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審決分類 審判 査定不服 商3条1項3号 産地、販売地、品質、原材料など 登録しない W0942
管理番号 1405900 
総通号数 25 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2024-01-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-09-20 
確定日 2023-12-14 
事件の表示 商願2021−99336拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 1 手続の経緯
本願は、令和3年8月10日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
令和4年3月16日付け:拒絶理由通知書
令和4年5月2日 :手続補正書、意見書の提出
令和4年6月15日付け:拒絶査定
令和4年9月20日 :審判請求書の提出

2 本願商標
本願商標は、別掲1のとおり、「AICAD」の欧文字及び「エーアイキャド」の片仮名文字を上下二段に書してなり、第9類及び第42類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として登録出願されたものであり、その後、指定商品及び指定役務については、上記1の手続補正により、別掲2のとおりの商品及び役務に補正されたものである。

3 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、「AICAD」の欧文字と、「エーアイキャド」の文字とを普通に用いられる方法で二段に横書きしてなるものである。その構成中の「AI」及び「エーアイ」の文字は「人工知能」、「CAD」及び「キャド」の文字は「コンピューター援用設計」の意味を有する語としてそれぞれ一般的に知られているものであり、本願商標はそれらの語を結合させたものと容易に理解されるものである。そして、実際に、本願商標の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、AIを活用したCADの取引が行われている実情が認められる。そうすると、本願商標を、その指定商品及び指定役務に使用した場合、これに接する取引者、需要者に、「AIを活用したCADに係る商品や役務」であることを認識させるにとどまるものですから、商品の品質及び役務の質を普通に用いられる方法で表示するものといわざるを得ない。したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当し、上記以外の商品及び役務に使用するときは、商品の品質及び役務の質の誤認を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

4 当審の判断
(1)商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の該当性について
本願商標は、上記2のとおり、「AICAD」の欧文字及び「エーアイキャド」の片仮名文字を上下二段に書してなるところ、下段に書された「エーアイキャド」の文字は、上段の「AICAD」の読みを片仮名表記したものと一致することから、「AICAD」の読みを表しているとみるのが相当である。
そして、その構成中の「AI」の文字は「人工知能。」の意味(大辞泉第2版、小学館)を、「CAD」の文字は「コンピューター援用設計。」の意味(前掲書)を表すものとして、本願商標の指定商品及び指定役務を取り扱う分野において、それぞれ一般的に知られているものである。
また、原審において示した別掲3の事実に加え、別掲4の事実のとおり、本願商標の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、AIを活用したCADが実在している事実が認められる。
加えて、本願商標は、上下二段に書してなるものの、書体等を含めても特殊な態様であるとはいい得ないものであって、普通に用いられる方法の範囲内で表示したものと理解、認識されるにすぎないというのが相当である。
以上のことからすれば、本願商標を、指定商品及び指定役務中「AIを活用したCADに係る商品や役務」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、単に、その商品が「AIを活用したCADに係る商品や役務」であることを理解、認識するにとどまり、本願商標は、商品の品質及び役務の質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなるものというべきである。また、本願商標をその指定商品及び指定役務中「AIを活用したCADに係る商品や役務」以外の指定商品及び指定役務に使用する場合は、商品の品質及び役務の質の誤認を生ずるおそれがあるとみるのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標は、構成上まとまりよく一体的に表されており、「AI」の文字及び「CAD」の文字が極めて多義語なことも加えると、これに接する需要者、取引者がただちに「AIを活用したCADに係る商品や役務」の意味合いを認識するとは考えられない旨主張している。
しかしながら、上段の「AICAD」の文字は下段の「エーアイキャド」文字がその読みを特定しており、かつ、別掲3及び別掲4の事実のとおり、本願商標の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、AIを活用したCADが実在している事実があることからすれば、本願商標に接する需要者、取引者は、本願商標が一般的に広く知られている「AI」及び「CAD」の文字を結合してなるものと認識するとみるのが相当であり、そこから「AIを活用したCADに係る商品や役務」であることを認識するとみるのが相当である。
したがって、請求人のかかる主張は、採用することができない。
イ 請求人は、過去の登録例を挙げ、本願商標も同様に判断されるべきである旨主張する。
しかしながら、登録出願に係る商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるか否かの判断は、当該登録出願の査定時又は審決時において、当該商標の構成態様と指定商品の取引の実情等に基づいて、個別具体的に判断されるべきものであるところ、本件については、上記(1)のとおり判断するものであるから、請求人の挙げた商標登録例があることが、本件の判断を左右するものではない。
したがって、請求人のかかる主張は、採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。

