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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W123537
管理番号 1416817 
総通号数 35 
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2024-11-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2024-02-08 
確定日 2024-11-08 
異議申立件数
事件の表示 登録第6760696号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6760696号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標

本件登録第6760696号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、令和4年11月1日に登録出願、第12類「船舶並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,電動式乗物,ハイブリッド式の船舶・航空機・自動車・二輪自動車,水上滑走艇,水素燃料を使用した船舶・航空機・自動車・二輪自動車,航空機,軍事用ドローン,民間用ドローン」、第35類「船舶並びにその部品及び附属品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,自動車並びにその部品及び附属品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電動式乗物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ハイブリッド式の船舶・航空機・自動車・二輪自動車の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,水上滑走艇の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,水素燃料を使用した船舶・航空機・自動車・二輪自動車の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,航空機の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,軍事用ドローンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,民間用ドローンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第37類「船舶並びにその部品及び附属品の修理及び整備,自動車並びにその部品及び附属品の修理及び整備,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品の修理及び整備,電動式乗物の修理及び整備,ハイブリッド式の船舶・航空機・自動車・二輪自動車の修理及び整備,水上滑走艇の修理及び整備,水素燃料を使用した船舶・航空機・自動車・二輪自動車の修理及び整備,航空機の修理及び整備,軍事用ドローンの修理及び整備,民間用ドローンの修理及び整備」を指定商品及び指定役務として、令和5年11月27日に登録査定され、同年12月8日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議の申立ての理由において引用する登録商標は、次のとおりであり、いずれも現に有効に存続している。
1 登録第6432367号商標(以下「引用商標1」という。)
商標の態様:別掲2のとおり
登録出願日:令和2年9月25日
設定登録日:令和3年8月23日
指定商品及び指定役務:第9類、第12類及び第35類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品及び役務
2 登録第5844729号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の態様:別掲3のとおり
登録出願日:平成27年4月16日
設定登録日:平成28年3月28日
指定商品:第12類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品
なお、上記引用商標1及び引用商標2を、まとめていうときは、以下「引用商標」という。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号又は同項第15号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきものである旨申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第9号証を提出した。
第4条第1項第11号について
本件商標は、3つの同じ形の幾何学模様を上部と下部左右とに配して組み合わせた図形であり、引用商標の図形部分と類似した形状である。
すなわち、本件商標と引用商標はいずれも、3つの同じ形の幾何学模様を上部と下部左右とに角度を変えて配置したものという点が一致しており、3つの幾何学模様の端部がそれぞれ他の幾何学模様の端部も近接したものという点まで一致することがある。
したがって、本件商標と引用商標とは、様々な電動式の乗物とそれらの部品及び付属品を製造し、販売しているという点で共通しており、もし本件商標を電動式バイクに付して宣伝や販売された場合、引用商標の商標権者に係る商品又は役務であるという誤認を与える可能性が高いものと思われる。
そして、本件商標と引用商標の指定商品は、同一又は類似のものである。
第4条第1項第15号について
申立人は、中華人民共和国で2001年創業以来、商品「電動式自転車・三輪車・モペット・オートバイ・乗物」及び「電動式乗物など用の部品」について、3つの同じ形の幾何学模様を上部と下部左右とに配して組み合わせたクローバー状のロゴ商標を広く使用している。2016年2月1日に中国で商標を申請し、2017年3月7日に登録している。消費者のため、ロゴと明らかに認識しうる図形若しくは社名「YADEA」「雅迪」と容易に称呼しうる文字からなる商標又はこれらの結合からなる商標を登録している。
申立人は、2018年FIFAワールドカップシア大会(甲8)や2022年FIFAワールドカップシア大会(甲9)のスポンサーとして参加した。また、引用商標を用いて世界的に宣伝活動(甲5〜甲9)を行い今日に至っており、商品「電動式自転車・三輪車・モペット・オートバイなど」は日本のみならず世界的な市場に占有率も極めて大きい。
2022年から2024年までの販売実績は、2022年346台、2023年2547台、2024年(1月14日まで)70台である。
したがって、本件指定商品の分野の需要者は、「3つの同じ形の幾何学模様を上部と下部左右とに配して組み合わせた」の図形からなる本件商標が、本件指定商品について使用された場合には、申立人の業務に係る商品と出所の混同を生ずるおそれがあることは明らかである。
3 むすび
(1)第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標とは、3つの同じ形の幾何学模様を上部と下部左右とに配して組み合わせた図形を共通にする類似の商標であり、また、これらの指定商品又は指定役務も同一又は類似のものである。
したがって、本件商標登録は商標法第4条第1項第11号に違反してなされたものであるから、取り消されるべきである。
(2)第4条第1項第15号について
本件商標が本件指定商品に使用された場合、その商品又は役務の需要者が申立人の業務に係る商品と出所について混同するおそれがある。
したがって、本件商標登録は、商標法第4条第1項第15号の規定に違反してなされたものであるから、取り消されるべきである。

