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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 126
管理番号 1068087 
審判番号 審判1997-16499 
総通号数 36 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2002-12-27 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 1997-09-29 
確定日 2001-10-12 
事件の表示 上記当事者間の登録第944088号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 商標法第50条の規定により、登録第944088号商標の指定商品中「印刷物」についてはその登録は、取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第944088号商標(以下「本件商標」という。)は、「デール・カーネギー」の文字を書してなり、昭和44年7月8日に登録出願、第26類「印刷物、書画、彫刻、写真、これらの附属品」を指定商品として、昭和47年1月14日に登録され、その後、昭和57年4月30日及び平成4年10月29日の2回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされれているものであるが、指定商品中「写真」については商標登録を取り消すべき旨の審決が平成11年3月18日に確定し、その登録が平成11年5月26日になされているものである。
そして、平成8年法律第68号による改正前の商標法において、本件商標と相互に連合となっていた登録第673178号商標(以下、「連合商標」という。)は、「DALE CARNEGIE」の欧文字を横書きしてなり、昭和38年2月4日に登録出願、第26類「印刷物、書画、彫刻、写真、これらの附属品、ただし、この商標が特定の著作物の表題(題号)として使用される場合を除く」を指定商品として、昭和40年4月12日に登録され、その後、3回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第3号証を提出した。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品「印刷物」について、継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
本件商標は、「デール・カーネギー」で登録になっているのに対し、その指定商品「印刷物」について、甲第1号証(被請求人発行のパンフレットの表紙)によれば「デール・カーネギー・コース使用テキスト」として、甲第2号証(被請求人発行のパンフレットの表紙)によれば「デール・カーネギー・トレーニング」として使用されているから、いずれも本件商標とは同一でなく明らかに異なる商標を使用している。
したがって、本件商標は、その指定商品「印刷物」について使用されていない。
(2)答弁に対する弁駁
乙第1号証(請求人提出の甲第1号証に相当する、以下同じ)は、デール・カーネギー・コース参加者用マニュアルの題号を表示したものであり、また乙第2号証(請求人提出の甲第2号証に相当する、以下同じ)は、デール・カーネギー・トレーニングの内容を示す題号であるから、商標の使用に該当しないこと明らかである。
これに関する判例として、書籍の頭号として「POS実践マニュアル」[POSの導入と実際」等の表示を用いても、それらは「POS」に関する書籍であるという内容を示すにすぎないから、商標の使用ではないと判示している甲第3号証(東京地裁昭62(ワ)9572号、POS事件、昭63・9・16判決)を提出する。
被請求人は、上段に「Dale Carnegie」、下段に「Course」

negie」を使用していると主張している。
乙第1号証には、「デール・カーネギー・コース」、「デール・カーネギー・コース参加マニュアル」と記載されていることから明らかなように、「Dale Carnegie」と「Course」との結びつきが強く、しかも「Course」だけでは単独での意味を有しないので、2段に表示されていても、「デール・カーネギー・コース」と一連に認識されるものであるから、乙第1号証は、本件商標と社会通念上同一の商標を使用するものでないこと明らかである。
