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審決分類 審判 全部無効 称呼類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 007
管理番号 1051985 
審判番号 審判1999-35803 
総通号数 26 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2002-02-22 
種別 無効の審決 
審判請求日 1999-12-29 
確定日 2001-12-26 
事件の表示 上記当事者間の登録第4090594号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第4090594号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4090594号商標(以下、「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成7年7月27日に登録出願、第7類「風水力機械器具」を指定商品として、同9年12月12日に設定登録されたものである。

2 請求人の引用商標
請求人が本件商標の登録の無効理由に引用する登録第1194407号商標(以下、「引用A商標」という。)は、「プロ」の文字を横書きしてなり、昭和46年10月26日に登録出願、第9類「産業機械器具、動力機械器具(電動機を除く)風水力機械器具、事務用機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)その他の機械器具で他の類に属しないもの、これらの部品及び附属品(他の類に属するものを除く)機械要素、たゞし、かいばおけ、養鶏用かご、印刷または製本機械器具、管継手、パツキング、ガスケツトおよびこれらの類似商品を除く」を指定商品として、同51年4月12日に設定登録され、該登録に係る権利は、現に有効に存続しているものである。同じく、登録第1798512号商標(以下、「引用B商標」という。)は、「PRO」の文字を横書きしてなり、昭和55年7月30日に登録出願、第9類「産業機械器具、動力機械器具(電動機を除く)風水力機械器具、その他の機械器具で他の類に属しないもの、これらの部品及び附属品(他の類に属するものを除く)機械要素、(たゞし、かいばおけ、養鶏用かご、印刷または製本機械器具、管継手、パツキング、ガスケツトおよびこれらの類似商品を除く)」を指定商品として、同60年8月29日に設定登録され、該登録に係る権利は、現に有効に存続しているものである。

