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審決分類 審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効としない 117
管理番号 1015313 
審判番号 審判1998-30023 
総通号数 11 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2000-11-24 
種別 商標取消の審決 
審判請求日 1998-01-09 
確定日 2000-05-11 
事件の表示 上記当事者間の登録第1463310号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。
理由 1 本件商標
本件登録第1463310号商標(以下、「本件商標」という。)は、昭和50年1月27日に登録出願され、「Ange」の文字を左横書きしてなり、第17類「セーター類、ワイシャツ類、下着、ねまき類、その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和56年5月30日に設定登録されたものである。
2 請求人の主張
請求人は、本件商標の登録は商標法第50条の規定により、これを取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べている。
(1)請求人が調査したところによれば、本件商標は日本国内において、今日に至るまで継続して3年以上にわたり被請求人によって使用されていない。また、本件商標の登録原簿には専用使用権又は通常使用権の設定登録がなされていないことのみならず、他に被請求人の許諾を受けてその指定商品について、本件商標を使用している者も見い出し得なかった。
したがって、本件商標は、継続して3年以上、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、その指定商品について使用をしていないから、商標法第50条第1項の規定に基づき、請求の趣旨のとおりの審決を求める。
(2)答弁に対する弁駁
被請求人は、本件取消審判の請求の登録前3年以内に、被請求人の通常使用権者(株式会社マルホウ)が、請求にかかる指定商品のうち「下着」について本件商標を使用していたことは明らかであると述べ、証拠方法として乙第1号証乃至乙第9号証を提出しているので、以下、これらの証拠について検討する。
▲1▼乙第2号証及び乙第3号証について
被請求人は、乙第2号証として「Ange de Valentine」と書かれた下げ札が付された「ショートガードル」の写真、乙第3号証として『「ショートガードル」に付する本件商標の下げ札』のコピーを提出し、この程度の変形使用は社会通念上、本件商標「Ange」を使用しているにほかならないと主張する。
しかし、そもそも「Ange de Valentine」のようにその態様を大きく変更した形での商標の使用は同一性に欠ける使用であり、本件商標「Ange」の使用と言えるものではない。
すなわち、被請求人が使用している商標「Ange de Valentine」は、本件商標「Ange」に「ヴァレンタインの〜」ほどの意味を生ずる「de Valentine」の文字を加え、さらに全体を筆記体に変更しているものである。この場合、「ヴァレンタインの〜」ほどの意味を生ずる「de Valentine」の文字は特にこれのみを除いて類否判断をしなければならないほど自他商品識別力がない語とは言えないから、被請求人の使用商標は当然「Ange de Valentine」全体として認識される商標であると言える。
従って、被請求人の使用商標は、「de Valentine」の文字と組み合わされることによって、外観・称呼・観念すべてにおいて本件商標「Ange」とは異なることとなり、本件商標「Ange」そのものの独立性は完全に失われているものであると言える。
さらに、被請求人の使用商標は「Ange」の文字のみが特に大きく記載されているわけでもなく、その外観からは特に「Ange」の文字のみが認識される構成となっているとは言えず、ただ単に本件商標「Ange」の文字が含まれているに過ぎないものである。
また、被請求人は乙第2号証の写真について、平成10年6月15日に撮影したと説明するが、これをもってしては本件商標が本件審判が予告登録された平成10年2月5日(登録原簿における登録日は平成10年2月12日である。)前3年以内に使用されたものと認めることはできない。
以上のことから、被請求人の使用商標「Ange de Valentine」は、本件商標「Ange」の態様を大きく変更した形での使用であり、登録商標と同一の商標の使用と言えるものではなく、乙第2号証及び乙第3号証をもってしては、本件商標「Ange」の使用であるとは言えない。
▲2▼ 乙第4号証及び乙第5号証について
被講求人は、乙第4号証として株式会社サンクによる証明書、乙第5号証として株式会社サンクからの仕入れ伝票を提出している。
乙第4号証においては、「商標『Ange』は、別紙添付の商品写真に示すように、株式会社マルホウが販売している『下着』に使用されており、かつ、株式会社サンクに製造を依頼したもので、仕入れ伝票のとおり仕入れた商品には『Ange』の商品が付されていたこと」を証明しているとする。
