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審決分類 審判 査定不服 商3条柱書 業務尾記載 取り消して登録 W0335
管理番号 1413470 
総通号数 32 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2024-08-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2023-07-21 
確定日 2024-07-30 
事件の表示 商願2022− 51360拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 第1 手続の経緯
本願は、令和4年4月19日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 8月 2日付け:拒絶理由通知書
令和5年 4月12日付け:拒絶査定
令和5年 7月21日 :審判請求書の提出

第2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第3類及び第35類に属する別掲2のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、登録出願されたものである。

第3 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するものとして、本願の拒絶の理由に引用した国際登録第1269323号商標(以下「引用商標」という。)は、「LONELY」の文字を書してなり、2015年(平成27年)3月2日にNew Zealandにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2015年(平成27年)7月1日に国際商標登録出願、第25類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成28年6月17日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第4 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、以下のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。
1 商標法第3条第1項柱書について
本願において指定している複数の小売等役務(商標法第2条第2項に規定する役務)は、全く業種が異なり、類似の関係にもないものであって、このような状況の下では、出願人が本願商標を、本願において指定されているすべての小売等役務について使用しているか又は近い将来使用をすることについて疑義があるため、本願商標は、商標法第3条第1項柱書の要件を具備していない。
2 商標法第4条第1項第11号について
本願商標は、引用商標と同一又は類似の商標であって、また、本願の指定役務は引用商標に係る指定商品と同一又は類似するから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項柱書について
当審における令和5年7月21日受付の審判請求書により、「商標の使用を開始する意思」及び「事業計画書」が提出された結果、請求人(出願人)が、本願において指定した小売等役務のいずれについても本願商標の使用をすること又は本願商標の使用の意思があることについて、疑義はなくなった。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項柱書の要件を具備していないとして、本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は、解消した。
2 商標法第4条第1項第11号について
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、上段に大きく「LoNLy」の欧文字を、下段に小さく「Love&Lyrics」の欧文字を、2段に表してなるものである。
そして、上段、下段の各文字部分は、その文字の大きさが明らかに異なることからすれば、視覚上、分離して看取、把握されうるものであり、また、上段の「LoNLy」の文字は、辞書等に載録されておらず、何らかの意味を有する成語を表してなるものとは直ちに認識できないものであるから、両文字部分は、観念的に密接な関連性を有しているとはいえず、それぞれが独立して自他商品役務の識別標識として機能し得るものである。
よって、本願商標から、上段の文字部分である「LoNLy」を要部(以下「本願商標の要部」という。)として抽出し、当該文字部分のみを引用商標と比較して、商標そのものの類否を判断することが許されるものである。
さらに、本願商標の要部の「LoNLy」の文字は、上記のとおり、何らかの意味を有する成語を表してなるものとは直ちに認識できないものであって、一般的に、商標が、特定の意味合いを想起させない欧文字からなる場合、これに接する取引者、需要者は、我が国において広く親しまれている英語読みに倣って称呼するとみるのが自然であるから、本願商標の要部は、その構成文字に相応して、「ロンリー」の称呼を生じ、特定の観念を生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、「LONELY」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字は「孤独な、寂しい」(出典:新英和(第7版)・和英(第5版)中辞典 株式会社研究社)等を意味する親しまれた英単語であることから、その構成文字に相応して、「ロンリー」の称呼及び「孤独な、寂しい」の観念が生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標との類否を検討すると、本願商標は上記(1)、引用商標は上記(2)のとおりの構成からなるところ、外観においては、本願商標と引用商標は、その構成全体が2段書きと1段書きと明確に相違することに加え、本願商標の要部である「LoNLy」と引用商標とを比較しても、構成文字数が5文字と6文字と異なるばかりでなく、2文字目と5文字目の文字における大文字と小文字の差異からすれば、両商標は、外観上、相紛れるおそれはない。
次に、称呼については、両者から共に「ロンリー」の称呼を生じることから、両者は称呼において共通する。
さらに、観念については、本願商標は特定の観念を生じないものであるのに対し、引用商標は「孤独な、寂しい」の観念が生じるものであって、両者は、観念上、相紛れるおそれはない。
そうすると、本願商標の要部と引用商標とは、「ロンリー」の称呼を共通にするとしても、外観及び観念において相紛れるおそれのないものであるから、これらを総合して判断すれば、両者は、互いに相紛れるおそれのない非類似の商標というのが相当である。
したがって、本願商標と引用商標とは非類似の商標であるから、両商標の指定商品及び指定役務との類否を検討するまでもなく、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標が商標法第3条第1項柱書の要件を具備していないとして、本願を拒絶した原査定の拒絶の理由は解消し、引用商標と同一又は類似するとして、商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲
別掲1 本願商標


別掲2 本願の指定商品及び指定役務
第3類「化粧品,せっけん類,歯磨き,口臭用消臭剤,香料,薫料,つけづめ,つけまつ毛,化粧用脱脂綿,化粧用綿棒,化粧用接着剤」
第35類「広告業,化粧品・歯磨き及びせっけん類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」


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審決日 2024-07-18 
出願番号 2022051360 
審決分類 T 1 8・ 18- WY (W0335)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 大森 友子
特許庁審判官 小俣 克巳
鯉沼 里果
商標の称呼 ロンリーラブアンドリリックス、ロンリーラブリリックス、ロンリー、ラブアンドリリックス、ラブリリックス、ラブ、リリックス 
代理人 植村 貴昭 

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