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審決分類 審判 一部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 126
管理番号 1037489 
審判番号 審判1997-11457 
総通号数 18 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-06-29 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 1997-07-09 
確定日 2001-02-26 
事件の表示 上記当事者間の登録第2193269号商標の商標登録取消審判事件についてした平成11年4月12日付審決に対し、東京高等裁判所において審決取消の判決(平成11年(行ケ)第183号,平成12年4月27日判決言渡)がなされ、同判決が最高裁判所の決定(平成12年(行ツ)第238号,平成12年(行ヒ)第234号,平成12年9月22日決定)により確定したので、さらに審理のうえ、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第2193269号商標(以下、「本件商標」という。)は、「ビッグサクセス」の文字を横書きしてなり、第26類「印刷物、書画、彫刻、写真、これらの附属品」を指定商品として、昭和62年1月16日登録出願、平成元年11月28日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張
請求人は、本件商標の指定商品「印刷物」についての登録はこれを取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を次のように述べた。
本件商標は、その指定商品「印刷物」について、継続して3年以上日本国内において使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(1)本件冊子について
被請求人は、「ビッグサクセス」の創刊号から第4巻7号までのすべて、すなわち本件冊子のすべてを健康関連商品のPR用ダイレクトメールとして作成し、発送したとしか解釈できない主張をしたほか、単独では有償販売していないという趣旨の主張をしている。しかし、被請求人が本件冊子を販売していたという主張は、信用できない。
本件冊子は、もともと、社会通念上販売可能と認められるようなものではない。
また、その点は問わないとしても、現に、ダイレクトメールとして無料で配布していたという事実から、商標法上の商品であることが否定されるべきものである。
(2)本件カレンダーについて
本件カレンダーは「一枚のペラ」であり、サイズも小さく貧相で、デザイン価値も低く、商品価値も低い。これらは、宣伝配布用のような無料で配布するもの以外ではあり得ない。
平成8年版のカレンダーは、カレンダー製作者の系列事業所名や系列会社刷込み用の白場を残して印刷されている。このようなものを、このまま販売することも、この白場に会社名を印刷して販売することも到底考えられない。
(3)本件ガイドブックについて
本件ガイドブックは、中ページは簡易オフセット印刷で、原本から写真製版で複写して印刷したものであるものの、表、表紙裏及び裏表紙の文字はコピー機を通したものであり、しかも表紙の小口だけは、カッターナイフで裁ったと思われる痕があるから、手作りのものとしか考えられない。販売する出版物を手作りするというのは、常識では考えられないことである。
被請求人のホームページには、スポーツ吹矢ダーツセットの広告があり、そのセットの中に「FUKIYA DART ガイドブック」があるが、そこには「ビッグサクセス」の記載はない。本件ガイドブックには、「ビッグサクセス」の記載がなかったものを、表紙だけを手作りで取り替えたものである疑いがある。
本件ガイドブックが捏造されたものではないとしても、被請求人は、これをスポーツ吹矢ダートセットを構成する一つとして販売しているものである。したがって、本件ガイドブックは、単独では販売していない附属品であるから、これを商標法上の商品とすることはできない。
また、本件ガイドブックは、セットとして販売したか、又は吹矢ダーツを購入した特定の人にのみ販売したかのいずれかである。
セットとして販売したのなら、商品「書籍」の販売ではない。吹矢ダーツを購入した特定の人にのみ販売したのなら、一般市場で流通に供されることを目的として生産され、又は取引きされる「商品」書籍の販売ではない。
本件ガイドブックにおける「ビッグサクセス」は、著作物の題号としての使用であって、出所表示機能を表すような使用ではないから、商標としての使用ではない。

