• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部無効 商4条1項11号一般他人の登録商標 無効としない 111
管理番号 1021064 
審判番号 審判1999-35213 
総通号数 14 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2001-02-23 
種別 無効の審決 
審判請求日 1999-05-07 
確定日 2000-06-28 
事件の表示 上記当事者間の登録第4206221号商標の商標登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第4206221号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、平成2年6月11日登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く。)電気材料」を指定商品として、同10年10月30日に設定登録されたものである。

2 請求人の引用商標
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第2709093号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲に示すとおりの構成よりなり、昭和63年7月5日登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く。)電気材料」を指定商品として、同7年7月31日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録はこれを無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を概略次のように述べ、証拠方法として甲第1号証乃至同第29号証を提出している。

(1)商標の類似について
本件商標は、いわゆる「ペガサス」の図形の下に欧文字「The Class」を大書し、その中間に極めて小さな欧文字にて「JCB GOLD」と表示してなるものである。
本件商標はその構成上、常に一体不可分に称呼、観念される特段の事情もないものであるから、自然と分離考察されるものである。したがって、本件商標からは「The Class」の文字部分に照応した「ザ クラス」の称呼の他、単に「Class」の文字部分に照応した「クラス」の称呼をも生じるものである。
即ち、「The」の文字は英語の定冠詞と認められ、特に意味を有さない、訳す必要のない場合が多い語として広く一般に知られているから(甲第3号証)、自他商品識別標識としての機能を有する部分は「The」に続く文字部分である。
これを本件商標についてみると、「The」は「Class」と結合して特別な意味を生じるものではなく、また、全体として特定の意味を生じる熟語となるものでもない。あえて意味合いを見いだすとしても、「The」は単に「Class」を強調するといった程度の意味しか持たないものである。したがって、本件商標からは「ザクラス」の他に、単に「Class」の文字部分に照応した「クラス」の称呼をも生じるものである。
一方、引用商標は甲第2号証に示すとおり、欧文字にて「CLASS」と横書きしてなるものであり、引用商標からは「クラス」の称呼が生じること明らかである。
してみれば、本件商標と引用商標とは「クラス」の称呼を共通にする類似の商標である。

(2)本件商標の経緯
本件商標は審査時において、引用商標を引用され拒絶査定されたものであるが、拒絶査定不服審判を請求し(平成8年審判第13741号)、「The Class」の文字部分からは単に「クラス」の称呼は生じない旨を主張した結果、拒絶査定が取り消され、登録されたものである。
そして、本件商標の権利者(当時の審判請求人)が本件商標からは「クラス」の称呼が生じない(換言すれば、定冠詞「The」が常に略称され得ない)とする理由は概ね以下の通りである。
A:「The」は一般的には定冠詞としてとらえられるが、「Class」の語と結合した場合、いわゆる定冠詞的機能あるいは意味合いは小さい。何故ならば、例えば「the finest」の様な、意味的にも「最も素晴らしい」を意味し、かつ最上級の単語に定冠詞をつけた通常の使用態様のものと相違する。
B:「The Class」は商標としてユニークなイメージを醸しだし、特徴付けていることから、全体としてそれなりの個性を有し、独自の識別機能を発揮している。
しかしながら、請求人はこれらの主張には到底首肯し得ないものである。
即ち、上記Aの通り本件商標権者は「The Class」における「The」の使用態様が通常の使用態様のものと相違すると主張し、通常の使用態様の具体例として「最上級の単語に定冠詞theをつけた場合」をあげているが、これは失当である。むしろ、「The Class」の様に、次に名詞が続く態様が定冠詞「The」の通常の使用態様だからである。
そして、このように次に名詞が続く態様においては、「The」は特に意味を有さない、訳する必要の無い場合が多い語として広く知られているものである。
また、上記Bの主張はどのような根拠に基づくのか全く不明であり、いかなるユニークなイメージを醸し出すのか何ら具体的でないから、到底採用し得ないものである。
したがって、本件商標からは「クラス」の称呼が生じないとする、本件商標の商標権者(当時の審判請求人)の主張は失当であると言わざるを得えない。本件商標からは「ザクラス」と一連に称呼しなければならない特段の理由もないから、同称呼の他、自他商品識別標識としての機能を有する「Class」の文字部分に照応し、単に「クラス」の称呼をも生じるものであり、引用商標とは称呼上明らかに類似の商標である。