別掲

別掲1 本願商標



別掲2 補正後の本願商標の指定商品及び指定役務
第9類「歯科用のコンピュータ支援設計/コンピュータ支援製造のためのコンピューターソフトウェア(CAD/CAM),コンピュータソフトウェア,電子計算機用プログラム,アプリケーションソフトウェア,ヘッドマウントディスプレイ,業務用テレビゲーム機用ソフトウェア,テレビゲーム機用ソフトウェア,家庭用・業務用・コンピュータ用ゲームソフトウェア,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,携帯情報端末,インターネットを利用して受信し及び保存することができる音楽ファイル,録音済みのコンパクトディスク・その他の録音済み記録媒体,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みのビデオテープ・ビデオディスク・磁気ディスク・光ディスク・CD−ROMその他の録画済み記録媒体,電子出版物,電子楽器用自動演奏プログラムを記憶させた電子回路及びCD−ROM,3Dスキャナー,コンピュータ用スキャナー,スキャニング用コンピュータソフトウェア,データ変換用コンピュータソフトウェア,データ処理用の電子計算機用プログラム,画像処理用コンピュータプログラム及びソフトウェア,撮影したデジタル画像の編集及び合成用コンピュータソフトウェア,その他のコンピュータ用プログラム及びソフトウェア,計測機械器具,三次元形状計測装置,その他の測定機械器具,データ処理装置及び機器,運動技能訓練用シミュレーター,映画機械器具,画像処理装置,画像表示装置,光学機械器具,写真機械器具,乗物運転技能訓練用シミュレーター,製図用又は図案用の機械器具,電気計算機」
第42類「歯科用のコンピュータ支援設計/コンピュータ支援製造のためのコンピューターソフトウェア(CAD/CAM)の開発・設計・作成又は保守,歯科用のコンピュータによる支援設計/コンピュータ支援製造のためのコンピューターソフトウェア(CAD/CAM)の提供,電子計算機用プログラムの提供,オンラインによるアプリケーションソフトウェアの提供(SaaS),クラウドコンピューティング,コンピュータウェブサイトのホスティング,コンピュータサイトのホスティング(ウェブサイト),ウェブサイトにおけるサーバの記憶領域の貸与,サーバの記憶領域の貸与及びこれに関する情報の提供,インターネットにおけるサーバの記憶領域の貸与,クラウドコンピューティングの形態によって行われるコンピュータウェブサイトのホスティング,サーバのホスティング,電子計算機の貸与,電子計算機プログラムの設計・作成又は保守,電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守に関する調査・分析又は助言,電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守に関する情報の提供,電子計算機用プログラムの環境設定・インストール及びその機能の拡張・追加,通信ネットワークシステムの設計・企画・構築又は保守,通信ネットワークシステムに関する調査・分析又は助言,電子計算機システムの設計・作成・構築又は保守,電子計算機システムの設計・作成・構築又は保守に関する調査・分析又は助言,電子計算機システムの設計・作成・構築又は保守に関する情報の提供,ウェブサイトの作成又は保守,電子商取引における利用者の認証,電子計算機を用いて行う情報処理,インターネットにおけるホームページの作成,コンピュータデータベースへのアクセスタイムの賃貸,インターネット用サーバの貸与,電子応用機器・電気通信機器の設計,機械器具に関する試験又は研究,電子計算機・自動車その他の用途に応じて的確な操作をするためには高度の専門的な知識・技術又は経験を必要とする機械の性能・操作方法等に関する紹介及び説明,コンピュータプログラムの故障診断及びウィルス検査,電子計算機システム監査,コンピュータネットワークシステムのセキュリティ対策に関する診断又はコンサルティング,通信ネットワークシステムのセキュリティ対策に関する診断又はコンサルティング,電子計算機用プログラムの動作の検証,電子計算機用プログラムの動作の検証についての助言及び指導,電子計算機システムの動作の確認検証,電子計算機システムの動作の確認検証についての助言及び指導,コンピュータシステムの遠隔監視,通信ネットワークシステムにおける障害の遠隔監視,コンピュ−タにおけるウィルスの検出・排除及び感染の防止・パスワ−ドに基づくインタ−ネット情報及びオンライン情報の盗用の防止並びにコンピュ−タにおけるハッカ−の侵入の防止等の安全確保のための監視及び通報及びそれらの安全確保に関する情報の提供,電子計算機を用いて行うデータ処理,コンピュータによるデータ及び情報処理,コンピュータ・アプリケーションソフト・コンピュータネットワークシステム・コンピュータソフトウェアに関する問題のトラブルシューティング(技術支援),コンピュータの操作又はコンピュータプログラムの使用マニュアルの作成,ヘルプデスクによるコンピュータハードウェア・コンピュータソフトウェア及びコンピュータ周辺機器の操作方法に関する技術的助言,情報技術(IT)基盤についてのサービスデスク・ヘルプデスクによる技術的助言,コンピュータシステムにおけるデータのバックアップ処理及びこれに関するコンサルティング・助言及び情報の提供,コンピュータデータ回復及びこれに関するコンサルティング・助言及び情報の提供,コンピュータプログラムのインストール,コンピュータソフトウェアの環境設定・インストール・故障診断・修理・改良及び保守,コンピュータソフトウェアのインストール・保守及び修正,コンピュータシステムの設計・作成又は保守並びにこれらに関する情報の提供及びコンサルティング,コンピュータソフトウェアの貸与,デザインの考案(広告に関するものを除く。),機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらにより構成される設備の設計,機械・装置若しくは器具(これらの部品を含む。)又はこれらの機械等により構成される設備の設計,気象情報の提供,計測器の貸与,建築物の設計,建築又は都市計画に関する研究,測量,通信ネットワークシステムの設計・作成又は保守並びにこれらに関する情報の提供及びコンサルティング,電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守並びにこれらに関する情報の提供及びコンサルティング,コンピュータソフトウェアプラットフォームの提供(PaaS)」

