• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部無効 商4条1項15号出所の混同 無効としない 037
管理番号 1043488 
審判番号 審判1998-35229 
総通号数 21 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-09-28 
種別 無効の審決 
審判請求日 1998-05-27 
確定日 2001-07-18 
事件の表示 上記当事者間の登録第4058616号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1.本件商標
本件登録第4058516号商標(以下、「本件商標」という。)は、「シャリエ」の文字を横書きしてなり、平成7年8月10日に登録出願、第37類「建築工事一式」を指定役務として、平成9年9月19日に設定登録されたものである。

2.請求人の主張
請求人は、本件商標の登録を無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求めると申し立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし同第30号証(枝番を含む。)を提出している。
(1)本件商標は、請求人が使用して世人に広く知られた別掲に示した登録第3071046号商標(以下「引用商標」という。)と称呼上同一であり、請求人の業務に係る役務と混同を生ずるおそれのある商標と認められるので、商標法第4条第1項第15号の規定に該当し、同法第46条第1項第1号の規定により登録を無効とすべきである。
(2)請求人が使用して世人に広く知られた引用商標は、甲第2号証に示すとおり「シャリエ」の片仮名文字の上部に図形を配してなり、第36類「建物の売買」を指定役務とし、使用に基づく特例の適用の主張をして、平成4年9月8日に商標登録出願し、同7年8月31日に設定登録を受けたものである。
(3)本件商標と引用商標とを比較するに、両者は、「シャリエ」の文字を共通にする称呼を同一にする商標である。
次いで、両者の指定役務をみるに、本件商標は、第37類「建築工事一式」であるのに対し、引用商標は、第36類「建物の売買」である。
この両者の役務について審究するに、両者は、指定する類を異にするといえども「建築工事一式」と「建物の売買」とは、共に建物を建築し売買するということにおいて、提供の手段、目的が一致し、提供に関連する物品が建物ということにおいても一致し、需要者の範囲も同一であり、一般に同一の事業者が建築工事も建物の売買も共に扱っているのが現状である。
又、両者の役務に関する業務や事業者を規制する法律は、第37類に属する「建築工事一式」は「建設業法」(第3条第1項)であり、第36類に属する「建物の売買」は「宅地建物取引業法」(第3条第1項)と異なっているが、例えば、宅地を買ってもらい条件付き売り建て(注文住宅)を行うこともあり、この場合、宅地の売買は、「宅地建物取引業法」の免許を必要とし、条件付き売り建ては、「建設業法」の免許を必要とするために、住宅産業々者は、「建設業法」と「宅地建物取引業法」による両方の免許を建設大臣より受けているのが普通であって、この点に関しても「建築工事一式」と「建物の売買」とは、非類似といえども離れ難い関係にある役務である。
してみれば、両者の商標は、称呼上同一であり、指定役務も非常に近似するものといわざるを得ない。
(4)引用商標は、(7)に述べるごとく、請求人が使用し、世人に広く知れ渡った商標となっているので、本件商標を被請求人が使用した場合には、請求人の業務に係る役務と混同を生ずるおそれのある商標というべきものである。
請求人は、昭和47年より「シャルマンコーポ」の名称によって、分譲マンションの販売をしていたところ、平成元年よりそのグレードアップした物件につき、「シャリエ」と名付け、販売を開始し、平成4年9月8日に商標の使用説明書を添付し、使用に基づく特例の適用の主張をして商標登録出願し、それが登録になり、平成7年より名称を「シャリエ」一本に統一し、現在に至っているものである。
その間、「シャリエ」を使用した物件の販売場所は、平成元年より、大阪府、神奈川県、東京都、和歌山県、滋賀県、千葉県、埼玉県、奈良県、愛知県と一都-府七県にわたり、30ヶ所1421戸数を販売し、その広告宣伝費は、新聞、雑誌、電波、折り込み、看板、パンフレットを媒体とし、本件商標の出願前に既に合計13億7千万円もかけ、平成10年3月31日現在では合計約25億円に達している(シャリエ物件別・媒体別広告宣伝費実績表、平成10年度発売シャリエ物件別・媒体別広告宣伝費使用予定表…甲第3号証)。
(5)しかるに、平成7年9月30日付朝日新聞(夕刊)の『「シャリエ」新発売』の広告に接し、被請求人に「シャリエ」商標の中止方をお願いしたところ、製品の販売領域は、一戸建て住宅に限られており、貴社の販売領域とは競合しない。「シャリエ」は弊社の主力商品であり、今後とも積極的に販売活動を展開していく予定であるとの回答を得た(甲第4号証)。
