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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W41
管理番号 1417727 
総通号数 36 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2024-12-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2023-06-19 
確定日 2024-10-31 
事件の表示 商願2022−102405拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「エデュテインメント」の片仮名と「EDUTAINMENT」の欧文字を上下2段に横書きしてなり、第41類に属する別掲1のとおりの役務を指定役務として、令和4年9月5日に登録出願されたものである。
本願は、令和5年1月23日付けで拒絶理由が通知され、同年3月6日付けで意見書が提出されたが、同年4月27日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同年6月19日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

第2 原査定の拒絶理由の要旨
原査定は、本願商標は「エデュテインメント」の片仮名と「EDUTAINMENT」の欧文字を上下2段に横書きしてなるところ、当該文字は、「Education(教育)」と「Entertainment(娯楽)」をかけあわせた造語で、楽しみながら学ぶための商品やサービスのことを表す語として、昨今親しまれている実情があることから、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「楽しみながら学ぶためのサービス」ほどの意味合いを認識するにとどまり、単に役務の質(内容)を普通に用いられる方法で表示するものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断
1 本願商標の商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、上記第1のとおり、「エデュテインメント」の片仮名と「EDUTAINMENT」の欧文字を上下2段に横書きしてなるところ、上段の「エデュテインメント」の片仮名は、下段の「EDUTAINMENT」の欧文字の読みを表したものと容易に理解できるものである。
そして、別掲2(1)ないし(5)のとおり、「エデュテインメント(エデュテイメント)」及び「edutainment」の語は、「ゲーム的な要素を取り入れて、楽しく学べるように内容が工夫されたソフトウエア。」や「教育的エンターテインメント」等の意味を有する語として複数の辞書に載録されている語であるところ、当該語の成り立ちが「教育」の意味を有する「education」と「娯楽」の意味を有する「entertainment」を組み合わせたものであることから、「楽しみながら学ぶ」ほどの意味合いで別掲2(6)ないし(10)以外にも複数のウェブサイトにおいて使用されている事実が認められ、別掲3のとおり、オンラインによる知識の教授やイベントの開催、テレビ番組等について、提供する役務が楽しみながら学ぶものであることを表す際に、「エデュテインメント(エデュテイメント)」や「edutainment」の語が使用されている事実も多数認められる。
そうすると、「エデュテインメント」の片仮名と「EDUTAINMENT」の欧文字を上下2段に横書きした本願商標をその指定役務に使用する場合、これに接する取引者、需要者は、当該役務が楽しみながら学ぶ役務であるという役務の質を表示したものと容易に理解するにとどまるため、本願商標は、役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標である。
そして、本願商標は、その指定役務について、取引に際し必要適切な表示であり、何人もその使用を欲するといい得るものであり、特定人によるその独占使用を認めることは公益上適当としないものであるとともに、自他役務の識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、審判請求書において、「エデュテインメント」及び「edutainment」の語の使用の数は決して多いとはいえず、「楽しみながら学ぶための商品やサービス」を表示する語として親しまれているということはない旨、「楽しむ」は人間の感情を主観的に表すものであって、「楽しみながら学ぶためのサービス」とはどのようなサービスであるか漠然としており、本願商標は、構成全体として一種の造語と認識される可能性がある旨、本願商標からは「娯楽のなかにまなびが内包されている」等の他の意味合いも理解される可能性もあり、必ずしも「楽しみながら学ぶ」という特定の意味合いが理解されるとはいえない旨主張する。