(3)商品の類似について
本件商標及び引用商標の指定商品は、旧第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く。)電気材料」であるから、その指定商品は、全く同一にするものである。
以上の通りであるから、本件登録商標は商標法第4条第1項第11号に該当し、同法第46条第1項第1号により無効にすべきものである。

(4)被請求人の答弁に対する弁駁
被請求人は請求人の本件商標における類否判断について、『識別標識として要部を成す他の構成要素を全く考察していないという欠陥を有している。』と主張しているが、ひとつの商標構成中に要部がいくつかある場合、その中のひとつの要部でも他人の商標に類似する場合には、他の要部はどうであれ類似商標となることは明らかであるから、当該被請求人の主張は失当であるといわざるを得ない。
「The」の機能について、そもそも、請求人は「the」の語自体についてのいわゆる特別顕著性を云々しているのではない。本件において問題となるのは、「the」が他の語と組み合わされた場合の「the」の(後続の語を強調、限定するといった程度の)機能である。
被請求人は「THE GINZA」を例示され、『”ザ・ギンザ”と称すれば、店名「THE GINZA」を認識するものであって、ここでは、「the」の語が十分に意味を成している。』旨主張している。
しかしながら、店名「THE GINZA」を知る需要者等であれば、被請求人の主張されるように”ザ・ギンザ”から店名を想起するであろうが、店名「THE GINZA」を知らない需要者等にはこれは該当しない。したがって、この例示は店名「THE GINZA」が周知・著名であるからこそ成り立つ、いわば特例であって、本件商標はこれと同日に論じることはできないものである。
被請求人が主張するように、『商標としての機能を考えれば、「The」の語からは、後続の文字を強調、限定する意味合いが認識されるものの、具体的な観念は生じえない』ものであり、「The Class」は一体となって新たな意味が生じるものでもないから、「The」の語が常に略称され得ないとする合理的な理由はない。
「The」を含む文字商標について、被請求人は『The」の後に続く文字に自他識別機能が存在しないか、若しくは僅小であったり、短くインパクトの弱い語であったりする場合には、「The」は、これらの語と結合して商標としての機能を十分に発揮していると認められるものがある』旨主張し、登録例(乙第3号証乃至同第13号証)を挙げている。
しかしながら、「Class」の語は自他商品識別標識としての機能を十分有する語であり、3音と比較的短い語であるものの、インパクトの弱い語でもない。このことは、引用商標「CLASS」が登録されている点からも明らかである。
したがって、被請求人が挙げる乙各号証はそもそも本件と事例を異にするものであるから、これらを以てしては、通常の書体にて書された「The Class」が常に「ザクラス」とのみ称呼される旨の主張に客観性を与えることはできない。
「CLASS」の語の自他識別力について、被請求人は『「CLASS」の語は、通常「等級、階級、種別」の単位を表す語であり、…通常、頻繁に「等級、種別」を表す語として使用されている』旨述べているが、単に「CLASS」の語自体では等級が良いのか悪いのか、どのような種別なのかが全くわからないものである。同語が等級、種別表示となるのは「ファースト」「トップ」等の語との組み合わせで具体的な等級表示となるのであって、「CLASS」の語自体では何ら等級、種別を表すものとは言えず、したがって、同語は識別力を十分有する語である。
現に、複数の分類において「CLASS」の語は自他商品識別標識機能を認められ、登録されている(甲第28号証)ことより、『「CLASS」の語のみの自他識別力は極めて貧弱である』との主張は見当はずれのものであり、また、このことを前提として導かれた『The Class」は、2語が結合して商標としての識別機能を発揮するものであって、常に、”ザクラス”と称呼され、識別される』との主張も失当であるといわざるを得ない。
また、被請求人は、本件商標は「The Class」の他に「ペガサスの図形」「JCB GOLD」から成り、図形部分からは「ペガサス(天馬)」の観念を生じ、「ペガサス」「馬のマーク」といった称呼をも生じる場合があり、本件商標の要部である旨、また、「JCB」の文字部分は小さいからといって要部でないとは言えず、十分に商標機能を発揮する要部を成すといえる旨主張している。
しかしながら、これらのことは「The Class」が本件商標の要部となり得ない理由となるものではなく、自然と分離考察されうる本件商標の構成よりすれば、当然、「The Class」の文字部分は本件商標の要部である。そして上述の通り、ひとつの商標構成中に要部がいくつかある場合、その中のひとつの要部でも他人の商標に類似する場合には、他の要部はどうであれ類似商標となることは明らかである。
被請求人は、請求人が証拠として提出した審決例(甲第3号証乃至同第27号証)に対し縷々述べているが、該証拠は、図形との組み合わせであろうとなかろうと、文字部分が要部と認定され(当該文字部分が図案化されているものについては、これが文字として認定され、称呼が生じると判断されて)、これらからは定冠詞「The」を除いた文字部分に照応した称呼をも生じると認定されたものである。
一方、本件商標も「The Class」の文字部分が要部となるものであり、かつ、「Class」の文字が識別機能を有するものであるから、本件商標について上記審決例と特に異なった判断をしなければならない特別な事情はない。商標の類否判断においては、当該商標が複数の要部を有するものである場合、各要部についてそれぞれ類否判断がなされるものであり、各要部の称呼、観念が一致するか否かは全く関係のないことである。
甲第3号証に対する被請求人の主張にある通り、『「SWORDS」が識別機能を発揮する部分であるから「THE」が省略されて称呼されうる』とすれば、本件商標も当然、「Class」の語は上述の通り識別機能を発揮する部分であるから、「The」が省略されて称呼されうるといわざるを得ない。
本件商標について考察するに、「The Class」は一体となって新たな意味が生じるものでもないから、「The」の語は後に続く「Class」の語を単に強調するにすぎないものである。また、「Class」の語は十分識別機能を発揮する語であるから、「The Class」と2語が結合してのみ商標としての識別機能を発揮するものでもない。その他「The」が常に略称され得ないとする合理的な理由もないものであるから、「The Class」からは単に「クラス」の称呼をも生じるものである。
尚、請求人は引用商標「CLASS」をコンピュータ用ソフトウエアにつき、実際に使用しているものである(甲第29号証)。

