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審決分類 |
審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W0709 |
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管理番号 | 1414288 |
総通号数 | 33 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2024-09-27 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2023-09-15 |
確定日 | 2024-08-29 |
事件の表示 | 商願2022−131729拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。 |
理由 |
1 手続の経緯 本願は、令和4年11月17日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 令和5年4月 6日付け:拒絶理由通知書 令和5年5月23日 :意見書の提出 令和5年6月19日付け:拒絶査定 令和5年9月15日 :審判請求書の提出 2 本願商標 本願商標は、別掲1の構成よりなり、第7類及び第9類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。 3 引用商標 原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第6367808号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2の構成よりなり、令和元年7月10日登録出願、第9類、第35類、第41類、第42類及び第44類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和3年3月24日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。 4 原査定の拒絶の理由の要旨 原査定は、本願商標と引用商標とは、外観において、「U」の有無、「L」と「R」の相違があり、観念において比較できないものの、「クロト」の称呼を同一とするものであるから、これらによって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品について使用をするものであるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。 5 当審の判断 (1)本願商標について 本願商標は、別掲1のとおり、「KUROTO」(「K」の欧文字の一部は、椅子に座っている人と思しき形状がピクトグラム風にデザイン化されて表されている。以下同じ。)の欧文字を書し、当該欧文字には下線が引かれ、当該下線の右端には、荷台を想起させるような図形(以下、単に「図形部分」という。)が描かれているものである。 そして、本願商標を構成する文字部分と図形部分は、視覚上分離して看取され、また、観念上のつながりもなく、これらを分離して観察することが取引上不自然であると思われるほど不可分的に結合しているとはいい難いものである。 そうすると、本願商標は、その構成中の「KUROTO」の文字部分を要部として認識し、当該文字部分をもって取引にあたる場合も少なくなく、当該文字に相応して、「クロト」の称呼を生じるものである。 また、「KUROTO」の文字は、一般の辞書等に載録された特定の意味合いを表す語ではなく、特定の意味合いを表す語として一般に使用されているような特別な事情はないことから、これよりは、特定の観念は生じないものである。 (2)引用商標について 引用商標は、別掲2のとおり、上段に横書きした「競技デジタルアナライズサービス/クロト」の文字を、下段にやや肉太の力強い書体で横書きした「KLOTO」の欧文字を、横幅が同一となるようにまとまりよく上下二段に表してなるところ、上段の「クロト」の文字及び下段の「KLOTO」の語はいずれも、一般の辞書等に載録された特定の意味を表す語ではなく一種の造語と認められるものであって、その構成からして、上段の「クロト」と下段の「KLOTO」とは、同一の称呼「クロト」が生じる語を片仮名と欧文字とで相互に文字種を置き換えて表示したものと容易に認識できるものである。 また、上段の文字中、「競技デジタルアナライズサービス」の語は、各語の語義からすると「競技をデジタル分析するサービス」ほどの意味合いを理解できるといえるものであり、これと造語である「クロト」及び「KLOTO」が結合した引用商標からは、「競技デジタルアナライズサービスのクロト」ほどの意味合いを想起させる場合があるとしても、特定の観念が生じるとまではいえない。 そして、引用商標から生じる「キョウギデジタルアナライズサービスクロト」の称呼はやや冗長であり、かかる構成及び意味合いからして、単に「クロト」のみの称呼が生じる場合もあるというのが相当である。 そうすると、引用商標は、「キョウギデジタルアナライズサービスクロト」又は「クロト」の称呼を生じ、特定の観念を生じない。 (3)本願商標と引用商標との類否について 本願商標と引用商標とを比較すると、全体の外観においては、両商標は、下線の有無、図形部分の有無、「競技デジタルアナライズサービス/クロト」の文字の有無の差異を有することに加え、本願商標の要部である「KUROTO」と引用商標の欧文字部分「KLOTO」についても、書体の相違、「K」の文字のデザイン化の有無、「U」の有無、「R」と「L」の差異を有し、両商標が与える印象は著しく異なるものである。 次に、称呼においては、引用商標から「クロト」の称呼が生じた場合は、本願商標と引用商標は、称呼上、同一である。 そして、観念においては、本願商標は、特定の観念を生じないのに対し、引用商標は、「競技をデジタル分析するサービスのクロト」ほどの意味合いを想起させる場合があるととしても、特定の観念が生じるとまではいえないから、両商標は、観念上において比較できないものである。 そうすると、本願商標と引用商標とは、称呼上、同一となる場合があるとしても、外観においては、両者の構成文字及び特徴の有無において目立った差異を有するものであって、その印象が著しく異なり、判然と区別し得るものであるから、その称呼の共通性が外観における差異を凌駕するとはいい難く、また、観念においては比較できないものであるから、これらを総合して全体的に考察すれば、両商標は非類似の商標と判断するのが相当である。 (4)まとめ 以上のとおり、本願商標は、引用商標との関係においては類似しない商標であるから、本願の指定商品と引用商標の指定商品及び指定役務について比較するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。 その他、本願について拒絶の理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲1 本願商標(色彩は原本参照。) 別掲2 (この書面において著作物の複製をしている場合の御注意) 本複製物は、著作権法の規定に基づき、特許庁が審査・審判等に係る手続に必要と認めた範囲で複製したものです。本複製物を他の目的で著作権者の許可なく複製等すると、著作権侵害となる可能性がありますので、取扱いには御注意ください。 |
審決日 | 2024-08-16 |
出願番号 | 2022131729 |
審決分類 |
T
1
8・
261-
WY
(W0709)
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最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
大橋 良成 |
特許庁審判官 |
渡邉 潤 渡邉 あおい |
商標の称呼 | クロト |
代理人 | 川崎 仁 |
代理人 | 三嶋 景治 |
代理人 | 中里 浩一 |