しかしながら、上記1のとおり、「エデュテインメント(エデュテイメント)」及び「edutainment」の語は、複数の辞書にその意味が掲載されており、また、当該語が、複数のウェブサイトにおいて「楽しみながら学ぶ」ほどの意味合いで使用されていることが認められることから、本願商標に接する需要者は、本願商標から「楽しみながら学ぶ」ほどの意味合いを理解すると判断するのが相当である。
また、本願の指定役務との関係において、提供する役務が楽しみながら学ぶものであることを表す際に、「エデュテインメント(エデュテイメント)」や「edutainment」の語が使用されている事実があることからすると、本願商標をその指定役務に使用する場合、これに接する取引者、需要者は、当該役務が楽しみながら学ぶ役務であるという役務の質を表示したものと理解するにとどまるといえる。
なお、原審及び当審において認定した本願商標から需要者が認識する意味合い(楽しみながら学ぶ)と、請求人が本願商標を使用していると主張する意味合い(「娯楽の中に学びが内包される」等「娯楽」に重きを置いた概念)とは、結局のところ「娯楽」と「学び」を掛け合わせた意味合いにすぎず、これらの概念の間に大差はない。
(2)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲

別掲1(本願の指定役務)
第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,電子出版物の提供,図書及び記録の供覧,図書の貸与,美術品の展示,書籍の制作,映画・演芸・演劇又は音楽の演奏の興行の企画又は運営,インターネットを利用して行う映像の提供,映画の上映・制作又は配給,インターネットを利用して行う音楽の提供,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,放送番組の制作,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。),放送番組の制作における演出,スポーツの興行の企画・運営又は開催,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),音響用又は映像用のスタジオの提供,運動施設の提供,娯楽施設の提供,映画・演芸・演劇・音楽又は教育研修のための施設の提供,映画機械器具の貸与,映写フィルムの貸与,レコード又は録音済み磁気テープの貸与,録画済み磁気テープの貸与,おもちゃの貸与,遊園地用機械器具の貸与,遊戯用器具の貸与,写真の撮影,オンラインによるゲームの提供」

別掲2(「エデュテインメント(エデュテイメント)」及び「edutainment」の語の意味合いについて)
(1)株式会社三省堂発行「大辞林 第四版」
「エデュテイメント【edutainment】」の項に、「〔education(教育)とentertainment(娯楽)から〕ゲーム的な要素を取り入れて、楽しく学べるように内容が工夫されたソフトウエア。」との記載がある。
(2)株式会社小学館発行「大辞泉 第二版」
「エデュテインメント【edutainment】」の項に、「≪education(教育)+entertainment(娯楽)≫エンターテインメントの要素を取り込んだ教育ソフトのジャンル。ゲームの要素を入れて楽しみながら学習できるように工夫され、子供向けワープロから図鑑ソフトまで幅広い。」との記載がある。
(3)株式会社三省堂発行「コンサイスカタカナ語辞典 第5版」
「エデュテイメント」の項に、「[edutainment<education+entertainment][電算]教育娯楽。娯楽的要素を多分に含んだ教育用ソフトウェア。エデュテインメントとも。〈現〉」との記載がある。
(4)株式会社大修館書店発行「ジーニアス英和辞典 第6版」
「edutainment」の項に「エデュテイ(ン)メント,教育娯楽テレビ番組[映画,ソフトウェア,図書].」との記載がある。
(5)株式会社研究社発行 「新英和中辞典(第7版)」
「edutainment」の見出し語について、「教育娯楽番組[映画, 図書 など], 教育的エンターテイメント.」との記載がある。
(6)「株式会社グローバルプロデュース」のウェブサイト
「大人も子供も大興奮!遊びと学びを一体化させる『エデュテインメント』イベントとは?」の見出しの下、「エデュテインメントとは、教育(Education)と娯楽(Entertainment)を掛け合わせて作られた造語です。つまり「子供達が遊びながら学ぶことで自主的に知識を身につけていく」という体験のこと。遊びながら学ぶことで楽しみながら子供の成長を促そうという取り組みですね。」との記載がある。
