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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W03
管理番号 1413579 
総通号数 32 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2024-08-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2024-02-15 
確定日 2024-07-17 
事件の表示 商願2023− 21045拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 手続の経緯
本願は、令和5年3月1日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年 8月 3日付け:拒絶理由通知書
令和5年 9月 8日 :意見書、手続補正書の提出
令和5年11月16日付け:拒絶査定
令和6年 2月15日 :審判請求書の提出

2 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第3類に属する願書記載のとおりの商品を指定商品として登録出願されたものである。
本願の指定商品は、原審における上記1の手続補正書により、第3類「ヘアーカラー入りシャンプー,シャンプー,ヘアートリートメント,ヘアーコンディショナー,ヘアーリンス,化粧品,せっけん類」と補正されたものである。

3 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第5944007号商標(以下「引用商標」という。)は、「CALATAS」の文字を標準文字で表してなり、平成28年10月31日登録出願、第3類「せっけん類,化粧品」を指定商品として、同29年4月28日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本願商標について
本願商標は、別掲のとおり、「CALATASSUPERCARE」の文字と、「カラタススーパーケア」の文字を、上下二段に横書きしてなるものであるところ、上下段の文字はやや離れて配置されてはいるものの、その構成態様などからすれば、下段の片仮名は上段の欧文字の読みを表したといえるものである。
ここで、本願商標の構成中「SUPER」の文字及び「スーパー」の文字は、「より優れた」などを、「CARE」の文字及び「ケア」の文字は、「手入れ」などを、それぞれ意味する語であり(出典:「広辞苑 第七版」株式会社岩波書店)、いずれも我が国において広く一般的に使用され、理解されているものである。そのため、「SUPERCARE」の文字及び「スーパーケア」の文字からは、「より優れた手入れ」ほどの意味合いが容易に理解されるものであるところ、原審提示の情報にあるように、本願の指定商品を取り扱う分野において、「スーパーケア」の文字が、その商品が「肌などの手入れ用の商品であって、優れたもの」であることを表現するための、商品の宣伝広告用の語句又は誇称表示として、しばしば使用されている実情が認められることからすれば、本願商標は、「CALATAS」の文字と「SUPERCARE」の文字及び「カラタス」の文字と「ス―パーケア」の文字を結合し、一連に表したものと容易に看取されるものといえる。
そして、本願商標構成中の「CALATAS」の文字及び「カラタス」の文字は、一般的な辞書類に掲載されていない語であって、特定の意味合いを有する語として親しまれているといった事情も見当たらないことから、造語であるというのが相当であって、自他商品の識別標識としての機能を十分に有するものといえる。
他方、本願商標構成中の「SUPERCARE」の文字部分及び「スーパーケア」の文字部分は、上述の実情から、自他商品の識別標識としての機能を有しないか、又は、その機能が極めて弱いものといえる。
また、本願商標より自然に生じる「カラタススーパーケア」の称呼は、10音とやや冗長である上、中間に無声の摩擦音である「ス」が連続することから、一気一連に発音することが困難であり、「カラタス」と「スーパーケア」との間で一息置いて発音することも自然であるといえる。
以上のことからすると、簡易迅速を尊ぶ商取引の実際においては、本願商標を構成する「CALATASSUPERCARE」の文字及び「カラタススーパーケア」の文字に接する取引者、需要者が、自他商品の識別標識としての機能を十分に有する「CALATAS」の文字部分又は「カラタス」の文字部分(以下「本願要部」という。)に着目し、当該文字部分をもって取引に当たることもあるというべきである。
したがって、本願商標よりは、本願要部に相応した「カラタス」の称呼も生じ、また、特定の観念は生じないものといえる。
イ 引用商標について
引用商標は、「CALATAS」の文字を標準文字で表してなるところ、これは、一般的な辞書類に掲載されている語ではなく、また、特定の意味合いを有する語として親しまれているといった事情も見当たらないことからすると、特定の意味合いを認識させない造語であるというのが相当である。
そうすると、引用商標よりは、その構成文字に相応した「カラタス」の称呼が生じ、また、特定の観念は生じないものといえる。
ウ 本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標を比較するに、外観においては、全体としては「SUPERCARE」の欧文字の有無や片仮名の有無で相違するものであるが、本願要部のうち「CALATAS」の文字部分と引用商標との比較では、書体がわずかに異なるのみで「CALATAS」のつづり字を共通にすることから、外観上、相当程度近似した印象を与えるものである。
そして、称呼においては、「カラタス」を共通にし、また、観念においては、いずれも特定の観念を生じないから、比較できないものである。
そうすると、本願商標と引用商標とは、全体の外観においては相違があるものの、本願要部のうち「CALATAS」の文字部分と引用商標との外観の対比においては相当程度近似するものであり、また、称呼を共通にし、観念は比較できないものであるから、これらの外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、本願商標と引用商標は、商品の出所について誤認混同を生じるおそれのある、互いに類似の商標というのが相当である。
エ 本願商標と引用商標の指定商品の類否について
本願の指定商品である第3類「ヘアーカラー入りシャンプー,シャンプー,ヘアートリートメント,ヘアーコンディショナー,ヘアーリンス,化粧品,せっけん類」は、引用商標の指定商品である第3類「せっけん類,化粧品」と同一又は類似する商品である。
オ 小括
上記アないしエによれば、本願商標は引用商標と類似する商標であって、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
請求人は、何らかの文字(○○)と「CARE(Care)」又は「ケア」の文字とを結合してなる商標の登録例を複数挙げ、それらが「○○」の文字構成よりなる商標と多数併存登録されていることからすれば、本願商標についてもそれらと同様に登録を認められるべきである旨主張する。
しかしながら、商標の類否の判断は、出願された商標と他人の登録商標との対比において、個別具体的に判断すべきものであり、また、請求人の挙げる登録例と本願とは、商標の構成が異なるほか、称呼を一気一連に発音することが困難とはいえるか否かなど、事情を異にするものであるから、当該登録例によって、直ちに本願商標に係る判断が左右されるものではない。
そして、上記(1)アのとおり、本願商標の構成中、「CALATAS」の文字及び「カラタス」の文字は、造語であって自他商品の識別標識としての機能を十分に有するものであるのに対し、「SUPERCARE」の文字及び「スーパーケア」の文字は、同機能を有しないか、又は、その機能が極めて弱いものであること、並びに、本願商標全体より生じる称呼がやや冗長である上、中間に無声の摩擦音である「ス」が連続するため、一気一連に発音することが困難であることから、本願商標全体を常に一体不可分のものとして認識しなければならないということはできない。
そうすれば、本願要部の1つである「CALATAS」の文字部分と引用商標を比較することは許されるといえるから、本願商標と引用商標とは上記(1)のとおり、類似の商標であるというべきである。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲

別掲 本願商標



(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合の御注意) 本複製物は、著作権法の規定に基づき、特許庁が審査・審判等に係る手続に必要と認めた範囲で複製したものです。本複製物を他の目的で著作権者の許可なく複製等すると、著作権侵害となる可能性がありますので、取扱いには御注意ください。
審理終結日 2024-05-16 
結審通知日 2024-05-17 
審決日 2024-06-05 
出願番号 2023021045 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (W03)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 高野 和行
特許庁審判官 白鳥 幹周
清川 恵子
商標の称呼 カラタススーパーケア、カラタス、スーパーケア 
代理人 秦 正則 

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