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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない(当審拒絶理由) Z07 審判 査定不服 商4条1項16号品質の誤認 登録しない(当審拒絶理由) Z07 |
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管理番号 | 1072120 |
審判番号 | 不服2000-13987 |
総通号数 | 39 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2003-03-28 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2000-09-04 |
確定日 | 2003-01-23 |
事件の表示 | 平成11年商標登録願第 41969号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標 本審判事件に係る平成11年商標登録願第41969号(以下「本願」という。)は、商標の構成を標準文字による片仮名文字「ハイブリッドシリンダ」(以下「本願商標」という場合がある。)とし、指定商品を第7類に属する本願の願書に記載の商品として、平成11年5月12日に出願されたものである。そして、指定商品については、平成12年5月30日付の手続補正書をもって「シリンダ,電気-油圧式サーボシリンダ」と縮減補正されたものである。 2 当審の拒絶理由 本願商標について合議した結果、審判長が請求人(出願人)に対して平成14年6月19日付拒絶理由通知書をもって通知した本願の拒絶理由は、要旨次のとおりである。 <拒絶理由の要約> 本願商標は、「ハイブリッドシリンダ」の片仮名文字よりなるところ、その構成後半の「シリンダ」の文字部分は、上記補正後の指定商品を表示したものと理解させ、これに「ハイブリッド」の文字を冠したものと看取させるものである。そして、該「ハイブリッド」(hybrid)の文字は、本来、「雑種」「混成」といった意味の語ではあるが、近時においては、「ハイブリッドカー」、「ハイブリッドIC」、「ハイブリッド コンピューター」及び「ハイブリッド カーナビ」等と称しているところであって、「ハイブリッド」の文字は各種機器類において異なる機能・機構等を混成させたものを表す語として普通に使用されているものといえる。 また、「ハイブリッド」の文字(語)は、上記機器類のほか、電気や流体の持つエネルギーを機械力に変換する装置であるところのアクチュエーターにおいても「ハイブリッドアクチュエーター」と称して使用されていることが産業分野の新聞記事において認められるところであって、本願指定商品中のアクチュエーターの流体の変換に用いられる油圧機器の一である「油圧シリンダー」に本願商標を使用するときは、「ハイブリッドアクチュエーター」に用いられる「油圧シリンダー」を想起・認識する場合が決して少なくないといわなければならない。そして、「ハイブリッドシリンダー」の用語は、産業分野の新聞記事において、例えば、1998年04月08日付日刊工業新聞、及び1985年01月08日付日経産業新聞に、また、各種企業の製品を紹介するいわゆるインターネット上の情報に「最新型多機能ベンダー」、「住宅用機器」の紹介情報中で掲載がされているところである。 以上によれば、「ハイブリッド」の文字(語)は、シリンダーをはじめ各種機器類を取り扱う業界においては、「異なる機能・機構等を混成させたもの」すなわち、その機能・機構等の組み合わせは、各種機器ないしは各企業の製品により相違する場合があるとしても、上記意味合いを表すものと理解・認識され、かつ、普通に用いられる文字(語)とみて差し支えないものといえるから、「ハイブリッドシリンダ」の文字を片仮名表記してなる本願商標をその指定商品「シリンダ,電気-油圧式サーボシリンダ」に使用するときは、前記事情よりして、「ハイブリッドアクチュエーター」に用いる「油圧シリンダー」ないしは異なる機能、機構等を特長とする商品であること端的に表現したものと理解させるに止まり、それをもって商品の出所を識別する標識とは認識し得ないものといわなければならない。 したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するものといわざるを得ない。また、これを上記商品以外のハイブリッド化されていない商品について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当するものというべきである。 3 当審の判断 本願商標についてした上記2の拒絶理由は妥当であって、これにおいて認定したとおり、「ハイブリッドシリンダ」の文字を片仮名表記してなる本願商標をその指定商品「シリンダ,電気-油圧式サーボシリンダ」に使用するときは、「ハイブリッドアクチュエーター」に用いる「油圧シリンダー」ないしは異なる機能、機構等を特長とする商品であること端的に表現したものと理解させるに止まり、それをもって商品の出所を識別する標識とは認識し得ないものと判断するのが取引の実情よりみて相当である。また、本願商標を上記商品以外の指定商品について使用するときは、あたかも該商品がハイブリッド化されたものであるかの如く、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。そして、請求人は、この拒絶理由に対し、意見を述べるところがない。 してみれば、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条1項第16号に該当し、これを登録することができない。 よって、結論のとおり審決する |
審理終結日 | 2002-10-08 |
結審通知日 | 2002-11-01 |
審決日 | 2002-11-14 |
出願番号 | 商願平11-41969 |
審決分類 |
T
1
8・
16-
WZ
(Z07)
T 1 8・ 272- WZ (Z07) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 津金 純子 |
特許庁審判長 |
宮下 正之 |
特許庁審判官 |
高橋 厚子 高野 義三 |
商標の称呼 | ハイブリッドシリンダ、ハイブリッド |
代理人 | 久保 幸雄 |