請求人は、被請求人に「シャリエ」商標の中止方をお願いした文中に『貴社「シャリエ」が仮に注文住宅に限定して37類にて本件商標を採用された場合にも、登録類型を異にするとはいえ、同じ住宅産業分野で、同一の商標を使う商品が存在することは事業展開に支障を来すばかりでなく、消費者に無用な混乱をまねくおそれがあると考えられる』とお願いしたごとく、本件商標と引用商標が同時に使用されたならば、特に首都圏、中部地区、近畿地区においては、請求人もこれから一層「シャリエ」の名のもとに販売拡張を考えているので、被請求人も回答書にて答えているごとく、積極的に販売活動を展開されていかれるならば「シャリエ」商標は、至る所でバッティング現象が生じる。
すなわち、被請求人の「シャリエ」商標の使用は、甲第5号証に示すごとく、注文住宅というものの規格品として、標準仕様 3.3平方メートルあたり41万円台より・ベーシック仕様 3.3平方メートルあたり38万円台よりと記載し、それに相当するモデルハウスを展示場にて公開し、顧客を集めている。
請求人においても、同様にマンション並びに一戸建て建て売り住宅の販売に際しては、同様にモデルハウスを展示場にて公開し、顧客を集める。
してみれば、折り込み広告は、この業界の慣習である主として土曜日・日曜日に顧客を集めるため、金曜日に各戸に配布される新聞と共に配られるのが通例であるが、「シャリエ」の名前の折り込み広告が二枚配られる事になり、その場所を表示する案内のための看板もどちらの「シャリエ」を表すものか需要者をして完全に混同・混乱させることになる。
そして、一般の需要者においては、国際分類に基づく特許庁の取決めは、知らないのが普通であって、この「建築工事-式」と「建物の売買」の両役務が非類似の役務として取り扱われ、両者に登録がなされていることも無論知られていないし、条件付き売り建てと建て売り住宅とが異なった事業者に許されていることも知らない。
更に、請求人は、「シャリエ」と共に「TORAY」の文字を付して宣伝しているところから、一般需要者は、「シャリエ」といえば、多角的経営をおこなっているあの「東レ」の関連会社による役務であると勘違いをおこし、FREE RIDEのおそれも十分に考えられる。
(6)そこで、引用商標が、請求人によって使用され、世人に広く知れ渡った商標となっていることを媒体別広告宣伝によって立証する。
イ.新聞広告は、
平成元年よりそのグレードアップした物件につき、「シャリエ」と名付け、最初に販売を開始した「シャリエ岸和田」の広告は、6573万円の費用を注ぎ込み、甲第6号証に示す通り全面広告を平成元年8月24日朝日新聞・同日に日本経済新聞(夕刊)・同年9月12日読売新聞・同年9月13日産経新聞・同日に毎日新聞・同年9月14日日本経済新聞(夕刊)に掲載した。
その後、「シャリエ湯河原宮上」の広告を平成2年3月16日産経新聞に(甲第7号証)掲載したごときものを2回おこない、「シャリエ豊中」の広告を平成2年9月28日産経新聞に(甲第8号証)掲載したごときものを19回おこない、「シャリエ和歌山壱番館」の広告を平成3年9月27日読売新聞に(甲第9号証)掲載したごときものを8回おこない、「シャリエ大津朝日が丘」の広告を平成3年9月27日読売新聞に(甲第10号証)掲載したごときものを5回おこない、「シャリエ保土ヶ谷公園」の広告を平成4年5月21日朝日新聞に(甲第11号証)掲載したごときものを14回おこない、「シャリエ湯河原桜木公園」の広告を平成5年1月14日朝日新聞に(甲第12号証)掲載したごときものを17回おこない、「シャリエ保土ヶ谷公園」「シャリエ湯河原桜木公園」の同時広告を平成5年9月3日日本経済新聞に(甲第13号証)掲載してきた。
ロ.雑誌による広告は、
週刊住宅情報に、甲第14号証に示す通り、「シャリエ保土ヶ谷公園」の広告を平成3年12月25日発売号、同4年1月8日発売号、同4年4月15日発売号、同4年4月22日発売号、同4年4月29日発売号、同4年5月27日発売号、同4年6月24日発売号、同4年9月2日発売号、同4年9月9日発売号、同4年10月7日発売号、同4年11月4日発売号、同5年3月5日発売号、同5年5月26日発売号、同5年6月11日発売号、同5年8月25日発売号、同5年9月発売号、同5年9月29日発売号、同5年12月8日発売号、同6年1月19日発売号にそれぞれ掲載している。