ここで、「別紙添付の商品写真に示すように」とあるが、この商品写真について被請求人は、答弁の理由の中で「乙第2号証に示す『ショートガードル』」であると説明している。しかし、被請求人が説明する乙第2号証において示される商標の使用は「Ange de Valentine」であり、これは乙第4号証で使用を証明している商標「Ange」とは異なるものである。
従って、乙第4号証における「別紙添付の商品写真」とは何であるか不明であるから、乙第4号証がいったいどの商品に対する本件商標「Ange」の使用を証明するものなのか不明であり、乙第4号証の証明書はそもそも証拠として成り立たない。
さらに、乙第5号証は、乙第3号証と共通の「商品No.5247」が表示されているのであるから、単なる「Ange de Valentine」と付された商品の仕入れ伝票にすぎない。従って、乙第5号証は何ら本件商標「Ange」の使用を証明するものではない。
また、被請求人が乙第5号証において提出した書類は、株式会社マルホウが製造を依頼している株式会社サンタからの仕入れ伝票である。
通常、商品を販売しているのであれば、販売先への納品書等が存在する。乙第4号証中には「株式会社マルホウが販売している」とあるから、もし通常実施権者である株式会社マルホウが当該商品を販売していることを証明するのである。
以上のように、乙第4号証はそもそも証拠として成り立たず、乙第5号証も、何ら株式会社マルホウの本件商標「Ange」の使用を証明するものではない。
▲3▼乙第6号証乃至乙第9号証について
被請求人は、乙第6号証として「Ange」と書かれた下げ札が付された「スリップ」の写真、乙第7号証として「『スリップ』に付する本件商標の下げ札」のコピー、乙第8号証としてオカザキによる証明書、乙第9号証としてオカザキからの仕入れ伝票を提出し、登録商標「Ange」を使用していると主張する。
しかし、請求人は、これらの証拠に基づいて再度調査したが、使用しているとの事実は発見できなかった。
続いて、上記の証拠を検討するに、乙第8号証においては、「商標『Ange』は、別紙添付の商品写真に示すように、株式会社マルホウが販売している『下着』に使用されており、かつ、オカザキに製造を依頼したもので、仕入れ伝票のとおり仕入れた商品には『Ange』の商品が付されていたこと」を証明しているとする。
また、「別紙添付の商品写真に示すように」とあるが、この商品写真について被請求人は、答弁の理由の中で「乙第6号証に示す『スリップ』」であると説明している。
しかし、乙第8号証のオカザキによる証明書には、オカサキの代表者である岡崎正美氏の記名のみで代表者印がない。代表者印のない乙第8号証の証明書はそもそも証拠としての価値はない。
従って、被請求人が説明する乙第6号証において示される商標「Ange」の使用も証拠価値があるとは言えない。
また被請求人は、乙第7号証及び乙第9号証において共に「No.5354」という番号が表示されていると主張する。しかし、この番号については、乙第6号証の商品写真において明らかなように、下げ札の上からシールのようなもので貼り直されているものであり、極めて不自然である。
さらに、乙5号証及び第9号証について検討するに、共に株式会社マルホウによる仕入れ伝票であるが、左上に出荷年月日の欄、右上に伝票No.らしき6桁の数字がある。乙第5号証においては、出荷年月日の欄には「970801」とあり、また乙第4号証によると、これは1997年8月1日を表していると主張する。また右上には「No.024674」と書かれている。一方、乙第9号証においては、出荷年月日の欄には「9515」とあり、また乙第8号証によると、これは平成9年5月15日を表していると主張する。また右上には「No.029055」と書かれている。
従って、1997(平成9)年8月1日に「No.24674」の伝票、平成9年5月15日に「No.29055」の伝票が出されたものと思われる。
通常、同一人が同一様式により発行する伝票においては、発行されるにしたがって、伝票No.が順次付されるはずであるが、株式会社マルホウが使用していたとして被請求人が提出した証拠では上記のように、平成9年8月1日に「No.24674」の伝票が出ているにも拘わらず、それ以前の平成9年5月15日に番号としては後になる「No.29055」の伝票が出ている。
また、被請求人は乙第6号証の写真について、平成10年6月15日に撮影したと説明するが、これをもってしては本件商標が本件審判が予告登録された平成10年2月5日(登録原簿における登録日は平成10年2月12日である。)前3年以内に使用されたものと認めることはできない。
▲4▼ 以上のように、乙第2号証及び乙第3号証をもってしては、本件商標「Ange」の使用であるとは言えず、また乙第4号証及び乙第5号証は、何ら株式会社マルホウの本件商標「Ange」の使用を証明するものではない。
また、代表者印のない乙第8号証は証明書としての証拠にはなり得ず、またその証明書に基づく乙第6号証において示される商標「Ange」の使用も証拠価値があるとは言えない。
従って、被請求人が提出した上記の各証拠によっても、本件商標「Ange」が使用されているとの事実は認めることはできない。
3 被請求人の答弁
被請求人は、結論同旨の審決を求め、乙第1号証ないし同第9号証を提出した。
