ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード![]() |
審決分類 |
審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 107 |
---|---|
管理番号 | 1069416 |
審判番号 | 審判1999-30715 |
総通号数 | 37 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2003-01-31 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 1999-06-09 |
確定日 | 2002-12-03 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第2347487号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第2347487号商標の指定商品中「リノリューム製建築専用材料,プラスチック製建築専用材料,合成建築専用材料,アスファルトおよびアスファルト製建築または構築専用材料,その他の建築または構築専用材料,木材」については、その登録は取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第2347487号商標は(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、昭和62年5月13日に登録出願され、第7類「建築又は構築専用材料、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成3年10月30日に設定登録、その後、平成13年10月23日に商標権存続期間の更新登録がされ、さらに、同13年10月9日に商標権の指定商品について書換登録の申請があった結果、第6類「建築用又は構築用の金属製専用材料」とする書換登録が、平成14年3月20日になされているものである。 2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 (1)本件商標は、請求人が調査するも、その指定商品「第7類 リノリューム製建築専用材料,プラスチック製建築専用材料,合成建築専用材料,アスファルトおよびアスファルト製建築または構築専用材料,その他の建築または構築専用材料,木材」について、継続して少なくとも過去3年以上に亘り日本国内において、被請求人により使用されている事実を発見することはできなかった。また、被請求人以外の者が、被請求人から本件商標を当該指定商品について専用使用権又は通常使用権の許諾を受けて、本件商標を本件審判請求前に継続して過去3年以上に亘り使用している事実も見出せなかった。 (2)被請求人が乙第1号証として提出した「ウェアーハウザー・トラスシステム」の商品案内は、本件審判の取消請求に係る指定商品について本件商標が使用されている事実を示す証拠とはなり得ないものである。 被請求人が使用証拠として提出している乙第1号証によれば、本件商標が使用されている商品は、「ネイルプレート」であると思料される。その使用証拠には、当該商品が「溶融亜鉛メッキ」の施されたものである旨の記載があるが、当該商品がいかなる材質からなるものであるかについては全く記載されていない。 また、当該商品「ネイルプレート」が屋根トラス構造体用のプレートジョイントであり、通常そのような商品は、金属製の商品であると考えられる。そうとすれば、被請求人が使用している商品は、本件商標に係る指定商品中「第7類 金属製建築又は構築専用材料」の範疇に属するものであり、これは、本件審判の取消請求に係る指定商品には含まれないものである。 したがって、乙第1号証によって、被請求人は、本件審判の請求前3年以内に日本国内において被請求人、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件審判の取消請求に係る指定商品「第7類 リノリューム製建築専用材料,プラスチック製建築専用材料,合成建築専用材料,アスファルトおよびアスファルト製建築または構築専用材料,その他の建築または構築専用材料,木材」のいずれかについての本件商標の使用をしている事実を証明したことにはならないので、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。 3 被請求人の答弁 被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証を提出した。 被請求人は本件審判請求前から今日に至まで日本の数社と商取引を行っており、本件商標の指定商品である建築材料に本件商標を付したものを日本に輸出している。 また、取引先である東京都港区北青山1-2-3 青山ビル所在の「ウェアーハウザー・ジャパン株式会社」において、本件商標を表示した取引商品案内「ウェアーハウザー・トラスシステム」(平成10年8月8日印刷)を配布している。 以上の理由により、本件商標は指定商品に使用されているので、本件商標が最近3年間不使用であったとの理由で取り消すことはできない。 4 当審の判断 本件商標に係る商標権は、前記1のとおり当該商標権について平成14年3月20日に書換登録がなされたものであるところ、その効力は登録により生ずるものである(商標法附則第12条第1項)。 ところで、商標法第50条による商標登録の取消審決が確定したときは、当該商標権は、審判請求の登録の日(予告登録日)に遡及して消滅したものとみなされる(商標法第54条第2項)。 しかして、本件審判について商標登録原簿の記載によれば、その審判請求の登録の日(予告登録日)は、書換登録の効力の生ずる以前の平成11年6月30日であることを確認し得た。 そうとすれば、本件審判の取消請求に係る指定商品「リノリューム製建築専用材料,プラスチック製建築専用材料,合成建築専用材料,アスファルトおよびアスファルト製建築または構築専用材料,その他の建築または構築専用材料,木材」は、本件審判請求の登録の日(予告登録日)時点において、その登録を取り消すべき対象物たり得るものと認められる。 そこで、被請求人が提出した乙第1号証(商品案内「ウェアーハウザー・トラスシステム」)によれば、その中で「ネイルプレート」と項見出しのもと、「・・・研究開発を続けているアルパイン社製の3種類のネイルプレートを使用しています。」の記載及び本件商標を使用しているとする商品「ネイルプレート」の写真が掲載されているのが認められる。そして、その頁の右上隅に本件商標と社会通念上同一と認められる商標を使用しているのが認められる。 しかして、乙第1号証を総合勘案すると、本件商標を使用しているとする商品「ネイルプレート」は、当該商品の写真及びネイルプレートの種類等の記載からして、金属製の建築材料の一種と認められる。 そうとすれば、被請求人が本件商標を使用しているとする商品は「金属製の建築材料」であると認め得るものであり、当該商品は、本件取消請求に係る指定商品「リノリューム製建築専用材料,プラスチック製建築専用材料,合成建築専用材料,アスファルトおよびアスファルト製建築または構築専用材料,その他の建築または構築専用材料,木材」の範囲には含まれないものである。 してみれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において取消請求に係る指定商品について使用されていなかったものといわざるを得ず、また、使用されなかったことについて正当な理由があるものとも認められない。 したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その指定商品中の「結論掲記の指定商品」についての登録を取り消すべきものとする。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 「本件商標」![]() |
審理終結日 | 2002-07-03 |
結審通知日 | 2002-07-08 |
審決日 | 2002-07-24 |
出願番号 | 商願昭62-51833 |
審決分類 |
T
1
32・
1-
Z
(107)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 市川 久雄、佐藤 正雄 |
特許庁審判長 |
小池 隆 |
特許庁審判官 |
山口 烈 田中 幸一 |
登録日 | 1991-10-30 |
登録番号 | 商標登録第2347487号(T2347487) |
商標の称呼 | アルパイン |
代理人 | 村橋 史雄 |
代理人 | ウオーレン・ジー・シミオール |
代理人 | 石田 昌彦 |