものとはいえない非類似の商標と認められる。
(2)商標法第4条第1項第15号について
(ア)請求人提出の全証拠及び主張の全趣旨よりしても、引用A及びB商標が、本件商標の登録出願前より特定の商品に使用され、取引者、需要者の間に広く認識されていたものとは認められないから、これをもって、商標法第4条第1項第15号に該当するということはできない。
(イ)次に、本件商標は、上記したとおり、引用C及びD商標とは非類似のものであって、引用E及びF商標についても同様というべきであるから、たとえ、引用E及びF商標が本件商標の登録出願時に、請求人の業務に係る商品「頭髪用化粧品」の商標として需要者の間において広く認識されていたとしても、被請求人が本件商標をその指定商品に使用した場合、取引者、需要者が引用E及びF商標を連想・想起したり、その商品が請求人又は請求人と組織的、経済的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのごとく、その出所について混同を生ずるおそれはないものと認める。
(3)むすび
してみると、本件商標は、引用A及びB商標との関係においては、その指定商品中の「ビタミン、カルシウム、クロレラその他の栄養素を補給するための粉末状、錠剤状、顆粒状、ゼリー状、ペースト状、液状その他の加工食品」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものというべきであるから、当該商品についての登録は、商標法第46条第1項の規定により無効とする。
他方、本件商標は、引用A及びB商標における上記商品以外の商品との関係、及び引用C及びD商標並びに引用E及びF商標との関係においては、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれにも違反して登録されたものではないから、商標法第46条第1項の規定により、上記商品以外の指定商品についての登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
請求人の引用E及びF商標

審理終結日 2002-09-09 
結審通知日 2002-09-12 
審決日 2002-09-26 
出願番号 商願平3-2613 
審決分類 T 1 11・ 262- ZC (132)
最終処分 一部成立  
前審関与審査官 柴田 良一 
特許庁審判長 小池 隆
特許庁審判官 鈴木 新五
柴田 昭夫
登録日 2000-05-19 
登録番号 商標登録第2724371号(T2724371) 
商標の称呼 カミゲン 
代理人 村越 祐輔 
代理人 吉村 公一 
代理人 館石 光雄 
代理人 萼 経夫 

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