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審決分類 |
審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W19 |
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管理番号 | 1416578 |
総通号数 | 35 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2024-11-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2023-03-02 |
確定日 | 2024-10-24 |
事件の表示 | 商願2022−49712拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
1 本願商標及び手続の経緯 本願商標は、「ゼロセメント・コンクリート」の文字を標準文字で表してなり、第19類に属する願書に記載のとおりの商品を指定商品として、令和4年4月28日に登録出願されたものである。 本願は、令和4年9月15日付けで拒絶理由の通知がされ、同年10月20日に手続補正書及び意見書が提出されたが、同年11月28日付けで拒絶査定がされたものであって、これに対して、同5年3月2日に拒絶査定不服審判の請求がなされたものである。 そして、本願の指定商品については、原審における上記手続補正書にて、第19類「鉄鋼スラグと、高炉スラグ微粉末と、塩化物イオン及び硫酸イオンを含む混錬水とを混錬し製造された固化体よりなる合成建築・構築専用材料」に補正されたものである。 2 原査定の拒絶の理由の要旨 原査定は、「本願商標は、「ゼロセメント・コンクリート」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の「ゼロ」の文字は「全く無いこと。」を、「セメント」の文字は「石灰石・粘土・酸化鉄を焼成・粉砕した灰白色の粉末。コンクリートやモルタルを作る際の主原料。」を、「コンクリート」の文字は「セメント・砂・砂利・水を調合し、こねまぜて固まらせた一種の人造石。」を意味するいずれも親しまれた語であるから、本願商標は全体として「セメントが全くないコンクリート」ほどの意味合いを理解させる。そして、以前よりセメントを使用しないコンクリート製品が複数の者によって開発・製造されている実情があることを勘案すれば、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、当該商品が「セメントを使用しないコンクリートに関連する商品」であることを認識するにとどまるから、本願商標は、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、本願商標は、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 3 当審における審尋 当審において、令和6年6月6日付け審尋により、請求人に対し、別掲のとおりの証拠を示した上で、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めたが、これに対して、請求人は、何ら回答していない。 4 当審の判断 (1)商標法第3条第1項第3号該当性について 本願商標は、上記1のとおり、「ゼロセメント・コンクリート」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「ゼロ」の文字(語)と「セメント」の文字(語)、中黒「・」の記号及び「コンクリート」の文字(語)とを結合させたものと容易に理解、認識されるものである。 そして、別掲1のとおり、セメントの使用量を削減して、二酸化炭素の排出量を削減するコンクリートについて、複数の事業者が当該コンクリートを「ゼロセメントコンクリート」と称している実情が認められる。 また、別掲2のとおり、「ゼロ」の文字(語)と他の文字(語)とを組み合わせた「ゼロ○○」又は「○○ゼロ」の文字(語)が、「○○がない」、「○○を使用していない」ほどの意味合いで、建築材料の分野で使用されている実情が認められる。 なお、別掲3のとおり、何らかのものがない、ゼロに近い又はゼロの状態のことを表す語として「ゼロ○○」の文字(語)が、一般に広く使用されている実情も認められる。 そして、別掲1(1)及び(4)並びに別掲4のとおり、コンクリートの製造過程においてセメントを使用しないことによって、二酸化炭素の排出量を削減できることが認められる。 このような実情からすると、建築材料の分野においては、「ゼロセメントコンクリート」、又はこれと同様の意味合いを認識させる「ゼロセメント・コンクリート」の文字(語)に接する取引者、需要者は、当該文字(語)が「セメントの使用量を削減して、二酸化炭素の排出量を削減するコンクリート」といった建築材料の品質を表したものと認識し、把握するとみるのが相当である。 