「シャリエ湯河原宮上」の広告を週刊住宅情報平成元年7月5日発売号に、家づくり平成元年11月号に、日経マネー平成2年5月号(甲第15号証)に掲載したごときものを7回おこない、「シャリエ岸和田」の広告を週刊住宅情報平成元年8月16日、同8月23日合併号に(甲第16号証)掲載したごときものを5回おこない、「シャリエ立石」の広告を週刊住宅情報平成2年1月3日、同1月10日合併号に(甲第17号証)掲載したごときものを8回おこない、「シャリエ豊中」の広告を週刊住宅情報平成2年10月3日発売号に(甲第18号証)掲載したごときものを16回おこない、「シャリエ和歌山壱番館」の広告を週刊住宅情報平成2年11月21日発売号に(甲第19号証)掲載したごときものを9回おこない、「シャリエ大津朝日が丘」の広告を週刊住宅情報平成3年1月4日、同1月11日合併号に(甲第20号証)掲載したごときものを19回おこな
い、「シャリエ練馬北町」の広告を週刊住宅情報平成3年1月23日発売号に、NIKKEIBUSINESS平成3年2月11日号(甲第21号証)に掲載したごときものを11回おこない、「シャリエ湯河原桜木公園」の広告を週刊住宅情報平成4年6月17日発売号に(甲第22号証)掲載したごときものを12回おこなわれている。
ハ.電波による広告は、
平成2年から平成3年にかけておこなったものであるが、放送局においては、保存期間が経過したとの理由により、その書証は入手出来なかった。
しかしながら、テレビは、ビワ湖放送、京都テレビ、テレビ和歌山において、ラジオは、和歌山放送、近畿放送においてなされ、その費用も2800万円支払われた事、事実である。
ニ.折り込み(ちらし)による広告は、
「シャリエ岸和田」の折り込み(甲第23号証)を38万枚、「シャリエ豊中」の折り込み(甲第24号証)を767万枚、「シャリエ和歌山壱番館」の折り込み(甲第25号証)を463万枚、「シャリエ大津朝日が丘」の折り込み(甲第26号証)を493万枚、「シャリエ保土ヶ谷公園」の折り込み(甲第27号証)を590万枚、「シャリ工湯河原桜木公園」の折り込み(甲第28号証)を72万枚といずれもB3版の大きさのものを新聞の折り込み広告として配布したものである。
ホ.看板による広告は、
まず建設予定地に看板を掲げ(甲第29号証の1)、建築中も人目につくようその建築物の上部に看板を掲げ(甲第29号証の2)、モデルルームを構築し(甲第29号証の3)、そのモデルルーム公開に際しては、幹線道路に判りやすい大きな看板を上げ(甲第29号証の4)、道筋には、各種案内用の看板を設置し(甲第29号証の5〜7)、自動車での客様用の駐車場も作り、それにも看板を表示した(甲第29号証の8)。
このように、看板による広告は、特別注文であるからその費用もかかるものではあるが、その宣伝効果は、計り知れないものであり、不特定多数の人々の目に触れるよう色々と工夫している。
ヘ.パンフレットの配布は、
モデルルームにお見えになるお客様に対しなされるものであるが、「シャリエ保土ヶ谷公園」の場合には、1万5千部用意し、その費用も8593万6千円もかけている(甲第30号証)。
(7)このように、引用商標は、請求人が、本件商標出願前13億7千万円もの広告宣伝費をかけた宣伝の結果、世人に広く知れ渡った商標となっており、その使用地域も一都一府数県にわたるものであるから、東京高等裁判所、昭和57年(行ケ)第110号昭和58年6月16日判決にいう需要者の間に広く認識されている商標にも該当し、被請求人も同業者であり請求人が「シャリエ」商標を使用していること熟知の上の使用であるといわざるを得ない。
また、本件商標の指定役務「建築工事一式」と引用商標の指定役務「建物の売買」とは、先に述べたごとく非類似の役務であるとしても、限りなく類似に近い非類似の役務であって、両者は、それぞれ「建築工事一式」、「建物の売買」と単数の役務を指定して登録されたものであり、煎じ詰めれば、単に注文品か既製品かの違いに過ぎず、「シャリエ」の文字を同一にすることからしても、本件商標を被請求人が使用した場合には、請求人の業務に係る役務と混同を生ずるおそれのある商標というべきであり、商標法第4条第1頃第15号の規定に該当するものである。
(8)弁駁の理由
まず、被請求人は、「両者は『文字を共通とする称呼を同一にする商標』であるとして、引用商標について前記旗図形を全く無視した請求人の主張は失当である」と主張しているが、「文字を共通とする称呼を同一にする商標」というのは、間違いのない事実であり、旗図形を全く無視したことを被請求人は、失当と述べているが、最近なされた審決2件(平成4年審判第953号審決及び平成5年審判第2466号)のように、その商標が、図形部分と文字部分よりなり、図形部分より特段の称呼が生じない場合には、読みやすい文字部分の称呼をもって取引に資されるというを相当とするとした審決は、数多く見られる。
したがって、本件においても、両商標は、文字を共通とする称呼を同一にする商標であるため、ここに出所の混同が生ずるとしたものである。
