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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W14
管理番号 1419423 
総通号数 38 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2025-02-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2023-09-08 
確定日 2025-01-06 
事件の表示 商願2022−132332拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第14類「キーホルダー,宝石箱,身飾品(「カフスボタン」を除く。),カフスボタン,時計」を指定商品として、令和4年11月18日に登録出願されたものである。
本願は、令和5年5月11日付けで拒絶の理由が通知され、同年6月16日付けで意見書が提出されたが、同月27日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同年9月8日付けで拒絶査定不服審判が請求されたものである。

第2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6378600号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、令和2年4月9日に登録出願、第14類「宝飾品,人造宝飾品,ブレスレット,ネックレス,ペンダント,イヤリング,ブローチ,指輪,ロケット(宝飾品),カフスボタン,ネクタイピン,ネクタイ止め」並びに第9類、第18類及び第25類に属する商標登録原簿に記載の商品(別掲3)を指定商品として、同3年4月16日に設定登録され、その商標権は、現に有効に存続しているものである。

第3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、本願商標と引用商標とは、これらの称呼を共通にし、また、両商標の外観における差異が称呼の共通性を凌駕するほど顕著なものとはいえないため、これらは相紛らわしく、類似する商標であるというべきであり、本願の指定商品と引用商標の指定商品は同一又は類似のものであるから、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、「RIELE」の欧文字を横書きし、語頭の「R」の文字の右下端部を「L」の文字の左下端部に弧線でつないだ構成よりなる(以下「RIELE」という。)ところ、「RIELE」は、一般的な辞書等に載録された既成の語ではなく、特定の意味合いを有しない、一種の造語と理解されるものである。
そして、特定の意味合いを有しない欧文字からなる商標は、一般的には、我が国において広く親しまれている英語風又はローマ字風の読み方に倣って称呼されるとみるのが自然であるから、その構成文字に相応して「リエル」の称呼が生じるものである。
したがって、本願商標は「RIELE」の文字に相応して「リエル」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲2のとおり、灰色で書された「RIELLE」の欧文字と灰色で書された「riche」の欧文字を右揃えで2段に横書きしてなるところ、これらは、重なることなく配置されていることから、それぞれが視覚上分離して看取、把握され得るものであって、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分に結合しているとはいえないものであり、「RIELLE」の欧文字は、「riche」の欧文字に比べて大きく顕著に表されていることから、特に、看者の注意を引く部分であるといえる。
また、「RIELLE」の欧文字は一般的な辞書等に載録された既成の語ではなく、特定の意味合いを有しない、一種の造語と理解されるものであり、「riche」の欧文字は、「裕福な、豊かな」の意味を有するフランス語(株式会社白水社発行「ディコ仏和辞典」)であることから、「RIELLE」の欧文字と「riche」の欧文字との間に観念的な関連性は見出せない。
そして、「RIELLE」の欧文字が、引用商標の指定商品との関係において、当該商品の品質等を表すものとして判断すべき事情もない。
そうすると、引用商標は、本願商標との類否を判断するに当たって、その構成中の顕著に表された「RIELLE」の欧文字を要部として抽出し、これのみを他人の商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
そして、特定の意味合いを有しない欧文字からなる商標は、一般的には、我が国において広く親しまれている英語風又はローマ字風の読み方に倣って称呼されるとみるのが自然であるから、引用商標は、その構成文字に相応して「リエル」の称呼が生じるものである。
したがって、引用商標は、「RIELLE」の文字に相応して「リエル」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標を比較すると、両商標は、構成全体を見た場合、「riche」の欧文字の有無に明らかな差異があることから、外観において相違する。
しかしながら、本願商標の「RIELE」と引用商標の要部である「RIELLE」の欧文字とは、本願商標の「R」の図案化及び色彩の相違、「RIELE」の4文字目の「L」と引用商標の要部である「RIELLE」の欧文字の4文字目及び5文字目の「LL」の記載に相違があるとしても、その他の構成文字である「R」、「I」、「E」及び語尾の「E」のつづりを共通にすることから、前記の差異が、これらの外観の観察において、影響が大きいとはいえず、これらは、外観上類似するものと判断するのが相当である。
また、本願商標から生じる「リエル」の称呼と引用商標の要部から生じる「リエル」の称呼は同一である。
そうすると、本願商標と引用商標の要部とは、いずれも特定の観念が生じないため、観念において比較し得ないものの、外観において類似し、「リエル」の称呼を同一にすることから、その外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合し、時と所を異にして観察する離隔的観察の方法により考察すると、本願商標と引用商標は、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれのある類似の商標と判断すべきである。
(4)本願の指定商品と引用商標に係る指定商品との類否について
本願の指定商品中の第14類「身飾品(「カフスボタン」を除く。),カフスボタン」は、引用商標の指定商品中の第14類の商品と同一又は類似のものである。
(5)小括
以上のとおり、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定商品中の第14類の商品と同一又は類似のものを含むものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標は図形の要素も含まれる独創的な外観を有している一方、引用商標の「RIELLE」の文字部分は文字列以上の印象を与えることのない外観であり、また、本願商標の「RIELE」と引用商標の「RIELLE」の文字においてはたとえ一部が共通していても通常の注意力を有する需要者が見誤ることはない旨主張する。
しかしながら、商標の構成文字を使用場面に応じて様々にデザイン化することは普通に行われていることに照らすと、本願商標の構成中の「R」の欧文字における弧線を用いたデザイン化は、文字の装飾として認識されるにすぎず、「R」の欧文字であることを十分に認識できるものであるから、本願商標と引用商標の類否判断において、商品の出所の混同のおそれがあるか否かを判断する上で、さほど強い影響を与えるものとはいえない。
また、本願と引用商標の指定商品の需要者である一般の消費者の通常有する注意力を踏まえると、必ずしも商標の構成を細部にわたって記憶して取引するとはいえないことから、時と所を異にして両商標に接した場合、本願商標と引用商標の要部とは、「L」の文字の数に相違があるとしても、他の構成文字である「R」、「I」、「E」及び末尾の「E」のつづりを共通にすることから、商品の出所の混同を生ずるおそれがあるといえる。
(2)請求人は、本願商標の「RIELE」と引用商標の「RIELLE」はそれぞれに複数の称呼が想定され、その中から選択された称呼が必ずしも共通するわけではなく、また選択された称呼を比較した場合でも必ずしも相紛らわしいというわけでもないことから、需要者が両商標の称呼において直ちに出所混同するということにはならない旨主張する。
しかしながら、請求人が複数想定されるとして挙げる称呼のうち、「リエル」、「リエレ」及び「リーレ」は、本願商標と引用商標の要部とで共通する称呼である上、本願商標及び引用商標から生じる「リエル」の称呼の共通性が否定されるものではない。
(3)請求人は、請求人及び引用商標の権利者はオンラインストアにて商品を販売しているところ、需要者が店舗名をインターネット検索する際にはそのつづりを最も注視するものであり、オンラインストアでは視覚によってその商標を認識し、記憶できるのであればそのまま記憶し、記憶しにくい場合は需要者において各々が覚えやすいように語呂合わせに置き換えて記憶するため、このような状況での商標の類否判断においては、3要素である外観、観念、称呼のうち、外観について特に着目されるべきである旨主張する。
しかしながら、商標の類否判断に当たり考慮することのできる取引の実情とは、その指定商品についての一般的、恒常的なそれを指すものであって、オンラインストアにおける商標の使用に限定してそれら商標の類否判断をすべき事情はない。
(4)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標との関係において、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲

別掲1(本願商標)


別掲2(引用商標)


別掲3(引用商標の指定商品)
第9類「サングラス,眼鏡,眼鏡用及びサングラス用ケース,スマートフォン用のケース,スマートフォン用のカバー」
第14類「宝飾品,人造宝飾品,ブレスレット,ネックレス,ペンダント,イヤリング,ブローチ,指輪,ロケット(宝飾品),カフスボタン,ネクタイピン,ネクタイ止め」
第18類「革製包装用袋,アタッシェケース,バックパック,バッグ,革製又はレザーボード製の箱,ブリーフケース,名刺入れ,カード入れ,革製又はレザーボード製の容器,愛玩動物用被服,財布,キーケース,革製ラベル,スーツケース,旅行用トランク,傘」
第25類「被服,体操用衣服及び体操競技用衣服,ジャージー製運動用衣服及びジャージー製運動用特殊衣服,履物及び運動用特殊靴,ブーツ及び運動用特殊ブーツ,模造皮革製被服,皮革製被服,毛皮製被服,帽子,バンダナ,ベルト,コート,手袋(被服),ワイシャツ類及びシャツ,半袖シャツ類,ソックス,ジャケット(被服),ズボン,下着,ベスト,スーツ,セーター,スカーフ」


(行政事件訴訟法第46条に基づく教示)
この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。
(この書面において著作物の複製をしている場合の御注意)
本複製物は、著作権法の規定に基づき、特許庁が審査・審判等に係る手続に必要と認めた範囲で複製したものです。本複製物を他の目的で著作権者の許可なく複製等すると、著作権侵害となる可能性がありますので、取扱いには御注意ください。
審理終結日 2024-10-23 
結審通知日 2024-10-30 
審決日 2024-11-21 
出願番号 2022132332 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (W14)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 板谷 玲子
特許庁審判官 馬場 秀敏
岩谷 禎枝
商標の称呼 リエル、リエレ、リール、リーレ 
代理人 荒井 滋人 

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