そうすると、「ゼロセメント・コンクリート」の文字からなる本願商標を、その指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「セメントの使用量を削減して、二酸化炭素の排出量を削減するコンクリート」であること、すなわち、商品の品質を表したものとして理解、認識するにとどまるというべきである。 したがって、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。 (2)請求人の主張について 請求人は、「コンクリート」にはセメントを用いるという意味があるところ、原審認定の「セメントが全くないコンクリート」ほどの意味合いを理解させるとした場合、コンクリートにセメントを用いるのか否か判然とせず、本願商標が商品の品質を直接的かつ具体的に表示していない旨、及び、仮に、セメントを使用しないコンクリート製品が開発、製造されている実情があるとしても、「ゼロセメント・コンクリート」の文字が使用されている例は、「(2)横浜国立大学の研究成果を紹介したPDF」とされる記事のみであるところ、これは請求人が当該大学との間で行った共同研究に関する記事であって、本願商標が、請求人の許諾の下で使用されたものであることから、本願商標がその指定商品を取り扱う業界において、取引上、一般に使用されている事実は発見することができず、本願商標について自他商品識別性が認められるべきである旨主張する。 しかしながら、上記(1)のとおり、別掲記載の実情からすると、建築材料の分野においては、「ゼロセメントコンクリート」、又はこれと同様の意味合いを認識させる「ゼロセメント・コンクリート」の文字(語)に接する取引者、需要者は、当該文字(語)が「セメントの使用量を削減して、二酸化炭素の排出量を削減するコンクリート」といった建築材料の品質を表したものと認識し、把握するとみるのが相当である。 そうすると、「ゼロセメント・コンクリート」の文字からなる本願商標を、その指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「セメントの使用量を削減して、二酸化炭素の排出量を削減するコンクリート」であること、すなわち、商品の品質を表したものとして理解、認識するにとどまるというべきである。 したがって、請求人の主張は採用することができない。 (3)まとめ 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3項に該当し、登録することができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲 1 セメントの使用量を削減して、二酸化炭素の排出量を削減するコンクリートについて、複数の事業者が当該コンクリートを「ゼロセメントコンクリート」と称している実情(下線は、合議体が付与したものである。以下、同じ) (1)「近未来コンクリート研究会」のウェブサイトにおいて、「2022年度 第2回 脱炭素コンクリート技術研究協議会(S協議会)2022年9月06日」の見出しの下、「配布資料」の項の「S協議会 資料1_混和材少量使用の一般化の検討.pdf PDF(434KB)」を押下すると、リンク先の当該資料に遷移し、そこには「混和材利用の取り組み状況」の見出しの下、「混和材の使用でポルトランドセメントの使用量を削減できれば、コンクリートを高性能化・多機能化するだけでなく、CO2排出量を削減することが可能となる。」の記載、及び「実施例」の項目に「三井住友建設(株):ゼロセメントコンクリートは、単位水量90kg/m3、水結合材比16%で高い流動性を示す。結合材は高炉スラグ微粉末、フライアッシュ、シリカヒューム、膨張材であり、細骨材にはフェロニッケルスラグ細骨材を使用している。」の記載がある。 http://www.nfca.jp/?cn=100174 http://www.nfca.jp/nfca-pics/10002015_mG8nHL.pdf?v=145548 (2)「YAHOO!JAPANニュース」のウェブサイトにおいて、「CO2発生量8割減・・・耐塩害性5倍・耐酸性10倍以上の「高機能コンクリ」開発」の見出しの下、「東京都下水道サービスと日本ヒュームが納入」の項に「東京都下水道サービス(略)と日本ヒュームは、二酸化炭素(CO2)発生量を通常のコンクリートよりも約80%削減し、耐塩害性、耐酸性に優れた高機能コンクリートを開発、横浜港での港湾工事に納入した。生物共生パネルおよび生物共生型構造物として供給し、商品名は「e―CON」とした。e―CONは高炉スラグやフライアッシュを使用した新しいゼロセメントコンクリートで、CO2発生量を約80%減らせた。」の記載がある。 