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審決分類 |
審判 一部無効 外観類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 025 審判 一部無効 観念類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 025 審判 一部無効 称呼類似 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 025 |
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管理番号 | 1048974 |
審判番号 | 無効2001-35037 |
総通号数 | 24 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2001-12-28 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 2001-01-29 |
確定日 | 2001-10-29 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第3206845号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第3206845号の指定商品中第25類「セーター類、下着、帽子、靴類」についての登録を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第3206845号商標(以下、「本件商標」という。)は、「WARNING」の欧文字を横書きしてなり、平成5年11月19日登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,下着,靴下,帽子,靴類」を指定商品として平成8年10月31日に設定登録、その後、指定商品中「靴類」を放棄、平成13年7月17日に抹消の登録されたものである。 第2 請求人の主張の要点 1 請求の趣旨 結論同旨の審決 2 請求の理由 (1)請求の利益について 請求人は、図形と「WARNING!」の結合商標について第25類に出願(商願2000-17551号)したところ、本件商標を引用した拒絶理由が通知されたので(甲第7号証)、本件審判を請求するについて利害関係を有する。 (2)無効の理由 本件商標は、請求人の所有する下記A及びBの登録商標(以下、これらの登録商標を表示する記号に従い「引用A商標」、「引用B商標」のようにいい、一括していう場合は「引用商標」と総称する。)と同一又は類似の商標であるから、商標第4条第1項第11号に該当する。 記 A 商標登録第3114038号に係る商標 商標の構成 後記のとおり 指定商品 第25類 セーター類,ワイシャツ類,下着,帽子 登録出願日 平成4年11月20日 設定登録日 平成8年1月31日 B 商標登録第3114020号に係る商標 商標の構成 「WARNING」 指定商品 第25類 はき物 登録出願日 平成4年11月4日 設定登録日 平成8年1月31日 本件商標と引用商標の類否について (ア)引用A商標との類否について 本件商標は、「WARNING」の文字を横書きしてなるものであるから、これより「ウォーニング」の称呼を生じ、「警告」の観念が生ずる。 引用A商標は、「WARNING」の文字の上に、英小文字の「street+gear」を小さく付記的に配してなるものであり、 ・「street+gear」と「WARNING」とは字体に統一性がなく、しかも二段に分けられていること ・「street+gear」と「WARNING」とは、両者の結合により特定の意味合いが生ずるとは認められず、結び付きが強いということができないこと ・全体の称呼「ストリートプラスギアウォーニング」は冗長に過ぎ、簡易迅速を尊ぶ商取引の実際において、このように長く称呼されることは通常ないこと 以上の理由から、引用A商標からは、単に「ウォーニング」の称呼が生ずるので、両称呼は同一である。 また、引用A商標の要部は「WARNING」の部分にあり、そこから本件商標と同様「警告」の観念を生ずるので、両商標は観念上同一である。 本件商標の指定商品「セーター類、下着、帽子」と引用A商標の指定商品「セーター類、ワイシャツ類、下着、帽子」とは、同一又は類似の商品である。 したがって、本件商標は、引用A商標と類似する商標であり、その指定商品中「セーター類、下着、帽子」は引用A商標の指定商品と同一又は類似である。 (イ)引用B商標との類否について 引用B商標は、「WARNING」の英大文字を横書きしてなるものであるから、本件商標と同一である。 本件商標の指定商品「靴類」は、引用B商標の指定商品「はき物」に包含される。 したがって、本件商標は、引用B商標と同一の商標であり、その指定商品中「靴類」は引用B商標の指定商品に包含される。 (3)結び 本件商標は、その指定商品「セーター類、下着、帽子、靴類」に関する限り引用A商標及び引用B商標と同一又は類似であり、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきである。 3 証拠方法 請求人は、証拠方法として甲第1号証ないし同第7号証を提出した。 第3 被請求人の答弁の要点 1 答弁の趣旨 「本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする」との審決 2 答弁の理由 (1)引用A商標との類否について 本件商標は、ゴシック体で「WARNING」の欧文字を横書きしてなる商標であり「ウォーニング」の称呼を生じる。 