次に、被請求人は、商標審査基準に記載の、「『他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標』であるか否かの判断」中、少なくとも(イ)(ハ)(ホ)について該当しない旨、種々述べているが、商標審査基準は、審査官による判断の統一、審査の適正および促進のために一般に公表されているものであり、商標法第4条第1項第15号に関する基準も被請求人が取り上げていない「(ロ)その他人の標章が創造標章であるかどうか、(二)企業における多角経営の可能性」を含め、(イ)(ロ)(ハ)(ニ)(ホ)等を総合的に考慮するものとなっており、最後に「他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがあるかどうかの認定にあたっては、取引の実情等個々の実態を充分考慮するものとする。」とケースバイケースとしている。これを前提に反論する。
(イ)「その他人の標章の周知度」
被請求人提出の乙第4号証に「他人の業務にかかる商品または役務と混同を生ずるおそれがあるような商標とは、商品または役務の取引者・需要者に、商品の生産者・取扱者・販売者ないしは役務の提供者等を誤って認識させるような商標をいい、」(同証第371頁第3〜第5行)とあるように、役務の取引者・需要者に役務の提供者を誤って認識させるような商標とは、商標はもちろんの事、両者の提供する役務間が当然問題になってくる。
そこで、本件についてみるに、その両者の役務は「建物の売買」と「金融サービス」「飲食サービス」といったかけ離れた役務間について争っているわけではなく、その混同を生ずる役務間が、「建物の売買」と「建築工事一式」という提供の手段、目的が一致し、提供に関する物品、需要者の範囲も一致し、業種も同じくし、同一の事業者が提供するものであり、特に提供に関する物品が煎じ詰めれば、単に注文品か既製品かの差に過ぎず、その周知性の範囲は、小さいといえども、そこに役務の取引者・需要者において、出所の混同は生ずるものといわざるを得ない。
被請求人は、「乙第5号証[その1]、[その2]に掲記した20件にも満たない、…」と述べ、その件数を強調しているが、その使用地域は大阪府、神奈川県、東京都、和歌山県、滋賀県、千葉県、埼玉県、奈良県、愛知県と一都一府七県にわたるものであり、東京高等裁判所、昭和57年(行ケ)第110号昭和58年6月16日判決にいう需要者の間に広く認識されている商標にも該当する。
(ロ)「標章の創造性」
被請求人は、「シャリエ」の使用についての回答書(甲第4号証の3)において、「『シャリエ』という商品名は社内公募により社長のアイデアから生まれたもので(旧商品名シャルムとアソシエからの造語)、決定の過程で貴社に『シャリエ・マンション』が存在するという認識は全くありませんでした。」と回答している。
しかしながら、情報化の時代、一昔と違って短期間でもって商標も周知となるし、同業者は、他社が新しく建築するマンションにどういった名前を付けるか常に興味を持ち、その情報をキャッチすべく努力しているところ普通のことである。
したがって、本件の場合でも、甲第4号証に示すごとく、被請求人の「シャリエ」広告(平成7年9月30日付け朝日新聞)により、「シャリエ」が使用されることを知るや、平成7年10月30日にはもう「シャリエ」の使用中仕方のお願いをしている。
してみれば、同業者である被請求人においても、請求人が、「シャリエ」を使用した物件の販売場所は、平成元年より、一都一府七県にわたり使用してきたものであり、宣伝、広告も甲各号証に示すとおりなされていることからしても、同業者として当然知っていたものと思わざるを得ない。
商標の採択に当たっては、いろいろな方法が採られるものであり、社内公募もその一つではあるが、どんな場合でも絶対に「シャリエ」にしなければならないという理由はない。造語商標として無限に考えられるものであり、この事は、昭和60年に問題になった商標の国際摩擦においても、日本人が「ピカソ」「マチス」「シャガール」の商標を採択しなければならない必然性はないであろうとの指摘を受けたものである。
被請求人は、「シャリエ」は旧商品名シャルムとアソシエからの造語として採択したとしているが、前述のごとく、請求人の商標を知った上の採択であって、本当に知らないで採択したとは、情報化時代に被請求人の会社の規模からしても到底考えられない。
(ハ)「その他人の標章がハウスマークであるかどうか」
商標審査基準にハウスマークであるかどうかを判断事項としているのは、該標章がハウスマークであれば、当然他の商標よりは、周知性の判断において、より広い範囲における商品、役務にまで混同を生ずる恐れがあるため挙げているに過ぎないものである。
請求人は、本件において「シャリエ」がハウスマークであるとの主張はしていない。だからといって、ハウスマーク以外は、著名な商標ではないということにはならない。
(ニ)「企業における多角経営の可能性」
その企業が客観的にみて多角経営の可能性があるか否かであるが、一般的にいって、近時ほとんどの企業が多角経営化を図り、従来考えられなかった異業種に進出している。
請求人の属する東レグループも、元来、繊維部門で有名な会社であったが、現在では、あらゆる分野に進出していること社会通念上明らかである。
(ホ)「商品間、商品と役務間の関連性」