https://news.yahoo.co.jp/articles/be8047dfa13f4b4df4353d6898161d9a520c86af (3)「KYODO NEWS PREWIRE」のウェブサイトにおいて、「低炭素型コンクリートと太陽光発電で1,623トン/年のCO2排出量削減を達成」の見出しの下、「株式会社上田商会(・・・)は、・・・同社では日本政府が掲げる「2050カーボンニュートラル」目標を達成するため、「UEDA脱炭素ロードマップ2045」を策定しており、既存の脱炭素技術に加えサプライチェーンにおけるCO2削減、ゼロセメントコンクリート技術の開発、そしてカーボンネガティブの促進、省エネ・創エネ設備の導入等に取り組み、カーボンニュートラルの達成を2050年より5年前倒しで実現することを宣言しております。」の記載がある。 https://kyodonewsprwire.jp/release/202307137132 (4)「公益社団法人 土木学会」のウェブサイトにおいて、「土木学会第68回年次学術講演会(平成25年9月) 高炉スラグ微粉末のみを結合材として用いたモルタルの強度発現特性に関する一考察」の見出しの下、「鹿島建設(株)技術研究所」の記載、「1.はじめに」の項に「コンクリートの製造時のCO2削減策並びに産業副産物の有効利用の観点から,セメントの代替品として高炉スラグ微粉末の混合比率を高めたセメントの研究が進められている。」の記載、及び欄外には「キーワード:ゼロセメントコンクリート,高炉スラグ,アルカリ刺激材」の記載がある。 http://library.jsce.or.jp/jsce/open/00035/2013/68-05/68-05-0287.pdf (5)「東京大学大学院工学系研究科建築学専攻 建築材料研究室 BME/Building Material Engineering」のウェブサイトにおいて、「高性能コンクリート」の項に「超高強度ゼロセメントコンクリート」の記載がある。 https://bme.t.u-tokyo.ac.jp/report/高性能コンクリート/ 2 「ゼロ」の文字(語)と他の文字(語)とを組み合わせた「ゼロ○○」又は「○○ゼロ」の文字(語)が、「○○がない」、「○○を使用していない」といった意味合いで、建築材料の分野に使用されている実情 (1)「インフラテック株式会社」のウェブサイトにおいて、「PROJECT STORY 01 ゼロセメント開発の秘話」の見出しの下、「セメントを使わないコンクリート製品を届けたい。環境問題に立ち向かう、インフラテックの新たな挑戦」及び「ゼロセメントには温泉地域や下水など、酸性の環境に強い製品ができるというメリットがあります。」の記載がある。 https://recruit.infratec.co.jp/project-newproduct/ (2)「公益財団法人北海道科学技術総合振興センター」のウェブサイトにおいて、「全量副産物ゼロセメント高強度固化体の開発」の見出しの下、「そこで本研究では、JIS規格外フライアッシュである循環流動層ボイラー(CFB)灰に着目し、セメントに代わる結合材として高炉スラグ微粉末(BFS)と混合利用するとともに、再生骨材、スラグ骨材を用いた全量副産物ゼロセメント固化体の配合・製造条件、強度性状および耐久性等の基礎性状を把握したうえで、圧縮強度36N/mm2以上の高強度固化体の開発を目指すものである。」の記載がある。 https://www.noastec.jp/kinouindex/data2013/pdf/01/S09.pdf (3)「ウエノルーフ株式会社/Ueno Roof」のウェブサイトにおいて、「アスベスト対策・石綿除去、ゼロアスベストの屋根は神奈川県横浜市の屋根業者ウエノルーフにご相談下さい」の記載、及び「アスベスト情報」の見出しの下、「石綿に対するウエノルーフ株式会社の基本姿勢」の項に「ウエノルーフ(株)の取り扱う建材製品に関しましては、一切石綿を使用しておりません。」の記載がある。 https://www.uenoroof.com/asbestos.html (4)「朝日住建」のウェブサイトにおいて、「ゼロアスベストのダイライト」の見出しの下、「発ガン性で問題になっているアスベストを一切使用していません。」の記載がある。 http://www.katch.ne.jp/~asahi-j/sub2-4.htm (5)「truss」のウェブサイトにおいて、「ゼロアスベスト」の項に「人体に有害とされるアスべスト(石綿)を使用していませんので、施工される方や住まわれる方にも安心です。」の記載がある。 https://truss.co.jp/series/5dc4cd02f42efe006b011412/feature/5dd65a82c26ef8002e601cc2 (6)「NOJIMA」のウェブサイトにおいて、「スタッフブログ アスベストの解体と検査」の見出しの下、「アスベストに健康被害がある事を前回お話させていただきましたが、健康被害を起こさないようにするための撤去や検査が本当に手間と費用が掛かります。」