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審判番号(事件番号) データベース 権利
取消200130539 審決 商標

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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 125
管理番号 1053766 
審判番号 取消2001-30335 
総通号数 27 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2002-03-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 2001-03-21 
確定日 2002-01-21 
事件の表示 上記当事者間の登録第2540650号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
商標登録第2540650号に係る商標(以下、「本件商標」という。)は、「エンゼルクラブ」の片仮名文字を横書きしてなり、平成3年1月18日登録出願、第25類「紙類、文房具類」を指定商品として平成5年5月31日設定登録がされたものである。

第2 請求人の主張の要点
1 請求の趣旨
「商標登録第2540650号はこれを取り消す」旨の審決
2 請求の理由
本件商標は、審判請求の日以前に継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者、通常使用権者がその指定商品についての登録商標の使用をしていないから、本件商標の登録は、取り消されるべきである。
3 弁駁
(1)乙第1号証ないし同第3号証について
乙第1号証(グリーティングカード)、同第2号証(ミニカード)、同第3号証(ブックマーカー)に表示された形態は、円形内に「C」の文字表示とこれに続けて「ANGEL CLUB・JAPAN」の文字と「Printed by Fuji Planning Co,ltd Phone 06-304-6201」の文字とが並記されてなるところ、このような表示に接した取引者、需要者は、「ANGEL CLUB」の文字をもって商標表示と認識、理解せず、円形内に「C」の文字マークの存在により、このカードやブックマーカーに使用されているデザインがこのカード等販売者の著作権を示すものと理解するのが自然である。
したがって、乙第1号証ないし同第3号証は、商標使用の事実を示す証拠としては不適である。
(2)乙第8号証及び同第9号証について
乙第8号証及び同第9号証(売上伝票)は、被請求人の一方的な取引行為を示す書類にすぎず、客観的な第三者による介在がない上に、責任の所在も不明である。
したがって、乙第8号証及び同第9号証は、使用立証のための証拠価値はない。
(3)したがって、被請求人は、本件商標を使用した事実は認められない。
4 証拠方法
請求人は、甲第1号証及び同第2号証を提出した。

第3 被請求人の答弁の要点
1 答弁の趣旨
結論掲記の審決
2 答弁の理由
(1) 被請求人(商標権者)は、本件商標を本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、指定商品「文房具類」に含まれる商品について使用している。
(ア)本件商標の使用状態の概要
被請求人(商標権者)は、本件審判請求の登録(平成13年4月18日)前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一の商標「ANGEL CLUB」を商品「グリーティングカード」(乙第1号証)、「ミニカード」(乙第2号証)、「ブックマーカー」(乙第3号証)に使用している。
(イ)使用商標について
商標法第50条第1項において登録商標の使用と認められる商標の範囲として「片仮名及びローマ字の表示を相互に変更するものであって、同一の称呼及び観念を生ずる商標、・・・その他の当該登録商標と社会通念上同一の商標」が規定されている。
本件商標は、片仮名「エンゼルクラブ」を横書きしてなる構成である。
一方、乙第1号証ないし同第3号証には、
円形内に「C」の文字表示とこれに続けて「ANGEL CLUB・JAPAN」
「Printed by Fuji Planning Co,ltd」「Phone 06-304-6201」が表示されている。
これらの中で「Printed by Fuji Planning Co,ltd」「Phone 06-304-6201」は、単なる情報を伝達するためだけの文字であり、円形内に「C」の文字表示と「ANGEL CLUB・JAPAN」においては、円形内に「C」の文字表示をしたものは単なる記号であり、「JAPAN」は「日本」を表す英語で、産地等表示であり、自他商品識別標識として機能しない。
そうすると、自他商品識別機能を発揮し、商標として機能するのは、「ANGEL CLUB」の部分である。
本件商標「エンゼルクラブ」と使用商標「ANGEL CLUB」とは、両者ともに「エンゼルクラブ」の称呼、「天使のクラブ、天使の同好会」の観念が生じる。
したがって、本件商標と引用商標は、「片仮名及びローマ字の表示を相互に変更するものであって、同一の称呼及び観念を生ずる商標」であり、社会通念上同一の商標であるから、乙第1号証ないし同第3号証において、本件商標が使用されている。
(ウ)本件商標の使用商品、使用時期、使用場所について
本件使用商標を付して生産・販売している商品「グリーティングカード」(乙第1号証)「ミニカード(小さいサイズのグリーティングカード)」(乙第2号証)「ブックマーカー(しおり)」(乙第3号証)であり、本件商標の指定商品「文房具類」に属する商品である。
乙第5号証(商品パンフレット)には、商品番号の一覧表が記載、それによると、
グリーティングカード中「ミニバラ」は、GCー01
ミニカード中「やまぶき」は、GCー12
ブックマーカー中「千鳥草」は、GCー22
という商品番号で取引されている。
そして、乙第8号証及び同第9号証(本件商標権者シーズ株式会社から日本国内の株式会社トーマスへの売上伝票の写し)には、その納品した商品として、
GCー01 プレスド・フラワー・グリーティングカード:ミニバラ
GCー12 プレスド・フラワー・ミニカード:やまぶき
GCー22 プレスド・フラワー・ブックマーカー千鳥草
と記載、上記伝票の日付は、
乙第8号証が2000年(平成12年)11月15日
同第9号証が2000年(平成12年)3月25日
と記載、それぞれ本件審判請求の登録(平成13年4月18日)前3年以内の時期である。
(2)まとめ
以上のとおり、本件商標は、商標権者シーズ株式会社によって、本件審判請求の登録前3年以内に、日本国内において、本件商標の指定商品「文房具類」に含まれる商品に使用されている。
3 証拠方法
被請求人は、乙第1号証ないし同第13号証を提出した。