引用A商標は、上段にゴシック体の「street」と「gear」の欧文字を横書きし、それらの文字の間に「+」の記号を配し、下段にゴシック体の「WARNING」の欧文字を横書きし、その文字に下線を配したものを二段に併記してなる商標であり、「ストリートギアウォーニング」の称呼が生じ、この称呼は冗長に過ぎるものではない。したがって、本件商標と引用A商標とは称呼上非類似である。 引用A商標を構成する「street」が「街路」、「gear」が「歯車、道具」、「WARNING」が「警告」を意味する英語であり、今日では相当程度の人がいずれの語の意味も理解し得るほどに広く使用されている語である。したがって、本件商標と引用A商標から生ずる観念は大きく隔たり、かつ、これらの商標に接した需要者は常にその全体を見るから、両者の相違は直ちに認識され得る。 引用A商標には「+」と下線の記号が配されているが、本件商標にはそのような記号はない。引用A商標は、文字と文字とを「+」で結ぶ発想はユニークであり、外観を特異なものたらしめ、二段に横書きしてなる態様であるから、本件商標との外観上の相違は明らかである。 以上のとおり、本件商標と引用A商標とは、称呼、観念、外観のいずれをとっても異なっており、両商標は、互いに紛れるおそれのない商標である。 (2)引用B商標との類否について 被請求人は、本件商標の指定商品中「靴類」を放棄した。したがって、引用B商標に類似することを理由とした無効理由はなくなった。 3 証拠方法 被請求人は、証拠方法として乙第1号証及び同第2号証を提出した。 第4 当審の判断 1 本件商標と引用商標の類否 (1)本件商標 本件商標は、「WARNING」の欧文字を横書きしてなるものであるところ、該文字は、英語で「警告」を意味し、その構成文字に相応して「ウォーニング」の称呼が生ずるものと認められる。 (2)引用商標 (ア)引用A商標は、後記のとおり上段に「street」の欧文字と「gear」の欧文字とを「+」で結合し、下段に「WARNING」の欧文字を横書きし(「WARNING」の文字は、「street」及び「gear」の文字に比較して約2倍の大きさで表示されている。)、「W」から「G」に掛けて下線を配した構成よりなるものである。引用A商標の構成する各文字「street」が「街路」、「gear」が「歯車、道具」、「WARNING」が「警告」を意味する英語であるものと認められる。 そして、引用A商標は、全体として「ストリートプラスギアウォーニング」「ストリートギアウォーニング」の称呼が生ずるが、全体の構成音が長音を含めて15音又は12音と称呼が冗長であること、上段の「street+gear」の文字と下段の「WARNING」の文字とは、両者の結合により特定の意味合いが生ずるとは認められないこと、「street+gear」の文字に比較して「WARNING」の文字が約2倍の大きさに表示され、下線が引かれていることを併せ考慮すると、引用A商標に接する取引者、需要者は、全体の構成の中で大きく顕著に表示された「WARNING」の文字に着目し、該文字より生ずる「警告」の観念、「ウォーニング」の称呼をもって取引に当たることも少なくないとみるのが相当である。 (イ)引用B商標は、「WARNING」の欧文字を横書きしてなるものであるところ、該文字は、英語で「警告」を意味し、その構成文字に相応して「ウォーニング」の称呼が生ずるものと認められる。 (3)本件商標と引用商標の比較 本件商標と引用商標とは、前記認定したとおり「警告」の観念、「ウォーニング」の称呼を共通にし、本件商標と引用B商標とは「WARNING」の文字において外観上ほとんど同一のものであり、本件商標と引用A商標とは「WARNING」の文字を共通することにより近似した印象を与えるものである。 そうすると、両商標は、外観、観念、称呼よりみて類似する商標であり、かつ、その指定商品も同一又は類似の商品である。 (4)被請求人は、本件商標の指定商品中「靴類」を放棄したから、引用B商標に類似することを理由とした無効理由はなくなった旨主張するが、商標法第46条の2は「商標登録を無効にすべき旨の審決が確定したときは、商標権は、初めから存在しなかったものとみなす」と規定するところであるから、無効審判請求後の指定商品の放棄によって無効理由が解消することにはならない。 2 結語 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものであり、同法第46条第1項第1号の無効理由に該当するので、結論掲記の商品についてその登録を無効とすべきものである。 よって、本件審判請求は、理由があるので認容することとし、審判費用の負担については、商標法第56条第1項、特許法第169条第2項、民事訴訟法第61条を適用して結論のとおり審決する。 |
別掲 |
引 用 A 商 標 |
審理終結日 | 2001-08-28 |
結審通知日 | 2001-09-03 |
審決日 | 2001-09-14 |
出願番号 | 商願平5-116000 |
審決分類 |
T
1
12・
263-
Z
(025)
T 1 12・ 262- Z (025) T 1 12・ 261- Z (025) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 箕輪 秀人、堀内 真一 |
特許庁審判長 |
廣田 米男 |
特許庁審判官 |
大島 護 柳原 雪身 |
登録日 | 1996-10-31 |
登録番号 | 商標登録第3206845号(T3206845) |
商標の称呼 | ウオーニング、ワーニング |
代理人 | 齋藤 晴男 |
代理人 | 北村 行夫 |