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審決分類 |
審判 全部取消 商50条不使用による取り消し 無効とする(請求全部成立)取り消す(申し立て全部成立) W25 |
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管理番号 | 1412409 |
総通号数 | 31 |
発行国 | JP |
公報種別 | 商標審決公報 |
発行日 | 2024-07-26 |
種別 | 商標取消の審決 |
審判請求日 | 2023-07-07 |
確定日 | 2024-06-24 |
事件の表示 | 上記当事者間の登録第6244544号商標の登録取消審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 登録第6244544号商標の商標登録を取り消す。 審判費用は、被請求人の負担とする。 |
理由 |
第1 本件商標 本件登録第6244544号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、令和元年6月13日に登録出願、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,キャミソール,タンクトップ,ティーシャツ,和服,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ナイトキャップ,帽子,ガーター,靴下留め,ズボンつり,バンド,ベルト,靴類,げた,草履類,仮装用衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」及び「ウインドサーフィン用シューズ」を除く。),乗馬靴,ウインドサーフィン用シューズ,運動用特殊衣服(「水上スポーツ用特殊衣服」を除く。),水上スポーツ用特殊衣服」を指定商品として、同2年4月10日に設定登録されたものである。 そして、本件審判の請求の登録は、令和5年7月27日になされたものであり、この登録前3年以内の期間(同2年7月27日〜同5年7月26日)を以下「要証期間」という。 第2 請求人の主張 請求人は、結論同旨の審決を求め、審判請求書及び令和5年9月25日付け審判請求事件答弁書(以下「答弁書」という。)に対する同年10月26日付け審判事件弁駁書(以下「弁駁書」という。)にて、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。 1 請求の理由 本件商標は、その指定商品について、継続して3年以上日本国内において本件商標の権利者(以下「商標権者」という。)、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。 2 弁駁書による主張 (1)弁駁の理由 被請求人は、答弁書において、「株式会社イムニコと令和1年7月22日から商標使用許諾契約を結んでおり、株式会社イムニコは、この商標を使用し、商標利用者とのライセンス契約を結ぶためのホームページを制作、またグッズ(Tシャツ、軍手)も製作販売している。」旨主張するとともに、そのような使用を証すべく乙第1号証ないし乙第6号証を提出しているが、以下の理由により、これらの書証をもってしても、本件審判請求は成り立たないとする被請求人の主張は失当である。 ア 乙第1号証について 被請求人によると、乙第1号証は、商標権者と株式会社イムニコ(以下「イムニコ社」という。)との間で令和元年7月22日に締結された、本件商標の使用許諾契約書とのことであり、これには、許諾対象として、本件商標が特定されている。 しかしながら、本件商標の登録日は令和2年4月10日であり、契約締結日の同元年7月22日には登録されておらず、勿論、登録査定すらなされていなかったことから、商標権者が登録番号を把握することは不可能であったことは明らかである。 そうとすると、乙第1号証に係る使用許諾契約が令和元年7月22日に締結されていたという被請求人の主張には疑義があり、故に、商標権者が同日に本件商標の登録番号を認識していたことを立証できない限り、乙第1号証は、商標権者とイムニコ社との間で本件商標の使用許諾契約が締結されていたことを何ら立証するものではないことは明白である。 なお、被請求人において、締結日を本件商標の登録日以降に変更した使用許諾契約書を改めて提出する可能性があると思料するが、明らかに真実性に疑義がある書証を提出しており、乙第1号証の契約期間が令和元年7月22日までとなっている以上、追加的に使用許諾契約書を提出するのであれば、その真実性及び追加で契約が締結された経緯や理由を別途、詳細に主張立証することを希求する。 イ 乙第2号証について 乙第2号証は、イムニコ社が2019年に制作したホームページとのことであるが、本件商標と同一又は社会通念上同一の商標は表示されていない。 また、本件商標がその指定商品との関係で「使用」されていることの事実は何ら確認できず、さらには、「商用利用の場合にはご連絡ください」なる文言は、本件商標の指定商品についての使用を立証するものではないことは明らかである。 ウ 乙第3号証について 乙第3号証は、イムニコ社が製作した商品の陳列写真とのことであるが、撮影日が不明であり、要証期間に撮影されたものであることが何ら立証されていない。 エ 乙第4号証ないし乙第6号証について 乙第4号証ないし乙第6号証は、イムニコ社が製作したTシャツの資材の発注証拠とその使用証拠とのことであるが、乙第5号証に示された商品に本件商標と同一又は社会通念上同一の商標が表示されておらず、また、その製作された時期も不明であるばかりか、これらが商取引に資されたといった事実も確認できない。 したがって、乙第4号証ないし乙第6号証をもってしても、本件商標の指定商品について、要証期間に、商標権者等によって本件商標が使用されていたことは立証されない。 (2)まとめ 以上のとおり、被請求人にあっては、本件商標をその指定商品について使用していることを証明する必要があるところ、要証期間に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者による、本件商標の使用は具体的に立証されておらず、故に、本件審判の請求は成り立たないとする被請求人の主張は失当である。 第3 被請求人の主張 被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする旨の審決を求め、答弁書において、商標権者は、イムニコ社と令和元年7月22日から商標使用許諾契約を結んでおり、同社は、本件商標を使用し、本件商標の利用者とのライセンス契約を結ぶためのホームページを制作し、また、グッズ(Tシャツ、軍手)も製作販売している旨主張している。 第4 当審の判断 1 被請求人の立証責任 商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明し、又は使用をしていないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その登録の取消しを免れない。 すなわち、本件商標の使用をしていることを証明するには、商標法第50条第2項に規定されているとおり、被請求人は、ア 要証期間に、イ 日本国内において、ウ 商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、エ 本件審判請求に係る指定商品のいずれかについての、オ 本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用(商標法第2条第3項各号のいずれかに該当する使用行為)をしていることをすべて証明する必要がある。 2 事実認定 (1)被請求人の提出した乙第1号証は、被請求人が、商標権者とイムニコ社との商標使用許諾契約書(以下「契約書」という。)と主張するものである。 契約書の1頁目の上部に、「商標使用許諾契約書」の記載、その下の「第1条(商標権使用権の許諾)」の項目に「商標番号:登録第6244544号商標」の記載がある。 また、契約書の2頁目の上部に「実施期間:自 令和1年7月22 至 令和7年7月22日」の記載があり、3頁目における契約当事者の記載の上に「令和1年7月22日」の記載がある。 つまり、契約書は、本件商標の登録番号を特定した上、契約日及び契約期間の開始日を令和元年7月22日とするものである。 しかしながら、本件商標の登録日は令和2年4月10日であるから、本件商標の登録番号は、上記日付には存在しておらず、契約当事者において知り得なかったものである。 そうすると、乙第1号証は、極めて不自然な契約書というべきであるから、真正な書証であると認め難い。 よって、本号証は、本件商標の使用に係る事実を認定し得る正当な証拠として採用することができないものである。 (2)そのほか、被請求人が提出した乙各号証をみても、イムニコ社のホームページにおいて使用行為(商標法第2条第3項各号)が確認できない(乙2)、商品の陳列写真の撮影日が不明である(乙3)、発注書面等に本件商標と同一又は社会通念上同一の商標が表示されていない(乙4〜乙6)など、被請求人が主張する商品「Tシャツ,軍手」等の商品について、要証期間に、商標権者やイムニコ社が、本件商標又は本件商標と社会通念上同一の商標の使用行為を行ったことを認めるに足りる事実を見いだすことはできない。 3 判断 上記2によれば、被請求人が提出した証拠からは本件商標の使用に係る事実を何ら認定することができないから、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者が、要証期間に、日本国内において、本件商標(社会通念上同一と認められるものを含む。)を本件商標の指定商品について使用したものとは認められない。 4 まとめ 以上のとおり、被請求人が提出した証拠によっては、被請求人は、要証期間に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、本件商標(社会通念上同一と認められる商標を含む。)を、本件商標の指定商品のいずれかについて、商標法第2条第3号各号に規定する態様で使用する行為を行ったことを証明したということはできない。 また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしていない。 したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
別掲 |
別掲(本件商標)![]() (行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、この審決に係る相手方当事者を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合の御注意) 本複製物は、著作権法の規定に基づき、特許庁が審査・審判等に係る手続に必要と認めた範囲で複製したものです。本複製物を他の目的で著作権者の許可なく複製等すると、著作権侵害となる可能性がありますので、取扱いには御注意ください。 |
審理終結日 | 2024-03-06 |
結審通知日 | 2024-03-12 |
審決日 | 2024-05-13 |
出願番号 | 2019089431 |
審決分類 |
T
1
31・
1-
Z
(W25)
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最終処分 | 01 成立 |
特許庁審判長 |
鈴木 雅也 |
特許庁審判官 |
馬場 秀敏 富澤 哲生 |
登録日 | 2020-04-10 |
登録番号 | 6244544 |
商標の称呼 | ノーフォトズ、ノットノーフォトズ |
代理人 | 田中 尚文 |
代理人 | 渡部 彩 |