https://www.global-produce.jp/gpjournal/trend/edutainment/
(7)「STEM Academy Kids」のウェブサイト
「教育と娯楽の融合−エデュテインメント」の見出しの下、「ここ1年ほど気になっている言葉の一つにエデュテインメントがあります。エデュケーション(教育)とエンターテイメント(娯楽)からできた造語で、意味は「遊びながら学ぶことで自主的に知識を身につけていく」という体験やコンテンツのことで、言葉通り教育と娯楽を融合して施そうよ、という取り組みです。」との記載がある。
https://stem-academykids.com/archives/7328
(8)「るるぶ Kids」のウェブサイト
「世界のトップティーチャーに聞く!今注目の「エデュテイメント」とは?」の見出しの下、「「エデュテイメント」とは、教育(エデュケーション)と娯楽(エンターテインメント)を組み合わせた造語。子どもたちが「楽しみながら学ぶ」体験を通して、自主的に知識を身につけていくことを意味します。」との記載がある。
https://kids.rurubu.jp/article/144530/
(9)「Bright Choice」のウェブサイト
「学びと遊びを一度に体験!おすすめエデュテインメント施設」の見出しの下、「エデュテインメント」とは、「エデュケーション」と「エンターテインメント」を組み合わせた造語です。1980年代ごろから使われていて、もともとは教育用ゲームソフトを指していました。最近ではレジャー面でも注目され、楽しんだり、体験したりしながら学ぶことのできる施設のことを「エデュテインメント施設」と呼ぶそうです。創造性を伸ばせる体験型のワークショップや、最新技術を駆使した学びを提供するものまで、「エデュテイメント施設」にも多様な形があります。」との記載がある。
https://brightchoice.jp/lessonandactivity/activities/20210402000550
(10)「C−station」のウェブサイト
「イオンファンタジーが語る、教育×エンタメ「エデュテインメント」の可能性」の見出しの下、「あそびとまなびを一体化した「エデュテインメント」──「Education(学び)」と「Entertainment(楽しさ)」を組み合わせた「エデュテインメント(Edutainment)」市場は昨今、世界的に拡大傾向にあると言われています。」との記載がある。
https://c.kodansha.net/news/detail/39909/

別掲3(「エデュテインメント(エデュテイメント)」及び「edutainment」の語の使用事実について)
(1)2021年2月9日付け 日本経済新聞 朝刊12頁
「小学生向けプログラミング、イオン系、ゲーム教材に、娯楽施設不振で新事業。」の見出しの下、「屋内型アミューズメント施設を展開するイオンファンタジーはゲームを教材に、プログラミングや英語などを小学生がオンラインで学ぶ「ゲームカレッジLv99」を始めた。月額7800円(税抜き)からで、実際に市販されているゲームを使う。主力事業のアミューズメント施設の運営が新型コロナウイルス禍で落ち込むなか、新規事業の育成を急ぐ。ビデオ会議システムの「ズーム」などを通じて講師がオンラインで授業する。・・・娯楽を教育に取り入れる「エデュテイメント」を掲げ、教育関連事業の拡大を急ぐ。」との記載がある。
(2)2021年9月29日付け 日本証券新聞 12頁
「ファンド情報−インベスコ・アセット・マネジメント−新しい研修スタイル「i▼Skill(アイスキル)」 前編−動画で始めるマイクロラーニング 金融機関のアドバイザー向けに提供−2つのコンテンツ「残念な営業員」「60秒セールスヒント」を用意−インベスコ・コンサルティング部長の長谷川愛氏に聞く」の見出しの下、「日本でも2014年に設立され、米国のコンテンツをベースに、日本のお客さまとのコミュニケーションに特化した研修を提供している。コロナ禍で独自のオンライン研修に取り組んできたが、ここにきて新たな研修方法を導入、銀行や証券会社などに提供を始めている。・・・また、インベスコ・コンサルティングには、エデュケーション(Education=教育)とエンターテインメント(Entertainment=娯楽)を合わせた造語であるエデュテイメント(Edutainment)というコンセプトがある。単に教育という学びだけでなく、楽しみながら学ぶという考え方である。これがないと研修が定着しないと考えるからである。エクササイズ、ワーク、ディスカッションなどを取り入れて、受講生参加型の研修にしている。」との記載がある。