3 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第10号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)商標登録の無効の理由の要点
本件商標は、請求人所有の引用A商標(甲第1号証)及び引用B商標(甲第2号証)と要部を同じくする類似の商標であり、その商標に係る指定商品(指定役務)と同一又は類似の商品(役務)について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当し商標登録を受けることができないものである。
したがって、その登録は同法第46条第1項第1号により、無効にされるべきものである。
(2)本件商標の登録は無効とすべきである理由
(a)本件商標の説明
本件商標は、甲第3号証の商標公報に掲載の如く、「H-PROシリ-ズ」の欧文字を普通に用いられる方法で書してなり、これより商標全体に相応した「エイチプロシリーズ」「エッチブロシリーズ」の称呼が生じることは申すまでもないものである。
ところで.本件商標中「シリーズ」の文字部分は、「連続、一連のもの、一続きのもの、連載もの」等の意味合いから、当該指定商品のみならず商品・役務の取引市場全般において、一連の商品群・役務群を表示するために普通に採択・使用されているものであるから、「シリーズ」の文字が自他商品の識別標識としての機能を果し得るものでないことは明白極まりないところである。
もし、商標法第3条第1項の商標登録の要件を具備しない商標において、“識別力を有しない度合”に程度の差があるとすれば「シリーズ」は最も上位に位置する文字であろうことから、「識別標識」という観点では「シリーズ」の文字は無きに等しいものというべきものである。……※しかも、「H-PRO」の各文字は「シリーズ」の各文字幅より概して15%程度狭く、また、「H-PRO」の文字間は「シリーズ」の文字間より約50%狭い態様にあり、しかも前者が欧文字、後者が片仮名文字で表示されているために.「H-PRO」と「シリーズ」とが独立して観察される態様にある。
従って、本件商標は、「シリーズ」を除いた欧文字部分「H-PRO」のみに着目され「エイチプロ」「エッチプロ」として取り引きされ得るものであるから、これより「エイチプロ」「エッチプロ」の称呼が生じることも明らかである。
さらにまた、本件商標中「H」と符号「-」の文字部分は、種々の業界で、自己の生産若しくは販売に係る商品の規格・型式・種別・品番等を表す記号・符号として普通に採択・使用されている ”ローマ文字1字(ないし2字)”とこれを介する「-」の符号にすぎないものであるから、自他商品の識別標識としての機能を果し得るのは、「PRO」の文字部分にあると判断すべきものである。
このため、簡易迅速を尊ぶ商取引の実際にあっては、「PRO」の欧文字部分を捉え、単に「プロ」の称呼のみをもって取引されることも決して少なくない。
もちろん、このような結合態様の商標が、全て分離観察されるというものではなく、結合全体が一体不可分の観念を想起せしめるような場合は、その称呼全体が一連に称呼され得るとの審決もある。
例えば、甲第4号証の1及び同第4号証の2の審決に示すような事例である。
「Q-CHAN」の場合、「キュ-チャン」との愛称をローマ字したものと認定されている。
「G-ZONE」については、全体として「G地域」「G地帯」の如くある地域・地帯を表示したものと認識されるとの判断がなされている。
このように、「ローマ文字1字(〜2字)」の結合される要部というべき文字が、愛称を表す「KUN」「SAN」等の場合、或いは、場所・団体を表す「MART」「STREET」「ROAD」「CLUB」「TEC」のような場合、独自の観念が生じ易く、一連の称呼を認め得ることもあり得る。
しかし、本件商標における「PRO」は、このような文字とは性質を異にしているために、「H-PRO」を例えば「セミ・プロ」「ノン・プロ」「マス・プロ」等のように常に構成全体をもって一体的に把握・観念しなければならないような事情はない。
現に、御庁の「商標出願・登録情報」においても.甲第5号証に示すような商標については、ローマ文字1字及び符号「-」を除いた文字部分の称呼についても表示がなされている。
もちろん、本件商標は単なる「H-PRO」ではなく「H-PROシリーズ」であるが、前記の通り「自他商品の識別力」という観点では「シリーズ」の文字は無きに等しいものであり、「H-PRO」のみと事情の異なるものではない。
この点については、「H-PROシリーズ」のような構成の登録事例が多くはありませんでしたが、甲第5号証の2に示す如く、御庁の「出願・登録情報」の『称呼』欄からも伺い知ることができる。
それぞれの『称呼』欄によれば、「M-CONマガジン\エム コン」について「コン」、「K-LSV工法」について「エルエスブイ」、「C.G.ステレオグラムシリーズ」について「ステレオグラム」、「V-クローゼマイルド\ V-CLOSE MILD」について「クローゼ」、「ペプCIシリーズ」について「ペプ」の称呼が生じ得ることは否定し難いものである。
ところが、本件商標「H-PROシリーズ」の情報においては、甲第6号証における如く、「エイチプロシリーズ」「エッチプロシリーズ」「エイチプロ」「エッチプロ」の4称呼のみしか入出力されていないのである。
即ち、具体的な類否審査以前の問題として,「プロ」の称呼入力がないために機械チェックの段階で、引用A商標「プロ」及び引用B商標「PRO」が出力さえされず対比観察が行なわれなかったとしか理解し難いところである。……※本件商標の出願情報(審査記録)には、「拒絶理由通知(起案日:平9.6.30/拒絶理由条文コード:45 第8条1項第4条1項11号)」の経緯が記されており、その際の引用商標が引用A商標「プロ」及び引用B商標「PRO」であったか否かについては把握していないが、万一これらが引用されていたとしても、既にその拒絶理由通知起案日以前の平成9年5月23日時点で、被請求人の別商標「H-PRO」(登録第4002420号)が登録済みであるから、この文字に「シリーズ」の付加された本件商標が拒絶される理由はないと判断された可能性がある。
請求人は、本件商標について「プロ」の称呼の入力漏れさえなければ、機械チェックの段階で引用A商標「プロ」及び引用B商標「PRO」が類似候補として出力され、この結果、本件商標は両引用商標に類似するとして登録を受けることができなかったものと考えられる。
(b)証拠の説明
甲第1号証の1ないし同第1号証の2は、引用A商標「プロ」の商標公報及び登録原簿を、また、甲第2号証の1ないし同第2号証の2は、引用B商標「PRO」の商標公報及び登録原簿を示すものである。
甲第3号証は、本件商標公報であり、甲第4号証ないし同第6号証については、既に「(a)本件商標の説明」で説明している。
甲第7号証の1ないし7は、「シリーズ」「SERIES」の有無に関する商標類否の審決を示すものである。
いずれの審決においても、「シリーズ」「SERIES」の文字部分は、一連の商品群であること等を表示するために普通に採択・使用されているにすぎないものであるから、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものではないとして、それぞれ類似との判断が示されている。
甲第8号証の1ないし6は、「欧文字と片仮名文字」の結合商標における称呼認定に関する審決を示すものである。これらの審決にあっては、文字の種類を異にしているから、(視覚上)看者にはそれぞれの文字部分を分離して看取される旨の判断が示されている。
本件商標「H-PROシリーズ」について「シリーズ」の文字部分は「無きに等しい」と申し上げた理由は、前記の如く、「シリーズ」の文字部分が自他商品の識別力を有しないものであることに加え、異種文字より構成されていることから「H-PRO」と「シリーズ」とに分離観察されるというところにある。
そして、甲第9号証は、独立して観察される「H-PRO」と、引用A商標「プロ」及び引用B商標「PRO」とを対比した場合に該当する事例として、「”ローマ文字1字-”の結合商標に係る(類否)審決」を調査し、これをリストアップしたものである。何れも ”商標Aと商標Bは類似”と認定されたもので、67件もの多数に上っている。……※リストアップ対象からは、”ローマ文字1字-”が語尾に位置するケース、ハイフン(-)以外のドット(.)、中黒(・)、スペース等で結合されたもの、更には、 ”ロ-マ文字2字”-」のケースを敢えて除外しているが、これらを含めると(S52.06.06審決よりHIO.10.20審決迄に)320件もの ”類似審決”の実例が存在することになる。
この件数のみをもってしても.「ローマ文字1字-」が自他商品の識別標識としての機能を有するものでないことを示唆するところである。
これらのうち、請求人が入手した25の審決公報を甲第10号証の1ないし同10号証の25として提出する。
(c)本件商標と証拠に記載された登録商標との対比
前記の如く、甲第8号証の中には、「ローマ字1字-□□□」という結合商標と、対比される他の商標「□□□」にあって、後者の「□□□」部分が結合商標であったり、前者の該部分と必ずしも称呼同一でないケースが含まれている。「RugPlan」と「G-PLAN」、「NP-MATIC」と「N-MATIC」、「Q-CEL」と「SHELL」、「パラパウダ-」と「C-PARA\シー・パラ」、「SUPER SPACE\スーパースペース」と「K-SPACE」、「D-TRAN」と「MINITRAN」、「D-VEC」と「VEC-T」の各事案がこのケースに該当する。もちろん、これらは全て誤認混同を生じるおそれのある類似の商標と審決されている。
もちろん、本件商標は単なる「H-PRO」ではなく「H-PROシリーズ」である。
しかし、甲第12号証の12における「日東紡N-VARG」と「パーグ」の事例においては、「日東紡」部分が周知・著名を理由として「N-VARG」の独立観察がなされているものの、これは、理由の違いはあるとしても、本件商標「H-PROシリーズ」において、「シリーズ」が識別力を有しないこと及び「H-PRO」と「シリーズ」とが異種文字であることにより「H-PRO」が独立観察されることと事実上の差異はないといえる。
「日東紡N-VARG」と「バーグ」とが類似であって、「H-PROシリーズ」と「プロ」「PRO」とが非類似ということはあり得ないことである。
(4)むすび
本件商標は、請求人所有の引用A商標及び引用B商標と類似の商標であり、その商標に係る指定商品(指定役務)は、引用A商標及び引用B商標の指定商品に包含されるものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当し商標登録を受けることができないものと確信する。

