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審決分類 審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 登録しない 014
管理番号 1029638 
審判番号 審判1998-18535 
総通号数 16 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-04-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1998-11-25 
確定日 2000-12-13 
事件の表示 平成 6年商標登録願第 85318号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成からなり、第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器,こしょう入れ,砂糖入れ,塩振出し容器,卵立て,ナプキンホルダー,ナプキンリング,盆及びようじ入れ,貴金属製の花瓶及び水盤,貴金属製針箱,貴金属製宝石箱,貴金属製のろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製のがま口及び財布,貴金属製靴飾り,貴金属製コンパクト,貴金属製喫煙用具,身飾品(カフスボタンを除く),カフスボタン,宝玉及びその模造品,宝玉の原石,時計,時計の部品及び附属品,記念カップ,記念たて」を指定商品として平成6年8月25日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品については、同7年3月1日付けの手続補正書により「貴金属製きせる,きせる筒,たばこ入れ,たばこケース,たばこホルダー,灰皿,パイプ,その他の貴金属製喫煙用具,イヤリング,カフスボタン,貴金属製き章,貴金属製バックル,貴金属製バッジ,貴金属製ボンネットピン,ネクタイ止め,ネクタイピン,ネックレス,ブレスレット,ペンダント,宝石ブローチ,メダル,指輪,ロケット,その他の身飾品,時計,時計の部品及び附属品」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶理由
原審において登録異議の申立てがあった結果、原査定は、「登録異議申立人(以下「申立人」という。)の提出に係る甲各号証より、申立人は、世界的に有名なデザイナー『ラルフ・ローレン』によって主宰されるアパレルその他各種の生活関連用品のメーカーであって、そのデザインに係る紳士服、ネクタイ、眼鏡等について商標『POLO』、『ポロ』を使用した結果、本願商標登録出願時には、既に取引者、需要者間において、極めて広く認識されていたものであることが認められる。しかして、本願商標中の下部の四角輪郭内に表してなる『ELDORADO POLO CLUB』の文字は、それ自体で自他商品識別標識として機能するものであるが、これが全体として特定の意味合いを有するものとは認められず、常に不可分一体の構成よりなるものと認識把握しなければならない格別の理由もなく、構成中の『POLO』の文字部分は、申立人が商品『紳士服、ネクタイ、眼鏡』等に使用して極めて広く認識されている『POLO』と同一であるから、引用商標を含んでなるものであり、また、トータルファッションが盛んな昨今、本願の指定商品についても、服飾デザイナー等がデザインする場合がむしろ多いことからして、本願商標をその指定商品に使用するときは、該商品が恰も申立人又は申立人と何らかの関係ある者の業務に係る商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものと判断するのが相当である。したがって、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものである。」旨認定判断して本願を拒絶したものである。

3 請求人の主張
請求人は、要旨次のように主張している。
(1) 本願商標は、アメリカに実在するポロクラブであり、アメリカの全米ポロ協会「United States Polo Association」に所属し、西海岸を代表するポロクラブである。
(2) 「POLO」は、「テニス」「ゴルフ」と同様にスポーツ名にすぎず、一般用語として認められるべきである。
(3) 「POLO」は、世界中の辞書、事典を調べても「ラルフ・ローレン」との関係の記述はない。「POLO」との合成語の全ての商標が「ラルフ・ローレン」のものと決めつけることは、いくら海外との関係を重視しなければならないと考えとしても、余りにも一営利企業を利することになる。
(4) 「POLO」商標のみに関し、それ程まで独占的地位を「ラルフ・ローレン」に与えることは、日本の国益に叶うとは思えない。その結果、日本の市場の自由な競争を閉ざし、「ラルフ・ローレン」商品の独占的販売を許していることは正しいとはいえず、国内の「不正競争防止法」の観点からも問題がある。

4 当審の判断
(1)「POLO」商標の周知性について
株式会社講談社昭和53年7月20日発行「男の一流品大図鑑」及びサンケイマーケティング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド辞典’84ザ・ブランド」の記載によれば、次の事実が認められる。