第4 当審の判断
1 本件商標の使用の有無
(1)本件商標は、「エンゼルクラブ」の片仮名文字を横書きしてなり、「紙類、文房具類」を指定商品とするものである。
(2)被請求人提出の乙第1号証ないし同第3号証(グリーティングカード、ミニカード、ブックマーカー)、同第5号証(商品パンフレッド)、同第8号証及び同第9号証(売上伝票の写し)によれば、次の事実が認められる。
被請求人(商標権者)は、グリーティングカード、ミニカード、ブックマーカーに「ANGEL CLUB」の文字よりなる商標を付し、2000年(平成12年)11月15日にグリーティングカード単価190円、6枚、1140円で、また、同年3月25日にミニカード単価76円、20枚、1520円、ブックマーカー単価106円、40枚、4240円で譲渡した事実が認められる。
(3)ところで、商標法第50条第1項括弧書きにおいては「・・・片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念を生ずる商標・・・その他の当該登録商標と社会通念上同一と認められる商標」を使用していることを、被請求人が証明しなければならない旨規定している。
これを本件についてみると、本件商標は「エンゼルクラブ」の片仮名文字を横書きしてなるところ、本件商標の使用商標は、前示認定のとおり「ANGEL CLUB」のローマ字の表示よりなるものであり、本件商標とその使用商標は、「エンゼルクラブ」の称呼、「天使のクラブ、天使の同好会」の観念において同一のものであり、社会通念上同一の商標と認められる。
そして、上記グリーティングカード、ミニカード(小さいサイズのグリーティングカード)、ブックマーカー(しおり)の各商品は、本件商標の指定商品「文房具類」に含まれる商品であることは明らかであり、この点について当事者間に争いはない。
(4)そうすると、被請求人(商標権者)は、本件商標と社会通念上同一の商標を本件商標の指定商品「文房具類」に含まれるグリーティングカード、ミニカード、ブックマーカーの各商品に付して、本件審判請求の登録(平成13年4月18日)前3年以内である平成12年3月25日及び同年11月15日に使用したものというべきである。
(5)請求人は、『本件商標の使用の形態は、円形内に「C」の文字表示とこれに続けて「ANGEL CLUB・JAPAN」の文字と「Printed by Fuji Planning Co,ltd Phone 06-304-6201」の文字とが並記されてなるところ、このような表示に接した取引者、需要者は、「ANGEL CLUB」の文字をもって商標表示と認識、理解せず、円形内に「C」の文字マークの存在により、このカードやブックマーカーに使用されているデザインがこのカード等販売者の著作権を示すものと理解し、商標使用の事実を示す証拠としては不適である』旨主張する。
しかし、上記構成文字中「Printed by Fuji Planning Co,ltd」「Phone 06-304-6201」は、株式会社フジプランニングが印刷したものであること及び同社の電話番号を表示した文字であり、識別機能を有しないものである。
また、円形内に「C」の文字表示と「ANGEL CLUB・JAPAN」においては、円形内に「C」の文字表示は記号であり、識別力がないか、又は極めて弱いものというべきであり、「JAPAN」は「日本」を表す英語で、産地等表示であり、自他商品識別標識として機能しない。
そうすると、自他商品識別機能を発揮し、商標として機能するのは、「ANGEL CLUB」の部分である。そして、円形内に「C」の文字マークの存在によりこのカードやブックマーカーに使用されているデザインがこのカード等販売者の著作権を示すものと理解されたとしても、「ANGEL CLUB」の表示が商標としての機能を何ら損なう事由にはならないから、請求人の主張は理由がない。
(6)請求人は、「売上伝票(乙第8号証及び同第9号証)は、被請求人の一方的な取引行為を示す書類にすぎず、客観的な第三者による介在がない上に、責任の所在も不明であるから、使用立証のための証拠価値はない」旨主張する。
しかし、上記売上伝票が真正に成立したものではないとする証拠はなく、請求人の主張は採用できない。
2 結語
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、本件審判請求は、成り立たないものとし、審判費用の負担について商標法第56条第1項、特許法第169条第2項、民事訴訟法第61条を適用して結論のとおり審決する。
審理終結日 2001-11-26 
結審通知日 2001-11-29 
審決日 2001-12-11 
出願番号 商願平3-3969 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (125)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 寺光 幸子 
特許庁審判長 廣田 米男
特許庁審判官 柳原 雪身
井出 英一郎
登録日 1993-05-31 
登録番号 商標登録第2540650号(T2540650) 
商標の称呼 エンゼルクラブ、エンゼル 
代理人 飯島 紳行 
代理人 畑岸 義夫 
代理人 川崎 実夫 
代理人 稲岡 耕作 
代理人 亀井 弘勝 

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