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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W30
管理番号 1412380 
総通号数 31 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2024-07-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2023-06-26 
確定日 2024-06-10 
事件の表示 商願2022−75117拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 手続の経緯
本願は、令和4年6月29日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 9月27日 :刊行物等提出書
令和4年10月20日付け:拒絶理由通知書
令和4年12月27日 :意見書の提出
令和4年12月28日 :手続補足書の提出
令和5年 1月18日 :刊行物等提出書
令和5年 3月17日付け:拒絶査定
令和5年 6月26日 :審判請求書の提出

2 本願商標
本願商標は、「チョコピー」の文字を標準文字で表してなり、第30類「茶,コーヒー,ココア,チョコレート飲料,チョコレート飲料用の粉末,チョコレートシロップ,チョコレートソース,チョコレート,菓子(果実・野菜・豆類又はナッツを主原料とするものを除く。),パン,サンドイッチ,中華まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,ホットドッグ,ミートパイ,コンフェクショナリー,スイーツ,チョコレートで覆われたヌガーバー,チョコレート掛けしたポテトチップス菓子,チョコレートで覆われたナッツ菓子,チョコレートムース,調味料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,穀物の加工品,チョコレートスプレッド,たこ焼き,弁当,即席菓子のもと,チップス(穀物製品),穀物を主原料とするスナック食品」を指定商品として登録出願されたものである。

3 原査定の拒絶の理由(要点)
本願商標は、「チョコピー」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中、「チョコ」の文字は、「チョコレートの略。」を表す語である。
そして、本願の指定商品を含む食品業界において、「〇〇ピー」(〇〇は原材料名)の構成で、「〇〇とピーナッツを使用した商品」であることを称している実情があり、チョコレートとピーナッツを使用した商品を「チョコピー」と称している実情もある。
そうすると、本願商標をその指定商品中、「チョコレートとピーナッツを使用した商品」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品が上記意味合いの商品であること、すなわち、商品の品質、原材料を表示したものと認識するにすぎない。
したがって、本願商標は、商品の品質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、本願の指定商品中、「チョコレートとピーナッツを使用した商品」以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。

