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審決分類 審判 査定不服 商4条1項7号 公序、良俗 登録しない(当審拒絶理由) 124
管理番号 1007718 
審判番号 審判1991-645 
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2000-07-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 1991-01-12 
確定日 1999-11-17 
事件の表示 昭和56年商標登録願第86936号拒絶査定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 本願商標
本願商標は、別紙のとおり、「KSWISS」のローマ文字をロゴ化してなるもので、第24類「おもちゃ、人形、娯楽用具、運動具、釣り具、楽器、演奏補助品、蓄音機(電気蓄音機を除く。)、レコード、これらの部品および附属品」を指定商品として、昭和56年10月15日に登録出願されたものである。
2 当審の拒絶理由
当審において、1991年6月17日付け「日本スポーツ工業新聞」を引用して、本願商標は、アメリカ合衆国カリフォルニア在の法人「ケイ・スイス・インコーポレーテッド」が使用している標章「K・SWISS」、「Kースイス」と酷似するものであるから、これを請求人が使用するときは、指定商品の出所について誤認・混同を生ぜせしめるおそれがあるものであって、公正な取引秩序をみだし、引いては国際取引における信義に反し、公序に反するものであるとして、商標法第4条第1項第7号に該当する旨の拒絶理由を通知した。
3 請求人の意見
前掲拒絶理由は、外国著名商標の冒認に係るものであると理解するところ、一般的には商標法第4条第1項第7号の適用の判断時期は登録時であるが、著名商標の冒認については登録出願時とすべきである。
そして、商標法第4条第1項第7号の適用に当たっては、以下の点が考慮されるべきである。
▲1▼本願商標と拒絶理由で引用する「K・SWISS」、「Kースイス」(以下「引用商標」という。)は非類似であること、▲2▼著名商標の冒認というには国内又は外国での著名にはかなりの根拠が必要であり、拒絶理由において引用した新聞記事では引用商標が本願の登録出願時には著名であったとは考えられないこと、▲3▼前掲新聞記事では引用商標は「スニーカー」について紹介されているが、該商品と本願商標に係る指定商品「テニスシューズ」とは非類似の商品であり、また、引用商標が「テニスシューズ」に著名であったとは考えられないこと、及び▲4▼著名商標の冒認というには「不正の目的」が実質的認定されなければならないが、請求人にはそのような目的がないこと、である。
4 請求人の意見に対する当審の判断
(1)商標法第4条第1項第7号の適用の判断時期は登録時であるが(商標法第4条第3項)、請求人のように登録出願時と解すとしても、引用商標は、本願の登録出願時、昭和56年10月15日には、少なくとも米国においては、周知のものであったと推認することができるものである。
前掲拒絶理由において示した新聞記事の外に、講談社「流行ブランド図鑑」(昭和60年発行)72頁には、「K-SWISS」、「K-スイス」商標の下に、「スイス人のプロテニスプレーヤー、アーサー・ブルンナーがこのテニスシューズをリリースしたのは1967年のこと。・・・K-スイスのテニスシューズは西海岸中心にヒットし、1983年頃にはアメリカ全土で人気No.1を争うシューズとなる。日本に入ってきたのも1983年。」と、株式会社研究社「英和商品名事典」(1990年発行)240頁には、「K-Swiss」、「Kスイス」の商標の下に、「米国カルフォルニア州のスポーツシューズメーカー、そのブランド。青と赤のストライプのテニスシューズは人気商品。日本に入ったのは1983年。」とあり、また、米国特許商標庁提供の登録情報によれば、ケイスイス社(以下「ケイ社」という。)は、テニスシューズ等について「K-SWISS」を要部とする米国商標登録を1984(昭和59年)年4月24日に取得し、その使用は1972(昭和47年)年11月1日に開始したとある。さらに、本願の登録出願と同時期に、ケイ社が引用商標「K-SWISS」を登録出願した(昭和55年10月6日、商願昭55-81147)外、我が国の企業が「KSWISS」(昭和56年2月28日、商願昭56-14543)、「K swiss」(昭和56年4月16日、商願昭56-30246)「K・SWISS」(昭和56年5月16日、商願昭56-40983)について登録出願をしたことが認められる。
以上の事実によれば、米国で知られた運動靴メーカー・ケイ社の商標について、同社の我が国進出直前の頃に我が国の企業が登録出願し競合したものと認められる。しかして、これまでの事例からして、他人の商標を先取的に登録出願するにはある程度周知、著名なものについて行われるのが普通と認められ、それも本願を含めると4件が競合したこと、前掲文献の記載及び米国での商標登録状況とを合わせれば、引用商標は、本願の登録出願前、昭和56年の前半において、少なくとも米国の運動靴、就中テニスシューズの取引者、需要者の間において周知の商標であったと推認できるものであり、この事実はまた我が国の取引者の間にも知られていたものと推認され、この点については、我が国進出後我が国において短い期間の間に周知性を獲得したことからも窺えるところである。
請求人は、冒認の対象商標については登録出願時に著名であることを要すると主張するが、必ずしも周知度の高い著名ではなくとも、ある程度取引者、需要者の間に広く知られた周知商標で足りると解すべきであり、商標法第4条第1項第19号も同様に規定している。
(2)請求人が本願商標について商標法第4条第1項第7号を適用に当たって考慮すべきと主張する点をみるに、本願商標は引用商標とは称呼及び観念において類似するものと言うべきで、同中「K・SWISS」とは外観を含めて同一に近いものであり、また、ケイ社が米国商標登録し使用しているものとはロゴにおいても極めて似たものということができる。
引用商標がテニスシューズについて周知のものと推認されるものであることは前記認定のとおりであり、冒認には必ずしも商品の類否は関係しないと言うべきである(商標法第4条第1項第19号参照)。
また、請求人は実質的な不正の目的を要すると主張するが、引用商標は、本願の登録出願時に米国において周知のものであると推認され、本願商標は引用商標「K・SWISS」とはロゴもよく似た同一に近い商標であり、加えて、本願の登録出願時期がケイ社の我が国進出時期と同時期であることを考え合わせれば、むしろ不正の目的がないと言うのが相当でなく、請求人も同目的がないことにつき積極的に主張、立証するところがない。
したがって、請求人の主張はいずれも採用することができない。
(3)以上のとおり、本願商標について商標法第4条第1項第7号を適用したのは正当であって、請求人の意見は採用できないものである。
よって、結論のとおり審決する。
別掲 別紙

審理終結日 1999-08-09 
結審通知日 1999-09-21 
審決日 1999-09-27 
出願番号 商願昭56-86936 
審決分類 T 1 8・ 22- WZ (124 )
最終処分 不成立  
前審関与審査官 吉田 秀之 
特許庁審判長 工藤 莞司
特許庁審判官 江崎 静雄
野上 サトル
商標の称呼 1=ケイスイス 
代理人 小松 陽一郎 
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