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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W3035
管理番号 1417788 
総通号数 36 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2024-12-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2024-02-20 
確定日 2024-11-27 
事件の表示 商願2021−96065拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 手続の経緯
本願は、令和3年8月3日に登録出願されたものであって、その手続の経緯の概略は以下のとおりである。
令和4年 2月 1日付け:拒絶理由通知書
令和5年11月14日付け:拒絶査定
令和6年 2月20日 :審判請求書の提出

第2 本願商標
本願商標は、「弁才天」の文字を標準文字で表してなり、第30類及び第35類に属する別掲に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。

第3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5496661号商標(以下「引用商標」という。)は、「弁財天」の文字を標準文字で表してなり、平成24年1月10日に登録出願、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、同年5月25日に設定登録されたが、その後、その指定商品中の第30類「大福」については、商標登録の取消審判により、その登録を取り消すべき旨の審決がされ、令和5年3月6日にその審判の確定審決の登録がされたものであり、現に有効に存続しているものである。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、上記第2のとおり、「弁才天」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「音楽・弁才・財福などをつかさどる女神」(「広辞苑第七版」株式会社岩波書店)を意味する語であり、「ベンザイテン」の称呼及び「音楽・弁才・財福などをつかさどる女神」の観念を生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、上記第3のとおり、「弁財天」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「弁才天」と同様の意味を有する語として辞書(前掲書)に掲載されていることから、上記(1)と同様に、「ベンザイテン」の称呼及び「音楽・弁才・財福などをつかさどる女神」の観念を生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標との類否について検討すると、両商標は、2文字目の漢字が異なるのみであるから、両者は外観上近似した印象を与えるものというのが相当である。
そして、両商標は、称呼については「ベンザイテン」の称呼を、観念については「音楽・弁才・財福などをつかさどる女神」の観念を同一とするものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、外観において近似した印象を与え、称呼及び観念を同一とするものであるから、これらの外観、称呼、観念によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して、全体的に考察すれば、両者は互いに紛れるおそれのある類似の商標というべきである。
(4)本願商標の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品との類否について
本願の指定商品及び指定役務と引用商標の指定商品との類否について検討すると、本願商標の指定商品及び指定役務中「大福」及び「大福の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、和菓子屋や、百貨店、スーパーマーケット等の小売店等で販売、提供され、その需要者は一般消費者である。
一方、引用商標の指定商品は「菓子及びパン、但し、大福を除く」であるところ、当該指定商品には、大福以外の和菓子(例えば、団子やもち菓子など。)が含まれており、これらの商品は、和菓子屋や、百貨店、スーパーマーケット等の小売店等で販売され、その需要者は一般消費者である。
そして、大福と、それ以外の和菓子とでは、原材料(例えば、もち米、小豆など。)を共通にする場合があり、大福を製造、販売する事業者が、それ以外の和菓子を製造、販売する場合も多いといえる。
そうすると、本願商標の指定商品及び指定役務中「大福」及び「大福の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と、引用商標の指定商品中の「大福以外の和菓子」とは、同一の事業者によって商品の製造、販売や役務の提供が行われる場合も多く、商品の販売場所や役務の提供場所が共通し、需要者の範囲も共通するものであるから、これらに同一又は類似の商標を使用するときは、同一営業主の製造、販売又は提供に係る商品又は役務と誤認されるおそれがあるというべきである。
してみれば、本願商標の指定商品及び指定役務中「大福」及び「大福の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標の指定商品と類似する商品及び役務である。
(5)小括
以上より、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定商品及び指定役務も引用商標の指定商品と類似の商品及び役務であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、他の裁判例、審決例を挙げて、本願商標と引用商標とは非類似の商標であることに加え、本願商標は、急速に事業を拡大したフルーツ大福専門店の名称であって、近年の我が国でのフルーツ大福のブームの火付け役として各種メディアに幾度となく取り上げられており、「大福」又は「大福の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」との関係で一定の認知度を誇っていることも考慮すると、両商標間で商品及び役務の出所の誤認混同をきたす可能性は皆無と言い得る旨主張する。
しかしながら、商標の類否の判断は、対比する商標について個別具体的に判断されるべきものであるところ、それらの裁判例、審決例は、商標の具体的構成等において本願とは事案を異にするものであり、本願商標と引用商標の類否については、上記1(3)においてした判断のとおりであるから、それらの裁判例、審決例をもってその判断が左右されることはない。
また、請求人の認知度に関する主張は、具体的な立証がないとともに、仮に、請求人のフルーツ大福専門店が一定程度の認知度を得たことを前提としたとしても、本願商標と引用商標の類否については、上記1(3)においてした判断のとおりであることに変わりはないというべきである。
(2)請求人は、引用商標の指定商品に「大福」が含まれないことは明らかであり、これは請求人による、引用商標に係る商標登録に対して商標法第50条第1項に基づく一部取消審判(取消2021−300858)が確定したことに起因するものであって、引用商標に係る指定商品から「大福」が明示的に除かれた以上、本願指定商品及び指定役務と引用商標に係る指定商品とは類似の関係にないことは明白である旨主張する。
しかしながら、引用商標の指定商品中「大福」については、その登録が取り消されているとしても、引用商標の指定商品は、いまだ、本願商標の指定商品及び指定役務中「大福」及び「大福の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」と、同一営業主の製造、販売又は提供に係る商品又は役務と誤認されるおそれがあることは、上記1(4)のとおりである。
(3)したがって、請求人による上記主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲

別掲 本願商標の指定商品及び指定役務
第30類「大福」
第35類「広告業,経営の診断及び指導,市場調査,市場分析,商品の販売に関する情報の提供,他人の商品及びサービスのライセンスに関する事業の管理,フランチャイズに関する事業の診断・指導・助言,フランチャイズの事業の運営及び管理,フランチャイズシステムに基づく加盟店の経営の診断及び指導並びにフランチャイズシステムに基づく加盟店の経営の助言,フランチャイズ事業に関する情報の提供,職業のあっせん,消費者のための商品及び役務の選択における助言と情報の提供,大福の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」


(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合の御注意) 本複製物は、著作権法の規定に基づき、特許庁が審査・審判等に係る手続に必要と認めた範囲で複製したものです。本複製物を他の目的で著作権者の許可なく複製等すると、著作権侵害となる可能性がありますので、取扱いには御注意ください。
審理終結日 2024-09-24 
結審通知日 2024-09-30 
審決日 2024-10-15 
出願番号 2021096065 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (W3035)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 大島 勉
特許庁審判官 浦崎 直之
小林 裕子
商標の称呼 ベンザイテン 
代理人 田中 尚文 

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