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審決分類 審判 全部無効 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 036
管理番号 1049071 
審判番号 審判1998-35643 
総通号数 24 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-12-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 1998-12-17 
確定日 2001-10-29 
事件の表示 上記当事者間の登録第3370269号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 登録第3370269号の登録を無効とする。 審判費用は被請求人の負担とする。
理由 第1 本件商標
本件登録第3370269号商標(以下「本件商標」という。)は、「住宅公園」の文字を書してなり、平成4年9月30日に登録出願、第36類「住宅展示用土地の貸与」を指定役務として、同10年9月25日に設定登録されたものである。

第2 請求人の主張
請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べるとともに、証拠方法として甲第1ないし第148号証を提出している。
本件商標は、商標法第3条第1項第2号又は同第6号、同法第4条第1項第10号又は同第15号に該当し、同法第46条第1項の規定により、その登録は無効とされるべきである。
1.商標法第3条第1項第2号又は同第6号について
(1)本件商標は、その出願日以前に多くの同業他社によって同一の役務に一般的に使用されたものであること明らかである。すなわち、甲第3ないし第19号証(実態調査に関するヤノ・レポート)及び第20号証(被請求人以外の「住宅公園」の使用リスト)によると、「神戸市名谷総合住宅公園」、「木更津市民住宅公園」、「上尾住宅公園」、「北摂三田住宅公園」等のように、地名を冠した「○○住宅公園」(○○部分は地名。以下同じ。)の使用例が多数みられる。さらに、「住宅公園」は、住宅展示場を示すものとして、本件商標の出願日の10数年以前から、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、看板、住宅メーカーのカタログ・展示場ガイド等を通じて、需要者によく認識されていることも明らかである。
(2)そして、被請求人が永年にわたって使用してきたという住宅展示場の名称は、「○○住宅公園」ではなく、その殆どが「ABCハウジング○○住宅公園」である。これは、単なる「住宅公園」では「住宅展示場」と同じ概念あるいは同義語となるので、その「住宅公園」の前に「ABCハウジング」を冠したサービスマークを使用することにより、初めて特別顕著性が生じ、需要者に認識されるものと判断して使用を開始したものといわざるを得ない。
(3)また、請求人の出願に係る商願平5-9379号について、平成10年8月5日(起案日)付の拒絶理由通知書をもって、この出願に係る商標「ハウジングパーク」(第35類)は、「住宅公園」の如き意味合いを派生し、住宅展示場を示すものとして一般に使用されていることから、これをその指定役務に使用しても、需要者が何人の業務に係る役務であるかを認識することができないとされ、最終的に、この商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして拒絶されている。本件商標もこれに該当するものである。
2.商標法第4条第1項第10号又は同第15号について
(1)本件商標と同じ文字の「住宅公園」は、請求人等が、本件商標の出願日の10数年以前から現在に至るまでサービスマークとして全国的規模で使用してきた結果、需要者の間に広く認識されているものである。特に、請求人は、各地において住宅展示用土地を提供する業務を営んでおり、1981年頃から、それぞれの住宅展示用土地の地名を「住宅公園」に冠し、例えば、「志木住宅公園」、「上尾住宅公園」、「池袋住宅公園」等のように使用している。これらの住宅展示場は、読売新聞、朝日新聞等の一般紙に広告されており、そのサービスマークは本件商標の出願日より早く、かつ、広く使用されていたものである(甲第24ないし第39号証)。そして、それらの識別力が「住宅公園」の部分にあることは明らかである。
(2)また、「住宅公園」を用いた住宅展示場の案内は、一般紙のほかに業界紙(日本プレハブ新聞)においても広告されており、住宅展示場の使用者である住宅メーカー(ミサワホーム、ダイワハウス、セキスイハイム等の大手住宅メーカーを含む)にも、「住宅公園」が本件請求人のサービスマークとして認識されていたものである(甲第40号証及び第41号証)。このほかにも、多くの同業者が「○○住宅公園」をサービスマークとして使用している(甲第43号証及び第44号証)。