乙第2号証は、上段に「デール・カーネギー・トレーニング」、中段に「The Dale Carnegie」、下段に「TRAINING」と表示するものであるところ、上段はフリガナと認識されることと、全体として「デールカーネギーの訓練」の意味に認識されるものであるから、「ザデールカーネギートレーニング」の称呼のみが生じるものであり、「ザデールカーネギー」「デールカーネギー」の称呼は生じないから、本件商標と社会通念上同一の商標を使用するものでないこと明らかである。
被請求人は、乙第5号証(被請求人作成、発行の書籍「The Little Recognized Secret of Success」)を提出して、本件商標を使用していると主張している。
乙第5号証には、上段に「DALE CARNEGIE」、下段に

示が付されている。
本件商標は、カタカナで表示し、かつ、「デール」と「カーネギー」との間に点が付されているのに対し、使用している態様は、全て欧文字で、かつ、点が無く、しかも「DALE CARNEGIE」と「TRAINING」とを2段に表示するものであるから、本件商標と社会通念上同一の商標を使用しているものでないこと明らかである。
前記甲第3号証によれば、出所表示機能を有しない態様の場合は、商標の使用と認められない旨判示している。
したがって、乙第5号証が仮に、「デール・カーネギー」と社会通念上同一の商標を表示したと認められたと仮定しても、「DALE CARNEGIE」は、乙第5号証の印刷物の著者であるから、出所表示機能を有しないものである。
即ち、「デール・カーネギー」の著作物の著作権は、既に消滅しているものであるから、何人もこの著作物を複製し、「テール・カーネギー」の著作物であることを表示することができるものであるから、「DALE CARNEGIE」という著作者の名前が出所表示機能を有しないこと明らかである。
3 被請求人の答弁
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第11号証を提出した。
(1)被請求人は、乙第1号証及び同第2号証を提出する。
本件商標の構成は、乙第3号証(商標登録原簿)及び同第4号証(商標公告公報)の記載から明らかなとおり、「デール・カーネギー」の片仮名文字よりなる。乙第1号証における「Dale Carnegie Course」の表示、及び乙第2号証における「The Dale Carnegie TRAINING」の表示は、被請求人が行う講座名を表示するとともに商標を示したものであり、題号を示したものではない。すなわち、「Dale Carnegie Course」につ

付し、「Course」の文字は分離して別行に配慮して、「Dale Carnegie」が商標であることを明示している。
また、「The Dale Carnegie TRAINING」についても、「The」の文字を小さく、「TRAINING」はすべて大文字で表記し、分離して別段に記載し、「Dale Carnegie」の文字を大きく表し、そ

とを明示している。
なお、「DALE CARNEGIE」のローマ字表示が本件商標の連合商標として登録第673178号の下に存在した事実があるので、この意味においても前記ローマ字表示の使用は、本件商標の使用に含まれるものである。
(2)「デール・カーネギー・トレーニング」の片仮名表示中の「トレーニング」の文字は「訓練、練習」などを意味する英語文字の片仮名表記であり、そのまま日本国の一般大衆にも親しまれ、使用されている文字である。このような文字は、指定商品の印刷物、特に書籍に関連してその内容を単に表示するものであり、本来商標を構成する要素とはならない部分である。そのような文字部分が付加されていても、本件商標「デール・カーネギー」の使用があったというべきであり、本件商標と同一ではないから本件商標の使用ではないということはできない。
請求人は、「Dale Carnegie」と「Course」との結びつきが強く、しかも、「Course」だけでは単独の意味を有せず、デール・カーネギー・コースと一連に認識されるから、乙第1号証は、本件商標を使用するものでないと述べている。被請求人は、「Dale Carnegie Course」が講座の名称であることを否定するものではない。被請求人は、同人または同人から許諾を受けたパンポテンシア株式会社が提供する講座について「Dale Carnegie」の商標を採択し、使用すること、及びその講座にその商標を含む講座名を採択し使用することは、珍しいことでもなく、また、不都合なことではないと思料するものである。そして、被請求人は、これを乙第1号証に表示するにあたり、文字の大きさと態様及びその配列についてきめ細かい工夫をし、商標の部分は商標として認識することができるように表示したものである。
