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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W30
管理番号 1415377 
総通号数 34 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2024-10-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-11-18 
確定日 2024-08-29 
事件の表示 商願2022− 10817拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 手続の経緯
本願は、令和4年2月1日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 6月 8日付け:拒絶理由通知書
令和4年 7月25日 :意見書の提出
令和4年 8月15日付け:拒絶査定
令和4年11月18日 :審判請求書の提出

2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第30類「菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,調味料,香辛料,穀物の加工品,パスタを主材とした惣菜,冷凍調理済みのスパゲッティ,冷凍調理済みのパスタ,パスタソース(別袋に入ったもの)つき調理済みスパゲッティ,パスタソース(別袋に入ったもの)つき調理済みパスタ,冷凍調理済みのラザニア,冷凍調理済みのグラタン,グラタン,ぎょうざ,しゅうまい,すし,たこ焼き,弁当,ラビオリ,調理済み麺類,即席菓子のもと,パスタソース,食用粉類」を指定商品として登録出願されたものである。

3 原査定の拒絶の理由(要旨)
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなるところ、その構成中「やみつき」の文字は、「ある事に夢中になり、やめられなくなる状態。」の意味を有する語であり、食品分野においては、「やめられなくなるほどおいしい」ほどの意味合いで使用されている実情が認められ、また、「ガーリック」の文字は、「にんにく。」の意味を有する語であり、にんにくを使用した醤油が販売されている実情がある。
そうすると、本願商標は、全体として「やめられなくなるほどおいしいにんにくを使用した醤油」ほどの意味合いが理解されるものであり、これをその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、その商品が「やめられなくなるほどおいしいにんにくを使用した醤油(に関する商品)」であることを認識するにすぎず、また、文字を黒枠で囲むといった手法は、食品分野において普通に採択、使用されているものであるから、いまだ普通の域を脱する方法で表示したものとはいえない。
したがって、本願商標は、単に商品の品質を普通に用いられる方法で表示するものと判断するのが相当であるから、商標法第3条第1項第3号に該当する。

4 当審における審尋及びそれに対する請求人の回答
当審において、令和6年4月22日付け審尋により、別掲2に掲げる事実を提示した上で、本願商標が、その指定商品との関係において、商標法第3条第1項第3号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、請求人に対し、意見を求めた。
請求人は、当該審尋に対し、指定した期間を経過するも、何ら回答していない。

5 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号該当性について
本願商標は、別掲1のとおり、「やみつき」の文字及び「ガーリック醤油」の文字を、上下二段に、若干右上がりに横書きしてなるものであって、各文字はやや角張った書体で、黒と紫色のグラデーションで表されており、また、全体的にややスペースをもって黒色の線で縁取られているものである。
そして、その構成中、「やみつき」の文字は、「ある事に夢中になり、やめられなくなる状態。」(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)を意味する語であるところ、同文字は、原審提示の情報にあるように、本願の指定商品を含む、飲食料品を取り扱う分野において、「やめられなくなるほどおいしい」商品や「やめられなくなるほどおいしい味になる」商品であることを表現するための語として、広く使用されている実情が認められる。
また、本願商標の構成中、「ガーリック」の文字は、「にんにく。」(出典:同上)を意味する語であって、我が国において広く使用され、理解されているものであるから、同構成中「ガーリック醤油」の文字よりは「にんにく醤油」ほどの意味合いが容易に認識し得るものであるところ、原審提示の情報や別掲2(1)の情報にあるように、例えば本願の指定商品中「調味料」との関係においては、「にんにくを原材料に使用した醤油」又は「そのような醤油をベースとした商品」について、「ガーリック醤油」の文字や、これに通じる「醤油ガーリック」「にんにく醤油」の文字が使用されている実情が認められる。
さらに、原審提示の情報や別掲2(2)の情報にあるように、例えば本願の指定商品中「菓子(果物・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。)」や「パスタソース」「ぎょうざ」との関係においては、それが「にんにくを原材料に使用した醤油」を使用してなる(「にんにくを原材料に使用した醤油」味の)商品等であることを表現するために、「ガーリック醤油」の文字や、これに通じる「にんにく醤油」の文字が使用されている実情が認められる。
加えて、一般に、商品又は役務に標章等を使用する際に、様々なデザイン化が行われている現状にあっては、本願商標の構成態様が特殊な態様であるとはいい得ないものであって、このことは、別掲2(3)の情報からも裏付けられるものであるから、本願商標の構成態様は、「やみつき」及び「ガーリック醤油」の文字を一体的に書したものとは別の称呼観念が生じ得るといえるほどに(すなわち、独占の弊害を生ずるおそれがないといい得るほどに)特徴的であるということはできず、普通に用いられる方法の範ちゅうで表されているものというのが相当である。
そうすると、本願商標は、それを本願の指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者において、その商品が「やめられなくなるほどおいしい(やめられなくなるほどおいしい味になる)」商品であって、「にんにくを原材料とした醤油、若しくは、そのような醤油をベースとした商品」又は「にんにくを原材料とした醤油を使用してなる(にんにくを原材料とした醤油味の)商品」等であるという、商品の品質を表示したものと理解されるにとどまるというのが相当であるから、商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標というべきである。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は書体、色合い、全体の外観形状において一体性を有する、独自の構成からなるものであって、これに接する取引者、需要者に、当該構成要素全体で一体不可分の商標(ロゴ)と認識されるものであり、構成全体において自他商品識別標識として機能するものである旨主張する。
しかしながら、本願商標が全体として一体のものとして認識されるものというのは、請求人主張のとおりとしても、上記(1)のとおり、本願商標を構成する「やみつき」及び「ガーリック醤油」の文字の意味や使用実情、並びに、本願商標の構成態様がいまだ普通に用いられる方法の範ちゅうを脱していないというべきものであることからすれば、本願商標をその指定商品に使用しても、それに接する取引者、需要者は、その商品が「やめられなくなるほどおいしい(やめられなくなるほどおいしい味になる)」商品であって、「にんにくを原材料とした醤油、若しくは、そのような醤油をベースとした商品」又は「にんにくを原材料とした醤油を使用してなる(にんにくを原材料とした醤油味の)商品」等であるという、商品の品質を表示したものと理解するにとどまり、自他商品の識別標識としては認識しないものというのが相当である。
イ 請求人は、文字が図案化されている商標に係る過去の登録例や、商標の構成中に「やみつき」又は「ヤミツキ」の文字を有する過去の登録例を挙げ、本願商標もそれらと同様に、自他商品の識別力を認められるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該商標登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品・指定役務との関係や、その商品又は役務の分野における取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、請求人の挙げた登録例は、商標の構成態様が本願商標とは異なるものである点において、本願とは、事案を異にするものというべきであり、また、過去の登録例が存在することをもって、上記判断が左右されるものではない。
ウ したがって、請求人の上記ア及びイの主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲

別掲1 本願商標(色彩は原本を参照。)


別掲2 令和6年4月22日付け審尋において提示した事実
(1)「調味料」の分野において、「にんにくを原材料に使用した醤油」又は「そのような醤油をベースとした商品」について、「ガーリック醤油」の文字や「醤油ガーリック」「にんにく醤油」の文字が使用されている事例(下線は当審が付した。)
ア 「産直アウル」のウェブサイトにおいて、商品「まじめなガーリック醤油150g×3p」が掲載されており、商品説明として「有機ニンニクの旨み、有機タマネギの甘みと、有機純正醤油のコクがある万能オニオンガーリック醤油。」の記載がある。
https://owl-food.com/products/58618

イ 「ダイショー」のウェブサイトにおいて、商品「ステーキソース ガーリック醤油」が掲載されており、商品説明として「しょうゆをベースに、ガーリックと黒こしょうを効かせ、赤ワインとりんご果汁で風味豊かに仕上げたステーキソースです。」の記載がある。
https://www.daisho.co.jp/1324

ウ 「BANJO」のウェブサイトにおいて、商品「BKガーリック醤油オイルソース 100g」が掲載されており、商品説明として「香ばしいローストと風味豊かなペーストの2種のガーリックを使用し、濃厚な旨味のたまり醤油を贅沢に使用したコク深い味わいのオイルソースです。」の記載がある。
https://www.banjo.co.jp/items/6566

エ 「イカリソース株式会社」のウェブサイトにおいて、商品「野菜のドレス醤油ガーリック200」が掲載されており、商品説明として「醤油ベースにガーリックを効かせ、しっかりしたコクを感じられる和風にんにくドレッシングです」の記載がある。
https://www.ikari-s.co.jp/goods/detail.html?id=1173

オ 「にんにく種蔵」のウェブサイトにおいて、商品「男が使うにんにく醤油」が掲載されており、商品説明として「だし醤油にフライドガーリックを漬けこんだパンチの効いた商品。」の記載がある。
https://aptp.shopselect.net/items/60607566

(2)本願の指定商品を取り扱う分野において、その商品が「にんにくと醤油」を使用してなる(「にんにくと醤油」の味の)ものであることを表現するために、「ガーリック醤油」の文字や「にんにく醤油」の文字が使用されている事例(下線は当審が付した。)
ア 「ヨドバシ.com」のウェブサイトにおいて、商品「ブルボン プチポテトガーリック醤油味 43g」が掲載されており、商品説明として「SD製法により生地に醤油を練りこんだ生地からおいしいひとくちサイズのポテトチップスです。生地、上掛けどちらにもガーリックを配合することで、味わい深いガーリック味に仕上げました。」の記載がある。
https://www.yodobashi.com/product/100000001005800831/