(3)したがって、住宅展示場に使用されるサービスマーク「住宅公園」は、本件請求人等の役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されており、本件商標は、商標法第4条第1項第10号又は同第15号に該当するものである。

第3 被請求人の主張
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べるとともに、証拠方法として乙第1ないし第326号証(枝番号を含む。)を提出している。
1.商標法第3条第1項第2号又は同第6号について
(1)被請求人は、請求人が提出した住宅展示場に関する実態調査レポートと認められる「ヤノ・レポート」(甲第3ないし第19号証)を分析し、その分析結果によると、被請求人以外の者が住宅展示場の名称の一部として「住宅公園」を使用している割合は極めて小さく(乙第1号証の1ないし3及び第2号証、乙第13ないし第24号証)、この分析結果等から判断すると、本件商標の「住宅公園」は、その登録時においても慣用商標化していないといわざるを得ない。
(2)請求人は、過去の拒絶例(商願平5-9379号)を引用して本件商標が商標法第3条第1項第6号に該当する旨述べているが、この引用に係る商標「ハウジングパーク」と本件商標「住宅公園」とは全く別個の商標であり、また、「住宅公園」なる名称は「住宅展示場」と同義語として一般に認識されているものではない。むしろ、被請求人自身が、昭和53年より現在に至るまで「住宅公園」の名称をサービスマークとして使用し、住宅展示場の主催・企画運営業を全国的規模で展開してきたところであるから、本件商標は、その登録時においても、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができたものである。
2.商標法第4条第1項第10号又は同第15号について
(1)請求人は、住宅展示場に使用されるサービスマーク「住宅公園」は、本件請求人の役務を表示するものとして需要者の間に広く認識されている旨主張している。しかしながら、請求人の証拠(甲第32ないし第34号証、甲第36ないし第40号証)によると、住宅展示場の名称として、「○○+住宅公園」のほかにも、他の名称を付したもの(例;プラザ、ハウジングプラザ、総合住宅展示場、ハウジングセンター)を多用しており、これらをもって「住宅公園」が請求人の周知商標として認識されているものとはいえない。
(2)一方、被請求人は、本件商標の指定役務の提供に際して、「○○+住宅公園」という名称の住宅展示場名を昭和52年(1977年)8月に創作して使用を開始し(乙第59号証)、本件商標の出願前である翌53年より現在に至るまで、首都圏及び関西圏という二大都市において大規模な広告活動及び営業活動を行ってきた。この結果、取引者・需要者に厚い信用・信頼を得ているものである(乙第105ないし第326号証)。
この点に関し、請求人は、被請求人が永年使用してきた名称は「ABCハウジング○○住宅公園」又は「ABC HOUSING○○住宅公園」であって、「○○住宅公園」ではない旨主張している。しかしながら、被請求人は、「ABCハウジング」又は「ABC HOUSING」とは別個に、本件商標を「○○+住宅公園」として使用している(乙第105ないし第326号証)。
(3)以上のことから、本件商標は、他人の周知商標と同一又は類似の商標とはいえないばかりでなく、他人の業務に係る役務との間で混同を生じさせるおそれのある商標にも該当しない。

第4 当審の判断
(1)請求人は、本件商標の「住宅公園」が住宅展示場(住宅が展示されている場所)を表す名称として、住宅展示場の企画・運営等を業務とする多くの同業他社によって使用されていることから、本件商標は、その指定役務「住宅展示用土地の貸与」について、需要者が何人の業務に係る役務であることを認識することができない商標である旨を主張しているので、先ず、この点について判断する。
(2)請求人が提出した証拠によると、「住宅公園」に関し、次の事実が認められる。
ア)住宅業界誌と認められる「ヤノ・レポート(1981〜1997年発行のもの)」(甲第3ないし第19号証)には、住宅展示場に関する詳細な紹介内容(当該展示場の名称、所在地、主催者、企画運営者、開設期間、出展メーカー等)が掲載されている。
その中の展示場名の欄には、「○○住宅展示場」や「○○総合住宅展示場」等とともに、「○○住宅公園」、「○○総合住宅公園」、「ABCハウジング○○住宅公園」、「TVK○○住宅公園」等の記載があり、主催・企画運営の欄には、当該住宅展示場の主催・企画運営を行う被請求人以外の多数の同業他社名の記載がある。そして、「住宅公園」を一部に有する名称の展示場の所在地(開催場所)は、東京、大阪等の大都市を含む22都府県に及んでいることが認められる。
