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審決分類 審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 025
管理番号 1064644 
審判番号 無効2001-35116 
総通号数 34 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2002-10-25 
種別 無効の審決 
審判請求日 2001-03-23 
確定日 2002-08-19 
事件の表示 上記当事者間の登録第3369485号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第3369485号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第3369485号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成5年2月25日登録出願、第25類「靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),げた,草履類,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として、同10年4月17日に設定登録されたものである。

第2 請求人が引用する商標
請求人が引用する商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなるものである。

第3 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第49号証(枝番を含む。)を提出した。
1.請求人と被請求人との関係
被請求人であるマルチウ産業株式会社は、「ELLE MARINE」、「エレマリーン」の各文字を書してなり、第22類「はき物、かさ、つえ、これらの部品及び附属品」を指定商品とする登録第1874483号商標(甲第2号証の1及び2、以下「被請求人商標」という。)の商標権者でもあった。
しかるに、被請求人は、引用商標の著名性、顧客吸引力に便乗せんとして、被請求人商標を「ELLE Marine」と変更使用して商品「運動ぐつ」に使用するようになった(甲第3及び4号証)。
そこで、請求人は、平成8年9月30日、商標法第51条および第53条に基づき、被請求人商標の商標権の取消を求めて審判を請求した(平成8年審判第16486号)。同審判は、平成12年7月17日付けで、登録第1874483号商標の登録は取消す、との審決がなされ(甲第40号証)、同審決は確定した。
さらに、請求人は、平成8年11月22日被請求人を相手として、東京地方裁判所に上掲の変更使用の商標の使用差止を求めて、訴を提起した。同訴訟は、東京地方裁判所平成8年(ワ)第23034号商標権侵害差止請求事件として東京地方裁判所に係属したのち、平成11年9月30日に変更使用商標の使用差止の判決が下され、同判決は、東京高等裁判所及び最高裁判所においても、維持された(甲第41ないし43号証)。
なお、被請求人は、上記被請求人商標以外にも、本件商標(「被請求人商標」の誤記と認める。)に類似する「ELLE MARINE」の文字を含む商標を商標登録していたが、異議決定又は審決により、取り消されており、また、本件商標と文字を同じくする文字商標を含む商標出願を多数行い、そのうち、本件商標は登録になったが、商願平10-94646及び商願平10-94647は、請求人の著名な商標「ELLE」と混同を生ずるおそれがあるとの理由をもってその登録を拒絶され、さらに残る商標出願は被請求人目ら取下げるに至っている(甲第44ないし47号証)。
被請求人は、このように過去において、請求人の商標の著名性を利用せんとして、法に触れる行為を行ってきたものである。
2.引用商標の著名性について
(1)わが国における請求人による引用商標の使用実績は、つぎのとおりである。
ア.請求人は、フランスに所在する法人であり、女性向けファッション雑誌「ELLE」(以下「請求人雑誌」という。)の出版を中心として、各種商品のファッションを創作、紹介しているものである(甲第5号証)。
請求人雑誌は、被服、身回品、化粧品、家具、食品等に関する記事、あるいはこれらに関する広告の掲載を内容とする女性向けファッション週刊誌であり、フランスにおいては1945年から発行(甲第5号証)されていたが、2000年10月までに約2861号を数えており、発行部数は、フランス語版が毎週351,200冊に達している。請求人雑誌は、現在ライセンス契約をし、あるいは、合弁事業を通し、アメリカ版、イギリス版、スペイン版、ポーランド版、イタリー版、ドイツ版、中国版、ロシア版のほか、南アフリカ版、ホンコン版、スエーデン版、ギリシャ版、フィンランド版、オランダ版、ブラジル版、ポルトガル版、カナダ版、チェコ版、トルコ版、チリ版、アルゼンチン版、メキシコ版、オーストラリア版、シンガポール版、台湾版、韓国版、タイ版、ルーマニア版、コロンビア版、インド版、ノルウェー版が姉妹誌「ELLE」として発行されている(甲第6号証)。
