ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード![]() |
審決分類 |
審判 判定 その他 属さない(申立て成立) 243 |
---|---|
管理番号 | 1066651 |
判定請求番号 | 判定2002-60017 |
総通号数 | 35 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標判定公報 |
発行日 | 2002-11-29 |
種別 | 判定 |
2002-02-08 | |
確定日 | 2002-08-19 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第778416号商標の判定請求事件について、次のとおり判定する。 |
結論 | 商品「ラクトアイス」に使用する(イ)号標章は、登録第778416号商標の商標権の効力の範囲に属しない。 |
理由 |
1 本件商標 登録第778416号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、第43類「菓子及びパン」を指定商品として昭和33年7月22日に登録出願、同43年4月17日に設定登録され、その後、同63年5月25日、平成10年3月10日の2回にわたり商標権存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。 2 イ号標章 請求人が商品「ラクトアイス」に使用するイ号標章は、別掲(2)に示すとおりの構成よりなるものである。 なお、請求人は、イ号標章を商品「氷菓,ラクトアイス」に使用していると主張しているが、イ号標章はその構成中に商品の種類別として「ラクトアイス」の表示を有し、外観からしても明らかに該ラクトアイスの包装用箱と認められるので、イ号標章の使用商品は、「ラクトアイス」のみとした。 3 請求人の主張 請求人は、商品「氷菓,ラクトアイス」に使用するイ号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲に属さない、との判定を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。 (1)判定請求の理由の要約 請求人は、商品「氷菓,ラクトアイス」等にイ号標章の使用をしている(甲第2号証)ことについて、本件商標の商標権者である被請求人より、平成13年6月11日にイ号標章の使用は本件商標の商標権を侵害するものであるから、イ号標章の使用を中止する旨の通知(甲第3号証)を受けた。 これに対し、請求人は、平成13年7月9日にイ号標章の使用は請求人の所有する「南国白熊」の漢字を横書きしてなる登録第3344366号商標(甲第7号証)及び別掲(3)に示すとおりの構成よりなる登録第4482511号商標(甲第8号証)に添った標章の使用である旨の回答書(甲第4号証)を送付した。 ところが、平成13年11月29日に被請求人より、平成13年(ワ)第12868号商標権侵害差止等請求事件として、大阪地方裁判所へ訴状(甲第5号証)が提出された。これに対し、請求人は、平成14年1月7日に訴状に対する答弁書(甲第6号証)を提出した。よって、本件判定を求める次第である。 (2)イ号標章の説明 (ア)請求人は、平成12年3月頃より「南国白くま」の文字を構成中に有するイ号標章(甲第2号証)を付した商品「氷菓,ラクトアイス」等を製造し、鹿児島県内はもとより、全国の取扱店で販売しているものである。 (イ)イ号標章の使用は、請求人が所有する別掲(3)の構成よりなる登録第4482511号商標(甲第8号証)の構成中、独立して自他商品の識別標識としての役割を果たし得るとみられる「南国白くま」の文字部分とほぼ同一の範囲内の標章の使用であり、該登録商標に類似する商標の範囲内の使用であるとともに、請求人が所有する「南国白熊」の漢字を横書きしてなる登録第3344366号商標(甲第7号証)にも類似する商標の範囲内の使用であって、本件商標とは非類似の標章の使用であり、該商標権を侵害するものではない。 (3)イ号標章は本件商標の商標権の効力の範囲に属さない 本件商標は、甲第1号証に示すとおり「白クマ」(「白」の漢字はやや図案化されている。)の文字を書してなるものであるから、これより「シロクマ」の称呼及び「白熊(北極熊の別名)」の観念を生ずるものである。 