4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号該当性について
ア 原審において示された用例(別掲1(1)、(2))及び当審における職権による調査(別掲2)によれば、本願の指定商品を取り扱う業界において、「コーヒーピー」、「あらびき黒胡椒ピー」、「いかピー」、「ごまピー」、「ごまみそピー」、「抹茶ピー」などのように、「食品の名称」に「ピー」の文字を結合した「○○ピー」の文字が、「〇〇とピーナッツを使用した商品」ほどの意味合いで使用されている実情が見受けられる。
イ そうすると、本願商標は、前記2のとおり、「チョコピー」の文字を標準文字で表してなるところ、本願の指定商品との関係においては、「チョコレートの略。」の意味を有する語(「広辞苑 第七版」岩波書店)として、我が国において広く親しまれている「チョコ」の文字と「ピー」の文字を結合したものと容易に認識されるものである。
ウ そして、例えば、別掲1(3)ないし(5)及び別掲3のように、「チョコレートとピーナッツを使用した商品」を「チョコピー」と称している実情も認められる。
エ 以上によれば、「チョコピー」の文字からなる本願商標を、その指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その商品が「チョコレートとピーナッツを使用した商品」であること、すなわち、商品の品質、原材料を表示したものと認識するにとどまり、これを商品の出所を表示する標識又は自他商品の識別標識として認識することはないというべきである。
してみれば、本願商標は、その商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、上記商品以外の指定商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標「チョコピー」は、請求人が創造した造語であり、請求人の使用前は、当該語は商標として誰にも全く使用されていない旨主張する。
しかしながら、仮に、請求人の使用前は「チョコピー」の文字が他者に使用されていなかったとしても、本審決時において、「チョコピー」の文字は、本願の指定商品を取り扱う業界において、「チョコレートとピーナッツを使用した商品」を称するものとして、複数の他者により使用されている実情があることは、上記(1)のとおりである。
イ 請求人は、「チョコピー」から「チョコ」を分離して認識したとしても、「チョコ」の文字はチョコレートの略称も表すが、円筒形の小さな器である猪口や、地名、ゲームのブランド名、歌手の名前、漫画の登場人物名等をも表すもので、様々意味を有していること、また、「〇〇ピー」の構成も、「ヒッピー」、「イッピー」、「ヤッピー」、「うれピー」や「たのピー」等、様々な意味を有する多数の造語が存在していることから、「〇〇ピー」の言葉が原材料名を示す商品、食品であると限定されて認識、把握されることは全くない旨主張する。
しかしながら、本願の指定商品は、前記2のとおり、「チョコレート」や「チョコレートで覆われたナッツ菓子」を含む第30類の商品であるところ、「チョコピー」の文字を「チョコレートで覆われたナッツ菓子」等の商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、該構成中の「チョコ」の文字部分から、請求人が主張するような猪口や地名等を認識する、あるいは該構成中の「ピー」の文字部分から、請求人が主張するような「ヒッピー」、「うれピー」等を連想し、食品であると認識しない、というよりは、上記(1)の認定のとおり、「チョコ」の文字を「チョコレートの略。」として、また、「○○ピー」の文字を「〇〇とピーナッツを使用した商品」として認識、理解するというのが自然である。
ウ 請求人は、「〇〇ピー」が「〇〇とピーナッツを使用した商品」であることを称している実情はあるが、数え切れないほどの種類の食品が存在する中で、そのような使用がされている食品は、極めて少数であり、そもそも、現実には、その商標が現実に商品の品質等の表示として多数使用されている事実がなければ、又は商品の品質等の表示として周知、著名でなければ、商品の品質を表示したものと取引者、需要者によって一般に認識されることはありえない旨主張する。
しかしながら、「商標法第3条第1項第3号は、取引者、需要者に指定商品の品質等を示すものとして認識され得る表示態様の商標につき、それ故に登録を受けることができないとしたものであって、該表示態様が、商品の品質を表すものとして必ず使用されるものであるとか、現実に使用されている等の事実は、同号の適用において必ずしも要求されないものと解すべき」(東京高裁平成12年(行ケ)第76号、同年9月4日判決参照)であるから、同号の適用に当たっては、必ずしも「〇〇ピー」の文字が「〇〇とピーナッツを使用した商品」ほどの意味合いで、実際に多数使用されている例が要求されるわけではないと解される。そして、本願の指定商品を取り扱う業界においては、「○○ピー」の文字が「〇〇とピーナッツを使用した商品」ほどの意味合いで使用されている実情が見受けられることから、当該文字を商品の品質、原材料を表示したものと取引者、需要者が認識することは、上記(1)のとおりである。
エ 請求人は、「〇〇ピー」の構成からなる過去の商標登録例を掲げて、本願商標も登録すべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が自他商品の識別標識として機能し得るか否かは、当該商標の構成態様と、査定時又は審決時における取引の実情を勘案して、その指定商品の取引者、需要者の認識を基準に判断すべきものであるから、他の登録例に本件の判断が拘束されるものではない。
オ したがって、請求人の上記主張は、いずれも採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
別掲1 原審で示した用例
(1)「Amazon」のウェブサイトにおいて、「コーヒーピー 1kg」の見出しの下、「大粒落花生(中国)をコーヒー味の衣で包みました。」「原材料・成分 落花生(中国)、植物油、砂糖、食塩、コーヒー粉末、カラメル色素」の記載がある。
https://www.amazon.co.jp/dp/B00SSLJLCG
(2)「大津屋のピーナッツ」のウェブサイトにおいて、「あらびき黒胡椒ピー」の見出しの下、「あらく挽いた黒胡椒がたっぷり入ったピリッとスパイシーなピーナッツ。」の記載がある。
https://www.otsuya-peanuts.com/product/original_10/
(3)「エハラピーナツ」のウェブサイトにおいて、「本格チョコピー(ベルギーチョコ使用のため夏季販売お休みします」の見出しの下、「ベルギーチョコレートを使用した本格派です!甘さ控えめで大人の味に仕上げました。」の記載とともに、パッケージに「本格チョコピー」と記載された商品の画像が掲載されている。
https://ehara-p.com/products/detail.php?product_id=186
(4)「大城食品」のウェブサイトにおいて、「サクサクチョコピー 100g」の見出しの下、「原材料 水飴、コーンパブ、ピーナッツ、糖類(砂糖、乳糖)ショ―トニング、ココアパウダー、バター、マーガリン、乳等を主原料とする食品、加糖練乳、脱脂粉乳、植物油脂、粉末油脂、クリーミングパウダー、カカオマス、粉末パウダー、食塩、ココナッツミルクパウダー、乳化剤(大豆レシチン)、糊料(ブルラン)、調味料(アミノ酸等)、香料、甘味料(スクラロース」の記載がある。
https://www.daijyou.jp/item/kasi-1-1/
(5)「お気楽主婦のオススメ自由帳☆」のウェブサイトにおいて、「大分のお土産 高崎山名物 鼻くそチョコピー♪」の見出しの下、パッケージに「大分 高崎山名物 鼻くそチョコピー」「品名 チョコピー」「名称 豆菓子」「原材料 砂糖、ピーナッツ、小麦粉、カカオマス、全粉乳、ココアバター、・・・」と記載された商品の画像が掲載されている。
http://osusumeshufunikki.seesaa.net/article/433682053.html