これらのうち、フランス版、アメリカ版、イギリス版は日本国内においても販売されている。
イ.わが国でも、(株)マガジンハウス(以下「マガジンハウス」という。)が昭和57年以来、日本語版請求人雑誌を発行してきたが、現在は、株式会社アシェット婦人画報社がこれを承継し発行している。
これらの雑誌に掲載されるファッションは現代感覚にあふれ、「ELLE」ファッション、「ELLE」カラーと呼ばれて全世界の女性間に広く支持者を持っている。このように、請求人雑誌は、ファッションの世界的中心地たるフランスにおいて発行され世界各国に輸出されており、日本においても、請求人雑誌及び「ELLE」ファッションは、古くから広く知られ、わが国のファッションに多大な影響を与えている(甲第26ないし28号証)。
請求人が、マガジンハウスを通じて日本語版請求人雑誌を発行する以前から、わが国においては「ELLE」はよく知られたものであった。
すなわち、マガジンハウスは、請求人の許諾の下に、昭和45年3月に雑誌「アンアン(an.an)」を日本語版請求人雑誌と位置づけて創刊し、以来昭和57年に至るまで「アンアン」には毎号本国版請求人雑誌の記事を一部そのまま掲載するなど「ELLE」ファッションの紹介、普及を図り、その表紙には必ず「ELLE JAPON」の商標を付してきた。なお、「アンアン」誌が若い女性間の爆発的な支持を受け、わが国で最も人気のある雑誌の一つであることは周知のとおりである。
また、マガジンハウスは「アンアン」誌のみに止まらず、その発行に係る「クロワッサン」誌等他の出版物にも、多数請求人雑誌の記事を「ELLE」の名の下に記載したが、昭和57年4月に至り、マガジンハウスから請求人雑誌を発刊し、さらにタイムアシェットジャパンがこれを承継し、現在に至るまで、日本における女性向け雑誌の中でも最も人気の高い雑誌となっていることは周知の事実である。ちなみに、わが国における、毎号の発行部数は24万冊に達している。
ウ.請求人は、請求人雑誌の刊行を続けるのみではなく、「ELLE」ファッションの普及を図るために、ライセンシーにこれらのファッションを商品化させる活動も行ってきた。このために、請求人は、日本を含め世界各国において各種商品について商標「ELLE」の登録をなしている(甲第7号証)。
わが国においては、昭和39年以来、帝人株式会社(以下「帝人」という。)に対し、引用商標の独占的使用を許諾するとともにかかる活動を推進してきた。帝人は、自ら「ELLE」ファッションに係る洋服を製造、販売する一方、その独占的使用権に基づき、イトキン株式会社他5社に引用商標の再使用を許諾した。帝人とこれらの各再使用権者は、共同して「ELLE」ファッションの宣伝、販売、普及に努め、その製造、販売に係る商品に引用商標を使用していた。
その後、昭和59年7月に至り、請求人は、前記帝人との関係を解約し、自ら東洋ファッション開発株式会社を設立し、「ELLE ファッション」の市場開発、市場調査、企画、利用をはかり、帝人の再使用権者を引き続き使用権者として引用商標の普及に努めている。また、その間新たな再使用者に、被服、アクセサリー、子供洋品、バッグ、身回品、時計、はき物、生活用品等多種類の分野の商品について、多数の企業に引用商標の再使用を許諾している。
これらの商品に付されている商標は、いずれも引用商標の構成からなるものであるから、引用商標は、これら商品を通しても、わが国においてよく知られているものである。
3.混同のおそれ
(1)請求人は、引用商標を中心にして、その商品ラインを示す表示を付加した結合商標も使用している(甲第29の1ないし35号証の2)。
その結果、顧客は、引用商標とともに引用商標に他の単語を結合した商標が使用されることを熟知している。
(2)本件商標は、「ELLERESORT」のローマ字の下側に片仮名「エレリゾート」を配置してなるものである。いずれも左側から右側に文字を追う様式であるから、看者は自然に、左上側の「ELLE」の文字に一番先に注意が向くことになる。
引用商標が極めてよく知られているうえ、しばしば付加文字が加わって使用をされている状況下においては、本件商標がファッション性のあるその指定商品に使用されると,看者はこの中の「ELLE」の文字に注意を向けるため、当該商品を引用商標の商品ラインの一つと認め、これを請求人あるいはそのライセンシーグループの商品と誤認混同することは目に見えている。
(3)上記請求人の主張は、平成11年7月1日から実施された改正審判基準(「審査基準」の誤記と認める。以下同じ。)を根拠としている。同改正は、TRIPSの著名商標の保護の方針に合わせたものであるが、本件における引用商標に基づく訴訟事件の判決(東京地方裁判所平成10年11月27日判決;甲第49号証)も、改正をサポートする一つの要因であったことは、改正の通知の中に当該判決が参照されていたことからも明らかである(甲第48号証)。
4.被請求人の主張について
(1)被請求人は、本件商標は、外観上まとまりよく一体に表現されていること、及び乙第1号証からも、一連一語の称呼を生ずるものであると主張する。