被請求人は、「建築工事一式」を行う者は一般的には「工務店」であり、「建物の売買」を行う者は一般的には「不動産業」であって、需要者は、前者に対する工事の発注をなすことによって「建築工事一式」の役務の提供を受け、また後者に対する建物の売買の申し込みをなすことによって「建物の売買」の役務の提供を受けるのであって、特別な場合を除いては両者間で役務の混同を起こすことはないと述べているが、確かに町で目にする「○○工務店」では、「建築工事-式」をおこない、駅の近くでみかける「○○不動産」では「建物の売買、建物の売買の仲介」を行っていることは事実ではあるが、現在のように、建物も大規模なものになると、「建築工事一式」「建物の売買」の両役務を合わせ請求人、被請求人のような大企業が扱うようになっていること、特別な場合ではない。
したがって、被請求人会社においても、「建設業法」と「宅地建物取引業法」による両方の免許を建設大臣より受けているはずである。
また、被請求人は、需要者において建築工事を発注する場合でも、建物の売買を申し込む場合でも、そのための意思決定は、それがきわめて高価となることから、需要者の一生を左右する人生の大事でもあって、きわめて慎重な検討、家族らとの協議を通じて実行を決断するのであるから、一般需要者の勘違いを起こしたり、被請求人の業務に係る役務と請求人の業務に係る役務と混同を生ずるおそれはないものであると、乙第7号証を提出して述べているが、確かに、家庭用品や食料品などの購入とは、その慎重さにおいての差異は認められるが、商標法は、そのようには規定されておらず、「混同のおそれ」でもって十分としている。そのことは、例えば、同一商標を同一役務に使用する場合、その両者の使用場所が、北海道と沖縄であれば、実際には、混同は生じないであろうが、登録にはならない。
本件でも、被請求人が第37類「建築工事一式」について取得した登録商標を使用し、有名になったところで、他社において第36類「建物の売買」に類別を異にするからといって出願登録できるとし、喧伝された場合には困惑するであろうし、「混同のおそれ」でもって十分としなければ、建設業界においても混乱することは必至であり、それを恐れるものである。
更に、被請求人は、引用商標の役務は、「建物の売買」であるにも拘らず、請求人が挙証する甲各号証の「媒体別広告宣伝」の使用態様は、引用商標の指定役務に該当するものではない分譲集合住宅(狭義のマンション)の名称であって、引用商標の指定役務を使用している証左とは認められないとして種々述べているが、引用商標は、商標の使用説明書を添付して出願のなされた、いわゆる特例出願であり、何等問題となるものではない。

3.被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第7号証を提出している。
(1)甲第3号証の1及び2は、作成名義人が立場上所属する請求人会社の被傭者であることから、密接な利害関係を有し措信しがたいものである。しかも「実績表」(甲第3号証の1)、「予定表」(甲第3号証の2)に示される「シャリエ物件別・媒体別広告宣伝費」に対応する「新聞、雑誌、電波、折込、看板、パンフレット」の具体的な内容、即ち「発売年月、完売年月」或いは「建設地」、「戸数」等の関連を証明する客観的な裏付けとなる新聞社、雑誌社その他広告に関与した宣伝媒体が発行する証明書のような一片の証拠もなく、単なる作文と評価されるものであるので不知である。
甲第29号証の1〜8は、写真撮影者の名義人表示が無く、作成日などが不明であることにより不知である。
(2)請求人が本件商標に関し商標法第4条第1項15号の適用を論ずる以上、本件商標及び引用商標の各構成態様を歪めることなく、客観的に正しく把握すべきである。本件商標は「シャリエ」であり、引用商標は「シャリエと旗を描いた図形(以下、旗図形と言う)の結合商標」であるにも拘らず、両者は「文字を共通にする称呼を同一にする商標」であるとして、引用商標について前記旗図形を全く無視したこの請求人の主張は失当である。
(2)請求人は、「引用商標は、…世人に広く知れ渡った商標となっている・・・」としているが、客観的に見て到底請求人のこの主張を容認することはできない。
特許庁における審査実務の基準である乙第3号証(商標審査基準、特許庁商標課編、平成4年3月23日発行、表紙、第48、49頁、奥付、発明協会刊)で示される商標法第4条第1項15号に関する「『他人の業務に係る商品又は役務と混同を生ずるおそれがある商標』であるか否かの判断」のうち、少なくとも「(イ)その他人の標章の周知度(広告、宣伝等の程度又は普及度)、(ハ)その他人の標章がハウスマークであるかどうか、(ホ)商品間、商品と役務間の関連性」についてみた場合、本件商標と引用商標との関係は後述する理由により、これらの条件に該当しないものである。
以下に、条件(イ)、(ハ)、(ホ)について説明する。
(イ)「その他人の標章の周知度」