アメリカ合衆国在住のデザイナーであるラルフ・ローレンは、1967年ネクタイのボー・ボランメル社にデザイナーとして入社、巾広ネクタイをデザインし、圧倒的に若者に支持され、世界に広まった。翌1968年独立し、ポロ・ファッションズ社(以下、「ポロ社」という。)を設立、ネクタイ、スーツ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出し、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞したのをはじめ、数々の賞を受賞した。1974年に映画「華麗なるギャッツビー」の主演俳優ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当したことから、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。その頃からその名前は我が国服飾業界においても知られるようになり、そのデザインに係る一群の商品には、横長四角形中に記載された「Polo」の文字、「by RALPH LAUREN」の文字、馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形からなる各商標(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)が用いられ、これらは「ポロ」の略称でも呼ばれている。
そして、株式会社洋品界昭和55年4月15日発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」「ポロ/Polo」の項及びボイス情報株式会社昭和59年9月25日発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン」の項の記述並びに昭和63年10月29日付け日経流通新聞の記事によれば、我が国においては西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等の、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。また、ラルフ・ローレンに係る紳士服、紳士用品については、昭和53年2月16日付け日本経済新聞(夕刊)の広告、前記「男の一流品大図鑑」、株式会社講談社昭和54年5月20日発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、株式会社チャネラー昭和54年9月20日発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年4月25日発行)、「世界の一流品大図鑑’80年版」(昭和55年6月20日発行)、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年6月20日発行)、前記「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、株式会社講談社昭和60年6月25日発行「流行ブランド図鑑」のそれぞれにおいて、メガネについては、前記「世界の一流品大図鑑’80年版」、「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」、「世界の一流品大図鑑’81年版」のそれぞれにおいて、「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフ・ローレン(アメリカ)」等の表題の下に紹介されていることが認められる。
他に、これを覆すに足りる証拠はない。
なお、以上の刊行物は、請求人が当事者となっている平成8年審判第6645号、同9年審判第21736号、同10年6194号等の審決において掲げたものと同一のものである。
さらに、ラルフ・ローレンの「POLO」、「Polo」、「ポロ」の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した判決(東京高裁平2(行ケ)183、平成3.7.11)があるほか、上記商標の周知性を認めた判決として、東京高裁平成11年(行ケ)250号、同251号、同252号、同267号、同290号(以上平成11年12月16日)、同268号、同289号(以上平成11年12月21日)、同288号(平成12年1月25日)、同298号、同299号(以上平成12年2月1日)、同192号(平成12年2月29日)がある。
以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、引用商標は、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服類及び眼鏡製品に使用する標章として遅くとも本願商標の登録出願時までには既に我が国において取引者・需要者間に広く認識されるに至っていたものと認められ、その状態は、現在においても継続しているというのが相当である。
(2) 商品の混同のおそれについて