しかし、看者は本件商標を左から右に観察するものであることは、そこに表示されたローマ字及び片仮名文字の構成から明らかであり、そうであれば、左上側にやや突き出た「ELLE」の文字が看者の目にまず先に触れること、その結果、本件商標が改正審査基準のいう他人の著名な商標と他の文字又は図形等と結合した商標は、その外観構成がまとまりよく一体に表されているもの又は観念上の繋がりがあるものなどを含め、原則として、商品又は役務の出所の混同を生ずるおそれがあるものとして推認して、取り扱うものとする、という基準にまさに当てはまる商標であることは疑いのないものである。
(2)被請求人は、本件商標についての登録異議申立における登録異議申立決定を引用して、本件商標が「エレリゾート」の称呼のみを生ずる根拠の一つとしている。
しかし、当該異議決定は、平成9年12月17日のものであって、現在よりも4年も前のものである。その後、甲第46及び47号証に示した、本件商標と同一又は類似の商標出願について、引用商標と混同が生ずるおそれがあるとの理由をもって、その商標出願を拒絶している。
これらの事実に照らし、被請求人の引用する登録異議決定が、現在では誤りとされるものであることは明らかである。
(3)被請求人は、「ELLE」の文字を含んだ商標の登録例があるから、本件商標のみが引用商標と混同を生ずるというはずはない旨主張する。
しかし、文字商標やその背景にある言語は、時代とともに変化するものである。過去のある時代における文字商標の評価が、異なる時代の中での文字商標の評価と同じでなければならない理由は全くない。本件商標については、その出願時及び査定時を背景として評価されるべきものであり、被請求人の参照する商標が、本件での評価に参考とされるべきものではない。
ちなみに、「ELLEMOI」商標(乙第5号証)は、その商標権者が現実に使用し、引用商標と混同を生ずるものとなったため、商標権者は、その権利の放棄をすることとなり、現在手続中である。
また、乙第4及び6号証に示した各登録商標は、使用されている事実を聞かないし、市場において問題が生じている事実もない。
(4)被請求人は、引用商標の著名性は、その字体に特徴があり、ブロック字体の文字には効力が及ばない旨主張する。
しかし、東京地方裁判所の判決(甲第49号証)においては、差止の対象とされている商標は、いずれもブロック体が「ELLE」を含むものであって、引用商標の字体とは異なるものである。
したがって、引用商標の効力は、その字体に制限を受けているものではない。
(5)被請求人は、被請求人商標(甲第2号証の1及び2;ELLE MARINE/エレマリーン)がかつて存在したのであるから、その間に引用商標を使用した請求人の行為は、当該商標登録の侵害をしたこととなる旨を主張する。
被請求人のこの主張も、前述の文字商標が時代を背景として異なる判断を受けるものであることを無視した主張である。請求人も昭和55年に商標「ELLE」を登録出願し、商標登録をしている(登録第2193941号商標;甲第29号証の1及び2)。
このように商標の併存した時代があったことをもって、現在の評価にも同じ扱いがされるべきであるという理由は全くない。
(6)被請求人は、引用商標が雑誌のタイトルとしてのみ請求人により使用されているものであり、その著名性が本件商標の指定商品には及ばない旨の主張をする。
しかし、被請求人も認めるとおり、請求人は、多数の使用権者を通し各種商品の製造販売について、引用商標を使用し続けている。これらの使用権者が各種商品に使用する引用商標が、商標についてのその権利者である請求人の商標の使用と認められるものであって、そこから生ずる著名性をもった引用商標が請求人の商標であることは当然のことである。
被請求人が引用する商標「女性自身」及び商標「読売」の事件は、雑誌又は新聞についての著名性のみで、その他の商品についての著名性の認められない事件であって、本件とは全く異なるものである。
(7)被請求人は、引用商標は、靴及びサンダルについては著名でない旨主張する。
しかし、靴もサンダルも、いわゆるファッション商品に関する引用商標を目にする顧客からすれば、同様のファッション性をもつ商品であり、靴・サンダルと他の商品の顧客に違いがあるわけではなく、ファッション商品について著名な引用商標と当然に混同が生じているのが事実である。
(8)本件商標は、被請求人が引用商標にただ乗りせんとした行為を咎められ特許庁より取消された被請求人商標にかえて、引用商標にただ乗りすることを意図して出願・登録されたものであることが明らかである。
「ELLE」の文字を商標に含む商標を是が非でも使用したいという被請求人の態度は、被請求人の主張とは逆に、引用商標が靴・サンダルの顧客にも極めてよく知られているため、顧客に引用商標と何らかの関係をもつ商品であると誤認を与え、販売成績を急上昇させることが期待出来るものであることの証拠である。
言い換えれば、引用商標が靴・サンダルの顧客の間にも著名であり、これにより出所の混同を生ずるものであることを自認しているものである。
5.以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当し、その登録は無効とされるべきものである。

第4 被請求人の主張
被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第17号証を提出した。