の記載、及び「・アスベストの解体と検査」の項に「検査をした上で、アスベストと判断された場合、レベルに応じた対応が必要になってきます。特に直接アスベストを鉄骨やコンクリートなどに吹き付けているタイプは最も危険とされ、かなりな金額と日数が必要になります。昭和の時代の建物や平成の一桁の場合などは、これが該当することも多々あり、簡単に壊せない場合も普通にあるそうです。状況次第(アスベストのレベル)で価格は変わるそうなので、古い建物かどうかを一つの目安として早めに見積もりと納期を確認した方が良いそうです。ちなみに「無石綿」と印刷されている商品があったとしても、当時の基準を満たしているだけという事もあり、ゼロ石綿ではないともいう事もあるそうです。」の記載がある。 https://nojima-k.jp/staff-blog/post-15156/ (7)「十勝毎日新聞」のウェブサイトの記事において、「ホルムアルデヒド使用しない化粧合板 JAS認定を取得 ヒオキ「独自性出していきたい」の見出しの下、「建材メーカーヒオキ(略)はこのほど、ホルムアルデヒドを使用しない化粧合板「ゼロホルムアルデヒド化粧合板」でJAS(日本農林規格)認定を取得した。化粧合板分野では初。」の記載がある。 https://kachimai.jp/article/index.php?no=20103181034151807&display=sm (8)「有限会社オイコス」のウェブサイトにおいて、「ご挨拶」の見出しの下、「自然に忠実な生き方で免疫力、抗酸化力を高めてみませんか?」の項に「現代病の多くが食品添加物や建築資材などの化学物資が影響していると考え、身土不二の原則に従い、山口の木と自然素材を使いゼロ化学物質の住宅造りに取組んでいます。」の記載がある。 http://www.sumai-oikos.e-arc.jp/ (9)「いい部屋ネット」のウェブサイトにおいて、「ゼロホルマリン(ぜろほるまりん)」の項に「ゼロホルマリンとは、シックハウス症候群の原因物質のひとつとされる、ホルムアルデヒドを含まない物質を指す。建築材や家具などに使用されているホルマリンが、シックハウス症候群の原因物質のひとつとして問題になったことで、ホルマリンを使わないものをゼロホルマリンと表示するようになった。」の記載がある。 https://www.eheya.net/terms/detail/112/ (10)「Nagami」のウェブサイトにおいて、「シックハウス対策について【HOUSE STUDY Vo.12】」の見出しの下、「・・・”現在のシックハウス対策は万全か?”です。」の見出しの下、「人体へ影響を及ぼすとされるVOC(揮発性有機化合物)にはホルムアルデヒド・トルエン・キシレン・パラジクロロベンゼン・アセトアルデヒド・エチルベンゼン・テトラデカン〜等々、多数あります」、及び「永見工務店のシックハウス対策は?」の項に「永見工務店の家の木材は全て無垢一本物木材のみです。集成材や、合板はありません。木材はVOCゼロという圧倒的な家です。その他の材料も限りなくゼロを目指しています!」の記載がある。 https://kinoie-nagami.co.jp/info/house-study-vo-1-copy-copy-2-copy/ (11)「一般社団法人ALC協会」のウェブサイトにおいて、「ALCパネル?」の見出しの下、「一貫して有害物質ゼロ」の項に「1963年の販売開始以来、ALCパネルは一貫して有害物質ゼロ。アスベストはもちろんトルエン、キシレンなどの揮発性有機化合物(VOC)とは無縁です。また、クロルピリホスやホルムアルデヒドをまったく含んでいないため、使用面積の法規制を受けることはありません。」の記載がある。 https://www.alc-a.or.jp/aboutalc.html (12)「竹村工業株式会社」のウェブサイトにおいて、「化学物質ゼロ建材スラボー」の見出しの下、「健康」の項に、「ジャストフロアーの床パネルに使用しているスラボーは、「木・水・セメントのみ」で作られています。人体に悪影響を与える危険があるクロルピリホス系の防蟻剤や防腐剤の混入の可能性のある建築廃材、アスベスト、シックハウス症候群の原因となるホルムアルデヒドが含まれる接着剤などの材料は使用しておりませんので、居室の内装仕上げや天井裏等にシックハウス対策に係る規制を受ける事なく使用できる建材です。」の記載がある。 https://www.takemura.co.jp/products/productslist/dsidf/justfloor/ 3 何らかのものがない、ゼロに近い又はゼロの状態のことを表す語として「ゼロ○○」の語が、一般に広く使用されている実情 (1)インターネット情報 ア 「テレ朝 news」のウェブサイトにおいて、「上海当局「ゼロコロナ達成」 その代償は“新車販売ゼロ”など深刻」の見出しの下、「50日以上ロックダウンが続く中国・上海が「ゼロコロナ」を達成です。