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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない W0916354345
管理番号 1417726 
総通号数 36 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2024-12-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2023-06-19 
確定日 2024-10-31 
事件の表示 商願2022−113280拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「エデュテインメント」の片仮名と「EDUTAINMENT」の欧文字を上下2段に横書きしてなり、第9類、第16類、第35類、第43類及び第45類に属する別掲1のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和3年10月21日に登録出願された商願2021−131061に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、令和4年10月3日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年11月11日付けで拒絶理由が通知され、同年12月21日付けで意見書が提出されたが、同5年3月9日付けで拒絶査定がされ、これに対し、同年6月19日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。

第2 原査定の拒絶理由の要旨
原査定は、本願商標は「エデュテインメント」の片仮名と「EDUTAINMENT」の欧文字を上下2段に横書きしてなるところ、当該文字は、「Education(教育)」と「Entertainment(娯楽)」をかけあわせた造語で、楽しみながら学ぶための商品やサービスのことを表す語として、昨今親しまれている実情があり、本願の指定商品及び指定役務の分野においても、関係性があることからすれば、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「楽しみながら学ぶための商品やサービス」であると理解し、認識するにすぎず、本願商標は、自他商品及び役務の識別標識としての機能を果たし得ないものというべきであり、需要者が何人かの業務に係る商品及び役務であることを認識し得ないものであるから、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審の判断
1 本願商標の商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、上記第1のとおり、「エデュテインメント」の片仮名と「EDUTAINMENT」の欧文字を上下2段に横書きしてなるところ、上段の「エデュテインメント」の片仮名は、下段の「EDUTAINMENT」の欧文字の読みを表したものと容易に理解できるものである。
そして、別掲2(1)ないし(5)のとおり、「エデュテインメント(エデュテイメント)」及び「edutainment」の語は、「ゲーム的な要素を取り入れて、楽しく学べるように内容が工夫されたソフトウエア。」や「教育的エンターテインメント」等の意味を有する語として複数の辞書に載録されている語であるところ、当該語の成り立ちが「教育」の意味を有する「education」と「娯楽」の意味を有する「entertainment」を組み合わせたものであることから、「楽しみながら学ぶ」ほどの意味合いで別掲2(6)ないし(10)以外にも複数のウェブサイトにおいて使用されている事実が認められ、別掲3のとおり、請求人以外の者も「エデュテインメント(エデュテイメント)」や「edutainment」の語を企業の理念や姿勢、宣伝広告として使用している事実も多数認められる。
そうすると、「エデュテインメント」の片仮名と「EDUTAINMENT」の欧文字を上下2段に横書きした本願商標をその指定商品及び指定役務に使用する場合、これに接する需要者は、楽しみながら学ぶ商品やサービスを提供するという企業理念や姿勢、宣伝広告を表した語と認識するにとどまるなど、楽しみながら学ぶ商品やサービスを表した語として認識するにすぎないといえるため、本願商標は、その指定商品及び指定役務について、何人もその使用を欲するといい得るものであり、特定人による独占使用を認めることを公益上適当としないものであるとともに、自他商品及び役務の識別力を欠き、商標としての機能を果たし得ないものであるため、本願商標は、需要者が何人かの業務に係る商品及び役務であるかを認識することができない商標というのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、審判請求書において、「エデュテインメント」及び「edutainment」の語の使用の数は決して多いとはいえず、「楽しみながら学ぶための商品やサービス」を表示する語として親しまれているということはない旨、「楽しむ」は人間の感情を主観的に表すものであって、「楽しみながら学ぶための商品やサービス」とはどのような商品・サービスであるか漠然としており、本願商標は、構成全体として一種の造語と認識される可能性がある旨、本願商標からは「娯楽のなかにまなびが内包されている」等の他の意味合いも理解される可能性もあり、必ずしも「楽しみながら学ぶ」という特定の意味合いが理解されるとはいえない旨主張する。
しかしながら、上記1のとおり、「エデュテインメント(エデュテイメント)」及び「edutainment」の語は、複数の辞書にその意味が掲載されており、また、当該語が、複数のウェブサイトにおいて「楽しみながら学ぶ」ほどの意味合いで使用されていることが認められることから、本願商標に接する需要者は、本願商標から「楽しみながら学ぶ」ほどの意味合いを理解すると判断するのが相当である。
また、「エデュテインメント(エデュテイメント)」や「edutainment」の語は、企業の理念や姿勢、宣伝広告として複数の者により使用されている事実が認められることから、本願商標をその指定商品及び指定役務に使用する場合、これに接する需要者は、楽しみながら学ぶ商品やサービスを提供するという企業理念や姿勢、宣伝広告を表した語と認識するにとどまるなど、楽しみながら学ぶ商品やサービスを表した語として認識するにすぎないといえる。
なお、請求人自身、「エデュテインメント」の語を企業理念として使用しているものであり(甲1)、原審及び当審において認定した本願商標から需要者が認識する意味合い(楽しみながら学ぶ)と、請求人が本願商標を使用していると主張する意味合い(「娯楽の中に学びが内包される」等「娯楽」に重きを置いた概念)とは、結局のところ「娯楽」と「学び」を掛け合わせた意味合いにすぎず、これらの概念の間に大差はない。
(2)したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲

