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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 025
審判 全部申立て  登録を維持 025
審判 全部申立て  登録を維持 025
管理番号 1081941 
異議申立番号 異議1999-91536 
総通号数 45 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2003-09-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-11-22 
確定日 2003-08-04 
異議申立件数
事件の表示 登録第4298088号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第4298088号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第4298088号商標(以下「本件商標」という。)は、「BEAR」の欧文字を横書きしてなり、第25類「被服,履物」を指定商品として、平成8年7月19日登録出願、同11年7月23日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由(要旨)
1.商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、以下に示す登録商標と「ベアー」の称呼及び「熊」の観念において類似する商標である。
(1)別掲(A)のとおりの構成よりなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として、平成6年12月1日登録出願、同9年8月1日に設定登録された登録第3335699号商標(以下「引用A商標」という。)
(2)別掲(B)のとおりの構成よりなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子,運動用特殊衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として、平成6年12月1日登録出願、同9年8月1日に設定登録された登録第3335700号商標(以下「引用B商標」という。引用A商標と合わせていうときは、以下「引用各商標」という。)
2.商標法第4条第1項第10号について
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、引用各商標の商標権を米国の映画会社であるワーナー・ブラザーズ・インコーポレイテッドより譲り受け、これらを用いた商品の展開を行っているヴァルキリー・コーポレイションの、日本におけるライセンシーである(これらの3者をまとめていうときは、以下「申立人ら」という。)。引用各商標は、本件商標の登録出願前よりサーフィン関連商品をはじめ、Tシャツ、ジャケット等の被服等について使用される商標として、著名であった。
そして、本件商標と引用各商標は、前記1.で述べたとおり、「ベアー」の称呼及び「熊」の観念において類似する商標である。
3.商標法第4条第1項第15号について
引用各商標は、もともとサーフボードを表示するものとして世界的に著名な商標となっていたものであるから、その著名性ゆえに、サーフボード以外の商品であっても、これら商品に引用各商標と類似する本件商標が使用されるときは、申立人らの取扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせる。
4.したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。

