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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない Z30
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Z30
管理番号 1090190 
審判番号 審判1999-11838 
総通号数 50 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2004-02-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1999-07-19 
確定日 2003-12-25 
事件の表示 平成9年商標登録願第185896号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲に示すとおりの構成よりなり、第30類「植物醗酵食品,穀物の加工品」を指定商品として、平成9年12月15日に登録出願され、その後指定商品については、同11年4月22日及び同11年7月19日付け手続補正書により、「玄米を酵素醗酵させた植物発酵食品・穀物の加工品」と補正されたものである。

2 原査定の理由
原査定は、「本願商標は、『玄米酵素』の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、これをその指定商品に使用するときは需要者に『玄米酵素、玄米酵素を使用した穀物の加工品』であることを認識させ、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり「玄米酵素」の文字を行書体風に書してなるところ、株式会社岩波書店発行「広辞苑 第5版」には、「玄米」の文字は、「まだ精白してない米」、又「酵素」の文字は「生体内で営まれる化学反応に触媒として作用する高分子物質。生体内で物質代謝に関与する。蛋白質またはこれと補酵素と呼ばれる低分子物質との複合体。」と記載されていることが認められる。
ところで、近時、日本人の食生活は、日常の生活の多様化等の生活環境の変化や食生活を取り巻く社会的状況において、朝食の欠如、ファーストフード等の加工食品やインスタント食品への依存によって引き起こされる肥満、糖尿病、高血圧等の生活習慣病の増加が深刻化する一方で、食物繊維、カルシウム、ビタミン等の栄養成分のバランス不足が健康への障害となっていることは、一般の需要者の間にもよく知られているところである。
そして、このような食生活を取り巻く社会的状況において、食物繊維、カルシウム、ビタミン等の栄養成分を添加したことを付加価値とするバランス食品やバランス飲料等の商品が多数市場に出回っていることも周知の事実である。
このような商品は、本願指定商品の加工食品を取り扱う分野においても、白米を主食とした食事から麦、玄米等を主食とした食事への移行が見られ、その栄養価をバランスよく消化、吸収するために、クロレラ、麹、葉緑素等の栄養成分を添加し、微生物の酵素作用により栄養価を高めた発酵食品等として、市販されている実情にある。
また、加うるに「玄米酵素のルーツ」として、「玄米の胚芽と糠を培地に麹菌(アスペルギールスオリーゼ菌)を加えて純水培養したもので、自然のまま以上に、強い酵素生産力をもつ菌種の育成に成功して、昭和29年厚生省の認可を得て『神原菌』G.A.Mの薬品名にて広く販売し(健康保険の採用薬)色々な病気に成果を上げました。・・・このようにして、玄米酵素は『医薬品』としてスタートしたのですが、薬事法の改定で医薬品として販売するには、酵素だけを抽出と他の豊富な栄養素や麹菌を排除しなければならず、それでは玄米酵素の意味がなくなるため、以後『食品』に一本化現在に至っております。」とインターネット情報においてもみられるところである。
上記事実と取引の実情よりすると、「玄米酵素」の文字よりなる本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、「酵素の作用による玄米」あるいは「玄米に酵素の作用を添加した商品」なる意味合いを表したものと容易に理解し、自他商品を識別する標識たる商標とは認識し得ないものとみるのが相当である。
してみると、本願商標は、これをその指定商品中、前記商品について使用しても、単にその商品の品質、効能を表示するにすぎないものであって、それ以外の商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
なお、請求人は、「玄米酵素」という呼び方は請求人の造語であること、「玄米酵素」という物質、名称は存在していないこと、請求人より宣伝広告されている旨主張している。
しかしながら、本願指定商品は、前記のとおり「玄米を酵素醗酵させた植物発酵食品・穀物の加工品」とするものであるから、「玄米」及び「酵素」の語を、前記のとおり理解することを困難にすべき事情を認めることはできない。
そうすると、本願商標が指定商品に関して用いられた場合には、この語に接した取引者、需要者はそれを妨げる何か特別の事情がない限り、むしろ自然に「酵素の作用による玄米」あるいは「玄米に酵素の作用を添加した商品」を示す語として認識することになるものというべきである。
また、一般に取引過程において、商品の品質を表すものとして必ず使用されなければならないものではなく、現に品質表示として使用されている事実も存在しないと主張するが、商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべきである。
さらに、請求人は、「玄米酵素」の文字を付した商品の広告宣伝をしたことが認められるが、請求人以外においても「玄米酵素」の文字を広告宣伝していることが見受けられ、かつ、請求人自身も資料(ホームページ)において、「植物性微生物により発酵培養し、消化、吸収しやすく酵素化した保険食品です。」と記載しており、該資料からは前記の意味を有するものと理解され、自他商品の識別機能を持たないものであるから、請求人の主張は採用することができない
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものであるから、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 本願商標

審理終結日 2003-03-10 
結審通知日 2003-03-24 
審決日 2003-04-22 
出願番号 商願平9-185896 
審決分類 T 1 8・ 272- Z (Z30)
T 1 8・ 13- Z (Z30)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 内藤 順子 
特許庁審判長 宮下 正之
特許庁審判官 高橋 厚子
小林 和男
商標の称呼 ゲンマイコーソ 
代理人 倉持 裕 
代理人 竹沢 荘一 
代理人 中馬 典嗣 
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