上海市当局は17日、「社会面ゼロコロナを達成した」と発表しました。社会面ゼロコロナとは、当局が重点的に閉鎖管理している地区以外での新規感染者が3日連続でゼロになることを指します。」の記載がある。 https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000254964.html イ 「東海東京証券」のウェブサイトにおいて、「ゼロ金利政策(ゼロきんりせいさく)」の見出しの下、「銀行同士がごく短期でお金の貸し借りをしている市場(コール市場)に日本銀行が介入して、大量の資金を供給することで市場の金利(コールレート)を0%近くに誘導する金融政策。日本の不景気対策の1つ。ゼロ金利政策により、銀行はほぼ0%の金利でお金を調達することができるので、銀行が企業や個人などにお金を貸し出す時の金利も低くなる。」の記載がある。 https://www.tokaitokyo.co.jp/kantan/term/detail_1968.html ウ 「IDEAS FOR GOOD」のウェブサイトにおいて、「ゼロカーボンとは・意味」の見出しの下、「ゼロカーボンとは?」の項に「ゼロカーボンとは、企業や家庭が排出する二酸化炭素をはじめとする温室効果ガス(カーボン)の「排出量」から、植林、森林管理などによる「吸収量」を差し引いて、排出量の合計を実質的にゼロにすることを意味する。」の記載がある。 https://ideasforgood.jp/glossary/zero-carbon/ (2)新聞記事情報等 ア 2022年8月1日付け日刊工業新聞(25ページ)に「都の23年度予算編成方針、持続的成長の施策に重点配分 新規事業は増額要求も」の見出しの下、「政策的経費は原則、22年度予算の範囲内としてゼロシーリングを継続するが、気候危機やデジタル変革(DX)といった東京の持続的な成長に必要な新規事業についてはシーリングの枠外とする。」の記載がある。 (参考)「ゼロシーリング」の意味 「goo辞書」において「ゼロシーリングの解説」の項に「《(和)zero+ceiling》公共予算の概算要求枠の伸び率がゼロで前年度と同額であること。」の記載がある。 https://dictionary.goo.ne.jp/word/ゼロシーリング/ イ 2023年5月31日付け朝日新聞(朝刊23ページ)に「「建て替えるべき」 熊本市本庁舎、有識者会議が答申 /熊本県」の見出しの下、「地震学者で有識者会議の会長を務めた平田直・東大名誉教授は答申後、「建て替えありきではなくゼロベースで議論した。今の耐震基準を満たさないことは明らか」、大西市長は「多角的、客観的に審議していただいた」と話した。」の記載がある。 (参考)「ゼロベース」の意味 「goo辞書」において「ゼロベース【zero−base】の解説」の項に「物事を最初からやりなおすこと。ゼロの状態から検討しなおすこと。」の記載がある。 https://dictionary.goo.ne.jp/word/ゼロベース/#jn-125461 ウ 2023年6月16日付け日刊建設工業新聞(2ページ)に「南海トラフ地震10県知事会議/地震・津波対策の財源確保を国に要望」の見出しの下、「提言書は▽防災事業の財源の継続的な確保▽事前復興への支援▽河川・海岸堤防の整備効果を踏まえた浸水想定を行うための手法確立▽ゼロメートル地帯の防災対策への支援充実−の4本柱で構成する。」の記載がある。 (参考)「ゼロメートル地帯」の意味 「goo辞書」において「ゼロメートルちたい【ゼロメートル地帯】の解説」の項に「海抜が0メートル以下の土地。」の記載がある。 https://dictionary.goo.ne.jp/word/ゼロメートル地帯/#jn-125463 エ 2023年6月15日付け産経新聞(東京朝刊23ページ)に「水素社会「早期実現図る」 知事、開発支援に意欲 都議会一般質問」の見出しの下、「都は、大田区や隣接する川崎市と連携し、羽田空港など臨海エリアで水素エネルギーの供給拠点化を進めている。小池氏は温室効果ガスを排出しない「ゼロエミッション」の実現に向け、「水素をはじめとする新エネルギーの活用は不可欠だ」と述べた。」の記載がある。 (参考)「ゼロエミッション」の意味 「goo辞書」において「ゼロエミッション【zero emission】の解説」の項に「廃棄物を出さない製造技術を開発する計画。ある企業・産業で排出される廃棄物を、別の企業・産業の原料として使うなどして、トータルで廃棄物をゼロにしようというもの。」の記載がある。 https://dictionary.goo.ne.jp/word/ゼロエミッション/#jn-125439 4 コンクリートの製造過程においてセメントを使用しないことによって、二酸化炭素の排出量を削減できること (1)経済産業省、製造産業局、資源エネルギー庁による、令和4年11月2日付け資料「コンクリート・セメントのカーボンニュートラルに向けた国内外の動向等について」において、その14頁目に「環境配慮型コンクリートの市場導入の動き」の見出しの下、「鹿島建設らはセメント使用量の削減と硬化過程でのCO2の吸収により、製品化にあたってのCO2排出量を実質ゼロ以下とした環境配慮型コンクリート「CO2−SUICOM」を実用化。