4 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を概略次のように述べている。

(1)本件請求の原因とされている商標の類否判断について
本件商標は、上方に「図形(ペガサス)」下方に文字「The Class」、その中間に文字「JCB GOLD」が小さく表示されている結合商標であるが、請求人は、『本件商標は、常に一体不可分に称呼、観念される特段の事情もないものであるから、自然と分離考察されうる』とし、「The CIass」の部分のみを分離考察し、『定冠詞「The」は、意味を成さず、訳す必要のない場合が多く、省略されることが多いため、自他識別標識としての機能を有する部分は、「The」に続く文字部分である。』との論拠より、「Class」の部分のみを問題として、本件商標は引用商標と類似すると結論づけている。
つまり、本件請求の内容は、その理由となる商標の類否判断において、「The Class」自体についての標識としての識別性を十分考察しないのみならず、本件商標の要部を成す図形部分については全く度外視しており、また、出所を表示する「JCB GOLD」も表示が小さいという理由にて考察外におくといった方法によって成されており、識別標識として要部を成す他の構成要素を全く考察していないという欠陥を有している。
商標の類否判断には、全体の観察のみでなく分離観察も必要であるのは、商標全体を観察した時に商標の自他識別機能を有する部分を問題とすべきであるからであり、全体の観察を無視、若しくは、要部たる他の構成要素を無視して良いものではない。

