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審決分類 |
審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない Z32 |
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管理番号 | 1075438 |
審判番号 | 不服2001-11230 |
総通号数 | 41 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2003-05-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2001-06-29 |
確定日 | 2003-04-11 |
事件の表示 | 商願2000-11480拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本願商標は、別掲に示すとおりの構成よりなり、第33類「発泡酒」を指定商品として、平成12年2月14日に登録出願、その後、指定商品については、同13年4月9日付け手続補正書により、第32類「ビール風味の麦芽発泡酒」に補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定は、「本願商標は、『ビール』を表示するものと認められる『麦酒』『BAKUSHU』の文字を有してなるので、これを本願指定商品発泡酒に使用するときは、該商品があたかもビールであるかのごとく品質につき誤認を生じさせるおそれがあるものと認められる。なお、インターネットによれば、国産ビールの表示については、酒類業組合法、食品衛生法により、必要とされる表示事項が決まっており、必要な表示事項 1、ビールである旨 『ビール』または『麦酒』あるいは『○○ビール』と表示してある。不当表示の禁止 1、ビールでないものをビールであるかのように誤認されるおそれがある表示。等が記載されている。(仮に、第32類に属する『ビール風味の麦芽発泡酒』について本願商標を使用しても同じであり、また、これらは『ホップス(サントリー)』、『ドラフティー(サッポロビール)』のように『ビール』の文字は使用されていない。)したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審の判断 本願商標は、別掲に示すとおりの構成よりなるところ、その構成中に「麦酒」及び「BAKUSHU」の文字を有するものであり、その「麦酒」は、「酒精飲料の一、麦芽(主として大麦)を粉砕して水と共に加熱し、糖化した汁にホップを加えて苦みと芳香とをつけ、これに酵母を加えて発酵させて造る。ビア。」(広辞苑 第5版)を意味する語であり、「BAKUSHU」は、「ばくしゅ(麦酒)」と理解され、「麦をかもした酒、すなわちビール(広辞苑 第5版)を意味する語である。 そして、酒税法の第2条(酒類の定義及び種類)によれば、「酒類」は、「清酒、合成清酒、しょうちゅう、みりん、ビール、果実酒類、ウイスキー類、スピリッツ類、リキュール類、及び雑種」の10種類に分類されている。 また、「ビール」は、「(イ)麦芽、ホップ、及び水を原料として発酵させたもの。(ロ)麦芽、ホップ、水及び米その他の政令で定める物品を原料として発酵させたもの、但し、その原料中当該政令で定める物品の重量の合計が麦芽の重量の10分の5をこえないものに限る。」と規定されている。 そして、「発泡酒」は、「麦芽を原料の一部とした酒類で発泡性を有する雑種」に分類されている。 さらに、国産ビールの表示については、酒類業組合法(第86条の5,6、施行令第8条の3,4)、食品衛生法(第11条、施行規則第5条)により、必要とされる表示事項が決まっているほか、消費者の適正な商品選択を保護し、公正な競争を確保するため、昭和54年「ビールの表示に関する公正競争規約」が公正取引委員会の認定を受けて制定されている。 上記のビールの表示に関する公正競争規約(以下「規約」という。)の、第1条「目的」では、「ビールの取引について行う表示に関する事項を定めることにより、一般消費者の適正な商品選択を保護し不当な顧客の誘引を防止し、公正な競争を確保することを目的とする。」 同規約第3条(必要な表示事項)では、「事業者は、ビールの容器又は包装に次に掲げる事項を、それぞれビールの表示に関する公正競争規約施行規則(以下「施行規則」という。)に定めるところにより、見やすい場所に邦文で明りょうに表示しなければならない。」 そして、施行規則第2条(必要な表示事項の表示基準)には、「(1)ビールである旨、『ビール』または『麦酒』と表示する。銘柄名等に○○ビールとあるものは、それにより当該表記を行ったものとする。」 さらに、規約第6条(不当表示の禁止)には、「事業者は、ビールの取引に関し次の各号に掲げる表示をしてはならないとして(1)ビールでないものをビールであるかのように誤認されるおそれのある表示、(2)ビールの品質がビール以外の他の商品より特にすぐれているかのように誤認されるおそれがある表示」とあり、施行規則第4条(不当表示の禁止)には、「規約第6条に掲げる不当表示には、次の表示が含まれるとして(1)ビールでない飲料に『○○ビール』、『○○ビヤー』、『○○スタウト』等の名称及びビールと誤認される絵・図柄・写真等を表示すること。」等を規定している。 また、昭和57年には、「輸入ビールの表示に関する公正競争規約」が設けられている。 その内容は、国産ビールの基準とほぼ同じであり、外国産であるため容器には原産国、輸入業者の名称、住所地の表示が義務づけられている。 以上を総合すれば、「ビール(麦酒)」と「発泡酒」とは、酒類が異なるほか、表示方法等の規制が異なっていることが認められる。 そうとすれば、「麦酒」及び「BAKUSHU」の文字を有する本願商標を、指定商品「ビール風味の麦芽発泡酒」に使用した場合、それがあたかも「ビール(麦酒)」であるかのごとく商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるとみるのが相当である。 したがって、本願商標を商標法第4条第1項第16号に該当するものであるから、これと同旨の理由をもって本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 本願商標 (注)色彩については、原本を参照されたい。 |
審理終結日 | 2003-02-13 |
結審通知日 | 2003-02-14 |
審決日 | 2003-03-03 |
出願番号 | 商願2000-11480(T2000-11480) |
審決分類 |
T
1
8・
272-
Z
(Z32)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 高山 勝治 |
特許庁審判長 |
上村 勉 |
特許庁審判官 |
中田みよ子 鈴木 新五 |
商標の称呼 | プレミアムテーストファインアロマ、ブンゴバクシュ、ブンゴビール |
代理人 | 戸島 省四郎 |