乙第2号証に表示される「The Dale Carnegie TRAINING」についても、乙第1号証における「Dale Carnegie Course」につき前記の如く述べたことはそのままあてはまることであり、商標「Dale Carnegie」の使用が認められると考える。
被請求人は、「デール・カーネギー」は著者の名前を表すものであり、「デール・カーネギーの訓練」を表す「デールカーネギートレーニング」とでは観念が全く相違するから、本件商標と社会通念上同一の商標使用とならないと述べる。しかし、「デール・カーネギー」の部分は講座の創設者であり、多くの著作物の著者であることにおいて「の訓練」の表示の有無によって何ら観念の変わるものではない。「デール・カーネギー・トレーニング」の表示の中に「デール・カーネギー」の使用があることを否定する理由とはならない。
(3)被請求人は、さらに、被請求人が作成し発行する「The Little Recognized Secret of Success」と題する書籍の日本語版を乙第5号証として提出する。この日本語版書籍は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内で頒布されたものである。
この書籍の表紙には「DALE CARNEGIE」のローマ字が

この日本語版書籍は本件商標の指定商品「印刷物」に含まれるものである。前記ローマ字商標は「デールカーネギー」の称呼をもち、本件商標と同一の称呼であり、同一の観念を有するものである。したがって、商標法第50条第1項の規定により、上記ローマ字商標の使用は本件商標の使用である。
請求人は、本件商標はカタカナで表示し、かつ、「デール」と「カーネギー」との間に点が付されているのに対し、使用している態様はすべて欧文字でかつ点を欠くから、本件商標と社会通念上同一の商標を使用しているものでないと述べている。この点については、平成8年に改正され、平成9年4月1日施行された商標法第50条の規定及び同法附則第10条第2項の規定により、平成12年3月31日までに請求された新法第50条第1項の審判については、旧商標法第50条第2項の規定が効力を有する。即ち、本件商標は、旧法時、登録第673178号商標(「DALE CARNEGIE」)と連合商標として登録されていた。したがって、本件商標の使用がないとしても、前記「DALE CARNEGIE」の欧文字商標の使用により取消しを免れることができるというべきである。
(4)被請求人を含む債権者は、本件請求人を含む債務者に対し著作権等に基づく仮処分命令申立を東京地方裁判所(平成9年(ヨ)第22024号)にしたところ、平成10年4月8日、債権者の著作権を認める仮処分決定(乙第9号証)が裁判所によってなされた。これに対して、本件請求人らは一たん仮処分異議申立(乙第10号証)をしたが、平成10年9月21日付でこの異議申立の取下書(乙第11号証)を裁判所に提出した。
(5)上記事実より、本件商標は本件審判請求の登録前3年以内に日本国において、被請求人及びその使用権者により印刷物について使用されていたことが明らかである。
4 当審の判断
商標法上、商標の本質的機能は、商品の出所を明らかにすることにより、自己の取り扱いに係る商品と他の取り扱いに係る商品との品質等の相違を認識させること、即ち、自他商品識別機能にあると解するのが相当であるから、商標の使用といい得るためには、当該商標の具体的な表示態様、使用方法からみて、それが出所を表示し自他商品を識別するために使用されていることが客観的に認められることが必要である。そして、当該商標が使用と認められるためには、商品について使用されていることを要するところ、商標法上商標が付される商品(以下、「商標法上の商品」という。)とは、商取引の目的物として流通性のあるもの、即ち、一般市場で流通に供されることを目的として生産され、又は取り引きされる有体物であると解されるものである。
そこで、前記観点にたって被請求人が本件商標の使用の事実を証明するものとして提出した乙第1号証及び同第2号証並びに乙第5号証をみるに、まず、乙第1号証は、印刷物の表面において、切取用ミシン目の右側部分に「WORLD WIDE LEADERSHIP TRAINING」、「効果的な話し方/リーダーシップの養成/人間関係の創造」、「☆コースの10大内容 1.恐れと劣等感を取り去り,自信を持たせる〜10.新しい友人を得る法」、「デール・カーネギー・コース使用テキスト」等の文字が表示され、また、切取用ミシン目の左側部分に申込用の氏名・生年月日・住所等が印刷された欄を設けている。
同印刷物の裏面においては、切取用ミシン目の左側部分に「デール・カーネギー・コース開講ご案内」、「デール・カーネギーの組織について」、「開講要領」、「クラス・スケジュール表」の文字とその内容とが表示され、また、切取用ミシン目の右側部分に「デール・カーネギー・コース申込書」の文字と共に氏名・会社名・勤務地等が印刷された欄を設けている。