(2)分離観察における両商標の非類似について
イ) 「The」の機能
本件商標の「The Class」の部分を分離観察し、本件商標から、「クラス」の称呼を生じるとし、したがって、引用商標「CLASS」と類似の商標であるとの論拠を、『即ち、「The」の文字は英語の定冠詞と認められ、特に意味を有さない、訳す必要のない場合が多い語として広く一般に知られているから(甲第3号証)、自他商品識別標識としての機能を有する部分は「The」に続く文字部分である。』としている。
しかし、「訳す必要のない場合が多い」ことが「商標としての自他識別機能を発揮しない」理由にはならない。訳せない外国語や造語も商標としての機能は発揮するものであるからである。また、「The」は、訳す必要がないというより、英語の定冠詞に対する語感・機能に対応できる日本語が「その」「あの」「例の」程度しかないのであって、必ずしも「The」の語感、機能は無視してよいということではない。
また、「特に意味を成さない」という点については、文法上は、「the」は、普通名詞の前につく場合、そのものを限定、特定、あるいはその全体、種別を総括して指称するといった意味、機能がある。なお、本件商標拒絶査定不服審判請求(平成8年審判第13741号)の中、請求人が、失当として指摘しているので、敢えて説明すると、「the finest」を通常の使用態様としたのは、常習的に「the」を伴うものの一例として形容詞の最上級があり、当然に「the」と結び付き、通常、名詞に伴うような「the」独自の意味・機能を発揮するものではないという意味において述べたものである。
商標としての機能を考えれば、「The」の語からは、後続の文字を強調、限定する意味あいが認識されるものの、具体的な観念は生じない。しかしながら、「THE GINZA」の如く使用されるように、「The」「ザ」に関する語感は日本人にも存在し、”ギンザ”と称すれば、街「銀座」の観念を生じ、”ザ・ギンザ”と称すれば、店名「THE GINZA」を認識するものであって、ここでは、「The」の語が十分に意味を成している。
ロ) 「The」を含む文字商標
登録商標の中にも、「The」の後に続く文字に自他識別機能が存在しないか、若しくは僅少であったり、短くインパクトの弱い語であったりする場合には、「The」は、これらの語と結合して商標としての機能を十分に発揮していると認められるものがある(乙第3号証〜乙第13号証)。
これらの商標は、『結合して特定の意味を生じるものでなく、全体として特定の意味を生じる熟語でもない』が、2語が結合して商標としての機能を発揮するものである。
ハ) 「CLASS」の語の自他識別力
「The」が省略されて称呼され、識別機能を有するのは「The」に続く文字部分である』というのは、商標構成並びに各構成要素の識別機能を考察した上での論理であるから、ここで、「CLASS」の語自体に十分に自他識別力があるのか考察する。
この「CLASS」の語は、「等級、階級、種別」の単位を表す語であり、「ファーストクラス」「トップクラス」「エグゼクティプクラス」「社長クラス」「部長クラス」等、通常、頻繁に「等級、種別」を表す語として使用されており、商標としての自他識別機能は極めて脆弱であると考える。
その上、本件商標中の「The Class」は、一連に書されており、いずれかに軽重をつけた構成とはなっていない。また、「The」”ザ”は、第一音で強音であり、「Class」”クラス”のみの音が弱いことからも、「The Class」は、2語が結合して商標としての識別機能を発揮するものであって、常に、”ザクラス”と称呼され、識別されるものである。
したがって、本件商標は、「The Class」の部分のみを考察しても、引用商標とは非類似の関係にある。

(3)全体又は他の要部観察による両商標の非類似について
本件商標から生じる観念及び外観、若しくは称呼において、本件商標と引用商標とは同一又は類似の関係にないことを述べる。
本件商標は、上方に「図形(ペガサス)」下方に文字「The Class」、その中間に文字「JCB GOLD」が小さく表示されている結合商標である。本件商標は、この図形と文字の結合によって十分に識別機能を発揮している。
本件商標の図形部分を観察すると、この図形からは、「ペガサス(天馬)」の観念を生じ、「ペガサス」「馬のマーク」といった称呼をも生じる場合がある。
また、全体を観察すれば、むしろ「The Class」(等級、種別)の語よりも具体的な観念「ペガサス(天馬)」を生じる。外観においても、この「図形(ペガサス)」に、最も印象づけられるものであって、この図形部分は本件商標の要部であり、十分に識別機能を発揮している。
また、出所を表す語については、小さいからといって要部でないとはいえず、特に「JCB」の語の周知性に鑑みれば、本件商標が被請求人((株)ジェーシービー)の商標であることは一目瞭然であり、「ジェーシービーのザクラス」との称呼をも生じる。この語も十分に商標機能を発揮する要部を成すといえる。
上述のとおり、本件商標からは、「ペガサス(天馬)」の具体的観念を生じ、副次的に「等級、クラス」の抽象概念を生じ、また、”ジェーシービー”の業務に係る商品であることが認識される。また、外観は、上部に位置する図形「ペガサス(天馬)」、また、中段に小さく記された「JCBGOLD」及び下段に記された「The C1ass」の書体から、視覚的(感覚的)に、洗練された高級なイメージを与える。
一方、引用商標は、「CLASS」の標準的な文字一列のみからなり、「クラス」の称呼を生じ、「等級、クラス、種別」といった抽象的な観念を生じる。また、同等同大の英文字一語横書きからなる外観からは、独特(ユニーク)な印象は受けない。
したがって、本件商標と引用商標は、観念、外観及び称呼ともに相違するものである。
以上のとおり、本件商標と引用商標とは同一又は類似の関係になく、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。