別掲3 本願商標の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、AIを活用したCADが実在している事実(原審で開示済み)
(1)「CAPA」のウェブサイトにおいて、「AIは建設業製造業にも影響するか?AIでCADはどう変わる?」の見出しの下、「建設業におけるAI活用/建設分野でもAI活用の試みは広がっており/ArchiCADを使ったBIMとAIを連携させて最も効率的な仮設工事や工程を検討する(鹿島建設)」の記載がある。
https://www.capa.co.jp/archives/29045
(2)「NaFla−ナカシマ未来研究所−」のウェブサイトにおいて、「AI×図面:図面内の手書きマークをAIが判定しCADデータに置換」の見出しの下、「システム概要/「AI×図面」は、図面内に手書きで記載したマークをAIが判定し事前に学習させた形状に置換させることが可能です。住宅の水道工事で現調に行った際に図面内に手書きでマークを書き込み、事務所に戻って紙図面をスキャンしCADに読み込むことで自動的にマークが置換されます。また、ラスタベクタ変換技術を用いて建物の躯体形状もCADデータに変換、更に自動設計機能を掛け合わせることで水道配管設計を自動的に行います。」の記載がある。
http://www.nafla.jp/works/aixzumentegaki/
(3)「MONOist」のウェブサイトにおいて、「AIなどの先進技術で生産性を高めた3D CAD 「NX」の最新版」の見出しの下、「Siemens Digital Industries Software(シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア)は2022年2月10日、Xcelerator製品ポートフォリオとして、3D CADソフトウェア「NX」の最新版を発表した。AI(人工知能)や高度なシミュレーションなどの先進技術により、生産性や機能を向上させた。」の記載がある。
https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/2202/25/news035.html
(4)「Housing Tribune Online」のウェブサイトにおいて、「AI活用し、意匠図からプレカットCAD連携データまで一気通貫で作成」の見出しの下、「人手不足による長時間労働への対応は住宅業界でも喫緊の課題だ。ホームエクスプレス構造設計は意匠図データを基に、構造計算書からプレカットCAD連携データまでをAIを活用し、自動生成するサービス「構造エクスプレス」を展開。」の記載がある。
https://htonline.sohjusha.co.jp/611-066/
(5)「@Press」のウェブサイトにおいて、「AIが歯をつくる。「人工知能を活用した歯科用CADプログラム」特許取得のお知らせ 1歯20秒程度で歯科技工物をデザイン」の見出しの下、「DSヘルスケアグループのデンタルサポート株式会社(千葉県千葉市、代表取締役社長:清水 睦博)は、歯科技工物(補綴物)をデザインする歯科用CADにAIを用いたプログラムに関しまして、日本における特許を取得いたしました。/■AIを活用することで、1歯20秒程度で歯のデザインが完成/当プログラムは、パソコンの画面上で歯をデザインする歯科用CADプログラムにAIを活用したものです。従来は15分程度の時間がかかっていましたが、AIを活用することによって20秒程度でデザインが完成します。さらにAIは学習していくことから、症例数が増えるほど精度が高まります。」の記載がある。
https://www.atpress.ne.jp/news/154702