また、乙第2号証は、表紙に「デール・カーネギー・トレーニング」、「The Dale Carnegie/TRAINING」の文字と共に、「前向きに、時代の変化に対応するために。」の文字を縦書きにし、次頁以降にデール・カーネギーの生い立ちの紹介、「明日からのビジネスにすぐに活かせる実践プログラム、6コース。」と題して、「1 デール・カーネギー・/コース/Dale/Carnegie/Course」の文字と共に、そのコースの目的、期待できる効果、コース日程が「6 デール・カーネギー・/リーダー・イン・ユー・コース Dale/Carnegie/Leader/In/YouCourse」まで、6つのコースについて紹介されている印刷物であると認められる。
してみれば、乙第1号証は、「デール・カーネギー・コース/Dale Carnegie Course」の名称を冠した教育事業講座の受講希望者を募るため頒布される受講申込書付きの印刷物と認められるものであるから、それ自体商取引の目的物として流通性のある商標法上の商品とはいえないものである。同じく、乙第2号証は、「デール・カーネギー・トレーニング/The Dale Carnegie/TRAINING」と題し、「デール・カーネギー・/コース Dale/Carnegie/Course」他6つのコース(講座)を紹介した印刷物にすぎず、それ自体商取引の目的物として流通性のある商標法上の商品とはいえないものである。
また、乙第1号証及び同第2号証において、「デール・カーネギー・コース使用テキスト」と称し、また、「デール・カーネギー・トレーニングから生まれたベストセラー。」と称し商品「書籍」を取り扱っているかのごとき表示が見受けられるところ、この書籍は当該教育事業講座において使用するテキストとしての書籍を単に紹介したにすぎないものというのが相当である。しかも、前記書籍が商取引の目的物として流通性のある商標法上の商品であり、本件審判請求の登録前3年以内に取引の対象となっていたことを示す、例えば納品書、請求書等の取引の際に通常用いられる取引書類等客観的な証拠は提出されていない。そもそも乙第1号証及び同第2号証は、いずれも「(主宰)パンポテンシア株式会社」と表示されているのみで、被請求人の使用権者である事実を示す使用権許諾書等の証左は何も提出されていないものである。
次に、乙第5号証は、表紙の上方部分に「The Little/Recognized/Secret of/Success」、その下方部分に「DALE CARNEGIE/TRAINING」の各文字が表示され、その内容が12頁からなる印刷物であるところ、その体裁、製本の仕方等からみて一般市場で流通に供されることを目的として生産され、又は取り引きされる商品「書籍」とみることはできず、しかも、本件審判請求の登録前3年以内に取引の対象となっていたことを示す、例えば納品書、請求書等の取引の際に通常用いられる取引書類等客観的な証拠は提出されていない。
そうとすれば、被請求人の提出に係る乙1号証及び同2号証並びに乙第5号証の印刷物と称するものは、商標法上の商品とは認められないものであるから、例え、そこに本件商標

が付されていたとしても、それをもって本件商標(連合商標を含む)を使用しているものとはいえない。
被請求人は、その他種々述べる点があるが、前記のとおり商標法上の商品について使用していると認められない以上、その主張は採用できない。
してみると、被請求人の提出に係る証拠によっては、本件商標(連合商標を含む)を本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、取消請求に係る指定商品「印刷物」について使用していたものと認めることはできないものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、指定商品中、結論掲記の商品について取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 1999-10-12 
結審通知日 1999-10-26 
審決日 1999-11-11 
出願番号 商願昭44-57453 
審決分類 T 1 32・ 1- Z (126)
最終処分 成立  
特許庁審判長 三浦 芳夫
特許庁審判官 寺光 幸子
高野 義三
登録日 1972-01-14 
登録番号 商標登録第944088号(T944088) 
商標の称呼 1=デールカーネギー 
代理人 小沢 慶之輔 
代理人 稲垣 仁義 
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