5 当審の判断
商標の類否は、対比される両商標が同一又は類似の商品に使用された場合に、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれがあるか否かによって決すべきであるが、それには、そのような商品に使用された商標が外観、観念、称呼等によって取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すべきものである。
そこで、本件商標と引用商標の類否について検討するに、本件商標は、全体的に図形と文字との組み合わせよりなり、文字のみの構成よりなる引用商標とは、外観上明らかに区別し得る差異を有するものであり、また、本件商標は、その構成中「The Class」の文字部分が視覚的に分離して看取されるとしても、引用商標とは、「The」の文字の有無と該文字の字体を異にしていることより、外観上区別し得るものといわなければならない。 次に、本件商標は、別掲に示すとおりの、いわゆる「ペガサス」の図形の下に欧文字「The Class」を大書し、その中間に極めて小さな欧文字にて「JCB GOLD」と表示してなるものであるところ、その構成をなす図形及び各文字が常に一体のものとしてみるべき特段の事情は見出せなく、それぞれの構成部分が商品の出所標識としての機能を果たし得るものとみるのが相当である。
そして、その構成中大きく書された「The Class」の文字部分は、「The」と「Class」との文字の間にやや間隔があるとしても、同一の書体をもって書してなるものであって、全体として外観上まとまりよく表されているものである。
また、これより生ずると認められる「ザクラス」の称呼も冗長という程のものではなく、淀みなく称呼し得るものである。
してみると、本件商標は、外観及び称呼上からみた場合、これを構成する「The」と「Class」の各文字の不可分一体性は強いものといわなければならない。
ところで、その構成中の「The」の文字は英語の定冠詞により、特に意味を有さない、訳す必要のない場合が多い語として広く一般に知られているとしても、普通名詞の前につく場合、そのものを限定、特定、あるいはその全体、種別を総括して指称するといった意味、機能があるものといえるものである。
そうとすれば、本件商標は、その構成文字中「The Class」の文字に相応して「ザクラス」の一連の称呼を生ずるものであって、一種の造語よりなるものといわなければならない。
他方、引用商標は、別掲に示すとおり「CLASS」の文字よりなるものであるから、その構成文字に相応して「クラス」の称呼を生じ、「等級、クラス、種別」等の観念を生ずるものと認められる。
そして、本件商標より生ずる「ザクラス」の称呼と引用商標より生ずる「クラス」の称呼は、語頭部分における「ザ」の音の有無の差異を有するものであるから、明瞭に聴別し得るものである。そして、このほか本件商標の他の構成部分より生ずる称呼をもって、引用商標と類似するとみるべき事由は存在しないものである。
また、本件商標のいかなる構成部分からみても、本件商標と、「等級、クラス、種別」等の観念を生ずる引用商標とは、観念において相紛れるおそれはないものということができる。
してみると、本件商標と引用商標とは、その外観、称呼、観念のいずれの点においても類似しない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものではないから、同法第46条第1項第1号により、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別掲
本件商標


引用商標

審理終結日 2000-03-29 
結審通知日 2000-04-21 
審決日 2000-05-08 
出願番号 商願平2-66245 
審決分類 T 1 11・ 26- Y (111)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 梶原 良子池田 光治 
特許庁審判長 三浦 芳夫
特許庁審判官 寺光 幸子
高野 義三
登録日 1998-10-30 
登録番号 商標登録第4206221号(T4206221) 
商標の称呼 ジェイシイビイゴールドザクラス、ジェイシイビイゴールド、ジェイシイビイ、ザクラス、クラス 
代理人 小島 高城郎 
代理人 佐藤 卓也 
代理人 水野 勝文 
代理人 岸田 正行 
  • この表をプリントする

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