1.本件商標と引用商標との非類似性について
(1)本件商標は、その構成から明らかなとおり、構成各文字は外観上まとまりよく一体的に表現されており、したがって、全体的称呼はよどみなく「エレリゾート」の一連一語の称呼を生ずる商標である。この事実は、「商標出願・登録情報検索」(乙第1号証)の項に明示されているとおりである。
(2)請求人は、本件商標が商公平7-74128号として公告された時に、本件商標に対し、自己の所有する登録第2193941号商標(ELLE/エル;甲第29号証の1及び2)を引用して、商標法第4条第1項第11号に該当するとする登録異議の申立てをした(乙第2号証)。
この登録異議申立に対し、平成9年12月17日付登録異議申立決定は、「本願商標は、その構成文字全体に相応して『エレリゾート』の称呼のみを生ずるものと判断するのが相当である。」と認定してこの登録異議申立は理由がない旨決定した(乙第3号証)。
本件商標は、その構成中のアルファベットの部分を「ELLE」と「RESORT」とに分けて取扱わなければならないとする理由は何処にもなく、登録異議決定の理由は妥当なものである。仮に、「ELLE」と「RESORT」を分離することができたとしても、本件商標の称呼は、片仮名付記から明らかなとおり、「エレ」であるから請求人の「エル」と称呼上相違することは言うまでもなく、この程度の相違があれば両者を日常容易に区別することができることは明らかである。
請求人は、4年間の期間の経過で本件商標に対する登録異議決定の結果が現在では誤りでとあると述べているが、このような短期間に結論が逆転することは到底考えられない。審査基準の改正が遡求して適用され、審査のみならず審判にも適用されるとの主張の法律的根拠は何処にもない。
(3)従来の登録例をみても、当該はき物類を含む旧第22類中にも以下のとおり「ELLE」の文字を語頭部に含んだ商標の登録例があり、互いに非類似商標として登録されているのである。
請求人所有の登録第2193941号商標(ELLE/エル)の出願以前から登録第1043590号商標(ELLEBON;乙第4号証)が存在していたし、また、登録第3182805号商標(ELLEFLEUR;乙第6号証)は、帝人により請求人の商標登録の後に出願されて登録されたものである。したがって、語頭に「ELLE」の文字がある商標は、上記請求人の商標と併存することができないということはできない。
(4)上記のとおり、引用商標は、仮に請求人の主張のように著名商標に至っていると仮定した場合でも、本件商標とは明らかに互いに非類似の商標である故に商品の誤認又は混同を生ずることはあり得ず、実際の取引においてもそのような商品の混同が生じた事実はない。
2.引用商標の著名性について
(1)請求人は、甲各号証をもって、引用商標の著名性を主張しているが、引用商標は、「ELLE」の構成からなる商標である。
請求人と被請求人間の商標権侵害訴訟第1審判決(甲第41号証)において明らかなとおり、請求人は自己の商標形態について明確に特定して主張し、判決はそれに基づき「縦長の欧文字で構成されており、各欧文字の横線の右端部分に縦方向に拡大されたひげがあり、また、各欧文字の縦線は、横線に比べて太いという特徴がある。」(同判決23頁)と認定したのである。
してみると、請求人の商標が「その字体に制限を受けているものではない。」とする請求人の主張は、甲第41号判決と異なった主張をなすものであるからその主張の根拠を欠くものである。
控訴審判決(甲第42号証)は第1審判決理由の大半を引用するものであり、上告審判決(甲第43号証)は事実関係について何等言及してないので、引用商標の構成は第1審判決で限定したとおりであり、したがって、その「字体に制限を受けるものではない。」とする請求人の主張は誤りである。
なお、甲第49号証判決は、甲第41号証判決が在る限り参照することは許されない。
(2)請求人所有の登録第2193941号商標(ELLE/エル)が周知性を取得するに至った大部分の期間は、被請求人商標(ELLE MARINE/エレマリーン)と並存していた。
甲第41ないし43号証判決が認定しているとおり、請求人の「ELLE」と被請求人の「ELLE MARINE」は類似であるから、この間の請求人の「ELLE」商標の使用は、被請求人の先願登録商標を侵害して使用して来たのであり、その使用をもって周知性の根拠とすることは許されないものである。
(3)甲第41号証ないし43号証判決はいずれも「ELLE」の特殊書体故に、それと同一書体からなる結合商標について判断したもので「ELLE」のブロック書体については何も判断していない。かえってブロック書体であるときは請求人の商標権の類似範囲が及ばないと判断していたものと思われる。
なお、上記判決におては、引用商標の著名性については、「後記のとおり原告商標は著名であり」と記載されているのみで(同判決写第24頁5行目)「後記」の部分に該当する記載は一切なく、具体的な著名性は判示されていない。
(4)一方、本件商標は、その構成からみて解るとおり、極めて一般的なゴシックタイプによる「ELLERESORT」の欧文字と「エレリゾート」の仮名文字の二段併記にした構成からなる商標であって、前記した構成よりなる引用商標とはその構成を全く異にしていることは明らかである。
