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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない W353943
管理番号 1418312 
総通号数 37 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2025-01-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2023-06-14 
確定日 2024-12-05 
事件の表示 商願2021−60459拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「元祖仙台ひとくち餃子あずま」の文字を標準文字で表してなり、第30類、第35類及び第43類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和3年5月2日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年2月24日付けで拒絶理由が通知され、本願の指定商品及び指定役務は、同年4月20日受付の手続補正書により、第35類「フランチャイズに関する事業の指導・助言」、第39類「餃子を主とする飲食物の配達」及び第43類「餃子の提供,餃子を主とする飲食物の提供」(以下「原審補正役務」という。)に補正され、同日受付の意見書が提出された後、同年12月12日付けで新たな拒絶理由が通知され、同5年1月14日に意見書(以下「意見書」という。)が提出されたが、同年3月30日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同年6月14日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

第2 原審の拒絶の理由の要旨
原査定は、以下の1及び2の旨認定、判断し、本願は、2の理由に該当するとして拒絶したものである。
1 本願商標は、その構成中の「仙台」の文字は「宮城県中部の市。」を、「ひとくち」の文字は「一回、口に入れること。その分量。」を、「餃子」の文字は「小麦粉をこねて薄く伸ばした皮に、挽肉・野菜を包んで焼き、または茹で、あるいは蒸したもの」を意味する語であり、「あずま」の文字はありふれた氏である「東」の表音を平仮名で表したものと容易に理解されるものであるから、構成全体としては「ひとくち分の餃子を仙台において販売・提供する東(あずま)という氏の者」ほどの意味合いを容易に理解させる。そうすると、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、前記意味合いを理解するにとどまり、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標というのが相当であり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
2 本願商標は、登録第5706812号商標及び登録第5956341号商標(以下、これらをまとめて「引用商標」という。)と類似の商標であり、また、本願の指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似のものを含むものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

第3 当審における審尋及び請求人の回答
当審において、請求人に対し、令和6年3月29日付け審尋により、別掲1ないし別掲3のとおりの事実を提示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当する旨の理由を示し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めたが、請求人は、これに対し何ら回答をしていない。

第4 当審の判断
1 本願商標の商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、「元祖仙台ひとくち餃子あずま」の文字を標準文字で表してなるところ、これは、「元祖」、「仙台」、「ひとくち」、「餃子」及び「あずま」の各文字を一連に書した構成よりなるものであると容易に理解されるものである。
そして、本願商標を構成する「元祖」の文字は、「ある物事を初めてしだした人。創始者。」等の意味を有する語であり(「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)、飲食物を取り扱う業界において、当該語に格別識別力があるとは認められないものである。
また、本願商標を構成する「仙台」の文字は「宮城県中部の市。」を、「ひとくち」の文字は「一回、口に入れること。その分量。」を、「餃子」の文字は「小麦粉をこねて薄く伸ばした皮に、挽肉・野菜を包んで焼き、または茹で、あるいは蒸したもの。」をそれぞれ意味する語であるところ(前掲書)、別掲1のとおり、餃子を取り扱う業界では、一口で食べられるサイズの餃子を「一口(ひとくち)餃子」と一般に称していること、飲食物の提供等においては、当該飲食物の名称等に、地名を冠することがあることは周知の事実であることから、本願商標を構成する「仙台ひとくち餃子」も「宮城県仙台市で提供される一口サイズの餃子」ほどの意味合いを認識させるにとどまり、自他識別力を有しないといえるものである。
さらに、別掲2のとおり、本願商標を構成する「あずま」の文字は、ありふれた氏と認められる「東」に通じる音を平仮名表記したものと容易に理解されるものであるところ、別掲3のとおり、提供する料理名とありふれた氏である「東」やそれに通じる「あずま」の文字を組み合わせた「〇〇あずま」や「〇〇東」(〇〇には提供する料理名等が入る。)の文字が飲食物を提供する店の名称としても一般に使用されている事実がある。なお、「あずま」について上記以外の意味があるとしても、それだけでは、ありふれた氏である「東」の認識が生じることが否定されるものではない。
そうすると、本願商標は、「元祖と称する、宮城県仙台市で提供される一口サイズの餃子」ほどの意味合いを認識させる「元祖仙台ひとくち餃子」の文字とありふれた氏である「東(あずま)」を認識させる「あずま」の文字とを組み合わせたにすぎないものであるから、これを飲食物の提供に関連する原審補正役務に使用する場合には、その構成全体としても、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができない商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
2 請求人の主張について
請求人は、意見書において、原審補正役務(例えば、餃子の提供等)に係る業界において、本願商標を請求人以外の者が使用している実情は認められず、インターネット検索によれば、請求人が本願商標を餃子の提供に現に使用していることを確認できる旨主張する。
しかしながら、本願商標が請求人の取扱いに係る役務を表示するものとして、全国的に需要者の間に広く知られている等、これが、自他役務の識別標識としての機能を有することを認めるに足りる証拠もない以上、本願商標は、その使用をされた結果、何人かの業務に係る役務であることを認識することができるに至ったものとは認めることはできない。
したがって、請求人の上記主張は採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲

