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審決分類 審判 一部申立て  登録を取消(一部取消、一部維持) Z011011162125
審判 一部申立て  登録を取消(一部取消、一部維持) Z011011162125
審判 一部申立て  登録を取消(一部取消、一部維持) Z011011162125
審判 一部申立て  登録を取消(一部取消、一部維持) Z011011162125
管理番号 1083816 
異議申立番号 異議2002-90245 
総通号数 46 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2003-10-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2002-04-19 
確定日 2003-08-21 
異議申立件数
事件の表示 登録第4536139号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4536139号商標の指定商品中、第1類「化学品」、第11類「あんどん,ちょうちん,ガスランプ,石油ランプ,ほや,工業用炉,原子炉,火鉢類,ボイラー,ガス湯沸かし器,加熱器,業務用揚物器,業務用食器乾燥機,業務用炊飯器,業務用煮炊釜,業務用焼物器,業務用レンジ,飼料乾燥装置,牛乳殺菌機,乾燥装置,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器,暖冷房装置(業務用空気清浄機を除く),太陽熱利用温水器,浴槽類,ごみ焼却炉」についての商標登録を取り消す。 本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4536139号商標(以下「本件商標」という。)は、「きれいな空気」の文字(標準文字による)よりなり、平成12年4月27日登録出願、
第1類「化学品,植物成長調整剤類,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),高級脂肪酸,非鉄金属,非金属鉱物,原料プラスチック,パルプ,工業用粉類,肥料,写真材料,試験紙,人工甘味料,陶磁器用釉薬」、
第11類「電球類及び照明用器具,あんどん,ちょうちん,ガスランプ,石油ランプ,ほや,工業用炉,原子炉,火鉢類,ボイラー,ガス湯沸かし器,加熱器,調理台,流し台,業務用揚物器,業務用食器乾燥機,業務用炊飯器,業務用煮炊釜,業務用焼物器,業務用レンジ,冷凍機械器具,アイスボックス,氷冷蔵庫,飼料乾燥装置,牛乳殺菌機,乾燥装置,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器,暖冷房装置(業務用空気清浄機を除く),便所ユニット,浴室ユニット,美容院用又は理髪店用の機械器具(いすを除く。),太陽熱利用温水器,浄水装置,家庭用電熱用品類(空気清浄器を除く),浴槽類,家庭用浄水器,水道蛇口用座金,水道蛇口用ワッシャー,水道用栓,タンク用水位制御弁,パイプライン用栓,汚水浄化槽,し尿処理槽,家庭用汚水浄化槽,家庭用し尿処理槽,ごみ焼却炉,洗浄機能付き便座,洗面所用消毒剤ディスペンサー,便器,和式便器用いす,あんか,かいろ,かいろ灰,湯たんぽ,化学物質を充てんした保温保冷具」、
及び第10類、第16類、第21類、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同14年1月18日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由
(1)本件商標構成中の「空気」の文字部分は、商品の普通名称であり、また、「きれいな」の文字部分は、「空気」を修飾する語であり、「きれいな空気」の語は、「汚れのない、清潔な空気」などを意味するから、本件商標をその指定商品、第1類の「空気」について使用する場合には、商標法3条1項1号、同3号または同6号に該当し、第1類の「空気」以外の商品に使用した時には同法4条1項16号に該当する。
(2)本件商標構は、「汚れのない、清潔な空気」などを観念させる。第11類に属する指定商品は「きれいな空気」に大いに関係がある。一般需要者も、本件商標をみて「空気を汚さない商品」、「環境に優しい商品」だと理解するに止まる。本件商標は、第11類に属する指定商品に関し商品の品質、効能表示であるから、商標法3条1項3号または同6号に該当する。

3 本件商標に対する取消理由の要旨
(1)「きれいな空気」とは、一般的には「濁り・汚れのない空気、清浄・清潔な空気」のことをいうものと理解されるところ、近年、地球環境問題や生活環境の保全の観点から、自治体、企業、家庭を問わず、きれいな空気を維持・保全する取り組みが行われており、「きれいな空気」の語は、各種文献、商品広告中にも盛んに用いられていることを認めることができる。