4 被請求人の答弁
被請求人は、答弁していない。

5 当審の判断
本件商標は、別掲に示すとおり「H-PROシリーズ」の文字を書してなるものであるところ、本件商標中の「H-PRO」と「シリーズ」の各文字は書体を異にして表されていることから、前半の「H-PRO」と後半の「シリーズ」の文字部分より構成されているとみることができる。
そして、本件商標を構成する前半の「H-PRO」の文字が一体のものとして特定の意味内容を有する語であることが、取引者、需要者の間において知られているものとは認められず、また、本件商標の指定商品である機械器具を取り扱う業界においては、自己の生産若しくは販売に係る商品の規格、品番等表示するための記号、符号としてローマ字の1字が類型的に採択、使用されており、これと他の文字とをハイフンで結合して表すことも普通に行われていることからすると、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、本件商標に接する取引者、需要者は、これを分離して把握することが十分にあり得るものであって、「H-PRO」の文字部分からは構成文字全体の称呼が生ずると共に、後半の「PRO」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を果たすものといえ、この文字部分に相応する称呼をも生じ得るものというのが相当である。
さらに、本件商標を構成する後半の「シリーズ」の文字は一連の又は同系列の商品群、いわゆるシリーズ商品を表示するための語として本件商標の指定商品である機械器具を取り扱う業界を含め取引上一般に使用されていることを認めることができるから、この文字部分は自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというのが相当である。。
そうすると、本件商標は、「PRO」の文字からなる商標を基幹とした一群のシリーズ商品の一商標ということができ、このよう場合、「H」と「シリーズ」の各文字が自他商品の識別標識としての機能を有しない点をも考えると、自他商品の識別標識としての機能を果たす基幹商標を表したといえる商標(「PRO」)より生ずる称呼をもって取引に資されることも決して少なくないというのが相当である。
そうとすれば、本件商標は、構成文字中の「PRO」の文字に相応して、単に「プロ」の称呼をも生ずるものといわなければならない。
他方、引用A商標及び引用B商標は、「プロ」、「PRO」のそれぞれの構成文字に相応して、いずれも「プロ」の称呼を生ずるものである。
してみれば、本件商標と引用A・B商標とは、電話等口頭による取引が普通に行われる取引社会の実情よりすると、商標より生ずる称呼をもって取引指標とする場合も少なからずあるといえるから、その外観及び観念の点について考慮したとしても、「プロ」の称呼において類似する商標といわざるを得ず、かつ、本件商標の指定商品は引用A・B商標の指定商品中に包含されているものであるから、指定商品において同一又は類似するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号の規定により、その登録を無効とすべきものとする。
よつて、結論のとおり審決する。
別掲 別 掲
本件商標


審理終結日 2001-10-29 
結審通知日 2001-11-01 
審決日 2001-11-13 
出願番号 商願平7-76883 
審決分類 T 1 11・ 262- Z (007)
最終処分 成立 
前審関与審査官 原田 信彦 
特許庁審判長 三浦 芳夫
特許庁審判官 滝沢 智夫
中嶋 容伸
登録日 1997-12-12 
登録番号 商標登録第4090594号(T4090594) 
商標の称呼 エイチプロシリーズ、エッチプロシリーズ、エイチプロ、エッチプロ 
代理人 松波 祥文 
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