(1)乙第1号証に示すように、被請求人である株式会社マリーフオーレは、株式会社マルホウに未登録ながら「下着」等について本件商標「Ange」を使用する通常使用権を、昭和56年6月頃から、平成10年7月現在まで、許諾している。乙第1号証から明らかなように、株式会社マルホウは、被請求人の主要株主であって、両社は実質的に親会社、子会社の関係にあり、このような関係から前記通常使用権を正式な契約書なしで株式会社マルホウに許諾したのである。
(2)乙第2号証は、株式会社マルホウが、販売している「ショートガードル」を平成10年6月15日に写真撮影したものであり、当該商品には、上段に本件商標「Ange」、その下段に「de Valentine」と筆記体で付されている。このように欧文字の本件商標「Ange」を筆記体で使用し、その下段に他の欧文字を結合したとしても、この程度の変形使用は社会通念上、本件商標「Ange」を使用していることにほかならない。
乙第3号証は、この「ショートガードル」即ち本件商標に係る指定商品「下着」に付される下げ札であり、この下げ札は、さきの乙第2号証の写真にあるものと同一である。
(3)乙第4号証は、株式会社マルホウが販売している「下着」(乙第2号証に示す「ショートガードル)に「Ange」が、使用されている事実を、この商品を製造し、株式会社マルホウに納品した株式会社サンクが証明したものである。この納品の時期は、乙第5号証から、1997年8月1日であることが分かる。
なお、乙第3号証と、乙第5号証には「商品No.5247」が共に表示され、これら乙号証が乙第2号証の「ショートガードル」についてのものであることを明らかにしている。
(4)また、乙第6号証は、株式会社マルホウが、販売しているスリップを平成10年6月15日に写真撮影したものであり、当該商品には、本件商標「Ange」が小さな片仮名文字「アンジュ」と共に付されている。この片仮名文字「アンジュ」は、本件商標「Ange」の右上方に小さく添えられ、「Ange」の称呼を表示したにすぎず、明らかに本件商標を使用している。
乙第7号証は、この「スリップ」、即ち本件商標に係る指定商品「下着」に付されていた下げ札であり、この下げ札は、さきの乙第6号証の写真にあるものと同一である。
(5)乙第8号証は、株式会社マルホウが販売している「下着」(乙第6号証に示す「スリップ」)に「Ange」が、使用されている事実を、この商品を製造し株式会社マルホウに納品したオカザキが証明したものである。この納品の時期は、乙第9号証から平成9年5月15日であることが分かる。
なお、乙第7号証と、乙第9号証には、「商品No.5354」が共に表示され、これら乙号証が乙第2号証の「スリップ」についてのものであることを明らかにしている。
(6)これらの証明書及び写真によって、少なくとも平成9年8月までに、日本国内において本件商標「Ange」が、その指定商品について使用されていたことが確認され、かつまた、証明書に添付した伝票等から、本件商標に係る商品のうち少なくとも「下着」については、実際に製造されたことが証明されるものである。
(7)よって、本件商標は、本件取消審判の請求の登録前3年以内に、日本国内において、被請求人の許諾に基づいて通常使用権者(株式会社マルホウ)が、その請求に係る指定商品のうち「下着」について使用していたことは明白であり、本件は商標法第50条第1項の規定に該当しない。
4 当審の判断
被請求人の提出に係る乙第1号証、同第6号証、同第7号証及び同第9号証をみるに、乙第6号証は、商品「下着(スリップ)」に下げ札が付されている写真であり、また、同第7号証は、該下げ札(写し)と認められるものである。
そして、この下げ札には、品番と認められる「No.5354」 の数字が記載されおり、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が表示されていることが認められる。
また、乙第9号証は、商品の製造元(オカザキ)から株式会社マルホウ宛の仕入伝票(写し)と認められるものであるところ、この仕入伝票は、本件審判請求の登録前3年以内の期間内である平成9年5月15日付けで発行されたものであること、品名No.及び品名の欄に「5354」及び「スリップ」と記載されていることが認められる。
そうすると、前記写真に表された下げ札付きの下着(スリップ)と前記仕入伝票に記載された商品スリップは同一の商品であるということができる。
しかして、乙第1号証によれば、株式会社マルホウは被請求人によって許諾された通常使用権者と認められる。
してみれば、本件商標は、通常使用権者によって、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、その指定商品中の「下着(スリップ)」について使用されていたものと認めることができる。
したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
審理終結日 1999-02-15 
結審通知日 1999-03-12 
審決日 1999-03-26 
出願番号 商願昭50-10271 
審決分類 T 1 31・ 1- Y (117 )
最終処分 不成立  
前審関与審査官 栫 生長 
特許庁審判長 小松 裕
特許庁審判官 茂木 静代
大橋 良三
登録日 1981-05-30 
登録番号 商標登録第1463310号(T1463310) 
商標の称呼 1=アンジェ 2=エンジェ 
代理人 江原 省吾 
代理人 稲葉 良幸 
代理人 田中 克郎 
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