他方、請求人が現在使用中のイ号標章(甲第2号証)は、「南国白くま」の文字を同じ書体、同じ大きさ、同じ間隔で軽重の差なく、外観上もまとまりよく、全体として一体的に構成されており、しかも、全体としての「ナンゴクシロクマ」の称呼にしても格別冗長というべきものでなく、全体としてよどみなく一連に称呼し得るものであって、構成中の「南国」の文字部分が具体的な商品の産地、販売地を特定する役割を担うものとはいい難いばかりでなく、「白くま」の文字部分のみを殊更に分断して看取しなければならない格別の事情も見出せないものであるから、その構成文字全体に相応して「ナンゴクシロクマ」の称呼のみを生ずる一種の造語からなるものとみるのが相当であるから、現在使用中のイ号標章は、本件商標とは非類似の標章の使用である。 また、請求人が所有する別掲(3)の構成よりなる登録第4482511号商標(甲第8号証)の構成中、独立して自他商品の識別標識としての役割を果たし得るとみられる「南国白くま」の文字部分に相応する同一範囲内の標章の使用であり、該商標に類似する商標の範囲内の標章の使用であって、現在使用中のイ号商標は、本件商標とは非類似の標章の使用である。 さらに、請求人が所有する「南国白熊」の漢字を横書きしてなる登録第3344366号商標(甲第7号証)に類似する商標の範囲内の標章の使用であり、現在使用中のイ号標章は、本件商標とは非類似の標章の使用である。 さらにまた、本件商標が先登録商標として存在していたにもかかわらず、後願である請求人が所有する登録第3344366号商標及び登録第4482551号商標が登録されているという事実関係からみても、現在使用中の「南国白くま」の文字を構成中に有するイ号標章は、本件商標「白クマ」とは、非類似の標章の使用であって、請求人が現在使用中のイ号標章の使用は、本件商標の商標権の効力の範囲には属さないものであることは明らかである。 なお「平成8年(ワ)第12855号商標権侵害差止等侵害事件」について、大阪地方裁判所は、平成11年3月25日の判決で、「しろくま」というのは、鹿児島県を中心とした九州地方において、かき氷に練乳をかけ、フルーツをのせたものを意味する普通名称であると認めるのが相当である。よって、商標法26条1項2号の適用があるから、本件商標権の効力は及ばず、その使用の差止め及び損害賠償を求める請求は理由がない。と判断されていることを付言する。 してみれば、請求人が現在使用中のイ号標章と本件商標とは、前記の構成からみて外観上は明らかに区別し得るものである。 また、称呼及び観念の点についても、前記のとおり、互いに相紛れるおそれのない非類似のものであって、請求人が現在使用中のイ号標章と本件商標とは互いに相紛れるおそれのないものである。 以上のとおり、現在使用中のイ号標章は、本件商標とは非類似の標章の使用であることからすれば、その使用商品と指定商品との類否について判断するまでもなく、請求人が商品「氷菓,ラクトアイス」等に使用中のイ号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲には属さないものである。 (4)答弁に対する弁駁 (ア)類似判断における要部観察及び分離観察について 請求人が使用しているイ号標章の構成中、「南国」の文字部分が、広辞苑記載のごとき「南方の国、南方の土地」の意味合いがあるとしても、「南国」の語は、単独では商品の産地、販売地を表示する語としては、その範囲が不明確であって、例えば、「南国特産」とか「南国鹿児島」「南国宮崎」等のごとく、その商品の品質や産地、販売地を具体的に特定できるような語と結合されて、はじめて、特定の商品の品質や産地、販売地を表すものとして認識されるものである。 すなわち、「南国」の語は、その語自体、単独では特定の商品の産地、販売地を表示するものとは認識し難いばかりでなく、むしろ、「南国」の語は「北国」の語と同様に、指定商品との関係においては独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものといえるものである。 このことは、旧第30類「菓子、パン」を指定商品として登録第616263号商標「北国」(「国」の文字は旧漢字で表わされている。)の文字が登録されている事例からみても明らかである(甲第9号証)。 