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審決分類 |
審判 全部申立て 登録を維持 W03 |
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管理番号 | 1413628 |
総通号数 | 32 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標決定公報 |
発行日 | 2024-08-30 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2023-10-31 |
確定日 | 2024-07-19 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 登録第6729264号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 登録第6729264号商標の商標登録を維持する。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第6729264号商標(以下「本件商標」という。)は、「Ultra Star」の文字を標準文字で表してなり、令和5年3月2日に登録出願、第3類「化粧品,せっけん類,歯磨き,香料,薫料,口臭用消臭剤,つけづめ,つけまつ毛,化粧用脱脂綿,洗濯用柔軟剤,つけまつ毛用接着剤,研磨紙,化粧用綿棒」を指定商品として、同年8月3日に登録査定され、同月23日に設定登録されたものである。 第2 引用商標 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、登録異議申立ての理由として引用する登録商標は、以下の(1)ないし(3)であり、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、引用商標1ないし3をまとめて「引用商標」という場合がある。)。 (1)国際登録第590339号商標(以下「引用商標1」という。) 商標の構成:「ULTRASUN」の欧文字を横書きした構成 国際商標登録出願日:2000年(平成12年)3月29日(事後指定) 設定登録日:平成12年11月10日 指定商品:第3類「Cosmetic sunscreens.」 (2)登録第6056869号商標(以下「引用商標2」という。) 商標の構成:「ウルトラサン」の片仮名を横書きした構成 登録出願日:平成29年5月15日 設定登録日:平成30年6月29日 指定商品:第3類「日焼け止め用化粧品,化粧品,香料、薫料及び香水類,精油,ヘアーローション」 (3)登録第6226245号商標(以下「引用商標3」という。) 商標の構成:「アルトラサン」の片仮名を横書きした構成 登録出願日:平成31年4月12日 設定登録日:令和2年2月14日 指定商品:第3類「日焼け止め用化粧品,化粧品,香料、薫料及び香水類,精油,ヘアーローション」 第3 登録異議の申立の理由 申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである旨申立て、その理由を以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。 (1)本件商標 本件商標は、「Ultra Star」の文字を標準文字で表してなるところ、「Ultra」は、我が国では「ウルトラ」と称呼されることが多いが、英語では「アルトラ」と発音されるため(甲5)、本件商標からは、全体として「ウルトラスター」という称呼の他、「アルトラスター」との称呼が生じる。 そして、本件商標のうち、「Ultra」が英語の「極度の、超」という意味を有する接頭語であり、「Star」が「星」を意味する英語であるため、それぞれの語の意味から「極度の星、すごい星」といった観念が生じる。 (2)引用商標 引用商標1ないし3は、それぞれ「ULTRASUN」、「ウルトラサン」及び「アルトラサン」の文字からなり、引用商標2及び3は、「ウルトラサン」及び「アルトラサン」の称呼が生じる。 一方で、引用商標1の「ULTRASUN」は、「ULTRA」が上述のとおり、「ウルトラ」及び「アルトラ」の称呼が生じるため、全体として「ウルトラサン」及び「アルトラサン」の2つの称呼が生じる。 そして、引用商標のうち、「ULTRA」が英語で「極度の、超」という意味を有する接頭語であり、「ウルトラ、アルトラ」は、「ULTRA」の片仮名表記であること、また、「SUN」が「太陽」を意味する英語であるため、それぞれの語の意味から「極度の太陽、すごい太陽」といった観念が生じる。 (3)本件商標と引用商標の類否 本件商標からは、「極度の星、すごい星」、引用商標からは、「極度の太陽、すごい太陽」の観念がそれぞれ生じるところ、「太陽」と「星」は異なる意味を有しているものの、この2つは、どちらも天体であること、そして、「太陽」も「星」の一種である「恒星」に該当するため、「太陽」も「星」の一つに含まれる。そのため、両語は深い関係性があると認識されるものである。 さらに、本件商標中の「Ultra」と引用商標の「ULTRA」及びその片仮名「ウルトラ、アルトラ」は、いずれも「極度の、超」といった意味を有していることから、同一の意味を有している。 以上の点を考慮した場合、需要者が本件商標及び引用商標に接した場合、互いに天体である星を意味しているという点で紛らわしく、混同が生じる程度に観念が生じると認識されるため、本件商標及び引用商標は、観念において相紛れる程度に類似する商標である。 また、称呼においては、本件商標からは、「ウルトラスター、アルトラスター」、引用商標は、「ウルトラサン、アルトラサン」の称呼がそれぞれ生じるが、両商標は、語頭の「ウルトラ、アルトラ」が共通している。 我が国の需要者は、横書きの商標について左から右に称呼するため、二つの語が結合した商標の場合、前半の語についての印象を強く抱くものの、後半の語については印象が薄くなるという取引の実情が存在していることを考慮すると、特に強い印象を有する「ウルトラ、アルトラ」部分が共通している両商標は、称呼上、一定程度混同する可能性が生じていると認識される。 