第3 当審の判断
1.商標法第4条第1項第11号について
(1)被服等の分野における取引の実情
本件商標及び引用各商標が使用される指定商品、特に被服等の分野においては、犬、猫、熊、パンダなど動物の名称や図柄を使用した商標が好んで採択、使用されていることは取引の実情に照らし明らかである。
このような取引の実情にあって、「熊」の観念を生ずる図柄や「BEAR」、「ベアー」等の語自体に、自他商品の識別機能が全くないとはいえないとしても、強い識別力が備わっているものとは認め難いところである。
そうすると、「熊」の観念、「ベアー」の称呼を生ずる商標に接するこの種商品の需要者は、商標の外観的特徴や「BEAR」等の語に付加された他の図形・文字等の差異によって、様々な「BEAR」、「ベアー」などの語よりなる商標を識別しているものというのが相当である。
(2)前記(1)で述べた被服等の分野における取引の実情を考慮して本件商標と引用各商標の類否について検討する。
本件商標は、前記したとおり、「BEAR」の文字を書してなるものであるから、その構成文字に相応して、「ベアー」の称呼及び「熊」の観念を生ずるものである。
これに対して、引用A商標は、別掲(A)のとおりの構成よりなるものであるところ、その構成中に「BEAR」の文字部分を有するものであるから、この点においては、本件商標と共通するものであるといえる。
しかしながら、引用A商標は、上下左右の先端が鋭く尖り、その形状において、極めて特徴的といえる子持ち菱形状図形内に、写実的に描かれた熊の上半身の図形、該熊の図形に重なるように白抜きの籠字で書された「BEAR」の文字及び熊の図形の左右に書された「SNOW」、「BOARDS」の各文字が極めて収まりよく配置されてなるものである。
してみると、引用A商標は、特徴的な子持ち菱形状図形、並びに該図形内にまとまりよく配置された写実的な熊の図形、「BEAR」の文字及び「SNOW」、「BOARDS」の各文字全体の不可分一体性は極めて強いものであって、前記した被服等の分野における取引の実情を併せ考えると、引用A商標に接する需要者は、その構成全体の外観上の特徴に印象付けられると同時に、子持ち菱形状図形内に配された図形及び文字より、「スノーボードのベアー(熊)」として記憶し、認識して、他の商標と識別して商品の取引に当たる場合が多いとみるのが相当である。
また、引用B商標は、別掲(B)のとおりの構成よりなるものであるところ、引用A商標における「SNOW」の文字部分が「SURF」に置き換わっただけで、他の構成要素は引用A商標とすべて同一のものである。
してみると、引用B商標は、引用A商標と同様に、これに接する需要者は、構成全体の外観上の特徴に印象付けられ、かつ、子持ち菱形状図形内に配された図形及び文字より、「サーフボードのベアー(熊)」として記憶、認識するというのが相当である。
そうすると、本件商標と引用各商標とは、「BEAR」の文字において共通するものであるとしても、その全体の構成において、外観上大きく相違するばかりでなく、需要者に与える印象においても明らかに異なるものであり、本件商標と引用各商標が使用される被服等の取引の実情をも併せて考慮すると、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、引用各商標が使用された商品との間に出所について誤認混同を生じさせるおそれは極めて少ないといわざるを得ない。
したがって、本件商標と引用各商標は、商標法第4条第1項第11号にいう類似の商標ということはできない。
2.商標法第4条第1項第10号及び同第15号について
甲第1号証(平成7年審判第20949号事件における審判請求書及び該請求書に添付した甲第1号証ないし甲第26号証及び甲第29号証ないし甲第91号証;これらの甲号証については、以下「別件甲第○号証」という。)に添付の別件甲第10号証ないし同甲第26号証及び別件甲第29号証ないし同甲第90号証によれば、引用B商標は、ヴァルキリー・コーポレイションの日本におけるライセンシーによって、本件商標の登録出願前よりサーフボードについて使用され、我が国においてもその需要者の間で広く認識されていたというのが相当である。
また、引用B商標は、サーフボード時に用いられるジャケット等の被服などについても、本件商標の登録出願前より使用されていたことが認められる。
しかしながら、サーフボードと被服とは、商品の用途、生産者、販売場所等において異なる場合が多いのみならず、サーフボード愛好者の多くは若者を中心とした世代であることからすると、引用B商標がサーフボード時に用いられるジャケット等の被服について、本件商標の登録出願前より使用されていたとしても、老人から子供までを含む一般的な消費者を主たる需要者とする被服一般の分野においてまで、引用B商標が周知性を獲得していたと認めることはできない。
加えて、前記1.で認定したとおり、本件商標と引用B商標とは、商標それ自体異なるものである。
そうすると、本件商標は、これをその指定商品について使用しても、需要者をして該商品が申立人ないしこれと業務上何らかの関係を有する者の取り扱いに係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれは極めて少ないといわざるを得ない。
3.むすび
以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第10号及び同第15号に違反して登録されたものでない。
したがって、本件商標は、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 (A)引用A商標



(B)引用B商標



異議決定日 2003-07-17 
出願番号 商願平8-81301 
審決分類 T 1 651・ 25- Y (025)
T 1 651・ 26- Y (025)
T 1 651・ 271- Y (025)
最終処分 維持  
前審関与審査官 田中 亨子 
特許庁審判長 滝沢 智夫
特許庁審判官 野本 登美男
茂木 静代
登録日 1999-07-23 
登録番号 商標登録第4298088号(T4298088) 
権利者 ベアー、ユー、エス、エー、インコーポレーテッド
商標の称呼 ベアー 
代理人 菊地 栄 
代理人 佐藤 一雄 
代理人 矢崎 和彦 
代理人 志知 俊秀 
代理人 吉武 賢次 

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