・・・製造時のCO2削減・固定量については、日本の技術が先行。」の記載、及び「CO2−SUICOM(鹿島建設、デンカ、中国電力)」の項に「特殊混和材の使用によりコンクリート製造時のCO2排出量を実質マイナス」の記載がある。 https://www.meti.go.jp/shingikai/sankoshin/green_innovation/energy_structure/pdf/011_04_00.pdf (2)「TOMORUBA」のウェブサイトにおいて、「必ずCO2を排出してしまうコンクリート・セメントを代替する「カーボンネガティブコンクリート」とは?」の見出しの下、「コンクリート・セメントを作るには大量のCO2を排出する」の項に、「一般的に、コンクリートを作るには大量のCO2が排出されてしまいます。コンクリートはセメント、砂利、砂、水を混ぜて作ります。セメントは石灰石といくつかの材料を混ぜて燃やして作るのですが、石灰石には炭素と酸素が含まれていますので、これを燃やすとCO2が排出されるのです。セメントとCO2はほぼ1対1の関係になっていて、セメントを1トン作ったらCO2も1トン排出されることになります。」の記載、「日本のCO2排出の約4%がセメント製造工程で生まれる」の項に「日本の2019年度のCO2排出量が約11億トンですから、セメント製造におけるCO2排出量は全体の約4%を占めることになります(世界全体では8%)。」の記載、及び「セメントを代替する新技術」の項に「セメントを作るには石灰石を燃やす必要があるため、化学反応として必然的にCO2は排出されてしまいます。ですからカーボンニュートラルを達成するにはコンクリート・セメントを代替する新技術が必要なのは明確です。・・・セメントの代替として注目が集まっているのが、製鋼から生じる産業副産物である高炉スラグです。・・・セメント代替品の高炉スラグと、カーボンリサイクルの技術を組み合わせることで、コンクリートを作るほど実質CO2排出量をマイナスにできる「カーボンネガティブコンクリート」が実現します。」の記載がある。 https://tomoruba.eiicon.net/articles/3233 (3)「日経XTECH」のウェブサイトにおいて、「耐酸性に優れたセメントゼロのコンクリート、CO2排出量を8割減」の見出しの下、「IHIとIHI建材工業(東京・墨田)、横浜国立大学、アドバンエンジ(新潟市)は共同で、耐酸性を高めたセメント不使用のジオポリマーコンクリート「セメノン」を開発した。セメントを使用する通常のコンクリートと比べ、製造時に排出する二酸化炭素(CO2)の量を最大で約8割削減できる。」の記載がある。 https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00142/01603/ (4)「大成建設技術センター報 第55号(2022)」において、「セメントを使用しない環境配慮コンクリートの建築物適用に向けた検討」の見出しの下、「1.はじめに」の項に「近年,コンクリート製造時のCO2排出量削減を目的として,セメントを産業副産物の混和材で置換したコンクリートが開発されている。従来のコンクリートの材料製造に起因するCO2排出量は約260〜300kg/m3であり,その約90%はセメントの製造に起因する。そのため,セメントの使用量を低減することでCO2排出量を削減することができる。」の記載がある。 https://www.taisei.co.jp/tact/tr/2022/paper/A055_006.pdf (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合の御注意) 本複製物は、著作権法の規定に基づき、特許庁が審査・審判等に係る手続に必要と認めた範囲で複製したものです。本複製物を他の目的で著作権者の許可なく複製等すると、著作権侵害となる可能性がありますので、取扱いには御注意ください。 |
審理終結日 | 2024-08-19 |
結審通知日 | 2024-08-20 |
審決日 | 2024-09-06 |
出願番号 | 2022049712 |
審決分類 |
T
1
8・
13-
Z
(W19)
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最終処分 | 02 不成立 |
特許庁審判長 |
山田 啓之 |
特許庁審判官 |
杉本 克治 青野 紀子 |
商標の称呼 | ゼロセメントコンクリート |
代理人 | 西村 幸城 |
代理人 | 藤本 英二 |
代理人 | 藤本 英夫 |