もっとも、請求人が如何なる構成でもあれ「ELLE」の欧文字を含む商標が全て引用商標と類似するものと主張するのであれば、それは以下に述べる自己矛盾を有している主張である。
すなわち、被請求人は、被請求人商標(ELLE MARINE/エレマリーン)所有していた者であり、一方、甲各号証から、請求人雑誌日本語版は、昭和57年4月から発行されており(それ以前の事実は何等立証資料なく、不知である)、それをもって著名性を主張するのであれば、特に当該はき物類については、上記被請求人商標の商標権を侵害しつつ使用してきたこととなり、引用商標の使用は全てが違法であり、この違法行為が正当行為に転化することはあり得ない。
(5)被請求人は、近年において引用商標が主に女性のファッション雑誌の名称としてよく知られてきていることは認めるものであるが、請求人はその雑誌の発行人であり、ただその雑誌名と同じ商標を付した商品を他者にライセンス契約をして使用させることによりその商品が請求人の営業に係る商品の如く、商品の出所について誤認を生ずるおそれが生ずるとする請求人の主張は容認できない。
過去の審決例に照しても、例えば織物、編物について「女性自身」なる商標の使用は女性週刊誌における著名商標「女性自身」とは商品の出所について混同を生ずるおそれはないとし、また、酒類について「読売」なる商標の使用は新聞・雑誌における著名商標「読売」とは商品の出所について誤認を生ずるおそれの生ずるおそれはないとしている(乙第7及び8号証)。
3.商標法第4条第1項第15号について
(1)商標法第4条第1項第15号の規定は、同第10号から14号に係るものを除いて適用されているものである。してみると請求人の主張は全く認められないものであることは明白である。
(2)「現代フランス文法」(研究社1967年6版;乙第9号証)によると「ELLE」は人称代名詞で、単数、三人称、主格(「彼女」)であるから、商標権として独占的専用権が生ずる理由は無いものである。それが登録されたのは書体の特殊性、権利範囲の限定的解釈により始めて可能であり、普通のブロック体の一連商標「ELLERESORT」、「エレリゾート」との間にひげ文字の「ELLE」、「エル」に係る業務と混同されるおそれは全くないものである。
(3)ひげ文字の「ELLE」、「エル」のライセンスによる主要使用品をみても、ライセンシーである世界長株式会社の子供靴(甲第21号証)程度で、しかも、本件商標出願時以後のカタログであることから、靴についての周知性を被請求人に対して主張することは許されないところである。
(4)被請求人の本件商標の使用はサンダルである。
一方、引用商標の使用商品についてみると、靴は子供用のもので「PETITE」の文字を後の「E」の文字の背部に記載してなるものであり(甲第21号証)、サンダルについての使用は皆無である。したがって、商品の混同の生じる余地は皆無であり、引用商標にただ乗りすることは始めから不可能である。
(5)請求人雑誌を手許にある1996年7月号(乙第10号証)と現在の2002年2月号(乙第11号証)についてみると、乙第10号証は、エスティローダー 伊勢丹、クリニーク、ルイヴイトン等の製品を、また、乙第11号証は、エスティローダー、ランコム、クラランス、ルイヴィトン、モンブラン等の商品等をそれぞれ記載し、請求人のファッション雑誌とはなっていないことが明らかである。したがって、請求人「ELLE」は、商品「雑誌」に関する使用のみで、これと別の解釈をすることは出来ない。
(6)請求人は、ライセンスによる「ELLE」商品の販売により商標の周知性を取得した旨の主張をし、昭和39年以来、帝人に独占的使用権を許諾し、同社より更にサプラインセンスを許諾して来た旨主張している。
そこで当時の技術導入契約(商標権も含まれる)に関する規制の概要をみると、それは「実施契約」(乙第12号証)に解説されているとおり、外資に関する法律による手続を経る必要があった。しかし「外国技術導入要覧」(乙第13号証)によると、帝人が「ELLE」の商標権について外資に関する法律による導入手続をとった記載は何もない。
そうすると、帝人の使用行為は法規によらず違法であり、さらにそこからサプライセンスされた契約は全て違法のそしりを受けなければならず、この使用に基づく商標「ELLE」の周知性の根拠として主張することができないものであることが分かる。
(7)周知性を認めていない資料について
引用商標は、旧第17類に属する商品を中心とするものであるが、「服飾事典」、「コンサイス外来語辞典」、「角川 外来語辞典」、「英和商品名辞典」(乙第14ないし17号証)には、請求人のファッションついての記載ないしファッションに係る商標の記載はない。
上記のとおり、引用商標は、それが請求人の商標として周知著名と言うことはできず、また、商品、靴、サンダルについて業務の混同があるとする主張は全く理由のないものである。
4.甲各号証について
(1)甲各号証に示すファッション雑誌については主に他社のファッションの紹介記事であり、かつ、外国における発行が比較的最近のこと、及び請求人の業務はファッション雑誌の発行であって個別商品の販売は当事者間のライセンス契約に基くもののみであり、そのうち靴については極めて限定的であってサンダルは無く、したがって、これらをもって本件商標が法第4条第1項第15号に該当するとする請求人の主張は到底容認されるべきではない。
