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審決分類 審判 査定不服 商4条1項15号出所の混同 登録しない 122
管理番号 1029607 
審判番号 審判1996-17239 
総通号数 16 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-04-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1996-10-09 
確定日 2000-07-17 
事件の表示 平成2年商標登録願第70007号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標は、別紙(1)に表示したとおりの構成からなり、第22類「はき物(運動用特殊ぐつを除く。) かさ つえ これらの部品および附属品」を指定商品として平成2年6月21日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由
原査定は、登録異議の申立てがあった結果、「登録異議申立人(以下『申立人』という。)の引用する『競技中のポロプレーヤーの図形』よりなる商標(以下『申立人商標』という。)は、『ポロプレーヤーマーク』とも称され、申立人がその取扱いに係る被服類、眼鏡類に使用し本願商標の出願時には既に取引者、需要者間において著名な商標となっているものであることは、その提出に係る証拠によっても認め得るところである。そうすると、本願商標は、申立人商標と表現は相違するとしても、競技中のポロプレーヤーの図形を顕著に描いてなるものであり、申立人商標と『競技中のポロプレーヤーの図形』という点において観念を同じくする本願商標をその指定商品について使用するときは、前記事情よりして該商品が申立人又は申立人と何らかの関係にある者の業務に係る商品であるであるかの如く、その出所について混同を生じさせるおそれがあるものと判断するのが相当である。したがって、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとする本件登録異議の申立ては理由があるものとすべきである。」旨認定・判断して本願を拒絶したものである
3 請求人の主張
請求人は、要旨次のように主張している。
申立人商標は、1頭の馬とその馬に騎乗しているポロプレーヤーの図形であって、決して2頭又はそれ以上の複数頭の馬に騎乗したポロプレーヤーの図形は使用していない。
本願商標は、2頭の馬が前後位置に重なるような状態であって、その馬上に乗っている者同士があたかも鞭を入れて競争しているイメージを看者に与え、必ずしもポロ競技をしていることを連想させるものではなく、ましてや申立人商標とは異なって躍動感や激しさを与える図形であり、1頭単独の申立人商標は各ポロショップにおいて変形して使用することがなく、一貫して同一図形を継続して使用しているものであって、本願商標とは明らかに異なり、一般需要者、取引者が商品の出所の混同を生ずることがない。
4 当審の判断
(1) 引用商標の周知性について
(株)講談社昭和53年7月20日発行「男の一流品大図鑑」及びサンケイマーケティング昭和58年9月28日発行「舶来ブランド辞典’84ザ・ブランド」の記載によれば、次の事実が読められる。
アメリカ合衆国在住のデザイナーであるラルフ・ローレンは、1967年ネクタイのボー・ボランメル社にデザイナーとして入社、巾広ネクタイをデザインし、圧倒的に若者に支持され、世界に広まった。翌1968年独立し、ポロ・ファッションズ社(以下、「ポロ社」という。)を設立、ネクタイ、スーツ、シャツ、セーター、靴、カバンなどのデザインをはじめ、トータルな展開を図ってきた。1971年には婦人服デザインにも進出し、「コティ賞」を1970年と1973年の2回受賞したのをはじめ、数々の賞を受賞した。1974年に映画「華麗なるギャッツビー」の主演俳優ロバート・レッドフォードの衣装デザインを担当したことから、アメリカを代表するデザイナーとしての地位を確立した。その頃からその名前は我が国服飾業界においても知られるようになり、そのデザインに係る一群の商品には、横長四角形中に記載された「Polo」の文字、「by RALPH LAUREN」の文字、別紙(2)に表示したとおりの馬に乗ったポロ競技のプレーヤーの図形からなる各商標(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)が用いられ、これらは「ポロ」の略称でも呼ばれている。