別掲1(本願の指定商品及び指定役務)
第9類「業務用テレビゲーム機用プログラム,電気通信機械器具,携帯情報端末,電子応用機械器具及びその部品,電子応用機械器具(「ガイガー計数器・高周波ミシン・サイクロトロン・産業用X線機械器具・産業用ベータートロン・磁気探鉱機・磁気探知機・地震探鉱機械器具・水中聴音機械器具・超音波応用測深器・超音波応用探傷器・超音波応用探知機・電子応用扉自動開閉装置・電子顕微鏡」を除く。),電子計算機用プログラム,家庭用テレビゲーム機用プログラム,携帯用液晶画面ゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,レコード,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物,映写フィルム,スライドフィルム」
第16類「印刷物」
第35類「消費者のための商品及び役務の選択における助言と情報の提供,電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,運動具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,おもちゃ・人形及び娯楽用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,楽器及びレコードの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」
第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供」
第45類「著作権の利用に関する契約の代理又は媒介」

別掲2(「エデュテインメント(エデュテイメント)」及び「edutainment」の語の意味合いについて)
(1)株式会社三省堂発行「大辞林 第四版」
「エデュテイメント【edutainment】」の項に、「〔education(教育)とentertainment(娯楽)から〕ゲーム的な要素を取り入れて、楽しく学べるように内容が工夫されたソフトウエア。」との記載がある。
(2)株式会社小学館発行「大辞泉 第二版」
「エデュテインメント【edutainment】」の項に、「≪education(教育)+entertainment(娯楽)≫エンターテインメントの要素を取り込んだ教育ソフトのジャンル。ゲームの要素を入れて楽しみながら学習できるように工夫され、子供向けワープロから図鑑ソフトまで幅広い。」との記載がある。
(3)株式会社三省堂発行「コンサイスカタカナ語辞典 第5版」
「エデュテイメント」の項に、「[edutainment<education+entertainment][電算]教育娯楽。娯楽的要素を多分に含んだ教育用ソフトウェア。エデュテインメントとも。〈現〉」との記載がある。
(4)株式会社大修館書店発行「ジーニアス英和辞典 第6版」
「edutainment」の項に「エデュテイ(ン)メント,教育娯楽テレビ番組[映画,ソフトウェア,図書].」との記載がある。
(5)株式会社研究社発行 「新英和中辞典(第7版)」
「edutainment」の見出し語について、「教育娯楽番組[映画, 図書 など], 教育的エンターテイメント.」との記載がある。
(6)「株式会社グローバルプロデュース」のウェブサイト
「大人も子供も大興奮!遊びと学びを一体化させる『エデュテインメント』イベントとは?」の見出しの下、「エデュテインメントとは、教育(Education)と娯楽(Entertainment)を掛け合わせて作られた造語です。つまり「子供達が遊びながら学ぶことで自主的に知識を身につけていく」という体験のこと。遊びながら学ぶことで楽しみながら子供の成長を促そうという取り組みですね。」との記載がある。
https://www.global-produce.jp/gpjournal/trend/edutainment/
(7)「STEM Academy Kids」のウェブサイト
「教育と娯楽の融合−エデュテインメント」の見出しの下、「ここ1年ほど気になっている言葉の一つにエデュテインメントがあります。エデュケーション(教育)とエンターテイメント(娯楽)からできた造語で、意味は「遊びながら学ぶことで自主的に知識を身につけていく」という体験やコンテンツのことで、言葉通り教育と娯楽を融合して施そうよ、という取り組みです。」との記載がある。
https://stem-academykids.com/archives/7328
(8)「るるぶ Kids」のウェブサイト
「世界のトップティーチャーに聞く!今注目の「エデュテイメント」とは?」の見出しの下、「「エデュテイメント」とは、教育(エデュケーション)と娯楽(エンターテインメント)を組み合わせた造語。子どもたちが「楽しみながら学ぶ」体験を通して、自主的に知識を身につけていくことを意味します。」との記載がある。
https://kids.rurubu.jp/article/144530/
(9)「Bright Choice」のウェブサイト
「学びと遊びを一度に体験!おすすめエデュテインメント施設」の見出しの下、「エデュテインメント」とは、「エデュケーション」と「エンターテインメント」を組み合わせた造語です。1980年代ごろから使われていて、もともとは教育用ゲームソフトを指していました。最近ではレジャー面でも注目され、楽しんだり、体験したりしながら学ぶことのできる施設のことを「エデュテインメント施設」と呼ぶそうです。創造性を伸ばせる体験型のワークショップや、最新技術を駆使した学びを提供するものまで、「エデュテイメント施設」にも多様な形があります。」との記載がある。
https://brightchoice.jp/lessonandactivity/activities/20210402000550
(10)「C−station」のウェブサイト
「イオンファンタジーが語る、教育×エンタメ「エデュテインメント」の可能性」の見出しの下、「あそびとまなびを一体化した「エデュテインメント」──「Education(学び)」と「Entertainment(楽しさ)」を組み合わせた「エデュテインメント(Edutainment)」市場は昨今、世界的に拡大傾向にあると言われています。」との記載がある。
https://c.kodansha.net/news/detail/39909/

