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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W33
管理番号 1405083 
総通号数 24 
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2023-12-28 
種別 異議の決定 
異議申立日 2023-03-06 
確定日 2023-11-30 
異議申立件数
事件の表示 登録第6655315号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6655315号商標の商標登録を維持する。
理由 1 本件商標
本件登録第6655315号商標(以下「本件商標」という。)は、「LOUISON」の欧文字及び「ルイゾン」の片仮名を上下2段に書してなり、令和4年9月20日に登録出願、第33類「洋酒,果実酒,酎ハイ,ワイン,シャンパン」を指定商品として、同年12月7日に登録査定、同月21日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立人が引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標に係る登録異議申立ての理由において、引用する商標は以下のとおりであり、これらをまとめて「引用商標」という。
(1)国際登録第667851号商標(以下「引用商標1」という。甲11)
商標の構成:LOUISE
国際登録日:1997年1月29日
(事後)指定国:オーストラリア、EU、オーストリア、ベネルクス、スイス、スペイン、イタリア、ポルトガル、ベトナム
指定商品:第33類「Alcoholic beverages(except beers)」
(2)登録第4141836号商標(以下「引用商標2」という。)
商標の構成:LOUISE
登録出願日:平成8年8月19日
設定登録日:平成10年5月1日
指定商品:第33類「洋酒,果実酒,日本酒,中国酒,薬味酒」
引用商標2は、現に有効に存続している。

3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に該当するものであるから、その登録は同法第43条の2第1項第1号により取り消されるべきであるとして、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第12号証(枝番号を含む。以下、枝番号のすべてを示すときは、枝番号を省略する。)を提出した。
(1)「LOUISE(ルイーズ)」ブランドのシャンパーニュについて
ア 申立人により製造されるシャンパーニュは、7つのブランドに分かれるが、そのうちの「Louise」ブランド、特に「Cuvee Louiseキュヴェ・ルイーズ」(決定注:「Cuvee」の4文字目の「e」の文字には、アクサン記号が付されている。以下同じ。)は、メゾンの伝統や遺産を引き継いだポメリー最上級のシャンパーニュであり、最高区画で育てられた葡萄のみを使用している(甲3の2)。
キュヴェ・ルイーズは、創業者であるマダム・ポメリーヘのオマージュでもあり、彼女が理想としたスタイルの象徴でもあり、さらに、Cuvee Louise キュヴェ・ルイーズには、「Cuvee Louise(キュヴェ・ルイーズ)」、「Cuvee Louise Rose(キュヴェ・ルイーズ・ロゼ)」(決定注:「Rose」の「e」の文字には、アクサン記号が付されている。以下同じ。)、「Cuvee Louise Nature(キュヴェ・ルイーズ・ナチュール)」の3種類が含まれる。
なお、「Cuvee Louise(キュヴェ・ルイーズ)」中の「Cuvee(キュヴェ)」は、ワインやシャンパーニュの等級を表す一種の記述的部分といえるから、商標「Cuvee Louise(キュヴェ・ルイーズ)」の要部が「Cuvee(キュヴェ)」(決定注:「Louise(ルイーズ)」の誤記と認める。)部分にあることはいうまでもない。
イ 申立人の製造・販売に係る「LOUISE/ルイーズ」ブランドのシャンパーニュは、日本の関連する取引者・需要者の間において、高級キュヴェ(cuvee/等級)シャンパーニュを指称するものとして長年に渡り広く知られている。「LOUISE/ルイーズ」は、ここ数年の間、申立人の日本向けシャンパーニュ商品の主力ブランドであり、安定した販売量と売上高を誇り、日本における2022年における「LOUISE/ルイーズ」ブランドのシャンパーニュの販売量は、約17,000ボトル、売上高は、日本円にして約2億7,700万円であり、日本における高級ビンテージワイン(prestige vintage)市場の約1.5%を占める(甲4)。