さらに、被請求人は、乙第2号証を引用して、イ号標章の構成中の「南国白くま」の要部は「白くま」の部分にあり、本件商標とは、その称呼、観念が同一であるから、イ号標章は本件商標と類似している旨、主張している。 しかしながら、乙第2号証は、請求人が過去に一時的に使用したことはあるが、現在では使用されていない標章であるばかりでなく、同書、同大、同間隔で表示されたイ号標章の構成中の「南国白くま」(甲第2号証)とはその構成、態様を著しく異にする標章であり、妥当性に欠けるものであるから、被請求人のこれらの主張はその事例を著しく異にするものであって、これらの主張を認めることはできないものである。 (イ)商品の類似性について 認める。 (ウ)大阪地裁平成11年3月25日判決(平成8年(ワ)第12855号事件)について 被請求人は、この判決は「マルナガ 白熊」の標章と本件商標が類似していると判断しており、この判決からみてイ号標章と本件商標との類似性を判断するうえでも妥当なものである旨、主張している。 しかしながら、イ号標章の構成中の「南国白くま」の文字部分は、同書、同大、同間隔で不可分一体に構成されているのに対し、「マルナガ 白熊」の標章は「白熊」が「マルナガ」のほぼ4倍角の大きさであることからみて、これらが一体となっていると解することはできない。と判示していることからも明らかなように、「マルナガ」と「白熊」の文字間には一体性がなく、その構成、態様を著しく異にしていることから、顕著に表わされている「白熊」の文字部分が要部として看取されるものであるから、その構成、態様上からみて「シロクマ」(白熊)の称呼、観念をも生ずるものであると判示したもので、イ号標章と本件商標との類似判断をするにあたっては、その事例を著しく異にするものであるから、被請求人のこれらの主張は妥当性に欠けるものでこれを認めることはできないものである。 次に、被請求人は、この判決は「氷菓」については普通名称であると判断したが、「ラクトアイス」については普通名称ではないと判断しているから、請求人が商品「ラクトアイス」にイ号標章を使用することは本件商標権の侵害行為であるといってもよい、旨主張していが、被請求人も認めているように「氷菓」について「しろくま」の標章は普通名称であることから、本件商標は、商品「氷菓」については、商標法第3条第1項第1号に該当するものであるから、本件商標には明らかな無効理由が存在する。 しかしながら、この無効審判の請求については、既に除斥期間が経過していることからすれば、商標法第26条第1項第2号の規定が適用されるから、少なくとも、商品「氷菓」については、本件商標権の効力は及ばないことになることは明らかである。 さらに、本件商標の「氷菓」以外の「ラクトアイス,アイスクリーム等」の商品についてみるに、この判決で、「氷菓」について「しろくま」は普通名称であると判示されていることから判断すれば、本件商標「白クマ」をその指定商品中、「ラクトアイス,アイスクリーム等」の「氷菓」以外の商品に使用するときは、その商品があたかも「氷菓」であるかの如く、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。 したがって、本件商標は、その指定商品中「氷菓」以外の「ラクトアイス,アイスクリーム等」の商品については、商標法第4条第1項第16号に該当することとなり、商標法第46条第1項第5号が適用されることからすれば、本件商標の指定商品中「氷菓」以外の「ラクトアイス,アイスクリーム等」については明らかな無効理由が存在することは明らかである。 以上のように、本件商標には明らかな無効理由が存在しており、無効理由があるにもかかわらず、被請求人は、平成13年(ワ)第12868号商標権侵害差止等請求事件として提訴したものである。 このように、本件商標には無効理由があるとともに、商標権の権利乱用、訴権の乱用のおそれがあるものと判断し、別途に法的手続を検討せざるを得ないことを申し添える。 4 被請求人の答弁 被請求人は、請求人が商品「ラクトアイス」に使用するイ号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲に属する、との判定を求め、答弁の理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証及び乙第2号証を提出した。 (1)類否判断における要部観察及び分離観察 イ号標章のうち「南国」の意味は、「南方の国。また、南方の土地」(広辞苑第4版)である。