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審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 取り消して登録 W35
管理番号 1410379 
総通号数 29 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2024-05-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2023-05-11 
確定日 2024-05-16 
事件の表示 商願2022- 11166拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願商標は、登録すべきものとする。
理由 1 手続の経緯
本願は、令和4年2月1日に登録出願されたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年 7月12日付け:拒絶理由通知書
令和4年 9月29日付け:意見書、手続補正書
令和5年 2月 8日付け:拒絶査定
令和5年 5月11日付け:審判請求書
令和5年12月26日付け:審尋
令和6年 3月27日付け:手続補正書

2 本願商標
本願商標は、「しまむらオンラインストア」の文字を標準文字で表してなり、第35類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定役務については、原審及び当審における上記1の手続補正により、最終的に、第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」に補正されたものである。

3 原査定の拒絶の理由の要旨
本願商標は、「しまむらオンラインストア」の文字を標準文字で表してなるところ、構成中「しまむら」の文字は、ありふれた氏の一つである「島村」を平仮名で表したものと理解され、「オンラインストア」の文字は、「インターネット上で商品を販売するウェブサイト」を意味する語であり、「○○(店舗の名称) ONLINE STORE(オンラインストア)」などとして一般に使用されている実情も考慮すれば、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接する取引者、需要者は、「(全国に多数存在する)島村姓を有する者が行うオンラインストア」程の意味合いを理解するにとどまり、何人かの業務に係る役務であるかを認識し得ない。
また、出願人が提出した証拠によっては、本願商標がその指定役務について使用された結果、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができるに至ったものとは認められない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。

4 当審における審尋
当審において、請求人に対し、令和5年12月26日付け審尋により、請求人の提出した証拠によっては、本願商標が、その指定役務との関係において、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができる商標か否かを判断することができない旨の合議体の暫定的見解を通知し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。

5 審尋に対する請求人の回答
請求人は、前記4の審尋に対し、令和6年3月27日付けの手続補正書により、本願の指定役務を上記2のとおりの役務に補正した。

6 当審の判断
本願商標は、「しまむらオンラインストア」の文字を標準文字で表してなるところ、その構成文字は、同じ大きさ及び書体で、まとまりよく一体的に表され、これより生じる「シマムラオンラインストア」の称呼も、よどみなく一連に称呼できるものである。
そして、請求人提出の証拠によれば、請求人は、ややデザイン化された「しまむら」の文字を、遅くとも1980年から現在まで43年間継続して、本願の補正後の指定役務に係る小売店の名称として、店舗の看板や案内板、折込チラシ、持ち帰り用袋、請求人のウェブサイト等において使用していること(甲1~甲80、甲90)、請求人の小売店舗は2023年4月時点で全国47都道府県にわたって展開され、店舗数は1,418にのぼること(甲26)、折込チラシについては全店舗において週1回の頻度で、1店舗あたり1万枚以上頒布されたこと(甲20~甲25、甲56)、持ち帰り用袋については2022年度の1年間に全国で1億5千万枚以上提供されたこと(甲79、甲80)、2013年及び2016年に実施されたファッション分野のアンケート調査において、請求人(しまむら)が8割以上の高い認知度を有していたこと(甲94、甲95)等の事実を確認することができ、これらの事実を踏まえれば、上記「しまむら」の名称の小売店は、我が国の需要者の間において広く認知されていたと考えられる。
加えて、請求人は、「しまむらオンラインストア」の名称により、実際にインターネット上で被服等の小売の業務を行っている(甲108)。
さらに、当審において職権をもって調査するも、本願の補正後の指定役務を取り扱う業界において、「しまむらオンラインストア」又はこれに類する文字が、小売店名等を表示するものとして取引上一般に使用されている事実は発見できず、さらに、本願商標に接する取引者、需要者が、当該文字を何人かの業務に係る役務であることを認識できないというべき事情も発見できなかった。
そうすると、本願商標は、それに接する需要者をして、原審認定のような意味合いの語というよりも、請求人の運営する小売店の名称にも通じ得る一連一体の語を表してなると認識、理解されるというべきであって、これをその補正後の指定役務に使用しても、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものである。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第6号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、取消しを免れない。
その他、本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲
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審決日 2024-05-02 
出願番号 2022011166 
審決分類 T 1 8・ 16- WY (W35)
最終処分 01   成立
特許庁審判長 旦 克昌
特許庁審判官 阿曾 裕樹
小林 裕子
商標の称呼 シマムラオンラインストア、シマムラ、オンラインストア 
代理人 石原 進介 

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