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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 117
管理番号 1081631 
審判番号 取消2001-31043 
総通号数 45 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2003-09-26 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2001-09-20 
確定日 2003-07-17 
事件の表示 上記当事者間の登録第1014780号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第1014780号号商標(以下「本件商標」という。)は、「E・TON」の欧文字「イートン」の片仮名文字とを二段に書してなり、昭和44年9月10日に登録出願、第17類「被服、布製身回品」を指定商品として昭和48年5月24日に設定登録、同58年8月29日、平成5年6月29日及び同14年12月17日に存続期間の更新登録がされたものである。

2 請求人の主張の要点
請求人は、登録第1014780号商標の指定商品中「被服」についての登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。との審決を求め、その理由を概要、次のように述べている。
(1)本件審判の請求人は前記指定商品の一部と同一の商品「被服」について商標「ETON」の使用を切望している。
(2)本件商標の指定商品中「被服」について本件審判請求の日から遡って過去3年以上、実際に使用されている事実を見出すことは出来なかった。したがって、本件商標の指定商品中「被服」は、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

3 被請求人の答弁の要点
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求める。」と主張し、乙第1号証ないし乙第8号証を提出している。
(1)被請求人は、本件審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において、本件請求に係る指定商品「被服」に含まれることが明らかな「ポロシャツ,ベスト,セーター」について、本件商標を使用しているので、本件商標は、商標法50条1項の規定には該当せず、その指定商品中「被服」について登録の取消を求められる理由はない。
(2)先ず、乙第1号証は、本件商標の商標権者であるセルフインターナショナル株式会社が、取引先の大西衣料株式会社に対し、平成13年9月10日付で、「E・TON」の文字よりなる商標を織ネームと下札に使用した「ポロシャツ」(品番:149926の商品)を譲渡したことを立証する納品伝票である。この「ポロシャツ」の商品は、サイズによって枝番が付されていて、乙第1号証では、枝番「15」のものが9個、枝番「16」のものが6個、枝番「17」のものが10個、枝番「27」のものが1個譲渡されている。
乙第2号証は、大西衣料株式会社の2001年9月30日付けの売上月報であり、セルフインターナショナル株式会社から品番「149926」のポロシャツを仕入れていることが表示されている。また、乙第2号証において、品番「149926」の欄を見ると、上記した枝番「17」のポロシャツは、大西衣料株式会社における商品の管理番号である「DM-No」が「42537」の商品であることが表示されている。
一方、乙第3号証は、大西衣料株式会社が、2001年8月20日以降、顧客に対して継続的に頒布している商品カタログ「秋物シリーズ/継続販売セット」の実物である。この商品カタログの第7頁上段左側には、「E・TON」の文字よりなる商標を、織ネームと下札に使用した「スクールポロシャツ」の商品が掲載されており、その商品の「DM-No」は「72537」と表示されている。従って、平成13年9月10日付でセルフインターナショナル株式会社から大西衣料株式会社に対して譲渡された乙第1号証の品番「149926」、枝番「17」の「ポロシャツ」は、「E・TON」の文字よりなる商標が織ネームと下札に使用された乙第3号証の商品に相違ないことが明らかである(乙第1〜3号証)。
(3)また、セルフインターナショナル株式会社は、「ベスト」についても本件商標を使用している。すなわち、乙第4号証は、セルフインターナショナル株式会社が、大西衣料株式会社に対し、平成13年9月10日付で、「E・TON」の文字よりなる商標を織ネームと下札に使用した「ベスト」(品番:148549の商品)を譲渡したことを立証する納品伝票である。この「ベスト」の商品は、サイズによって枝番が付されていて、乙第4号証では、枝番「01」のものが2個、枝番「02」のものが8個、枝番「03」「04」「05」のものが各5個、枝番「06」のものが8個譲渡されている。
乙第5号証は、大西衣料株式会社の2001年9月30日付けの売上月報であり、セルフインターナショナル株式会社から品番「148549」のベストを仕入れていることが表示されている。また、乙第5号証において、品番「148549」の欄を見ると、上記した枝番「01」のベストは、大西衣料株式会社における「DM-No」が「72544」の商品であることが表示されている。
一方、乙第3号証の商品カタログの第7頁に掲載されている「スクールベスト」の商品は、DM-Noが「72544」のものであるから、平成13年9月10日付で、セルフインターナショナル株式会社から大西衣料株式会社に対して譲渡された乙第4号証の品番「148549」、枝番「01」の「ベスト」は、「E・TON」の文字よりなる商標が織ネームと下札に使用された乙第3号証の商品に相違ないことが明らかとなるのである(乙第3〜5号証)。
(4)さらに、セルフインターナショナル株式会社は、「セーター」についても本件商標を使用している。すなわち、乙第6号証は、セルフインターナショナル株式会社が、大西衣料株式会社に対し、平成13年9月11日付で、「E・TON」 の文字よりなる商標を織ネームと下札に使用した「セーター」(品番:148768の商品)を譲渡したことを立証する納品伝票である。この「セーター」の商品は、サイズによって枝番が付されていて、乙第6号証では、枝番「11」のものが2個譲渡されている。前述した乙第5号証には、大西衣料株式会社が、セルフインターナショナル株式会社から品番 「148768」のセーターを仕入れていることが表示されている。また、乙第5号証において、品番「148768」の欄を見ると、上記した枝番「11」のセーターの商品は、大西衣料株式会社における「DM-No」が「72550」の商品であることが表示されている。
一方、乙第3号証の商品カタログの第7頁に掲載されている「スクールセーター」の商品は、DM-Noが「72550」のものであるから、平成13年9月11日付で、セルフインターナショナル株式会社から大西衣料株式会社に対して譲渡された乙第6号証の品番「148768」、枝番「11」の「セーター」は、「E・TON」の文字よりなる商標が織ネームと下札に使用された乙第3号証の商品に相違ないことが明らかとなるのである(乙第3、5、6号証)。
(5)被請求人は、平成13年9月10日及び11日の時点で、本件商標を付した「ポロシャツ,ベスト,セーター」を取引先に譲渡していたのであり、被請求人の上記行為は、商標法2条3項2号に定める 「商品又は商品の包装に標章を付したものを譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引き渡しのために展示し、又は輸入する行為」に該当するものである。
一方、商標法50条1項に定める「継続して3年」の起算点は予告登録の日であるところ、本件審判は、平成13年10月17日に予告登録されている(乙第7号証)。また、被請求人は、本件審判の請求書副本が送達されるまで、本件審判の請求がなされたことを知り得なかったものであるため、商標法50条3項の適用がないことは明らかである。従って、本件審判については、被請求人が本件商標の使用の事実を立証すべき期間は、平成10年10月17日〜平成13年10月16日までとなる。
そうだとすれば、本件商標は、上記期間内である平成13年9月10日及び11日の時点で日本国内において、取消の対象となった指定商品「被服」に含まれることが明らかな「ポロシャツ,ベスト,セーター」について、被請求人が使用していたものであるから(乙第1〜6号証)、商標法50条1項の規定には該当せず、その指定商品中「被服」について登録の取消を求められる理由は全くないものである。
(6)ところで、本件商標は、左から一連に「E・TON」と横書きすると共に、その下側に片仮名「イートン」を併記してなるものである(乙第8号証)。これに対して、商標権者が使用する商標は、ローマ字「E・TON」のみを表示したものである(乙第3号証)。
しかしながら、本件商標において「イートン」の文字は、上段の「E・TON」の文字の読みを表した振り仮名としての機能を有するに過ぎない。また、ローマ字「E・TON」のみで使用しても、本件商標と同一の「イートン」の称呼のみが生じ、本件商標と別異の称呼、観念が生ずる余地もないから、乙第3号証に示す本件商標の使用形態は、自他商品の識別標識として本件商標と同一の機能を果たすものであり、社会通念上、本件商標の使用と認め得る範囲のものであることは明らかである。
(7)以上説明したように、本件商標は、本件審判請求の予告登録前3年以内に日本国内において、取消の対象となった指定商品「被服」の範疇に含まれる「ポロシャツ,ベスト,セーター」について被請求人が使用していたものであるから、本件の商標登録は商標法第50条第1項の規定によって取り消されるべきではない。

