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審決分類 |
審判 全部無効 商4条1項16号品質の誤認 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 007 審判 全部無効 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) 007 |
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管理番号 | 1011107 |
審判番号 | 審判1999-35155 |
総通号数 | 9 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2000-09-29 |
種別 | 無効の審決 |
審判請求日 | 1999-04-07 |
確定日 | 2000-01-04 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第4116691号商標の登録無効審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第4116691号商標の登録を無効とする。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
1 本件商標 本件登録第4116691号商標(以下、「本件商標」という。)は、別紙に表示したとおり「CMP」の文字を横書きしてなり、平成8年3月12日に登録出願、第7類「半導体ウエハの表面研磨装置,その他の半導体製造装置」を指定商品として、同10年2月20日に設定の登録がされたものである。 2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲14号証を提出している。 (1) 無効事由 本件商標は、商標法第3条第1項第3号および第4条第1項第16号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第46条により無効とされるべきである。 (2) 無効原因 本件商標「CMP」は、半導体の分野においては、ウエハの表面を平坦化する技術の一種である「Chemical Mechanical Polishing」(化学機械研磨)の略称として、普通に用いられている用語である。 半導体回路の高集積化が進むにつれ、ウエハ表面の微細な凹凸が問題視されるにいたり、表面を可及的に平坦化する必要が生じ、このために開発された技術の一つが「Chemical Mechanical POIishing」(化学機械研磨)であり、既に実用化されている。「CMP」はその略称として我が国で普通に用いられており、この技術を実現した化学機械研磨装置は「CMP装置」や「CMP機」などと呼ばれ、取引上普通に用いられているのが実情である(甲第3号証ないし第14号証)。 従って、本件商標「CMP」をその指定商品中の「半導体ウエハの化学機械研磨装置」に使用しても、単に当該商品が化学機械研磨に用いる装置であることを表示するにすぎず、自他商品の識別標識として機能し得ないことは明らかであり、前記以外の「半導体ウエハの表面研磨装置、その他の半導体製造装置」に使用する場合には、恰も化学機械研磨のための装置であるかの如く、商品の品質について誤認を生じさせる虞があると言わざるを得ない。 3 被請求人の答弁 被請求人は、本件審判の請求に対し、何ら答弁していない。 4 当審の判断 本件商標は、その構成別紙に表示したとおり「CMP」の欧文字よりなるところ、請求人の提出に係る甲第3号証ないし第8号証及び甲第12号証は、いずれも本件商標の登録査定前の発行又は開催に係る日本半導体製造装置協会編集、日刊工業新聞社発行の辞典「半導体製造装置用語辞典第3版」、グローバルネット(株式会社)の文献「ULSIグローバル・プラナリゼーションのための超精密機械的平坦化技術」、(株式会社)精密工学会の「精密工学会誌」に掲載された論文、ロデール・ニッタ(株式会社)の総合カタログ、又はグローバルネット(株式会社)主催の「ULSIにおけるCMP(化学的機械研磨)メカノケミカルポリッシングの動向と展望」、及び(株式会社)サイエンスフォーラム主催の「量産適用間近なCMP技術」と題するセミナー資料と認められるところ、これら甲号証によれば、「CMP」の文字は半導体ウエハの表面研磨の一種である「化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing)」の略語・略称として、この種商品の取引者・需要者間において一般に通用し、かつ、取引上普通に使用されているものであることが認められる。 そうすると、本件商標をその指定商品中「半導体ウエハの化学機械研磨装置」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前記実情よりして、該商品それ自体を表示し、又は、その品質(機能)を表示したものと理解するに止まり、商品の出所を識別するための標識とは認識し得ないものであり、又、該商品以外の商品に使用するときは、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。 してみれば、本件商標は、商標法第3条1項3号及び同法第4条1項16号に違反して登録されたものといわざるを得ない。 そして、被請求人は、本件審判の請求に対して、何ら答弁するところがない。 したがって、本件商標は商標法第46条第1項により、その登録を無効とすべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別記 |
審理終結日 | 1999-10-06 |
結審通知日 | 1999-10-15 |
審決日 | 1999-11-01 |
出願番号 | 商願平8-25887 |
審決分類 |
T
1
11・
13-
Z
(007 )
T 1 11・ 272- Z (007 ) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 林 栄二 |
特許庁審判長 |
原 隆 |
特許庁審判官 |
宮川 久成 野口 美代子 |
登録日 | 1998-02-20 |
登録番号 | 商標登録第4116691号(T4116691) |
商標の称呼 | 1=シイエムピイ |
代理人 | 原島 典孝 |
代理人 | 黒川 恵 |
代理人 | 鈴木 知 |
代理人 | 一色 健輔 |