本願商標は、別掲のとおり、円輪郭内に、山並みを背景にして馬に乗ったポロ競技(馬に乗ったプレーヤーによる2チームが互いにマレットで1個のボールを奪い合い、ゴールに打ち込むことを競う球技)の2人のプレーヤーの図形を描き、該プレーヤーの後部に椰子の如き1本の木を上記円輪郭をはみ出して描き、さらに該円輪郭の下部に重ねて横長四角形を配し、その四角形内に「ELDORADO POLO CLUB」の欧文字を書した構成からなるものである。しかして、本願商標の構成中の「ELDORADO」の文字は「黄金の都市、黄金郷、米国アーカンソー州南部の都市」を意味するものであり、「POLO」の文字は「ポロ競技」を意味し、「CLUB」の文字は「クラブ、同好会」等を意味する英語であるばかりでなく、これらが一連一体の熟語として親しまれた観念を有するもとして広く認識されているともいえないことに加え、上記図形部分はポロ競技のプレーヤーを認識せしめるものであることからすれば、「POLO」の文字部分自体が着目され、本願商標は全体として「ポロ」(競技)の観念及び「ポロ」の称呼を生ずるものというのが相当である。
また、本願商標の指定商品は、貴金属製喫煙用具、イヤリング、カフスボタン、貴金属製バックル、貴金属製ボンネットピン、ネクタイピン、ネクタイ止め、ネックレス、ペンダント、指輪等の身飾品、時計等を含むものであり、これらの商品と引用商標が使用されている被服類及び眼鏡類とは、共にファッションに関連した商品であって、統一ブランドの下にファッションをまとめようとする昨今にあっては少なからぬ関係を有するものといえる。
他方、上記のとおり、ラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして需要者間に広く認識されている引用商標は、「ポロ」(競技)の観念及び「ポロ」の称呼を生ずるものといえる。
そうすると、上記認定のとおり、我が国において遅くとも本願商標の登録出願時までには既にラルフ・ローレンのデザインに係る商品を表示するものとして引用商標が取引者、需要者の間に広く認識されていたという取引の実情を考慮すると、本願商標は、その指定商品に使用する場合には、引用商標と構成上相違する点があるとしても、時と処を別にしてこれに接する取引者、需要者者は、「ELDORADO」の文字が格別ポロ競技と関係のない語であること、「CLUB」の文字が「クラブ、同好会」等を意味するありふれた日常語にすぎないことから、「POLO」の文字又はポロ競技の図形部分に着目して、引用商標を連想、想起し、該商品がラルフ・ローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのようにその出所について混同を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
(3) 請求人の主張について
ア) 請求人は、本願商標を構成する文字はアメリカの全米ポロ協会に所属するアメリカに実在するポロクラブ名を表す旨主張しているが、たとえそうであるとしても、我が国においては、上記ポロクラブは知られたものではなく、本願商標に接する取引者、需要者が本願商標の構成中の「ELDORADO POLO CLUB」の文字部分から直ちに上記ポロクラブを表したものと理解し、これを一連一体のものとして認識するとはいい難いから、請求人の主張は採用できない。
イ) 請求人は、「POLO」は「テニス」「ゴルフ」と同様にスポーツ名にすぎず、一般用語として認められるべきであり、また、世界中の辞書、事典を調べても「ラルフ・ローレン」との関係の記述はないから、本願商標は登録されるべきである旨主張しているが、かかる主張は、上記認定判断に照らし、失当であり、採用することはできない。
なお、株式会社小学館、1998年1月10日発行「小学館ランダムハウス英和大辞典」2097頁によれば、「Polo」の項に「(商標)ポロ:米国のRalph Laurenデザインによるバッグなどの革製品」との記述がある。
ウ) 請求人は、「POLO」商標について独占的地位を「ラルフ・ローレン」に与えることによって、日本の市場の自由な競争を閉ざし、「ラルフ・ローレン」商品の独占的販売を許している旨主張しているが、上記認定のとおり、引用商標はラルフ・ローレンのデザインに係る商品に使用する商標として本願商標の登録出願前から需要者間に広く認識されていたものであり、これを保護することは商標法の目的にも適うものであるから、請求人の主張は採用することができない。
エ) その他、請求人は、当庁における審査例を掲げて種々主張するところがあるも、過去にされた審査例等は具体的、個別的な判断が示されているのであって、必ずしも確立された統一的な基準によっているものとはいえず、仮にその中に矛盾や誤りがあるとしても、具体的事案の判断にあたっては、過去の審査例等の一部の判断に拘束されることなく検討されるべきであるから、この点に関する請求人の主張も採用することができない。
(4) まとめ
以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本願商標

審理終結日 2000-03-30 
結審通知日 2000-04-11 
審決日 2000-04-27 
出願番号 商願平6-85318 
審決分類 T 1 8・ 271- Z (014)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 伊藤 実涌井 幸一津金 純子 
特許庁審判長 大橋 良三
特許庁審判官 小林 薫
茂木 静代
商標の称呼 エルドラドポロクラブ、ポロクラブ 
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