4 当審の判断
被請求人が提出した乙第1号証は、大西衣料株式会社が、セルフインターナショナル株式会社から平成13年9月10日に商品を納入した際の納品伝票(控)の写しであり、取引先名として「セルフインターナショナルカブ」、その3行目の品名/セット番号欄には「72537」、品番欄に「149926」、数量10、原単価欄に「14400」、原価金額欄に「144000」、売単価欄に「18960」の記載がある。
乙第2号証は、大西衣料株式会社の2001年9月30日付けの売上月報の写しであり、品名欄に「Kスクールポ(72537)」、メーカー欄に「セルフインターナ」、ヒンバン欄に「149926」の記載がある。
乙第3号証は、大西衣料株式会社が、2001年8月20日以降、顧客に対して頒布している商品カタログ「秋物シリーズ/継続販売セット」である。この商品カタログの第7頁上段左側には、商品「ポロシャツ」が掲載されており、その商品の織ネームと下札に「E・TON」の文字よりなる商標が使用され、「DM-No」が「72537」と表示されている。
以上の事実によって、平成13年9月10日に商標権者(平成14年12月11日付けで株式会社イートンに登録名義人の表示変更を行っているが、平成13年9月10日において、商標権者の名称はセルフインターナショナル株式会社である。)は、大西衣料株式会社に対して、「E・TON」の文字よりなる商標を織ネームと下札に使用する商品「ポロシャツ」を譲渡し、大西衣料株式会社はこれを同年9月30日までに顧客に販売したことを認めることができる。
さらに、前記「ポロシャツ」の織ネームと下札に使用する「E・TON」の文字よりなる商標は、本件商標と社会通念上同一と認め得るものである。
なお、請求人は、被請求人の答弁に対し、何ら弁駁していない。
したがって、本件商標は、本件審判請求の予告登録日前3年以内に商標権者により、本件取消に係る指定商品「被服」に含まれる「ポロシャツ」について使用されていたと認め得るものであるから、本件の商標登録は商標法第50条第1項の規定により取り消すべきではない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 2003-02-14 
結審通知日 2003-02-19 
審決日 2003-03-07 
出願番号 商願昭44-81069 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (117)
最終処分 不成立  
特許庁審判長 小林 薫
特許庁審判官 薩摩 純一
岩崎 良子
登録日 1973-05-24 
登録番号 商標登録第1014780号(T1014780) 
商標の称呼 イートン 
代理人 佐藤 辰彦 
代理人 千葉 剛宏 
代理人 溝上 哲也 
代理人 岩原 義則 
代理人 溝上 満好 

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