「白くま」の意味は、「ホッキョクグマの別称」(広辞苑第4版)であり、「ホッキョクグマ」の意味は、「クマ科の一種。頭胴長2・4メートルほど、雌はやや小形。体付きはほかのクマより細長い。毛色は黄色っぽい白色。北極圏に分布。泳ぎが巧みで、魚やアザラシなどをとる。足の裏に毛が密生し、氷上でも滑らない。シロクマ。」(広辞苑第4版)である。このような単語の意味からするならば、請求人がラクトアイス等のアイスクリーム及び氷菓の商標として使用している「南国白くま」の標章は、「白くま」という普通名称を本来の意味とはまったく異なるアイスクリーム及び氷菓に結び付けることにより商品の冷涼感、清涼感を際立たせ、もって消費者の購入意欲をそそることを企図していると認められ、その故に「白くま」の部分が強い出所識別機能を発揮しているものといってよい。 これに対し、「南国」の部分は請求人が鹿児島県を本店とする企業であることから「南方の土地」で製造販売される商品というほどの語彙本来の意味で使用されているにすぎずその意味で「南国」の部分には特別の称呼、観念は生じていないと認められる。 このことは、請求人が使用するイ号標章の具体的使用態様を見ても明白である。すなわち、請求人は、イ号標章の「南国白くま」の5文字をいずれも同一の大きさ、字体、色彩、デザインで使用する場合のほかに、「南国」の文字を「しろくま」より小さくし、もしくは「しろくま」の文字は横書きするのに対し「南国」の文字を「しろくま」の文字より小さくして縦書きする場合、又は「白」の文字だけを他の4文字より大きくして使用する場合とがある。 このように「南国」の文字を「白くま」の文字より小さくし若しくは縦書きし、「白」の文字のみを大きくして使用する場合、その企図するところは「白くま」の部分を強調することであって、そのことにより「白くま」の部分に強い出所表示機能を発揮させることを狙っているといってよい。 以上のようなイ号標章の具体的な使用態様からみても、イ号標章は、「白くま」の部分が消費者に対して商品の出所識別標識として強く支配的な印象を与えており、「白くま」の部分が要部となっていると認められる。 したがって、「南国白くま」の標章の称呼、観念は、要部である「白くま」の称呼、観念によって形成されているものである。 以上の考察からするならば、イ号標章の要部は「白くま」の部分にあり、同部分と本件商標は称呼、観念がまったく同一であるから、「南国白くま」のイ号標章は全体として本件商標に類似していると認められる。 なお、商標の類否を判断する場合に、離隔的観察という手法が用いられるが、店頭に並べられたイ号標章を見た一般消費者にとって記憶に残るのは「シロクマ」の称呼であり観念、印象であるから、時間と場所を異にして、消費者が本件商標に接した場合には両商標はまったく同一と捉えられることになり、この点でも類似性を肯定することができる。 (2)商品の類似性 本件商標の指定商品は菓子及びパン(旧第43類)であり、請求人がイ号商標を使用している商品は菓子及びパン(第30類)に属するラクトアイス等のアイスクリーム及び氷菓である。 したがって、請求人がイ号標章を使用している商品と本件商標の指定商品とは同一である。 (3)大阪地裁平成11年3月25日判決(平成8年(ワ)第12855号事件)について 上記判決は、「マルナガ 白熊」の標章と本件商標が類似していると判断しており、その理由として「『マルナガ』『白熊』は字の色が同じものの『白熊』が『マルナガ』のほぼ四倍角の大きさであることからみて、これらが一体となっていると解することはできない。そして、『マルナガ』というのは被告の表示であるから、結局、『白熊』の部分で独立した標章ということができる。…(中略)…。そして、標章二(白熊)は、別紙標章目録二記載のとおりで、『しろくま』という称呼及び『シロクマ(白熊)』(ホッキョクグマ=北極熊の別名)の観念を生じるところ本件商標と称呼及び観念が一致しているから、標章二は、本件登録商標に類似しているというべきである。」(25頁)と判示している。 この判決の論理は、イ号商標と本件商標との類似性を判断するうえでも妥当するものである。 次に、上記判決は、氷菓について「しろくま」の標章は普通名称であると判断したが、ラクトアイスについては明確に普通名称ではないとは判断している。したがって、上記判決の論理によっても、請求人が商品「ラクトアイス」にイ号標章を使用することは、本件商標の商標権の侵害行為であるといってよい。 (4)以上から、請求人が商品「ラクトアイス」に使用するイ号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲に属することは明らかである。 5 当審の判断 そこで、本件商標とイ号標章との称呼及び観念上の類否を判断するに、本件商標は、別掲(1)に表示したとおり、やや図案化した太字の「白」の漢字と「クマ」の片仮名文字を縦書きしてなるものであるから、構成文字に相応して「シロクマ」の称呼、「白熊」の観念を生じるものである。 これに対し、イ号標章は、別掲(2)に示すとおりの構成よりなるところ、その構成中の「南国白くま」の文字部分(以下、単に「イ号標章 南国白くま」という。)は、各文字が右側部分に白い影を有する同じ書体、同じ大きさ、等間隔に外観上まとまりよく、全体として一体不可分に表されているものであり、また、これより生ずると認められる、「ナンゴクシロクマ」の称呼も格別冗長なものでなく、一気一連に称呼し得るものである。そして、「南国白くま」の文字部分中の「南国」を省略しなければならない特段の事情も見出せないから、「イ号標章 南国白くま」は、該文字に相応して「ナンゴクシロクマ」の称呼のみを生ずる一種の造語というのが相当である。 そうとすれば、本件商標より生ずる「シロクマ」の称呼と「イ号標章 南国白くま」より生ずる「ナンゴクシロクマ」の称呼とは、後半部において、「シロクマ」の音を同じくするものの、前半部において「ナンゴク」の音の有無という顕著な差異を有するものであるから、称呼上明らかに相違するものである。また、観念については、「イ号標章 南国白くま」が一種の造語よりなる商標と認められるものであるから、両者はこの点において比較することができないものである。 この点について、被請求人は、「イ号標章 南国白くま」の構成中の「南国」の語が「南方の土地」を意味し、商品の製造、販売される地域を表すにすぎない語であるから、「イ号標章 南国白くま」は、「白くま」の部分が要部であり、「シロクマ」の称呼及び「白くま」の観念を生じさせるものである、さらに、被請求人は、「大阪地裁平成11年3月25日判決(平成8年(ワ)第12855号事件)で、「ラクトアイス」が普通名称ではないと判断されている旨、主張している。 しかしながら、「イ号標章 南国白くま」は、上記のとおり、「南国」と「白くま」の両文字を、同じ書体でまとまりよく一体的に表してなるばかりでなく、氷菓等を取り扱う業界において、「南国」の語が単独で、商品の製造、販売される特定の地域を表すものとして認識されているものとは認められないものであり、この点について、被請求人は何ら証拠も提出しているものではないから、「イ号標章 南国白くま」が「南国」と「白くま」とに分断して称呼、観念されるものであるという被請求人の主張は採用できない。 さらに、本件商標と「イ号標章 南国白くま」とは、別掲(1)及び(2)に表示したとおりの構成よりなるものであるから、外観上は明らかな差異を有するものである。 してみれば、本件商標と「イ号標章 南国白くま」とは、称呼、観念及び外観のいずれについても相紛れるおそれのない非類似の商標といわざるを得ない。 したがって、本件商標と「イ号標章 南国白くま」とが、上記のとおり非類似の商標である以上、本件判定請求に係る商品「ラクトアイス」に使用するイ号標章は、本件商標の商標権の効力の範囲に属しないものといわざるを得ない。 なお、請求人は、本件判定請求に係る商品として「氷菓」についても使用しいるとして判定を求めているが、前記2のとおり、本件判定請求に係る商品は「ラクトアイス」のみであるとしたものであり、また、被請求人もこの点について、本件判定請求に係る商品は「ラクトアイス」のみであるとして答弁し、何ら争っているものではない。 よって、結論のとおり判定する。 |
別掲 |
【別記】![]() ![]() ![]() |
判定日 | 2002-08-06 |
出願番号 | 商願昭33-20677 |
審決分類 |
T
1
2・
9-
ZA
(243)
|
最終処分 | 成立 |
特許庁審判長 |
三浦 芳夫 |
特許庁審判官 |
野本 登美男 茂木 静代 |
登録日 | 1968-04-17 |
登録番号 | 商標登録第778416号(T778416) |
商標の称呼 | 1=シロクマ |
代理人 | 栫 生長 |
代理人 | 村尾 勝利 |