乙第4号証(商標[第4版]、網野誠著、平成10年2月25日発行、表紙、第370、371頁、奥付、株式会社有斐閣刊)によれば、「他人の業務にかかる商品または役務と混同を生ずるおそれがあるような商標とは、商品または役務の取引者・需要者に、商品の生産者・取扱者・販売者ないしは役務の提供者等を誤って認識させるような商標をいい、」(同証第371頁第3〜第5行)と説明され、それに該当するものとして、「きわめて著名である他人の商標…と同一または類似の商標であって、これらのものが使用される商品・役務営業等と類似しない、または関係のない商品または役務に使用されるような商標」(同証同頁 第17〜第20行)を挙げ、具体的に「防護標章の登録を受け得るような著名商標と同一または類似の商標が非類似の商品または役務に使用される場合は、15号が適用される典型的な例であろう。」(同証同頁第21〜第23行)と教示している。
かかる観点から甲第6号証〜甲第30号証を検討した場合、引用商標は請求人の言う「世人に広く知れ渡った商標」でもないし、「きわめて著名である商標」或いは「防護標章」の登録に匹敵する「著名商標」に該当するものでもない。
つまり、乙第5号証(請求人が挙げた「媒体別広告宣伝」における引用商標の使用の実体を示す一覧表)[その1]、[その2]に掲記した20件にも満たない、しかも「特定地名」と密接してなる引用商標の使用をもって、「きわめて著名である商標」、或いは防護標章の登録に匹敵する「著名商標」とは到底評価できないものである。
いわんや、本件商標について審査を担当した審査官においても、引用商標がきわめて著名であることを把握しなかったからこそ、本件商標について登録査定されたのである。
(ハ)「その他人の標章がハウスマークであるかどうか」
請求人は「一般需要者は、『シャリエ』といえば、多角的経営を行っているあの『東レ』の関連会社による役務であると勘違いを起こし、」(審判請求理由書第5頁第13〜第15行)と主張している。しかるに、乙第6号証(工業所有権用語辞典<新版>、工業所有権用語辞典編集委員会編、昭和50年12月10日発行、表紙、第724頁、奥付、日本工業新聞社刊)で例示している「東レ株式会社のTorayのマーク等が社標に該当する。」(注:なお、同会社の社標(社章)は現在 ′TORAY′である。)との紹介記事を挙げるまでもなく、引用商標は「東レ」又はその関連会社使用の「ハウスマーク」ではない。
(ホ)「商品間、商品と役務間の関連性」
請求人は「建築工事一式」と「建物の売買」に関し、「…一般に 同一の事業者が建築工事も建物の売買も共に扱っているのが現状である。」(審判請求書第3頁第2〜第3行)とし、建設業法と宅地建物取引業法について言及し、また「一般の需要者においては…両役務が非類似の役務として取り扱われ、・・・条件付き売り建てと建て売り住宅とが異なった事業者に許されていることも知らない。」(同書第5頁第7〜第11行)と主張している。
しかるに、本件商標の役務「建築工事-式」は「総合的な企画、指導、調整のもとに建築物又は土木工作物を建設する工事である。」のに対し、引用商標の役務「建物の売買」は、「建物の売買の他に、建物の建築施工をした者がその建物を譲渡(例えば、自ら建築施工した住宅の建売)を含む役務」である。前者の「建築工事-式」を行う者は一般的には「工務店」であり、後者の「建物の売買」を行う者は一般的には「不動産業」であって、需要者は、前者に対する工事の発注をなすことによって前記「建築工事一式」の役務(サービス)の提供を受け、また後者に対する建物の売買の申し込みをなすことによって前記「建物の売買」の役務(サービス)の提供を受けるのであって、特別な場合を除いては両者間で役務の混同を起こすことはないのである。
また、一般に広く認識されているように、需要者において建築工事を発注する場合でも、建物の売買を申し込む場合でも、そのための意思決定は、それがきわめて高価となることから、需要者の一生を左右する人生の大事でもあって、きわめで慎重な検討、家族らとの協議等を通じて実行を決断するのであり、それは単に家具購入等の場合とは全く比較にならないものである。
従って、一般需要者は、発注に際しては工事業者が社会的に信用がおけるか、或いはどのような施工をしているのかなどを十分に知る必要があるし、売買を申し込むに際しては、売買業者の信用度、建物自体、買主或いは売主が誰かについてなどを見極めなければならないことが常識なのである。仮に、このような慎重な態度を採らずに、意思決定をする者が存在したとしても、それは稀有にして例外のことである。
このように、本件商標又は引用商標の役務に関心を示す殆どの需要者、しかも一家の責任ある立場にある成人は前記態度で臨むことに相違ないのであって、請求人の言うような「(一般需要者の)勘違いを起こし」たり、被請求人の業務に係る役務と請求人の業務に係る役務と混同を生ずるおそれはないものである。