3 被請求人の主張
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を次のように述べた。
(1)本件冊子について
本件冊子は、発行順に、平成6年2月発行の第1巻第2号、平成7年4月発行の第2巻第4号、平成8年5月発行の第3巻第5号、平成9年7月発行の第4巻第7号の四つに分けられる。被請求人は、当初は、本件冊子を10店舗以上ある被請求人の店舗等において定価100円の商品として店頭販売していたが、店頭での売れ行きが芳しくなかったため、順次ダイレクトメール等として使用する部数を増やし、平成9年7月発行の第4巻第7号のときには、ほぼ全部数ダイレクトメールとして使用するに至った。
本件冊子は、定価100円に相当する価値を有する商品としての体を備えており、十分販売でき得る商品であるから、仮に現実には販売されていなかったとしても、商標法上の商品というべきである。
(2)本件カレンダーについて
被請求人は、本件商標を付した本件カレンダーを、東京都墨田区石原3-24-6小山ビル2Fの有限会社小山商店に発注してそれぞれ1万部製作し、定価300円で販売した。
平成8年版は、平成7年10月から平成8年1月まで、千葉県市川市八幡3-2-1京成百貨店3Fのダイセイコー市川店の他11店において、平成9年版は、平成8年10月から平成9年1月まで、前記の各店舗及び東京都葛飾区高砂5-28-1京成高砂駅ラチ外コンコースのトライアンフ高砂店において、それぞれ販売したものである。
(3)本件ガイドブックについて
被請求人は、本件商標を付した本件ガイドブックを平成8年3月30日付けで出版し、定価300円(税込み315円)で販売して本件商標を使用していた。本件ガイドブックは「吹矢ダーツセット」に組み入れられているが、吹矢をする購入者がセットで購入することも、単独で購入することもできる商品である。
したがって、本件商標は、その指定商品「印刷物」について、継続して3年以上日本国内において使用したものである。

4 当審の判断
(1)平成11年8月22日には、被請求人のインターネット上のホームページに、被請求人が「スポーツ吹矢ダーツ・セット」を消費税込み2万9732円で販売しており、セット中に「FUKIYA DARTガイドブック」が含まれていることが表示されていた。また、被請求人は、平成11年7、8月ころには、吹矢ダーツセットを販売するに当たり、「発売元/ビッグサクセス」、「使用方法・・・詳細につきましては、別冊のFKIYA DARTガイドブックをご覧下さい。」と記載された取扱い説明書を使用していた。本件ガイドブックの表紙に記載された文字が、「ビッグサクセス FUKIYA DART ガイドブック」であることは明らかであり、これは、「ビッグサクセス」の「FUKIYA DART ガイドブック」という意味に理解することができる。
以上の事実によれば、被請求人は、平成11年7、8月ころには、本件ガイドブックないしこれと同内容、同表題のガイドブックを、吹矢ダーツセットの一部として販売していたことが認められる。
(2)本件ガイドブックの奥付には、「一九九六年三月三十日発行 発行 株式会社ダイセイコー 発売 株式会社ダイセイコー・・・印刷 平和堂印刷株式会社 定価 三百円」との記載があるから、本件ガイドブックは、平成8年3月30日ころ発行されたものと認められる。
以上の事実によれば、被請求人は、平成8年3月30日ころから、本件ガイドブックを吹矢ダーツセットの一部として販売していたものと推認される。
してみれば、被請求人は、本件審判の請求の登録日前3年以内に日本国内において、印刷物である本件ガイドブックについて、本件商標を使用していたものというべきである。
したがって、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において請求に係る商品について使用されていたものであるから、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきでない。
よつて、結論のとおり、審決する。
審理終結日 1997-12-02 
結審通知日 1997-12-12 
審決日 1999-04-12 
出願番号 商願昭62-3208 
審決分類 T 1 32・ 1- Y (126)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 山内 周二宮下 行雄 
特許庁審判長 小松 裕
特許庁審判官 原 隆
高野 義三
三浦 芳夫
宮川 久成
登録日 1989-11-28 
登録番号 商標登録第2193269号(T2193269) 
商標の称呼 ビックサクセス 
代理人 庄司 建治 
代理人 木内 二朗 
代理人 稲垣 仁義 

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