(2)甲第48号証は、平成11年の審査基準であり、審判において審査基準を適用することは非論理的であり、また、平成11年前の登録商標の無効審判事件において新審査基準を遡求して審判事件に適用することの理論的解明も何もなされていない不当なものとなっている。
5.以上に述べたように、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。

第4 当審の判断
1.引用商標の著名性について
(1)請求人の理由、甲第5号証ないし甲第28号証、甲第36号証ないし甲第39号証及び乙第17号証によれば、以下の事実が認められる。
引用商標は、1945年(昭和20年)11月に、フランスで創刊された女性向けのファッション雑誌の題号であり、その後、上記雑誌は、フランス以外のヨーロッパ、南北アメリカ、東南アジアなど世界各国で発行されている。
わが国においては、平凡出版がその日本語版として、昭和45年3月、雑誌「アンアン・エル・ジャポン」を隔週刊で出版し、その後、同雑誌の編集発行業務は、株式会社マガジンハウスを経て、現在では、株式会社タイム アシェット ジャパンが承継し、雑誌「ELLE」を発行している。
請求人雑誌に関し、昭和54年7月20日増補版第二刷発行の「増補版服飾大百科事典 下巻」(甲第28号証)の「エル Elle」の項には、「フランスの若い女性向き週刊誌。この雑誌は、ファッション中心の編集で、フランスの若い女性のおしゃれに多大の影響を与えているが、最近では『エル・ファッション』といわれて、全世界の若い女性たちの間に支持者を持つようになっている。」旨の記載があり、「服飾辞典」(発行日は不明であるが、表紙に「東京都立中央図書館/54.4.21」の丸版があるところから、昭和54年4月21日以前に発行されたものと認められる。;甲第27号証)の「エル・ファッション」の項目には、「フランスの女性雑誌『ELLE』によって生み出されたファッションということ。」の記載がある。また、1996年12月発行世界長株式会社商品カタログ(甲第37号証)には、「今日、『ELLE』は、18ケ国で発行され、月々400万部以上読まれている国際的な雑誌に成長しました。」の記載がある。
(2)請求人は、引用商標の商品化活動を推進しており、昭和39年以降、帝人に対し、引用商標の独占的使用を許諾し、帝人は、自ら「ELLE」ファッションに係る被服を製造・販売する一方、イトキン株式会社他数社に引用商標の再使用を許諾し、これらの使用権者が共同して、「ELLE」ファッションの宣伝・販売・普及に努めてきた。さらに、請求人は、昭和57年7月に、帝人との関係を解消するとともに自ら東洋ファッションを設立して引用商標を管理し、従前の再使用権者らと共同して引用商標の普及に努め、現在では、日本国内における多数の企業に引用商標の再使用を許諾しており、被服のみならず、アクセサリー、バッグ類、はき物、傘、時計、生活用品等多種類の分野について、引用商標の付された商品が製造・販売されている。
ちなみに、昭和62年(1987年)7月4日発行「フットウエア・プレス」(甲第24号証)には、「イトキンは『エル』のウエアを手掛けており、この5月にライセンシー12社を集めて初の合同展を開催。トータルブランドとしての打ち出しを強めている。・・・販売先は現状では新宿伊勢丹、横浜そごうなど百貨店10店舗とエル、さらさやなどの専門店。イトキンが展開するエル・ショップ60〜70店舗にも供給する。」旨の記載がある。
また、わが国において、引用商標がはき物に使用されたのは、遅くとも平成3年ころからであり、本件商標の登録査定前の平成9年ころにおいても引用商標は靴類に使用されていた(甲第21号証、甲第36ないし39号証)。
(3)上記被服、アクセサリー、バッグ類、傘、時計、生活用品等に使用される引用商標の態様は、引用商標を単独で使用するほか、別掲(3)のとおり、引用商標の下に小さく「PARIS」と表示したもの、別掲(3)に図形を組み合わせたものなどがあり、商品「はき物」に使用される態様は、別掲(4)、同(5)、同(6)、同(7)のほか、別掲(4)、同(5)、同(6)、同(7)の態様に「PARIS」の文字若しくは図形(あるいはその両方)を付加したものである。そして、いずれの態様も、「ELLE」の文字が大きく書され、それ自体独立して自他商品の識別機能を果たし得る態様のものということができる。
(4)以上によれば、引用商標は、遅くとも、本件商標の登録出願日である平成5年2月25日までには、請求人の取扱いに係るファッション雑誌の題号を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたものであることはいうに及ばず、商品「はき物」の分野においても著名性を獲得していたものであり、その著名性は本件商標の登録査定時においても継続していたといわなければならない。
2.本件商標について
(1)構成態様について
本件商標は、別掲(1)のとおりの構成よりなるものであるところ、その構成中、下段に書された片仮名文字部分は、上段に書された欧文字部分に比べ、極めて小さく書されているものである。