前記「勘違い」は、例えば購買者層として児童、老齢者も含まれる家庭用品、食料品などの購買時には考えられるとしても、建物のようなきわめて高価な対象が関連する役務については論外のことである。
例えば、乙第7号証(大阪地裁昭33(ヨ)第2764号、昭35年5月30日判決、仮処分申請事件[ファーストプリンター事件]判決)は、不正競争防止法事件であるが、同法第1条第1項第1号の「混同」のおそれがないと認めた事例である。その教示内容は、「マルティグラフと新型ファーストプリンターとは、商品の形態の上でなお類似性があっても、店頭陳列の大衆的商品その他集団的取引の対象になる商品とは異なり、慎重な調査検討を伴う個別的取引にのみ親しむ商品である関係上、ただその形態が紛らわしいからということのために、見違えて取引するようなことは、ありえないものと考えられ、取引上両製品の混同を生じるおそれがあるとはいえない。」と判示している。
もとより、乙第7号証は不正競争防止法上の判示ではあるが、判断の在り方として、「店頭販売の大衆的商品」と、判示の印刷機械のごとき「慎重な調査検討を伴う個別的取引にのみ親しむ商品」の場合とは、「取引上両製品の混同を生じるおそれがある」か否かの判断は相違するものであることを明確に教示している。
この教示内容に照らしても、本件商標と引用商標との指定役務は請求人も自認する通り非類似の役務であり、しかも「建築工事-式」と「建物の販売」の役務に対しては、前記印刷機械の購買以上に一般需要者が慎重な態度で臨むものであるからには、混同を生ずるおそれが少なく、本件商標は前記法条に該当しないものである。
(3)更に、引用商標の役務は「建物の売買」であるにも拘らず、請求人が挙証する甲各号証の「媒体別広告宣伝」の使用態様は、引用商標の指定役務に該当するものではない分譲集合住宅(狭義のマンション)の名称であって、引用商標の指定役務を使用している証左とは認められない。
少なくとも乙第5号証〔その2〕において指摘する「旗図形」を有せず引用商標そのものではない[文字部分(シャリエ)十特定地名]である分譲集合住宅名の使用態様をもって、「建物の売買」役務に関して「請求人が使用して世人に広く知られた商標」であると請求人が主張するのは、我田引水といわざるを得ない。

4.当審の判断
本願商標は、前記したとおり「シャリエ」の文字よりなるものであるから、「シャリエ」の称呼を生ずるものであること明らかである。
他方、引用商標は、別掲に示すとおり図形と「シャリエ」の文字との結合よりなるところ、該図形部分は、特定の称呼、観念を生ずるものとはみられないから、「シャリエ」の文字部分に相応して「シャリエ」の称呼を生ずるものと認められる。
そうすると、本願商標と引用商標とは、その指定役務(前者は「建築工事一式」、後者は「建物の売買」)を異にするものの、「シャリエ」の称呼を共通にするものと認められるところである。
そこで、引用商標が請求人の業務に係る役務「建物の売買」を表示するための商標として世人に広く知れ渡っていたか否かについて検討する。
請求人は、分譲マンションを分譲販売し、その名称として引用商標を使用したというものであるが、通常、マンションの住居の分譲販売に当たって、販売業者は、契約の成立ないし契約の履行までの間に、物件の購入希望者に対し、マンションの特徴、住居の間取り、内装設備、周辺地域の環境、管理形態、ローン返済計画の内容等種々の説明、また、モデルルームの展示等を行うことが重要事項となっていることが認められ、これらの販売業者の行為は、マンションの分譲販売に際し行われるものとして、「建物の売買」の役務に属する行為というべきものである。
そして、この間に、マンションの建物の名称が、マンションの建物自体やモデルルーム、定価表、売買関係の取引書類、看板、パンフレット、新聞・雑誌等の広告等に使用されているものであり、これら建物の名称を付した行為は、マンションの分譲販売に際し行われる役務の提供の際になされたものであるから、「建物の売買」についての商標の使用に当たるといえるものである。
しかして、請求人の提出に係る甲第3号証ないし同第30号証(枝番を含む。)をみるに、甲第3号証の1は、「シャリエ物件別・媒体別広告宣伝費実績表」と表題の記された書面(一枚)で、その右上欄外に「平成10年3月31日現在」「東レ建設株式会社」「不動産事業本部長」と3段に印字され、その上から押印したと認められる陰影が写った該書面のコピーと認められるところ、その最上欄には「名称、戸数、発売年月・完売年月、新聞、雑誌、電波、折込、看板、パンフレット」等の欄があり、それぞれの欄端には合計欄が設けられているが、本件商標の出願日(平成7年8月10日)前の発売年月の物件(分譲マンション)は24名称(物件)中、上段の「シャリエ岸和田」から中程の「シャリエ湯河原桜木公園」の9物件であり、これらの広告宣伝費の合計は13億7千万円になるが、この「シャリエ物件別・媒体別広告宣伝費実績表」なる書面(写し)は、前記したとおり、本件商標の登録出願日後の日付に係る請求人(会社)の社内部署(不動産事業本部長)で作成されたといえる一覧表であり、また、甲第3号証の2は、「平成10年度発売シャリエ物件別・媒体別広告宣伝費予定表」と表題の記された平成10年4月以降に発売予定の6物件に関する甲第3号証の1と同じ部署で作成されたと認められる書面(一枚)のコピーである。これら甲第3号証の1及び同第3号証の2の「名称」欄その他の部分には引用商標と同一のものは表示されていない。