第4 当審の判断
1 引用商標及び使用商標の周知性について
(1)申立人の提出した証拠及び同人の主張によれば、以下のとおりである。
申立人は、引用商標1と同一又は類似する商標(以下「使用商標」という。)を、申立人のホームページ、インスタグラム等及び展示会などで「特定原付、電動アシスト自転車」(以下「申立人商品」という。)に使用している(甲5〜甲7)。
(2)上記によれば、申立人は、引用商標1を使用し、申立人の業務に係る申立人商品を販売していることはうかがえる。
しかしながら、引用商標1の使用開始日を確認し得る証拠や申立人の業務に係る申立人商品の我が国における売上高、販売数量についての販売実績及び宣伝広告の回数や費用等の広告実績など、その周知性を数量的に判断し得る客観的、かつ、具体的な証拠の提出はない。
また、引用商標2については、申立人商品に使用していることを確認できる証拠の提出は認められない。
以上のことから、提出された証拠によっては引用商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る申立人商品を表示するものとして、我が国の需要者の間に広く認識されていたと認めることはできない。
2 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標
本件商標は、別掲1のとおり、太線で描いたほぼ同じ形状の横長六角形状の輪郭図形を上部と下部左右に3つ、それぞれの端部を接近させて配置した構成からなり、その内側には、三方の角が開いた三角形状の空白が表れている図形(以下「本件図形」という。)からなるものである。
そして、上記構成からなる本件商標は、特定の事物等を表すものとして認識されるというべき事情は見いだせないから、これより特定の称呼及び観念は生じない。
(2)引用商標
ア 引用商標1について
引用商標1は、別掲2のとおり、左側に、ほぼ同じ形状で灰色からなるおおよそ凸状の図形を凸側を内側にし、上部と下部左右とに3つ、それぞれの端部を接近させて配置した構成からなり、その内側には、三方の角が開いたY字状の空白が表れてなる構成の図形(以下「引用図形1」という。)と、引用図形1の右側に太字で「YADEA」の欧文字を横書きした構成からなるものである。
そして、引用商標1の構成中、引用図形1と「YADEA」の欧文字とは、視覚上、分離して把握されるものであって、引用図形1からは、特定の称呼及び観念を生じないものであり、また、「YADEA」の欧文字は、特定の意味を想起させない一種の造語といえるものであるから、引用商標1は、「YADEA」の欧文字部分から「ヤデア」及び「ヤディア」の称呼を生じ、特定の観念を生じない。
イ 引用商標2について
引用商標2は、別掲3のとおり、それぞれが異なる形状及び大きさの、黒色からなるおおよそ凸状の図形を凸側を内側にし、上部と下部左右とに3つ、それぞれの端部を接近させて配置した構成からなり、その内側には、三方の角が開いた右上がやや長いY字状の空白が表れてなる構成の図形(以下「引用図形2」という。)と、引用図形2の右側に太字で「yadea」の欧文字を横書きした構成からなるものである。
そして、引用商標2の構成中、引用図形2と「yadea」の欧文字とは、視覚上、分離して把握されるものであって、引用図形2からは、特定の称呼及び観念を生じないものであり、また、「yadea」の欧文字は、特定の意味を想起させない一種の造語といえるものであるから、引用商標2は、「yadea」の欧文字から「ヤデア」及び「ヤディア」の称呼を生じ、特定の観念を生じない。
(3)本件商標と引用商標の類否について
ア 本件商標と引用商標1との類否
本件商標は、上記(1)のとおり、本件図形のみからなり、引用商標1は、上記(2)アのとおり、引用図形1と、その右側に太字で「YADEA」の欧文字を横書きした構成よりなるから、両商標は、「YADEA」の欧文字の有無において明確な差違を有する。
そして、本件商標(本件図形)と引用図形1を比較すると、本件商標は、太線で描いた横長六角形状の輪郭図形からなるのに対し、引用図形1は、ほぼ同じ形状で灰色からなるおおよそ凸状の図形からなる相違点、これら図形をそれぞれ3つ組み合わせた内側の空白部分が、本件商標は三角形状、引用図形1はY字状という相違点を有することから、両者が需要者に与える視覚的印象は異なる。
そうすると、本件商標と引用商標1とは、外観上、明らかに区別し得るものである。