してみると、本件商標に接する取引者、需要者は、その構成中の「ELLERESORT」の文字部分に強く印象づけられるというのが相当である。
そして、本件商標中の「ELLERESORT」の文字部分は、全体として親しまれている既成の言葉を表したものとは認め難いものであり、前記したようにその構成中の「ELLE」の文字部分は、請求人の業務に係るファッション雑誌の題号として、あるいはその題号をもとに商品化された被服、アクセサリー、バッグ類、はき物、傘、時計、生活用品等について使用され、需要者の間で著名となっている引用商標と同一の綴りよりなるものであり、また、同じく「RESORT」の文字部分は「保養地」などを意味する英単語として、一般によく知られているものであることから、「ELLE」と「RESORT」との2語を結合したものと容易に理解させるものといえる。
(2)本件商標の指定商品について
本件商標は、その指定商品を「靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),げた,草履類,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品とするものであるところ、該商品は、引用商標が使用される上記被服、アクセサリー、バッグ類、はき物、傘、時計、生活用品等とともにファッション性の強い商品といえるものである。
3.出所の混同について
(1)前記1.及び2.によれば、引用商標は、ファッション雑誌の題号のみならず、被服、アクセサリー、バッグ類、はき物、傘、時計、生活用品等について使用され、本件商標の登録出願前より、需要者の間に広く認識されていたものであること、本件商標はその構成中の「ELLE」の文字部分と「RESORT」の文字部分とが常に一体のものとして把握され、認識されるというような結合状態にあるとはいい難いものであること、本件商標及び引用商標が使用される商品は、いずれもファッション関連の商品であり、これらファッション関連の商品にあっては、代表的なブランドを基幹として、そのブランドに新たな語を付加してシリーズ商品を展開することが普通に行われている実情にあることなどが認められ、これらを総合して判断すると、本件商標をその指定商品について使用した場合は、これに接する取引者及び需要者は、その構成中の「ELLE」の文字部分に強く印象付けられ、請求人の取扱いに係るファッション雑誌の題号、若しくは請求人の関連会社の取扱いに係る被服、アクセサリー、バッグ類、はき物、傘、時計、生活用品等に使用されている「ELLE」のブランドを連想、想起することは明らかであり、該商品が請求人、若しくはその関連会社のブランドの一種であるかのように誤解を生ずるか、あるいは請求人、若しくはその関連会社と組織的、経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように認識する蓋然性が極めて高いというべきである。
したがって、本件商標は、これをその指定商品について使用するときは、引用商標を使用した商品との間に、出所の混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
4.被請求人の主張について
(1)被請求人は、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、これらが使用される商品は、出所について混同は生じない旨主張する。
しかしながら、本件審判においては、本件商標をその指定商品について使用した場合に、引用商標に係る商品との間に出所の混同を生ずるおそれがあるか否かを問題としているのであり、前記したように、引用商標は、請求人の業務に係るファッション雑誌の題号を表示するものとして、また、請求人の関連会社の取扱いに係る被服、アクセサリー、バッグ類、はき物、傘、時計、生活用品等を表示するものとして、本件商標の登録出願前よりその登録査定時に至るまで継続して、わが国の需要者の間に広く認識されていたものであるから、著名な引用商標と同一の綴り文字である「ELLE」の文字を有してなる本件商標は、これをその指定商品について使用した場合は、請求人、若しくはその関連会社の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるものというべきである。
したがって、本件商標と引用商標との非類似性を問題としている上記被請求人の主張はその前提において誤りがある。
なお、被請求人は、請求人が本件商標と引用商標とが類似の商標であると主張したとし、それを前提に、引用商標の使用は、被請求人商標の商標権を侵害してきたものである旨主張するが、請求人は、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当することに関し、本件商標と引用商標とが類似する商標であると主張した点は見当たらない。
その他被請求人の本件商標と引用商標との非類似性についての主張はいずれも理由がない。