次に、甲第6号証ないし同第13号証(枝番を含む。)においては、前記の9名称(物件)中、7名称に対応する物件(分譲マンション)について、その発売年月前に日刊新聞(朝日新聞他)の紙上に広告宣伝され、その広告紙面上に「′TORAY′」の商標と共に引用商標が表示されていることを認めることができる。
また、甲第14号証の1ないし同第14号証の12及び甲第14号証の14ないし同第14号証の19、甲第15号証の1、同第17号証、甲第19号証、同第21号証の1及び同第22号証の週刊住宅情報の広告、同第15号証の2の家づくりの広告、同第27号証の折り込み広告、同第29号証の1ないし同第29号証の3及び同第29号証の5ないし同第29号証の8の看板(写真)においては、引用商標と同一のものは表示されていないものである。
甲第14号証の13、同第16号証、同第18号証及び同第20号証の週刊住宅情報の広告、同第15号証の3の日経マネーの広告、同第21号証の2のNIKKEI BUSINESSの広告、同第23号証ないし同第26号証、同第28号証の折り込み広告、同第30号証のパンフレットにおいては、「′TORAY′」の商標と共に引用商標が表示されていることを認めることができる。
甲第29号証の4の看板(写真)においては、引用商標が表示されていることを認めることができる。
そうとすれば、前記証拠によると、図形と「シャリエ」の文字との結合よりなる引用商標が請求人の業務に係る役務「建物の売買」(マンションの分譲販売)について使用されていることは認め得るものであるが、その多くは請求人を含むいわゆる東レグループを指称するものとして一般に広く知られているといえる「′TORAY′」の商標と共に使用されているものであり、また、該証拠中には引用商標と同一のものが使用されていない証拠も含まれているところ、その際、引用商標と使用に係る商標とが「シャリエ」の称呼を同じくするとの点を考慮し総合勘案したとしても、該証拠によっては引用商標が需要者の間に広く知られているとは認め難いところである。加えて、これら請求人より提出された証拠はいずれも、引用商標が請求人の業務に係る役務「建物の売買」(マンションの分譲販売)について広告宣伝された時期、回数、宣伝費及び物件の販売戸数等が客観的に把握できる販売実績の証明書や広告業者、放送業者、新聞業者、出版業者又は印刷業者等の請求書、領収書等の取引書類又は証明書の提出がないものであるから、引用商標が請求人の業務に係る役務を表示するものとして、本件商標の登録出願時において需要者の間に広く認識されていたことを証明する証拠としては不十分なものといわざるを得ない。
そうすると、引用商標は、本件商標の登録出願時において請求人の業務に係る役務を表示するものとして、需要者の間に広く認識されていた商標ということはできないものである。
してみると、本件商標が引用商標と同一の称呼を生ずるものであって、両者の「建築工事一式」と「建物の売買」の役務間において、提供の手段や目的等の関連性を認め得るとしても、本件に関し前記の如く判断するのが相当である以上、本件商標をその指定役務「建築工事一式」に使用した場合、直ちに請求人を想起させるものとは認め難く、その役務が請求人又は請求人と関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その役務の出所について混同を生ずるおそれのないものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものということはできないから、その登録は同法第46条第1項第1号の規定により、これを無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
引用商標


審理終結日 2001-05-15 
結審通知日 2001-05-25 
審決日 2001-06-06 
出願番号 商願平7-81759 
審決分類 T 1 11・ 271- Y (037)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 薩摩 純一 
特許庁審判長 三浦 芳夫
特許庁審判官 滝沢 智夫
中嶋 容伸
登録日 1997-09-19 
登録番号 商標登録第4058616号(T4058616) 
商標の称呼 シャリエ 
代理人 三瀬 和徳 
代理人 日比谷 征彦 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