別掲2 本願の指定商品の分野における「〇〇ピー」の用例
(1)「楽天市場」のウェブサイト内の「神戸のおまめさん みの屋」のページにおいて、「いかピー いか風味 500g」の見出しの下、「いかの風味が香ばしい昔ながらの豆菓子です」、「原材料名 落花生 小麦粉 澱粉 砂糖植物油 食塩 いか/膨張剤」の記載がある。
https://item.rakuten.co.jp/omamesan/m05-057/
(2)「千葉ピーナツ」のウェブサイトにおいて、「ごまピー(140g)」の見出しの下、「ゴマの風味と落花生が相性抜群の、香ばしい豆菓子」の記載とともに、パッケージに「ぴーなっつ畑 千葉の名産」と記載された商品の画像が掲載されている。
https://chibap.com/item-detail/1029106
(3)「楽天市場」のウェブサイト内の「ヒラヤマ食品 楽天市場店」のページにおいて、「ごまみそピー 300g」の見出しの下、「甘じょっぱさがくせになる 【ごまみそピーナツ】 落花生(ピーナッツ)に香ばしいすりごまと味噌を混ぜ合わせ、ざらめ糖で甘さを調節し、コーティングしました。」の記載がある。
https://item.rakuten.co.jp/hirayamasyokuhin/compass1615535813/
(4)「笹森商店」のウェブサイトにおいて、「【千葉県産落花生の笹森商店】抹茶ピー(抹茶ピーナッツ)」の見出しの下、「抹茶の風味が美味しい。オヤツやお茶うけにどうぞ〜」の記載とともに、パッケージに「ささもりの落花生」、「豆菓子 抹茶ピー」と記載された商品の画像が掲載されている。
www.sasamori.net/766

別掲3 本願の指定商品の分野における「チョコピー」の用例
(1)「楽天市場」のウェブサイト内の「愛知県碧南市」のページにおいて、「【ふるさと納税】〜ご縁から生まれた〜ベジタブルジェラート アイス「ニッコリピースセット」 6個入り H132―021」の見出しの下、「アイス4種のご紹介・・・チョコピーアイス 「郷の香」という品種の落花生を粉末にし、チョコレートベースのアイスに練りこんだ「チョコピーアイス」となりました。」の記載がある。
https://item.rakuten.co.jp/f232092-hekinan/h132-011/
(2)「さとふる」のウェブサイトにおいて、「サンドパンセット(アンバター・ピーナツ・チョコピー) 青森県むつ市」の見出しの下、「・・・人気の「チョコピーサンド」このおすすめ3種類をセットにしました。」、「■原材料・成分・・・チョコピーサンド:小麦粉、植物油脂、生クリーム、ぶどう糖、鶏卵、脱脂粉乳、砂糖、イースト、食塩、乳化剤、ビタミンC、チョコレート、ピーナツクリーム」の記載がある。
https://www.satofull.jp/products/detail.php?product_id=1315076
(3)「facebook」のウェブサイト内の「Karu coppe」のページにおいて、「今日から新しいパンくんの登場です!「チョコピー」こと「チョコピーナッツ」 カルコッペ開店当初から大人気のピーナッツクリームのチョコレートバージョン こちらもゴロゴロピーナッツが入っていて、食感も楽しい〜 チョコレートクリームも美味しくて、もう既にハマっている私 ぜひ!ご賞味くださいませ」、「はじめまして!チョコピーです!」の記載がある。
https://zh-cn.facebook.com/Karucoppe/posts/1618685275188602



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審理終結日 2024-04-09 
結審通知日 2024-04-10 
審決日 2024-04-30 
出願番号 2022075117 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W30)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 高野 和行
特許庁審判官 小俣 克巳
石塚 利恵
商標の称呼 チョコピー、ピー 
代理人 高橋 大典 
代理人 高橋 三雄 

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