イ 「Calbee」のウェブサイトにおいて、商品「かっぱえびせん にんにく醤油味」が掲載されており、商品説明として「東日本で慣れ親しまれている濃口醤油の味わいと、じわっとひろがるにんにくの香りがかっぱえびせんにぴったりです。」の記載がある。
https://www.calbee.co.jp/products/detail/?p=20130412134905

ウ 「Amazon」のウェブサイトにおいて、商品「成城石井 せんべい 日本全国味めぐり にんにく醤油煎 8枚×3個」が掲載されており、商品説明として「国産米100%の堅焼せんべいに青森県田子町産すりおろしにんにくを使い濃口醤油だれとにんにく醤油だれの二度づけ製法で仕上げました。」の記載がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B0BYJ6Y6MK

エ 「ASKUL」のウェブサイトにおいて、商品「はごろもフーズ おさかなでPASTA まぐろガーリック醤油 6個」が掲載されており、商品説明として「にんにく醤油に唐辛子の辛みをピリッときかせたソースと、きはだまぐろを合わせました。」の記載があるほか、商品の包装の画像に「ピリッと辛いガーリック醤油」の記載がある。
https://www.askul.co.jp/p/U904045/

オ 「YAMATOぎょうざ」のウェブサイトにおいて、商品「餃子のお取り寄せ・特製味付ガーリック餃子」が掲載されており、商品説明として「リピート必至!!YAMATOぎょうざのガーリック醤油味」「ガーリック醤油に欠かせない「ニンニク」と「秘伝の特製醤油ダレ」をメインに、千葉県産の新鮮なキャベツとにらをたっぷり使っています。」の記載がある。
https://yamato-gyouza.com/item-detail/1310094

(3)本願商標の構成態様が普通に用いられる方法の範ちゅうで表されていることを示す事例
ア 全体的に角張った書体の事例
(ア)「47CLUB」のウェブサイト
「やみつきガーリック72g 信州長野のお土産」の包装
https://www.47club.jp/products/7184751657166

(イ)「LOTTE」のウェブサイト
「クランキー ザクザクやみつきクランキーシェアパック」の包装
https://www.lotte.co.jp/products/catalogue/choco/02/detail59.html

(ウ)「フォントスタイルブック2009」株式会社ワークスコーポレーション
a 「モリサワ」(45頁)

b 「視覚デザイン研究所」(287頁)

c 「Arphic Teychnology」(393頁)


イ 文字の色彩がグラデーションとなっている事例
(ア)「YAHOO!JAPAN ショッピング」の「Smile Spoon」のページ
「[冷凍食品] オーマイ Big 超にんにくペペロンチーノ 340g×6個」の包装
https://store.shopping.yahoo.co.jp/smilespoon/6969072-0006.html?sc_e=slga_fpla

(イ)「Amazon」のウェブサイト
「テーオー食品 フライドガーリック粗挽 1kg×2個」の包装
https://www.amazon.co.jp/dp/B07DHPLZNG

(ウ)「キッコーマン」のウェブサイト
「キッコーマン うちのごはん やみつきガーリックふっくらチキン」の包装
https://www.kikkoman.co.jp/products/K25/detail/K250753.html


ウ 文字全体がスペースをもって(白色で)縁取られている事例
(ア)「imurayaウェブショップ」
「【電子レンジ対応】4コ入ピザまん (冷凍)」の包装
https://www.imuraya-webshop.jp/shop/g/gRA2415522220S

(イ)「Amazon」のウェブサイト
「ヤマザキビスケット プチコーン直火焼きとうもろこし味 50g×12袋」の包装
https://www.amazon.co.jp/dp/B0C4KPT8P8

(ウ)「ASKUL」のウェブサイト
「カルビー カラビー厚切りホットチリ味 55g 1セット(6袋)」の包装
https://www.askul.co.jp/p/U893604/



(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合の御注意) 本複製物は、著作権法の規定に基づき、特許庁が審査・審判等に係る手続に必要と認めた範囲で複製したものです。本複製物を他の目的で著作権者の許可なく複製等すると、著作権侵害となる可能性がありますので、取扱いには御注意ください。
審理終結日 2024-06-25 
結審通知日 2024-07-02 
審決日 2024-07-18 
出願番号 2022010817 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W30)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 高野 和行
特許庁審判官 白鳥 幹周
清川 恵子
商標の称呼 ヤミツキガーリックショーユ、ヤミツキガーリック、ヤミツキ、ガーリックショーユ 
代理人 水野 勝文 
代理人 保崎 明弘 
代理人 和田 光子 
代理人 鈴木 亜美 

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