さらに、外観においても、本件商標の構成中の「Ultra」と引用商標1の構成中の「ULTRA」は、大文字、小文字の違いを有しているが、実質的に同一である。上述のとおり、我が国の需要者が結合商標に接した場合、前半部について強い印象を抱き、後半部は印象が薄くなるという取引の実情が存在していることから、特に強い印象を有する「Ultra」と「ULTRA」部分が共通している両商標は、外観上、一定程度混同する可能性が生じていると認識される。 (4)むすび 以上のとおり、本件商標は、引用商標との関係で、商標が類似し、かつ、同一の指定商品に使用するものである。 そのため、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。 第4 当審の判断 1 商標法第4条第1項第11号該当性について (1)本件商標 本件商標は、上記第1のとおり、「Ultra Star」の文字を標準文字で表してなるところ、「Ultra」と「Star」の文字の間には空白を有するものの、すべての文字が同じ書体、同じ大きさで表されているものであって、外観上、まとまりよく一体的に看取されるものである。 また、その構成中の「Ultra」の文字が「アルトラ」と発音されることがあるとしても、我が国においては、当該文字は「ウルトラ」の発音で親しまれているものというべきであり、本件商標全体より生じる「ウルトラスター」の称呼は、7音と冗長でなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。 そして、その構成中の「Ultra」及び「Star」の各文字は、それぞれ辞書に掲載されている語であるが、これらを組み合わせた本件商標全体からは、特定の観念を生じないものである。 そうすると、本件商標に接する取引者、需要者は、本願商標を一体不可分の造語からなるものと認識、理解するとみるのが相当であり、本件商標よりは、その構成文字に相応して「ウルトラスター」の称呼のみが生じ、特定の観念は生じないものというのが相当である。 (2)引用商標 引用商標1は、上記第2(1)のとおり、「ULTRASUN」の欧文字を横書きしてなり、全体の構成文字に相応して、「ウルトラサン」の称呼を生じ、当該文字は、辞書等に掲載が認められないことから特定の観念は生じない。 また、引用商標2は、上記第2(2)のとおり、「ウルトラサン」の片仮名を横書きしてなり、引用商標3は、上記第2(3)のとおり、「アルトラサン」の片仮名を横書きしてなるところ、それぞれの構成文字に相応して、「ウルトラサン」の称呼、「アルトラサン」の称呼をそれぞれ生じ、いずれも辞書等に掲載が認められないことから、特定の観念は生じない。 (3)本件商標と引用商標との類否 本件商標と引用商標との類否を検討すると、両者はそれぞれ上記(1)及び(2)のとおりの構成であるところ、外観において、本件商標と引用商標1とは、後半部分における「Star」と「SUN」の欧文字に差異を有し、これらの語は、いずれも我が国において親しまれている語であるから、語頭の「Ultra(ULTRA)」の文字を共通にしても、両者の外観全体から受ける視覚的印象に与える影響は大きく、両者を離隔的に観察した場合においても、外観上、明確に区別できるものである。 また、本件商標と引用商標2及び3とは、欧文字と片仮名という文字種の相違から、外観上、明確に区別できるものである。 次に、称呼において、本件商標から生じる「ウルトラスター」の称呼と引用商標1及び2から生じる「ウルトラサン」の称呼とは、語頭の「ウルトラ」の音を共通にするとしても、それに続く「スター」と「サン」の音に差異を有し、その差異音が短い7音及び6音構成における称呼全体に与える影響は大きく、両者をそれぞれ一連に称呼しても語調、語感が異なり、称呼上、明瞭に聴別できるものである。 そして、「ウルトラスター」の称呼を生じる本件商標と「アルトラサン」の称呼を生じる引用商標3とは、語頭における「ウ」と「ア」の音及び語尾における「スター」と「サン」の音において差異を有するものであり、その差異音が短い7音及び6音構成における称呼全体に与える影響は大きく、両者をそれぞれ一連に称呼しても語調、語感が異なり、称呼上、明瞭に聴別できるものである。 さらに、観念においては、本件商標と引用商標は、特定の観念は生じないから、両者は、観念において比較することはできない。 そうすると、本件商標と引用商標とは、観念において比較することはできないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれがないから、両者の外観、観念、称呼等によって取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両者は相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。 したがって、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とが同一又は類似のものであるとしても、本件商標と引用商標とは非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。 2 むすび 以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
別掲 |
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異議決定日 | 2024-07-08 |
出願番号 | 2023022133 |
審決分類 |
T
1
651・
261-
Y
(W03)
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最終処分 | 07 維持 |
特許庁審判長 |
大森 友子 |
特許庁審判官 |
小俣 克巳 田中 瑠美 |
登録日 | 2023-08-23 |
登録番号 | 6729264 |
権利者 | 株式会社コーセー |
商標の称呼 | ウルトラスター、ウルトラ、スター |
代理人 | 柏 延之 |
代理人 | 猿山 純平 |
代理人 | 本宮 照久 |
代理人 | 宮嶋 学 |
代理人 | 高田 泰彦 |