別掲3(「エデュテインメント(エデュテイメント)」及び「edutainment」の語の使用事実について)
(1)「認定こども園OURS」のウェブサイト
「教育・保育ビジョン」の見出しの下、「6つのedutainment(楽習)」として、「理念・ビジョンである「Challenge」「Global」「Love」の3つのコンセプトをもとに、6つのedutainment(楽習)を通してお子さまの無限の可能性を育てます。」との記載がある。
http://www.kosodate-ours.jp/edu/program/
(2)「ワオ・コーポレーション」のウェブサイト
「ワオグループの企業ミッション」の見出しの下、「エデュテインメントカンパニーとして「学び」と「夢」と「感動」を世界に届け人と社会に貢献します」との記載がある。
https://www.wao-corp.com/company/
(3)「株式会社スターシャル教育研究所」のウェブサイト
「企業理念」の見出しの下、「社名由来 Company name」として、「私たちは、「教育(エデュケーション)」と「ワクワクの場(エンターテイメント)」の掛け合わせを研究し、新しい形のエデュテイメント(エデュケーション+エンターテイメント)を創造するNo.1の会社です。」との記載がある。
https://sturcial.info/idea.html
(4)「株式会社サンリオ」のウェブサイト
「教育支援」の見出しの下、「教育事業での成長機会取り込み“Whyサンリオ”」として、「学習体験向上にコミットし“edutainment”に進化させる」との記載がある。
https://corporate.sanrio.co.jp/sdgs/04/
(5)「KidZania Japan」のウェブサイト
「企業メッセージ」の見出しの下、「KCJ GROUPは、日本の未来を拓くこども達が、これからの実社会で生きる力を育むための学びの機会を提供し、真のエデュテインメントを目指します。」との記載がある。
https://www.kidzania.jp/corporate/about/
(6)「株式会社ナスピア」のウェブサイト
「教育と遊び −「優れたエデュテインメント」とは?−」の見出しの下、「今日では、教育映像や動画、教育用ソフトウェアに留まらず、博物館の展示や各種体験等、様々な場で用いられるようになり、「マインクラフト」「桃鉄」等の元々は教育目的外で作られたゲームソフトが、エデュテインメントとして教育現場で公的に使用されるまでになっています。」との記載がある。
https://www.knospear.jp/column/2215/
(7)「日本財団ジャーナル」のウェブサイト
「不朽の名作ゲーム「桃鉄」が教材に!ゲーム×学びの「エデュテインメント」ってナニ?」の見出しの下、「「学校の授業でゲーム?」と驚く人も多いかもしれませんが、娯楽を学びの入り口にする「エデュテインメント※」という手法はさまざまな形で広がっており、子どもの学ぶ意欲をかきたてると注目を集めています。※娯楽でありながら娯楽と関係のない分野の教育として機能するエンターテインメントのこと」との記載がある。
https://www.nippon-foundation.or.jp/journal/2023/89006/education
(8)「八芳園」のウェブサイト
「食×学び×エンターテインメント」の見出しの下、「私たちは毎日、食べています。生まれてからずっと。だからこそ、食を大切にしたいもっと食について知りたい。もっと食を学びたい。教育を意味するエデュケイションと、娯楽を意味するエンターテインメントを重ねて「エデュテインメント」。楽しみながら学ぶ。学びながら楽しむ。フードエデュテインメントの世界を一緒に。」との記載がある。
https://www.happo-en.com/event/foodedutainment/
(9)「UDS株式会社」のウェブサイト
「『ホテル カンラ京都』ができるまで」の見出しの下、「≪テーマは“学び”≫」として、「当時のコンセプトは、教育施設であった建物の記憶を継承した遊びと学びを一緒に体験できるエデュテインメントホテル。エデュテインメントとは、遊びと学びを一緒に体験できることを言います。どのように「学び」を提案できるかがカギになると考え、本物の組紐や日本茶を客室に置いて、さりげなく文化に触れられるようにしました。」との記載がある。
https://www.wantedly.com/companies/uds/post_articles/909104


(行政事件訴訟法第46条に基づく教示)
この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。
(この書面において著作物の複製をしている場合の御注意)
本複製物は、著作権法の規定に基づき、特許庁が審査・審判等に係る手続に必要と認めた範囲で複製したものです。本複製物を他の目的で著作権者の許可なく複製等すると、著作権侵害となる可能性がありますので、取扱いには御注意ください。
審理終結日 2024-08-27 
結審通知日 2024-09-03 
審決日 2024-09-19 
出願番号 2022113280 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (W0916354345)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 板谷 玲子
特許庁審判官 馬場 秀敏
岩谷 禎枝
商標の称呼 エデュテインメント 
代理人 塩谷 信 
代理人 齊藤 良平 
代理人 岩瀬 ひとみ 

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