別掲1(地名と一口餃子の文字が使用されている事実)
(1)「雲龍亭浜んまち」のウェブサイトにおいて「長崎の一口餃子専門店」の記載がある。
https://unryutei-shokuhin.com/
(2)「ベストオイシー」のウェブサイトにおいて、「大阪北新地 点天のひとくち餃子」、「芦屋 一口餃子」、「博多ひとくち餃子」の記載がある。
https://food.biglobe.ne.jp/rankings/3056/
芦屋 伊東屋謹製 一口餃子
(3)「博多中洲ふくや」のウェブサイトにおいて、「宝雲亭(ほううんてい)博多一口餃子」の記載がある。
https://www.fukuya.com/product/item133/
(4)「飯田経済新聞」のウェブサイトにおいて、「飯田に「一口餃子専門店 HAYAKAWA」の記載がある。
https://iida.keizai.biz/headline/688/
(5)「CONCENT」のウェブサイトにおいて、「あっさりジューシーな一口サイズの餃子!新潟「がんこ屋」一口餃子」の記載がある。
https://www.concent.co.jp/product/2023063/
(6)「株式会社プロポリス 正規取扱店」のウェブサイトにおいて、「ふるさと納税 大刀洗町 大刀洗一口餃 100個 特製たれセット」の記載がある。
https://nice.zpoloveet.xyz/index.php?main_page=product_info&products_id=156779
(7)「わんまいる」のウェブサイトにおいて、「4食 広島餃子 ぶちうまい一口餃子」の記載がある。
https://www.onemile.jp/product/1651?fpc=1167.138.90.19d30600d325715T.1705755857000

別掲2(本願商標を構成する「あずま」について)
(1)「名字由来net」のウェブサイトにおいて、「【名字】東【読み】あずま,ひがし,あづま,とう,あず,こち,ひがしこくばら,あがり」の見出しの下、「【全国順位】 125位【全国人数】 およそ147,000人」の記載がある。
https://myoji-yurai.net/searchResult.htm?myojiKanji=%E6%9D%B1
(2)「全国の苗字(名字)12万種」のウェブサイトにおいて、「東」の苗字で検索すると、全国で37,937件の世帯数が存在し、全国で123位である旨の記載がある。
https://suzaki.skr.jp/address31a.cgi

別掲3(提供する料理名等とありふれた氏である「東」やそれに通じる「あずま」の文字を組み合わせた「〇〇東」や「〇〇あずま」(〇〇には提供する料理名等が入る。)の文字が店の名称として広く使用されている事実)
(1)「食べログ」のウェブサイトにおいて、「焼肉東」の記載がある。
https://tabelog.com/tokyo/A1315/A131504/13066604/
(2)「クックドア」のウェブサイトにおいて、「焼肉あずま」の記載がある。
https://www.cookdoor.jp/dtl/75000000000000003736/
(3)「食べログ」のウェブサイトにおいて、「宿場そば 東」の記載がある。
https://tabelog.com/kanagawa/A1401/A140212/14019468/
(4)「十割蕎麦 あずま」のウェブサイト
http://www.sobaazuma.com/
(5)「食べログ」のウェブサイトにおいて、「ラーメンあずま」の記載がある。
https://tabelog.com/tokyo/A1324/A132404/13066022/
(6)「ふくラボ!」のウェブサイトにおいて、「白河手打ちラーメンあずま」の記載がある。
https://www.fukulabo.net/shop/shop.shtml?s=361
(7)「居酒屋あずま」のウェブサイト
https://gf6y600.gorp.jp/
(8)「coffee Azuma」のウェブサイトにおいて、「珈琲あずま」の記載がある。
https://coffee-azuma.com/%e3%82%a2%e3%82%af%e3%82%bb%e3%82%b9/
(9)「Retty」のウェブサイトにおいて、「こーひーあずま 珈琲東」の記載がある。
https://retty.me/area/PRE13/ARE5/SUB504/100001005923/
(10)「食べログ」のウェブサイトにおいて、「鉄板創作 東(アズマ)」の記載がある。
https://tabelog.com/tokyo/A1306/A130603/13191527/
(11)「食べログ」のウェブサイトにおいて、「創作割烹 東(あずま)」の記載がある。
https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13208692/dtlrvwlst/
(12)「Retty」のウェブサイトにおいて、「ちゅうかりょうりあずま 中華料理 東」の記載がある。
https://retty.me/area/PRE27/ARE87/SUB8701/100001671182/


(行政事件訴訟法第46条に基づく教示)
この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。
(この書面において著作物の複製をしている場合の御注意)
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審理終結日 2024-09-11 
結審通知日 2024-09-24 
審決日 2024-10-11 
出願番号 2021060459 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (W353943)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 鈴木 雅也
特許庁審判官 馬場 秀敏
岩谷 禎枝
商標の称呼 ガンソセンダイヒトクチギョーザアズマ、センダイヒトクチギョーザアズマ、ヒトクチギョーザアズマ、ヒトクチギョーザ、ヒトクチ、アズマ、センダイギョーザ 
代理人 伊藤 夏香 

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