そして、そもそも、このような記述的な表示にして、多くの場面において使用されている語は、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものというべきであり、また、商品を流通過程又は取引過程に置く場合に必要な表示は、何人も使用する必要があり、かつ、何人もその使用を欲するものであるから、一私人に独占を認めるのは妥当でない。
(2)これを本件商標の指定商品中の第1類「化学品」との関係についてみれば、「きれいな」の語は、商品の特性、品質を表示するにすぎないものであり、「空気」の語は、「化学品」に属する商品「空気」の普通名称であるから、本件商標を第1類「化学品」中の「空気」について使用しても、これに接する取引者・需要者をして、単に商品の品質を表したものと理解、認識させるにすぎないものであり、また、これを「空気」以外の「化学品」について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
(3)また、第11類に属する商品中には、稼動・使用することにより空気の汚染に繋がる商品・各種機器類、逆に、「きれいな空気」の保持に寄与する商品等々、「きれいな空気」との関連性の強い商品が多く含まれている。
してみれば、本件商標を第11類に属する指定商品について使用しても、これに接する取引者・需要者をして、当該商品が「空気を汚さない商品、環境に優しい商品」であることを表したものと理解・認識させるにとどまり、何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標といわなければならない。
(4)したがって、本件商標の指定商品中の第1類「化学品」についての登録は、商標法3条1項3号及び同法4条1項16号に違反してされたものであり、また、第11類に属する指定商品についての登録は、商標法3条1項6号に違反してされたものである。

4 商標権者の意見の要旨
(1)本件商標は、第1類中の「空気」について品質表示であるとの認定は納得できるが、それ以外の商品について品質の誤認が生じるおそれはない。「空気」以外の「化学品」に属する商品は、それ自体「空気」とは全く無関係であり、本件商標は「きれいな空気」という、あるイメージを伴った造語商標であり、化学品との関係においては自他商品識別力を有する商標である。
(2)本件商標は、第11類中の一部の指定商品との関係において取消理由指摘のような問題を挙げ得るとしても、これを第11類の全ての商品には適用できない。
(3)本件商標は、「空気」、「きれいな空気」、「きれいな空気の保持に対する取り組み」と無縁な商品についてまで取消の対象とされるべき理由はない。

5 当審の判断
(1)第1類の指定商品について
(ア)本件商標は、前記したとおり、「きれいな空気」の文字(標準文字による)よりなるところ、その構成中の「きれいな」の文字(語)は、その後に続く「空気」の文字(語)を形容するものであって、本件商標からは、全体として「濁り・汚れのない空気、清浄・清潔な空気」の意味を理解させるものである。そして、その構成中の「空気」の文字は、指定商品の普通名称に通じる語でもある。
したがって、本件商標を、その指定商品、第1類の「空気」について使用する場合には、当該商品が「濁り・汚れのない空気、清浄・清潔な空気」であることを認識・理解させるに止まり、商品の品質を表示するにすぎないというべきである。
そして、本件商標の指定商品の第1類中の「化学品」には、「空気」をはじめ、無機あるいは有機の化学的基礎製品や界面活性剤や化学剤が含まれるところ、これらは、その生産者や取引・流通経路を共通にする、互いに関連を有する商品である。
そうとすれば、「濁り・汚れのない空気、清浄・清潔な空気」の意味を理解させる本件商標を、「空気」以外の「化学品」に使用するときには、それがあたかも「空気」であるかのごとく、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるというのが相当である。
(イ)登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標を、第1類の「空気」以外の指定商品に使用した時には商標法4条1項16号に該当すると申し立てているが、本件商標の第1類の指定商品中、「化学品」以外の「植物成長調整剤類,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),高級脂肪酸,非鉄金属,非金属鉱物,原料プラスチック,パルプ,工業用粉類,肥料,写真材料,試験紙,人工甘味料,陶磁器用釉薬」は、「化学品」とりわけ、「空気」とは、その生産者や取引・流通経路をいささか異にし、用途も一致するとはいえないから、本件商標を第1類の「化学品」以外の商品に使用しても商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるということはできないと判断される。
