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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W0942
管理番号 1411409 
総通号数 30 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2024-06-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-11-29 
確定日 2024-05-02 
事件の表示 商願2021−73426拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 手続の経緯
本願は、令和3年6月14日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年2月22日付け:拒絶理由通知書
令和4年3月17日 :意見書の提出
令和4年9月8日付け :拒絶査定
令和4年11月29日 :審判請求書、手続補正書の提出

2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第9類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定商品及び指定役務については、上記1の手続補正書により、別掲2のとおりの商品及び役務に補正されたものである。

3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「Sateraito Office」の緑色の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるところ、その構成中「Sateraito」の文字は、「本体から離れたもの」の意味を有する「サテライト」の語をローマ字表記したものと容易に認識されるものであり、また、構成中の「Office」の文字は「事務所」の意味を有する語であることからすると、本願商標は全体として「本体から離れた事務所」ほどの意味合いを想起させるものである。また、企業又は団体の本拠から離れた場所に設置されたオフィスが「サテライトオフィス」と称されている実情もうかがえることから、本願商標をその指定商品・指定役務中「サテライトオフィスに関連する商品・役務」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に商品の品質・役務の質を普通に用いられる方法で表示しているものと認識するにすぎないというのが相当である。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品及び役務以外の商品及び役務に使用するときは、商品の品質及び役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号の該当性について
本願商標は、別掲1のとおり、「Sateraito Office」の欧文字を緑色で横書きしてなるところ、その構成中「Sateraito」の文字は、「本体から離れたもの」(広辞苑第7版、岩波書店)の意味を有する「サテライト」の語をローマ字表記したものと容易に認識されるものであり、また、構成中の「Office」の文字は「事務所」(ジーニアス英和辞典第5版、大修館書店)の意味を有する語である。
また、本願商標の指定商品及び指定役務は、「サテライトオフィスに関連する」商品及び役務であること、及び原審において示した事実にみられるとおり、「サテライトオフィス」の語が「企業や団体の本拠から離れた所に設置されたオフィス」を表す語として一般的に使用されていることからすれば、本願商標は全体として「企業や団体の本拠から離れた所に設置されたオフィス」の意味を理解、認識させるものとみるのが相当である。
そうすると、本願商標をその指定商品・指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に商品の品質・役務の質を普通に用いられる方法で表示しているものと認識するにすぎないというべきである。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する。
(2)本願商標の商標法第3条第2項該当性について
請求人は、本願商標は、使用された結果、需要者が請求人の業務に係る商品又は役務であることを認識することができるものであり、商標法第3条第2項の要件を充足しており、本願商標の登録は認められるべきである旨主張している。
そこで、請求人の主張及び同人が提出した甲第1号証ないし甲第159号証を参照し、以下、本願商標の使用による自他商品及び自他役務の識別性(本願商標の商標法第3条第2項該当性)について検討する(なお、本審決において、甲各号証の表記にあたっては、「甲○」のように省略して表示する場合がある。)。
ア 事実認定
請求人の提出に係る証拠及び同人の主張によれば、次の事実が認められる。
(ア)請求人は、本願商標と他の商標とを組み合わせた別掲3のとおりの構成からなる標章(以下「使用標章1」という。)又は別掲4のとおりの構成からなる標章(以下「使用標章2」という。)を、請求人の業務に係る商品・サービスに関するウェブ広告等に使用している。
(イ)請求人は、本願商標を使用している商品及び役務について、指定商品又は指定役務と使用する商品又は役務とが厳密には一致しないかもしれないが、取引の実情を考慮して、指定商品又は指定役務と使用する商品又は役務の同一性が損なわないと認められるべきものである旨主張する。なお、職権調査によれば、請求人のウェブサイトには、「サテライト環境で企業様をビジネス支援するサービスを展開しています。Google社@Google Workspace、マイクロソフト社@Microsoft 365、LINE WORKS、Dropbox Business、Facebook社@Workplace by Facebookなどのクラウドコンピューティングに特化し、SaaS型サービスのビジネス支援を展開しております。また、オフショア拠点として、ベトナムに、現地100%子会社(サテライトオフィス・ベトナム)を設立し、オフショア開発の業務を推進!AI(ChatGPT関連)・ロボット・IoTビジネスも拡大中です。」と記載がある。
(ウ)請求人は、使用標章1を使用したウェブ広告を令和4年1月1日から同年11月まで継続して行っており、その再生回数は、令和4年1月から同年6月の6か月で、7,795,214回である(甲1〜甲7)。
(エ)請求人は、使用標章1を使用したテレビ放送の動画広告を令和4年6月1日から同年11月まで継続して行っており、その放送回数は、令和4年6月から同年9月の4か月で、187回である(甲8〜甲36の2)。
(オ)請求人は、使用標章1を使用した雑誌広告を令和3年2月12日から同4年11月まで継続して行っており(甲37の1〜甲43)、その雑誌の発行部数は、令和4年8月から同年9月の2か月の部数だけで、約621,211部である。
(カ)請求人は、使用標章1を使用した新聞広告を令和2年11月27日に行っており(甲44)、その発行部数は、約5,000,000部である。また、使用標章1を使用した新聞広告を令和4年10月24日に行っており、その発行部数は、約1,730,334部である(甲45)。
(キ)請求人は、請求人に関する記事を請求人以外が運営するインターネットで発信する際に、使用標章1又は使用標章2を使用しており、使用期間は、平成23年7月からである。
(ク)請求人は、自身のウェブサイトにおいて、本願商標と他の商標を結合させた別掲5の構成からなる標章(以下「使用標章3」という。)を使用しており、使用期間は、平成23年7月からである。
(ケ)請求人の提供する商品又はサービスを導入している企業数は、令和4年11月時点で、60,759社である。
イ 判断
上記アで認定した事実によれば、請求人はサテライトオフィスを有する企業向けの事業を行っており、自身の提供する商品又はサービスを導入している企業は一定数おり、本願商標を含む標章を使用して自身の業務に関する広告を行っていることなどが認められる。
しかしながら、本願商標は、使用標章1ないし使用標章3のとおり、識別力を有すると考えられる図形を含む他の商標との組み合わせで常に使用されていること、本願商標が上記(1)のとおり、本願商標の指定商品及び指定役務の品質又は質を文字で記載しているにすぎず、その態様も特徴あるものではないこと、及び「サテライトオフィス」の語が「企業や団体の本拠から離れた所に設置されたオフィス」を表す語として一般的に使用されていることからすれば、本願商標のみがその需要者、取引者の印象に残るとは考えられない。また、本願商標の指定商品及び指定役務の内、いずれの商品及び役務に対して使用しているのかが明確ではない。加えて、広告期間等は、長期にわたるものではない。
以上のことに鑑みれば、請求人に係る商品及び役務が、本願商標の指定商品及び指定役務を取り扱う分野において一定程度知られていることはうかがえても、本願商標が、その指定商品及び指定役務に使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができるに至っていると認めることはできない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第2項の要件を具備するものとはいえない。
(3)まとめ
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、かつ、同条第2項の要件を具備しないから、これを登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲

別掲1 本願商標(色彩は原本参照。)


別掲2 本願商標の指定商品及び指定役務
第9類「サテライトオフィスに関連する電子計算機用プログラム,サテライトオフィスに関連するコンピュータ用プログラム」
第42類「サテライトオフィスに関連する電子計算機のコンピュータプログラムの設計・作成又は保守,サテライトオフィスに関連するコンピュータソフトウェアの設計・作成又は保守,サテライトオフィスに関連するアプリケーションソフトウェアの設計・作成又は保守,サテライトオフィスに関連する電子計算機用プログラムの提供,サテライトオフィスに関連するコンピュータソフトウェアの提供,サテライトオフィスに関連するオンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),サテライトオフィスに関連するクラウドコンピューティング,サテライトオフィスに関連するコンピュータソフトウェアプラットフォームの提供(PaaS)」

別掲3 使用標章1


別掲4 使用標章2


別掲5 使用標章3



(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合の御注意) 本複製物は、著作権法の規定に基づき、特許庁が審査・審判等に係る手続に必要と認めた範囲で複製したものです。本複製物を他の目的で著作権者の許可なく複製等すると、著作権侵害となる可能性がありますので、取扱いには御注意ください。
審理終結日 2024-03-01 
結審通知日 2024-03-05 
審決日 2024-03-21 
出願番号 2021073426 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W0942)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 山田 啓之
特許庁審判官 渡邉 あおい
藤村 浩二
商標の称呼 サテライトオフィス、サテライト、オフィス 
代理人 加藤 来 

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