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審決分類 審判 査定不服 外観類似 登録しない W30
管理番号 1412362 
総通号数 31 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2024-07-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2023-03-10 
確定日 2024-06-06 
事件の表示 商願2021−100999拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第14類、第18類、第25類、第30類、第35類及び第43類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、令和3年7月30日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年4月26日付けで拒絶の理由が通知され、同年6月17日付けで意見書が提出され、本願の指定商品及び指定役務は、同日付け手続補正書により、別掲2のとおりの指定商品及び指定役務(以下「原審補正商品及び役務」という。)に補正されたが、同年11月30日付けで拒絶査定されたものである。
これに対し、令和5年3月10日に拒絶査定不服審判が請求され、原審補正商品及び役務は、同日付けの手続補正書により、第30類「パン,サンドイッチ,ハンバーガー,ホットドック,ミートパイ,ピザ,菓子」(以下「当審補正商品」という。)に補正されたものである。

第2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第2604710号商標(以下「引用商標」という。)は、「&」の記号と「AND」の欧文字を上下2段に配した構成よりなり、平成2年11月29日に登録出願、第30類「菓子、パン」を指定商品として、同5年12月24日に設定登録され、その後、同16年6月30日に、指定商品を第30類「菓子及びパン」とする指定商品の書換登録がされ、その商標権は、現に有効に存続しているものである。

第3 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、本願商標の要部である「and」の欧文字と引用商標は外観において極めて近似した印象を与え、「アンド」の称呼及び接続詞としての「および」ほどの観念を共通にするものであるから、本願商標と引用商標は類似する商標であり、原審補正商品及び役務中の第30類「ハンバーガー」と引用商標に係る指定商品とは、類似の商品であるから、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号の該当性について
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、「and BURGER」の欧文字を横書きしてなり、これは、「and」の欧文字と「BURGER」の欧文字とを結合させたものと容易に理解されるところ、「BURGER」の欧文字は、「ハンバーガー」の略語(株式会社岩波書店発行「広辞苑 第7版」)であるから、当審補正商品中の「ハンバーガー」との関係においては、自他商品の識別標識としての機能を有さないと判断するのが相当である。
他方、本願商標の構成中の「and」の欧文字は、「…と…」の意味を有する英語(株式会社大修館書店発行「ベーシックジーニアス英和辞典 第2版」)であり、当審補正商品との関係において、当該文字が当審補正商品の品質等を表示するものではないので、自他商品の識別標識としての機能を有さないものと判断すべき特別な事情はないものである。
そうすると、本願商標は、引用商標との類否を判断するに当たって、本願商標の構成中の自他商品の識別標識としての機能を有さない「BURGER」の欧文字を捨象し、本願商標の構成中の「and」の欧文字を要部として抽出し、これのみを他人の商標と比較して商標の類否を判断することも許されるというべきである。
したがって、本願商標は、「and」の欧文字に相応して「アンド」の称呼及び「…と…」の観念が生じるものである。
(2)引用商標について
引用商標は、上記第2のとおり、ごくありふれた書体で「&」の記号と「AND」の欧文字を上下2段に表してなるところ、その構成中の「&」の記号は、株式会社岩波書店発行の「広辞苑 第7版」の「アンパーサンド」の項に「「&」の記号。「そして」「…と…」の意。アンド。アンパサンド。」と記載されており、我が国では、「アンド」とも一般に称呼され、英語の「and」(アンド)と同じ意味を持つ記号として広く知られているものである。
そして、引用商標の構成中には「AND」の欧文字が併記されているものであるから、当該「&」の記号も「アンド」と称呼されるのが自然である。
そうすると、引用商標は、英語の「AND」の欧文字とその代替記号として使用される「&」とを併記した商標として認識されるものである。
したがって、引用商標は、その構成全体として「アンド」の称呼及び「…と…」の観念が生じるものである。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標とを比較すると、両商標は、構成全体を見た場合、「&」記号の有無及び「BURGER」の欧文字の有無等において明らかな差異があることから、外観において相違する。
しかしながら、本願商標の要部である「and」の欧文字と引用商標とは、「AND(and)」の欧文字のつづりを同じくするものであるから、外観において類似するものである。
また、本願商標の要部である「and」の欧文字と引用商標とは、「アンド」の称呼及び「…と…」の観念を共通にするものである。
そうすると、本願商標の要部と引用商標とは、外観において類似し、称呼及び観念を共通にするものであるから、本願商標と引用商標とは相紛れるおそれのある類似の商標と判断するのが相当である。
(4)当審補正商品と引用商標に係る指定商品との類否について
当審補正商品中の「ハンバーガー」と引用商標に係る指定商品である「菓子及びパン」とは類似の商品である。
(5)小括
したがって、本願商標は、引用商標と類似の商標であって、当審補正商品中の「ハンバーガー」と引用商標に係る指定商品である「菓子及びパン」とは類似の商品であるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 請求人の主張について
請求人は、本願商標の指定商品である「ハンバーガー」の出所につき、「●●バーガー」や「バーガー●●」(例えば、「フレッシュネスバーガー」や「バーガーキング」など)といった商品については、需要者は、「バーガー」部分を含めて一体として把握することが多い旨主張する。
しかしながら、上記1(1)のとおり、「BURGER」の欧文字は、当審補正商品中の「ハンバーガー」との関係においては、自他商品の識別標識としての機能を有さないと判断するのが相当であることからすれば、当該文字から出所識別標識としての称呼及び観念は生じないのであるから、本願商標の構成中の「and」が出所識別標識としての要部であるといえる。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲

別掲1(本願商標)


別掲2(原審補正商品及び役務)
第14類「貴金属,キーホルダー,身飾品(「カフスボタン」を除く。),時計」
第18類「皮革製包装用容器,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘」
第25類「被服,スウェットシャツ,スウェットパンツ,寝巻き類,下着,キャミソール,タンクトップ,ティーシャツ,靴下,手袋,ネクタイ,靴類,帽子,仮装用衣服,運動用特殊靴(「乗馬靴」及び「ウインドサーフィン用シューズ」を除く。),運動用特殊衣服(「水上スポーツ用特殊衣服」を除く。),水上スポーツ用特殊衣服」
第30類「コーヒー,ココア,茶,氷,パン,サンドイッチ,ハンバーガー,ホットドッグ,ミートパイ,ピザ,菓子,香辛料,穀物の加工品」
第35類「インターネットウェブサイトを介して行う履物の小売または卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,インターネットウェブサイトを介して行うかばん類および袋物の小売または卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,インターネットウェブサイトを介して行う身の回り品の小売または卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」
第43類「飲食物の提供」


(行政事件訴訟法第46条に基づく教示)
この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。
(この書面において著作物の複製をしている場合の御注意)
本複製物は、著作権法の規定に基づき、特許庁が審査・審判等に係る手続に必要と認めた範囲で複製したものです。本複製物を他の目的で著作権者の許可なく複製等すると、著作権侵害となる可能性がありますので、取扱いには御注意ください。
審理終結日 2024-02-14 
結審通知日 2024-03-01 
審決日 2024-04-18 
出願番号 2021100999 
審決分類 T 1 8・ 261- Z (W30)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 板谷 玲子
特許庁審判官 馬場 秀敏
岩谷 禎枝
商標の称呼 アンドバーガー、アンド、エイエヌデイ、バーガー 
代理人 伊与田 美幸 
代理人 杉本 佳英 

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