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審決分類 審判 査定不服 外観類似 取り消して登録 W031821253543
管理番号 1413495 
総通号数 32 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2024-08-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2023-11-13 
確定日 2024-08-09 
事件の表示 商願2023− 13360拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 手続の経緯
本願は、令和4年7月11日に登録出願された商願2022−80025に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同5年2月10日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和5年3月15日付け:拒絶理由通知書
令和5年4月20日 :意見書の提出
令和5年8月8日付け :拒絶査定
令和5年11月13日 :審判請求書の提出

2 本願商標
本願商標は、「Tempus」の文字を標準文字で表してなり、第3類「化粧品」、第18類「かばん類,袋物」、第21類「清掃用具及び洗濯用具」、第25類「被服」、第35類「織物及び寝具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第43類「飲食物の提供」を指定商品及び指定役務として登録出願されたものである。

3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)及び(2)のとおりであり、いずれの商標権も現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5612438号商標(以下「引用商標1」という。)
引用商標1は、「てんぷす」の文字を標準文字で表してなり、平成25年3月19日に登録出願、第43類「宿泊施設の提供,宿泊施設の提供の契約の媒介又は取次ぎ,飲食物の提供,会議室の貸与,展示施設の貸与,布団の貸与,業務用加熱調理器具の貸与」を指定役務として、同年9月6日に設定登録、その後、令和5年10月4日に商標権の存続期間の更新登録がされたものである。
(2)登録第6038177号商標(以下「引用商標2」という。)
引用商標2は、「てんぷす」の文字を標準文字で表してなり、平成29年4月7日に登録出願、第35類「サプリメントの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ティーシャツの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,マグカップの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,シェーカーの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ポーチの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食器類及び台所用品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、同30年4月27日に設定登録されたものである。
以下、引用商標1及び引用商標2をまとめていうときは、「引用商標」という。

4 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、本願商標と引用商標とは、2つの称呼のうち1つの称呼を共通にするものであり、外観における差異も顕著な差異として強い印象を与えるとはいえないとして類似の商標と判断し、商標法第4条第1項第11号に該当するとしたものである。

5 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、「Tempus」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は「時制」等の意味を有するドイツ語(「独和辞典 第2版」小学館)であったとしても、我が国で親しまれた外来語とはいえず、指定商品及び指定役務の取引者、需要者に直ちに特定の意味合いを認識、理解させるものとはいえない。
また、特定の意味合いを認識、理解させない欧文字からなる商標にあっては、英語読み風又はローマ字読み風に発音するのが一般的であるところ、本願商標の構成文字からは、一義的な称呼は特定できないものの、「テンパス」又は「テンプス」の称呼が生じ得るものといえる。
そうすると、本願商標は、その構成文字に相応して、「テンパス」又は「テンプス」の称呼を生じるものであり、特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、いずれも、「てんぷす」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、我が国における一般的な辞書等に載録がないものであるから、指定商品及び指定役務の取引者、需要者において、特定の意味合いを認識、理解させない一種の造語とみるのが相当である。
そうすると、引用商標は、その構成文字に相応して、「てんぷす」の称呼を生じ、特定の観念は生じないものである。
(3)本願商標と引用商標の類否について
本願商標と引用商標の類否について検討するに、両商標はそれぞれ上記(1)及び(2)の構成よりなるところ、外観においては、欧文字と平仮名とで文字種が異なり、両者の視覚上の印象も大きく相違し、判然と区別し得るものである。
次に、称呼においては、本願商標と引用商標は、「テンプス」の称呼を共通にする場合があるとしても、一方で、本願商標から生じる「テンパス」の称呼と引用商標から生じる「テンプス」の称呼については、全体が4音の短い音構成において第3音の「プ」と「パ」の差異が称呼全体に及ぼす影響は決して小さいものではないから、それぞれ一連に称呼した場合、両称呼は明瞭に聴別し得るものである。そして、本願商標と引用商標との類否を検討するに当たって、本願商標から生じ得る「テンプス」の称呼のみが決定的な影響を与えるというべき特段の事情は見いだせず、「テンプス」の称呼の共通性が、「テンパス」の称呼、及び上記の外観上の差異を凌駕するほど大きな影響を与えるものということはできない。
さらに、観念においては、いずれも特定の観念は生じないものであるから、比較することができない。
そうすると、本願商標と引用商標とは、外観において判然と区別し得るものであり、また、称呼において「テンパス」の称呼は明瞭に聴別し得るものであり、「テンプス」の称呼を共通にする場合があるとしても、その共通性は称呼上及び外観上の差異を凌駕するほど大きな影響を与えるものとはいえず、さらに、観念において比較することができないものであるから、外観、称呼及び観念によって、取引者、需要者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に考察すれば、両商標は相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
(4)まとめ
以上のとおり、本願商標は、引用商標とは非類似の商標であるから、本願商標と引用商標の指定商品及び指定役務が同一又は類似するとしても、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲

(この書面において著作物の複製をしている場合の御注意) 本複製物は、著作権法の規定に基づき、特許庁が審査・審判等に係る手続に必要と認めた範囲で複製したものです。本複製物を他の目的で著作権者の許可なく複製等すると、著作権侵害となる可能性がありますので、取扱いには御注意ください。
審決日 2024-07-25 
出願番号 2023013360 
審決分類 T 1 8・ 261- WY (W031821253543)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 鈴木 雅也
特許庁審判官 滝口 裕子
小田 昌子
商標の称呼 テンパス、テンプス 
代理人 大久保 岳彦 
代理人 石川 好文 
代理人 秋庭 英樹 
代理人 林 道広 
代理人 重信 和男 

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