別掲4 本願商標の指定商品及び指定役務を取り扱う業界において、AIを活用したCADが実在している事実
(1)「AUTODESK」のウェブサイトにおいて、「コンピューター支援設計(CAD)のトレンドとイノベーション」の見出しの下、「AIの利用が拡大」の項に、「人工知能(AI)は、医療、金融、エンターテイメントなど、多くの業界で活用されています。CADテクノロジーをAIと組み合わせて使用することで、機能の自動化、設計モデルの最適化、タスクの完了時間の短縮を実現できます。」の記載がある。
https://www.autodesk.com/products/fusion-360/blog/ja/computer-aided-design-cad-trends-innovations/
(2)「一般社団法人 人工知能学会」のウェブサイトにおいて、「【記事更新】教養知識としてのAI〔第5回〕造船設計とAI」の見出しの下、「6.造船設計の課題とAI」の項に、「造船会社では、人手不足を補いながら、生産性を向上させることが喫緊の経営課題となっており、造船産業における共通の重要課題です。設計者の数は、減少しています。設計者不足を補う解決策の一つは、設計者と同程度の知能をもった汎用人工知能をCADシステムに搭載して、設計業務で協働できるパートナーに育てていくことだと考えます。そのために、汎用人工知能研究とその開発に取り組んでいく必要があると思います。」の記載がある。
https://www.ai-gakkai.or.jp/resource/ai_comics/comic_no5/
(3)「建設ITワールド」のウェブサイトにおいて、「AIで構造設計、プレカットまで自動化!BIMを超えた「構造エクスプレス」」の見出しの下、「こうしたプロセスを改善し、ビルダーやプレカット工場の作業を効率化しようと、住友林業の子会社であるホームエクスプレス構造設計(以下、HM−EX社)は、クラウドによる構造設計支援サービス「構造エクスプレス」を2020年8月1日に開始しました。/福井コンピュータアーキテクトの住宅設計用3次元CAD、「ARCHITREND ZERO」で作成した意匠設計データをクラウドにアップするだけで、ナ、ナ、ナ、ナント、AIが自動的に構造設計を行い、構造計算書や基礎・構造伏図、さらにはプレカットCADデータまでを作成してくれる画期的なサービスなのです。」の記載がある。
https://ken-it.world/it/2020/08/structural-express-by-ai.html

(行政事件訴訟法第46条に基づく教示) この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。 (この書面において著作物の複製をしている場合の御注意) 本複製物は、著作権法の規定に基づき、特許庁が審査・審判等に係る手続に必要と認めた範囲で複製したものです。本複製物を他の目的で著作権者の許可なく複製等すると、著作権侵害となる可能性がありますので、取扱いには御注意ください。
審理終結日 2023-09-29 
結審通知日 2023-10-03 
審決日 2023-10-26 
出願番号 2021099336 
審決分類 T 1 8・ 13- Z (W0942)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 鈴木 雅也
特許庁審判官 藤村 浩二
渡邉 あおい
商標の称呼 エーアイキャド、エイアイキャド 
代理人 外川 奈美 
代理人 大橋 啓輔 
代理人 青木 篤 

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