(3)2019年12月20日付け 東京新聞朝刊 21頁
「ほっとなび 情報の道しるべ 限定 要チェック! Go SOZO(池袋サンシャインシティ) 広げる 「できる」可能性 来年2月11日 体験型 多種多様に」の見出しの下、「子どもの興味と未来の可能性を広げる体験型エデュテイメント(教育とエンターテインメントを掛け合わせた造語)イベント「Go SOZO Tokyo 2020 Spring」が来年2月11日に池袋サンシャインシティで開かれる。」との記載がある。
(4)2024年4月6日付け 中日新聞朝刊 15頁
「学ぶ 教育現場でゲーム活用」の見出しの下、「教育に娯楽要素を組み込む取り組みは「エデュテイメント」と呼ばれる。学校現場では近年、マイクラや桃鉄のほか、クイズのアプリなども使うようになった。マイクラの教育版は2016年に公開。授業で使いやすいよう、大勢が同時に一つの仮想世界に入って共同で作業でき、世界で活用が広がっている。マイクロソフトの教育現場向けサービスを利用する学校は、追加費用なしで導入可能な場合がある。桃鉄の教育版は昨年1月にリリースされ、小中学校などに無償で提供。1年余で計7千校が導入した。」との記載がある。
(5)2017年2月28日付け 朝日新聞朝刊 27頁
「第2恐竜博は体感型 映像・風・音で再現 県基本構想案 /福井県」の見出しの下、「県は27日、県議会産業常任委員会で、第2恐竜博物館の基本構想・計画案を説明した。基本理念に子どもから大人まで誰もが楽しみながら学べることを意味する「世界一のエデュテイメント博物館」を掲げた。」との記載がある。
(6)2016年1月20日付け 日経産業新聞 14頁
「カプコン――ジムや砂場キッズコーナー増設、併設ゲーム施設へ誘客(現場のチカラ)」の見出しの下、「カプコンが未就学児などを対象にした有料スペース「あそび王国ぴぃかぁぶぅ」の設置場所を増やしている。ジムや砂場で自由に遊ぶコーナーで、2013年から始め、商業施設8カ所に広げた。家族層を取り込んで、併設するカプコンのゲームセンターに誘う狙い。店舗ごとに工夫をこらすが、子供が対象のサービスにはゲームセンターとは違う課題もある。滋賀県草津市のイオンモール草津。カプコンは15年3月、ゲームセンター「ゲームランド」の一画にキッズコーナー「ぴぃかぁぶぅ」を開いた。・・・「ぴぃかぁぶぅ」のテーマは、遊びと学びを融合したエデュテイメント。」との記載がある。
(7)「BCNeスポーツ部」のウェブサイト
「授業で桃鉄・マイクラ!?「エデュテイメント祭り!」で活用事例を発表」の見出しの下、「コナミデジタルエンタテインメント(コナミ)は12月2日、東京銀座のesports銀座studioで、ゲームの教育的活用をテーマとしたセミナーイベント「エデュテイメント祭り!presented by 桃太郎電鉄」を開催しました。当日は日本各地から教員や教育機関関係者が集まり、エデュテイメントの活用事例や課題について活発に議論を交わしました。」との記載がある。
https://esports.bcnretail.com/tournament/tournament-report/231209_004650.html
(8)「キッカケ」のウェブサイト
「SOZOWの事業について」の見出しの下、「今年事業として立ち上げたのが、オンライン・メタバースイベントの「SOZOW FES」となります。コンセプトは「遊びと学びの融合」となりまして、エデュケーションとエンタメの融合ということでエデュテイメントと私たちは呼んでいるのですが、それを代表するサービスとしての「SOZOW FES」を始めました。」との記載がある。
https://kikkake-media.com/talk/25
(9)「NHK」のウェブサイト
「ムジカ・ピッコリーノ」の見出しの下、「「ムジカ・ピッコリーノ」は音楽の基本的なしくみを映像化して物語に織り込むことで、子どもたちが音楽を感覚で理解できるようになることを目指す、子供向け音楽エデュテイメント番組です。」との記載がある。
https://www.nhk.jp/p/musica/ts/E3MG7785P6/
審理終結日 2024-08-27 
結審通知日 2024-09-03 
審決日 2024-09-19 
出願番号 2022102405 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W41)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 板谷 玲子
特許庁審判官 馬場 秀敏
岩谷 禎枝
商標の称呼 エデュテインメント、エデュテイメント 
代理人 岩瀬 ひとみ 
代理人 齊藤 良平 
代理人 塩谷 信 

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