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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 025
審判 全部申立て  登録を維持 025
管理番号 1077031 
異議申立番号 異議1999-90296 
総通号数 42 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2003-06-27 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-02-22 
確定日 2003-04-09 
異議申立件数
事件の表示 登録第4209200号商標の商標登録に対する登録異議の申立事件についてされた平成12年10月12日付け取消決定に対し、東京高等裁判所において決定取消の判決(平成12年(行ケ)第430号、平成14年10月30日判決言渡)があったので、さらに審理のうえ、次のとおり決定する。 
結論 登録第4209200号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第4209200号商標(以下「本件商標」という。)は、平成6年12年19日に登録出願され、別掲のとおりの構成よりなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同10年11月13日に設定登録がなされたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)ザ ポロ/ローレン カンパニー リミテッド パートナーシップ(以下「異議申立人1」という。)の登録異議の申立ての理由
本件商標は、「騎乗したポロプレーヤー」の図形と「Polo」の文字を含む欧文字とを表したものであり、異議申立人1がその業務に係る被服、眼鏡等の商品に使用し広く一般に知られている標章(以下「異議申立人1使用商標」という。)と構成の軌を一にするものであるから、本件商標をその指定商品に使用した場合は、商品の出所について混同を生ずるおそれがある。 したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してなされたものであるから、取り消されるべきである。 (2)上野衣料株式会社(以下「異議申立人2」という。)の登録異議の申立ての理由
ア 本件商標に含まれる「CAMBRIDGE UNIVERSITY/POLO CLUB」は、2段に併記された構成であるため、外観上「POLO CLUB」が分離して認識されるのみならず、「被服」を初め各種商品に広く使用された結果、異議申立人2の商標として周知著名な「POLO CLUB」の文字を含むものであるから、簡易迅速を尊ぶ取引の実際においては、この周知著名であってかつ一般に親しみやすい「POLO CLUB」の部分が看者の注意を強くひき、これが「ポロクラブ」と称呼されるものである。
一方、登録1617024号商標(以下「引用登録商標」という。)は、昭和52年10月8日に登録出願され、「Polo Club」の文字よりなり、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、同58年9月29日に設定登録がなされたものである。引用登録商標から「ポロクラブ」の称呼を生じることが明らかであり、本件商標は、引用登録商標と称呼上類似し、また、その指定商品も抵触関係にあるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
イ また、「POLO CLUB」は「被服」を初めとする各種商品に関する総合ライセンスブランドとしても周知著名であるから、「POLO CLUB」の文字を含む本件商標をその指定商品に使用したとき、あたかも異議申立人2の業務に係る商品のごとく商品の出所につき誤認を生ずるおそれがあり、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。
よって、本件商標の登録は、取り消されるべきである。

3 当審の判断
本件商標は、別掲の構成よりなり、横向きの馬にまたがりマレットを振り上げ疾走するポロ競技中の競技者の黒塗りの図形を上段に表し、その下に「C.U.P.C.」、「CAMBRIDGE UNIVERSITY」及び「POLO CLUB」の欧文字を3段に表してなるものである。そして前記欧文字のうち「C.U.P.C.」は、やや小振りの太字体をもって、「CAMBRIDGE UNIVERSITY」及び「POLO CLUB」は、通常の印刷書体により同大の文字で表されているものである。
そして、本件商標中の「CAMBRIDGE UNIVERSITY」の文字部分は、英国の伝統と由緒ある著名な「ケンブリッジ大学」の名称を表すものであり、本件商標の中央にバランス良く配され、その文字構成中に占める割合が最も大きいところから、他の部分と比べて、看者の注意をひく程度が著しく強く、商品の出所表示機能が強い部分であると認められる。また、この「CAMBRIDGE UNIVERSITY」の文字部分とその下段に表されている「POLO CLUB」の文字部分とは、通常の印刷書体により同大の文字で表されており、その文字配置も全体として一体感があるものである。そして、大学において、運動クラブなど各種のクラブ活動が行われていることは顕著な事実といえる。
そうしてみると、本件商標中の「CAMBRIDGE UNIVERSITY」及び「POLO CLUB」の文字部分全体からは、「ケンブリッジ大学に関連したポロ競技のクラブ」との意が自然に想起され得るところであり、本件商標の構成中「CAMBRIDGE UNIVERSITY」の文字部分が看者の注意を強くひき、その「POLO」又は「POLO CLUB」の文字部分は、商標全体の中に埋没して、この文字部分のみが単独で看者の注意をひくことはないといえるものである。また、異議申立人1使用商標は、異議申立人1が提出した甲各号証によれば、本件商標の登録出願時及び登録査定時において周知著名となっていたと認められるが、本件商標中の「騎乗したポロプレーヤー」の図形は、馬及びポロ競技者を横から見た姿を表したもので、マレットの頭部を左上の方向にかざし、全体を黒く塗りつぶしたシルエットであるのに対し、異議申立人1使用商標中の「騎乗したポロプレーヤー」の図形は、馬及びポロ競技者をほぼ正面から見た姿を表したもので、マレットの頭部は右上の方向にかざし、図形全体に明暗の陰影をつけたやや縦長のものであって、外観上、両「騎乗したポロプレーヤー」の図形は異なった印象を与えるものである。もっとも、馬に乗ったポロ競技者を表している点で観念において類似するところはあるが、それとても「CAMBRIDGE UNIVERSITY」の文字部分が有する上記の強い自他商品識別力とは比べるべくもない。
以上によれば、本件商標は、異議申立人1使用商標、引用登録商標及び異議申立人が周知著名とする商標「POLO CLUB」と称呼、観念及び外観のいずれにおいても類似しないというべきである。また、本件商標は、その指定商品に使用した場合、これより、異議申立人1使用商標又は異議申立人2が周知著名とする商標「POLO CLUB」を連想、想起し、その商品が異議申立人1又は2、あるいは同人と緊密な営業上の関係若しくは同一の表示による商品化事業を営むグループに属する関係にある営業主の業務に係る商品であると誤信し、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その商標登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲 本件商標

異議決定日 2000-10-12 
出願番号 商願平6-128437 
審決分類 T 1 651・ 271- Y (025)
T 1 651・ 26- Y (025)
最終処分 維持  
前審関与審査官 箕輪 秀人 
特許庁審判長 上村 勉
特許庁審判官 小池 隆
鈴木 新五
登録日 1998-11-13 
登録番号 商標登録第4209200号(T4209200) 
権利者 ザ ユニバーシティー オブ ケンブリッジ
商標の称呼 シイユウピイシイ、ケンブリッジユニバーシティーポロクラブ、ケンブリッジユニバーシティー、ポロクラブ 
代理人 今村 元 
代理人 岡田 稔 
代理人 曾我 道照 
代理人 山内 淳三 
代理人 黒岩 徹夫 

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