イ)「立川サンシャインパーク住宅公園計画(1997年8月)」(甲第22号証)には、その住宅公園開設についての説明文中(中段)に「住宅公園(大規模住宅展示場)」の記載がある。また、同説明文中(下段)には「住宅展示場というより、正に『住宅公園』というにふさわしいものです。」との記載があるが、ここでいう「住宅公園」は大規模住宅展示場を意味するものと認められる。
ウ)「朝日新聞、読売新聞等の一般紙及び業界紙による広告(1981年6月ないし1991年3月発行のもの)」(甲第23ないし第41号証)には、複数の住宅メーカー等の展示モデルハウスを取り扱う住宅展示場の紹介・案内(当該展示場所の地図を含む)が掲載され、その中で特定の地名(展示場の所在地名)等を冠した「○○住宅公園」、「○○総合住宅公園」等の記載がある。
エ)「北国新聞広告(1996年4月ないし1997年5月発行のもの)」(甲第46ないし第49号証)には、住宅展示場の紹介・案内の中で、展示モデルハウスの棟数とともに「住宅公園」の記載がある。
(3)以上の事実を総合すると、「住宅公園」という名称は、本件商標の登録時には、住宅を取り扱う業界内及び住宅を購入しようとする需要者間において、いわゆる「総合住宅展示場」と同様に「複数の住宅メーカー等の展示モデルハウスを取り扱う住宅展示場」(以下「住宅展示場」という。)を表す語として広く知られていたものと認めることができる。
そうすると、本件商標は、この名称と同じ「住宅公園」の文字からなるものであるところ、これをその指定役務である「住宅展示用土地の貸与」に使用するときは、これに接する取引者・需要者は、前記にいう住宅展示場が常に一定の土地(場所・空間)を必要とすることとの関係上、その貸与に係る土地が住宅展示場用のもの、或いは住宅展示場に適したもの(その土地が広く、周辺地に居住者が多く存在し、駅から近い等の立地条件がよいこと等)として把握し、認識するに止まり、取引者・需要者が何人の業務に係る「住宅展示用土地の貸与」であることを認識することができないものと判断するのが相当である。
(4)被請求人は、請求人の提出に係る「ヤノ・レポート」を独自に分析し、その分析結果の数字等に基づいて、被請求人以外の者が住宅展示場名の一部に「住宅公園」の名称を使用している割合や住宅展示場を企画運営している割合は極めて小さく、当業界内において「住宅公園」の名称が広く使用されているものではない旨を主張している。
しかしながら、仮にその割合が小さいものであったとしても、本件商標がその指定役務「住宅展示用土地の貸与」について商標としての識別性を有するかどうかは、その役務に係る取引者・需要者の認識によるものとされているところ、前記(2)ア)ないしエ)の事実から明らかなように、「住宅公園」の名称は、「ヤノ・レポート」以外にも、新聞等による広告や多くの広範な地域での展示場開設等との関係で、「住宅公園」が同業他社間において広く使用されているのが推認できることから、被請求人のかかる主張が前記(3)の認定を左右する程のものとはいえない。
(5)また、被請求人は、昭和53年より「住宅公園」の名称を商標(サービスマーク)として住宅展示場の主催・企画運営に広く使用してきたところであり、本件商標の登録時においても、需要者が何人の業務に係る役務であることを認識し得るに足る識別性を十分に有するものである旨を主張している。
しかしながら、被請求人が提出した乙各号証における「住宅公園」に関する使用は、例えば、「立川サンシャインパーク住宅公園」、「ABCハウジング新大阪住宅公園」、「千里住宅公園」のように、いずれも「住宅公園」に特定の地名や他の用語を結合させてなるものと認められるところ、これらの使用における「住宅公園」の部分は、前記(3)の認定のとおり、単に特定の住宅展示場を表す語として認識させるに止まり、その役務の識別標識(商標)として機能していないものというべきであるから、その使用をもって本件商標の使用とはいえず、この点に関する被請求人の主張も採用することができない。
他に、本件商標がその指定役務について識別性を有すると認めるに足る証左はない。
(6)以上のことから、本件商標は、請求人のその余の主張について判断するまでもなく、商標法第3条第1項第6号に違反して登録されたものであるから、その登録は、同法第46条第1項の規定により無効とすべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
審理終結日 2000-07-28 
結審通知日 2000-08-11 
審決日 2000-08-30 
出願番号 商願平4-284472 
審決分類 T 1 11・ 16- Z (036)
最終処分 成立  
前審関与審査官 為谷 博小川 きみえ早川 文宏 
特許庁審判長 小野寺 強
特許庁審判官 久我 敬史
寺光 幸子
登録日 1998-09-25 
登録番号 商標登録第3370269号(T3370269) 
商標の称呼 ジュータクコーエン 
代理人 吉竹 英俊 
代理人 有田 貴弘 
代理人 山本 真一 
代理人 中川 裕幸 
代理人 吉田 茂明 
代理人 中川 周吉 
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