本件商標は、特定の称呼を生じないのに対し、引用商標1は「ヤデア」及び「ヤディア」の称呼を生じるから、両者は称呼において相紛れるおそれはなく、本件商標及び引用商標1は、いずれも特定の観念を生じないから、観念において比較することができない。
してみれば、本件商標と引用商標1とは、外観及び称呼において相違し、観念において比較することができないものであるから、これらを総合すれば、両商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標と認められる。
イ 本件商標と引用商標2との類否
本件商標は、上記(1)のとおり、本件図形のみからなり、引用商標2は、上記(2)イのとおり、引用図形2と、その右側に太字で「yadea」の欧文字を横書きした構成よりなるから、両商標は、「yadea」の欧文字の有無において明確な差違を有する。
そして、本件商標(本件図形)と引用図形2を比較すると、本件商標は、太線で描いた横長六角形状の輪郭図形からなるのに対し、引用図形2は、それぞれが異なる形状及び大きさの、黒色からなるおおよそ凸状の図形からなる相違点、これら図形をそれぞれ3つ組み合わせた内側の空白部分が、本件商標は三角形状、引用図形2は右上がやや長いY字状という相違点を有することから、両者が需要者に与える視覚的印象は異なる。
そうすると、本件商標と引用商標2とは、外観上、明らかに区別し得るものである。
本件商標は、特定の称呼を生じないのに対し、引用商標2は「ヤデア」及び「ヤディア」の称呼を生じるから、両者は称呼において相紛れるおそれはなく、本件商標及び引用商標2は、いずれも特定の観念を生じないから、観念において比較することができない。
してみれば、本件商標と引用商標2とは、外観及び称呼において相違し、観念において比較することができないものであるから、これらを総合すれば、両商標は、相紛れるおそれのない非類似の商標と認められる。
ウ 小括
以上のとおり、本件商標と引用商標は、非類似の商標であるから、両者の指定商品及び指定役務とが同一又は類似であるとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第15号該当性について
引用商標は、上記1のとおり、申立人の業務に係る申立人商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めることができない。
また、上記2(3)のとおり、本件商標と引用商標とは非類似の商標であって、別異の商標というべきであるから、商標の類似性の程度は極めて低いものである。
そうすると、本件商標の指定商品及び指定役務と申立人の業務に係る申立人商品との関連性及び需要者の共通性等を考慮しても、本件商標の商標権者が、本件商標をその指定商品及び指定役務について使用をした場合、これに接する取引者、需要者は、使用商標を連想、想起し、他人(申立人)又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係のある者の業務に係る商品又は役務であると誤認し、その商品及び役務の出所について混同を生じさせるおそれはないものである。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
4 むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも違反してされたものとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲
別掲1(本件商標)


別掲2(引用商標1)


別掲3(引用商標2)



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異議決定日 2024-10-29 
出願番号 2022125055 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W123537)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 旦 克昌
特許庁審判官 大島 勉
大島 康浩
登録日 2023-12-08 
登録番号 6760696 
権利者 カワサキモータース株式会社
代理人 田中 陽介 
代理人 山尾 憲人 
代理人 譚 粟元 

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