そして、(株)洋品界昭和55年4月15日発行「海外ファッション・ブランド総覧1980年版」の「ポロ/Polo」の項及びボイス情報(株)昭和59年9月25日発行「ライセンス・ビジネスの多角的戦略’85」の「ポロ・バイ・ラルフ・ローレン」の項の記述並びに昭和63年10月29日付け日経流通新聞の記事によれば、我が国においては西武百貨店が昭和51年にポロ社から使用許諾を受け同52年からラルフ・ローレンのデザインに係る紳士服、紳士靴、サングラス等の、同53年から婦人服の輸入、製造、販売を開始したことが認められる。また、ラルフ・ローレンに係る紳士服・紳士用品については、例えば、前記「男の一流品大図鑑」をはじめ、昭和53年2月16日付け日本経済新聞(夕刊)の広告、(株)講談社昭和54年5月20日発行「世界の一流品大図鑑’79年版」、(株)チャネラー昭和54年9月20日発行別冊チャネラー「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年4月25日発行)、「世界の一流品大図鑑’80年版」(昭和55年6月20日発行)、「世界の一流品大図鑑’81年版」(昭和56年6月20日発行)、前記「舶来ブランド事典’84ザ・ブランド」、(株)講談社昭和60年6月25日発行「流行ブランド図鑑」のそれぞれにおいて、メガネについては、前記「世界の一流品大図鑑’80年版」、「ファッション・ブランド年鑑’80年版」、「男の一流品大図鑑’81年版」、「世界の一流品大図鑑’81年版」のそれぞれにおいて、「POLO」、「ポロ」、「Polo」、「ポロ(アメリカ)」、「ポロ/ラルフ・ローレン(アメリカ)」等の表題の下に紹介されていることが認められる。
他に、これを覆すに足りる証拠はない。
なお、ラルフ・ローレンの「POLO」、「Polo」、「ポロ」の商標について、上記認定事実とほぼ同様の事実を認定した判決(東京高裁平2(行ケ)183、平成3.7.11)がある。
以上の事実を総合し、上記判決をも併せ考慮すると、引用商標は、ラルフ・ローレンのデザインに係る被服類及び眼鏡製品に使用する標章として遅くとも昭和55年頃までには既に我が国において取引者・需要者間に広く認識されるに至っていたものと認められ、その状態は、本願商標の出願時はもとより、現在においても継続しているというのが相当である。
(2) 本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するかどうかについて
本願商標は、別紙(1)に表示したとおり、首を少し左に向けた馬に、帽子をかぶり、顔面を斜め右下に向け、ポロ競技に使用するマレットを右手で上方に振りかざして乗っているポロプレーヤーを前方から描写し黒色で表した図形にほぼ同じ図形を重ねた如き構成からなるものである。
これに対し、引用商標のポロプレーヤーの図形は、別紙(2)に表示したとおり、前脚を少し「く」の字に折った状態の馬に、帽子をかぶり、顔面を斜め右下に向け、ポロ競技に使用するマレットを右手で上方に振りかざして乗っているポロプレーヤーを斜め前方から描写して黒色で表したものである。
してみれば、両者は、仔細にみれば人馬の数、馬の表現態様、鞭の有無等において相違するところがあるとしても、上記状態のポロプレーヤーがマレットを右手で上方に振りかざして馬に乗っている点において構成の軌を一にするものであり、人馬の数が異なることも、本願商標がほぼ同じ図形を重ね合わせてなるという点において基本となる図形がダブつた印象を看者に与えるにすぎず、両者の比較において大きな影響を及ぼすものではなく、両者を時と所を別にしてみるときは全体の外観において彼此相紛らわしいものといわざるを得ない。また、両者は、馬に乗った競技中のポロプレーヤーを描いた図形からなるという点において観念を同じくするものである。
そして、本願商標の指定商品と引用商標が使用されている被服類及び眼鏡類とは、共にファッションに関連する商品であり、統一ブランドの下にトータル的にファッションをまとめようとする昨今にあっては少なからぬ関連性を有するものであるというべきである。
このような事情の下において、本願商標をその指定商品に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、上記(1)で述べたように、周知になっているラルフ・ローレンに係る引用商標を連想、想起し、該商品がラルフ・ローレン又は同人と組織的・経済的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如くその出所の混同を生ずるおそれがあるものというのが相当であるから、本願商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものといわなければならない。
(3) むすび
以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲

審理終結日 1999-06-21 
結審通知日 1999-07-09 
審決日 1999-07-23 
出願番号 商願平2-70007 
審決分類 T 1 8・ 271- Z (122)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 小松 裕鈴木 新五 
特許庁審判長 金子 茂
特許庁審判官 石田 清
大橋 良三
代理人 鴇田 將 

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