(2)第11類の指定商品について
(ア)申立人の提出した甲第5号証のインターネットホームを介したショッピング情報によれば、「きれいな空気をつくる」との表示のもと、「オゾン発生消臭殺菌機」が取り扱われていることが認められる。
また、甲第8号証の各枝番に示されているインターネット情報には、「きれいな空気や水を維持するために、大気汚染の原因となる硫黄酸化物や窒素酸化物の低減のため、ボイラー燃料に硫黄分の少ない重油や都市ガスを使用したり」との表示(甲第8号証の1)、「きれいな空気を保全するため、事業者が行う焼却施設を使用しない燃焼不適物の焼却(野焼き)の禁止」との表示(甲第8号証の2)、「所沢にきれいな空気を取り戻すための条例」「焼却物を保有する事業者は、焼却炉の運転に注意を払い、ダイオキシン類及び有害物質を発生させないように努めること。」との定めがあることの表示(甲第8号証の3)、「あなたはきれいな空気を吸っていますか」「………エアコンやストーブを使うときは、どうしても窓を閉めきりがちです。………換気をしないと空気がしだいに汚れていってしまうのです。」との表示(甲第8号証の5)がされていることが認められるところである(なお、上記の事実・実情が本件商標登録前には存在していなかったとは認め得ない。)。
(イ)このような事情からすれば、本件商標を第11類に属する指定商品中、稼動することにより空気の汚染に直接繋がる商品、あるいは、大気の環境汚染に関連する商品、すなわち、「あんどん,ちょうちん,ガスランプ,石油ランプ,ほや,工業用炉,原子炉,火鉢類,ボイラー,ガス湯沸かし器,加熱器,業務用揚物器,業務用食器乾燥機,業務用炊飯器,業務用煮炊釜,業務用焼物器,業務用レンジ,飼料乾燥装置,牛乳殺菌機,乾燥装置,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器,暖冷房装置(業務用空気清浄機を除く),太陽熱利用温水器,浴槽類,ごみ焼却炉」に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、当該商品が「空気を汚さない商品」あるいは「大気に関して環境に優しい商品」であることを表したものと理解・認識させるにとどまり、何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標といわなければならない。
(ウ)そして、本件商標の指定商品中、第11類に属する上記以外の商品は、稼動することにより空気の汚染や環境汚染と直接的に関係する商品とはいえないから、これらの商品に本件商標を使用しても需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができないということはないとみるのが相当である。
(3)結論
以上、本件商標は、その指定商品中、第1類の「空気」については商標法3条1項3号に違反して、また、「空気」以外の「化学品」については同法4条1項16号に違反して、さらに第11類中の「あんどん,ちょうちん,ガスランプ,石油ランプ,ほや,工業用炉,原子炉,火鉢類,ボイラー,ガス湯沸かし器,加熱器,業務用揚物器,業務用食器乾燥機,業務用炊飯器,業務用煮炊釜,業務用焼物器,業務用レンジ,飼料乾燥装置,牛乳殺菌機,乾燥装置,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器,暖冷房装置(業務用空気清浄機を除く),太陽熱利用温水器,浴槽類,ごみ焼却炉」については、同法3条1項6号に違反して、それぞれ登録されたものといわざるを得ず、商標法43条の3、2項により、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
異議決定日 2003-07-03 
出願番号 商願2000-45604(T2000-45604) 
審決分類 T 1 652・ 11- ZC (Z011011162125)
T 1 652・ 16- ZC (Z011011162125)
T 1 652・ 272- ZC (Z011011162125)
T 1 652・ 13- ZC (Z011011162125)
最終処分 一部取消  
特許庁審判長 宮下 正之
特許庁審判官 高橋 厚子
宮川 久成
登録日 2002-01-18 
登録番号 商標登録第4536139号(T4536139) 
権利者 小林製薬株式会社
商標の称呼 キレイナクーキ 
代理人 稗苗 秀三 
代理人 松田 省躬 
代理人 大島 泰甫 
代理人 後藤 誠司 

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