(2)被請求人は、甲第41ないし43号証の判決を引用し、引用商標が著名であるのは、その文字に特徴があり、したがって、普通のブロック体の本件商標との間に混同は生じない旨主張し、さらに、甲第41ないし43号証の判決が認定しているとおり、「ELLE」商標と被請求人商標は類似であるから、請求人の「ELLE」商標の使用は被請求人商標の商標権を侵害してきたものである旨主張する。
しかしながら、甲第41ないし43号証判決は、被請求人(被告)が自己の所有する登録商標(被請求人商標)を使用するにつき、該登録商標の態様に変更を加えて他人の登録商標の商標権を侵害したとする商標権侵害差止請求事件である。したがって、被請求人(被告)の被請求人商標の態様の変更が、他人の「ELLE」商標に類似するか否かを認定、判断するものであり、その認定、判断に当たって、判決は、「ELLE」商標の構成態様を、「『ELLE』は、縦長の欧文字で構成されており、各欧文字の横線の右端部分に縦方向に拡大されたひげがあり、また、各欧文字の縦線は、横線に比べて太いという特徴がある。」と認定し、被請求人(被告)の被請求人商標の態様の変更が上記認定の「ELLE」商標に類似するものであると判断し、さらに、変更された被請求人商標の態様は、被請求人商標(登録商標)とは社会通念上同一と認識される商標ではない旨判断したのである。また、判決(甲第42号証)においては、「ELLE」商標につき「ひげ文字」の特徴によって著名性を獲得したものであるとの認定、判断がなされているものではないことも明らかである。
加えて、わが国においては、「ELLE」の語から、フランス語の「彼女」(人称代名詞)を表したと理解されるというより、「エル」と呼称される請求人の取扱いに係る雑誌の題号及びこれをもとに商品化された各種ファッション関連商品等に使用される商標を表したと理解される場合が多いとみられ、したがって、わが国における取引者及び需要者は、引用商標のみならず、「ELLE」の綴り文字及びこれより生ずる「エル」の称呼からも、請求人及びその関連会社の取扱いに係る雑誌の題号や各種商品に使用される商標を想起するというのが相当であるから、引用商標の文字の特徴のみに著名性があるとする被請求人の主張は理由がない。
(3)被請求人は、本件商標はサンダルに使用されるところ、引用商標は、子供用靴に使用され、その使用態様も引用商標中の右端の「E」に「PETITE」の文字を付加したものであり、サンダルについての使用はない。したがって、商品の混同の生じる余地はなく、また、引用商標にただ乗りすることは始めから不可能である旨主張する。
しかしながら、本件商標は、前記したとおり、第22類「靴類(「靴合わせくぎ・靴くぎ・靴の引き手・靴びょう・靴保護金具」を除く。),げた,草履類,運動用特殊靴(「乗馬靴」を除く。)」を指定商品として登録されたことは明らかである。仮に本件商標がサンダルに使用されるものであるとしても、引用商標が使用される各種商品とサンダルとは、いずれもファッション関連の商品であり、引用商標の著名性を考慮した場合は、本件商標をその指定商品について使用した場合は、これに接する取引者及び需要者は、その構成中の「ELLE」の文字部分に強く印象付けられ、該商品が請求人、若しくはその関連会社のブランドの一種であるかのように誤解を生ずるか、あるいは請求人、若しくはその関連会社と組織的、経済的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものというべきである。
なお、甲第21号証(商品カタログ3枚目)には、商品「サンダル」が掲載されている。また、請求人の関連会社の取扱いに係る商品「靴」等に使用される商標は、その要部を「ELLE」とするものであることは、前記したとおりである。したがって、被請求人の上記主張は採用することができない。
(4)その他本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するものではないとする被請求人の主張は、いずれも理由がない。
5.むすび
以上のとおりであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものといわざるを得ず、同法第46条第1項の規定により、その登録は無効とすべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 (1)本件商標



(2)引用商標



(3)引用商標の使用態様



(4)引用商標の使用態様(靴類)



(5)引用商標の使用態様(靴類)



(6)引用商標の使用態様(靴類)



(7)引用商標の使用態様(靴類)


審理終結日 2002-06-21 
結審通知日 2002-06-26 
審決日 2002-07-09 
出願番号 商願平5-18298 
審決分類 T 1 11・ 271- Z (025)
最終処分 成立  
前審関与審査官 江崎 静雄滝沢 智夫 
特許庁審判長 三浦 芳夫
特許庁審判官 野本 登美男
茂木 静代
登録日 1998-04-17 
登録番号 商標登録第3369485号(T3369485) 
商標の称呼 エレリゾート 
代理人 関根 秀太 
代理人 浅村 皓 
代理人 高原 千鶴子 
代理人 鈴木 礼至 
代理人 浅村 肇 

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