申立人は、フランス本国を中心とする世界各国並びに我が国における本件商標「LOUISE」ブランドのシャンパーニュの周知・著名性を示すために、申立人が2022年に「LOUISE」ブランドのシャンパーニュについて受賞した賞一覧(甲5)、申立人が日本向けウェブサイトにおいて2016年から現在までに発信したニュース一覧(甲6)、申立人により2019年及び2022年に開催された「LOUISE」ブランドのシャンパーニュ等に関するイベント資料(甲7)、「LOUISE」ブランドのシャンパーニュに関する新聞・雑誌記事や宣伝広告写し(甲8、甲9)、「LOUISE」ブランドのシャンパーニュについてSNS上で発信された記事(甲10)を示す。
以上の状況を考慮すると、申立人が製造・販売する「LOUISE/ルイーズ」ブランドのシャンパーニュは、本国フランスを中心とする世界各国や我が国において、少なくとも本件商標の登録出願日以前から現在に至るまで周知著名であったと考えるのが極めて妥当である。
(2)商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び/又は同項第15号該当性について
上述のとおり、本件商標は、ごく普通の活字体の欧文字と片仮名の2段併記により、「LOUISON/ルイゾン」と構成され、第33類のアルコール飲料を指定商品とする。
一方、申立人が欧州を中心とする世界各国並びに我が国において所有する引用商標は、欧文字で「LOUISE」と構成され、本件商標と同様に第33類のアルコール飲料を指定商品とする。
そこで、本件商標と引用商標を比較して検討すると、両商標はそれぞれの構成要素である7文字及び6文字の欧文字のうち冒頭からの5文字である「LOUIS」を共通とする。そうとすれば、両商標から生ずる称呼である「ルイゾン」及び「ルイーズ」の称呼聴別上重要な冒頭の2音である「ルイ」が共通することも考慮すれば、両商標は構成要素全体として極めて共通した印象を看者に与えるといわざるを得ない。
そうとすると、引用商標「LOUISE」が、アルコール飲料、特にシャンパーニュのブランドとして、フランスを中心とする世界各国並びに我が国の関連する取引者・需要者の間において極めて広く認識されていることを考慮すれば、両商標は外観及び称呼の近似性に基づく全体的印象の共通性により標章において相互に極めて類似すると考えるのが相当である。
また、本件商標と引用商標の指定商品は、ともに第33類のアルコール飲料に関係する商品であるから、両商標の指定商品が相互に同一又は類似する関係にあることはいうまでもない。
また、仮に、本件商標と引用商標が標章において相互に類似するとはいえない場合にあっても、外観及び称呼の近似性に基づく両商標の構成要素全体としての印象の共通性の高さはいうまでもないから、本件商標に接する我が国の関連する取引者・需要者は、本件商標に係る指定商品があたかも申立人の「LOUISE」ブランドの商品であるかのごとく商品の出所について混同するおそれがあるか、あるいは、申立人と経済的又は組織的に何等かの関係がある者の業務に係る商品であると誤認した結果、商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるといわざるを得ない。
そして、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある本件商標の登録を認めることが、商標の使用をする者の業務上の信用を維持し、需要者の利益を保護することを目的とする商標法の趣旨に反することはいうまでもない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び/又は同項第15号に違反して登録されたものである。

4 当審の判断
(1)引用商標の周知性について
ア 申立人の主張及び提出された証拠によれば、以下のとおりである。なお、甲第4号証、甲第5号証等の外国語により作成されたものについて、その訳文の提出がないものについては、その内容を正確に把握することができない。
(ア)申立人は、引用商標を使用した「LOUISE/ルイーズ」ブランドのシャンパン(以下「申立人商品」という。)を製造・販売しており、申立人商品には、「Cuvee Louise(キュヴェ・ルイーズ)」、「Cuvee Louise Rose(キュヴェ・ルイーズ・ロゼ)」、及び「Cuvee Louise Nature(キュヴェ・ルイーズ・ナチュール)」の3種類が含まれる(甲3の2)。
(イ)申立人商品の我が国における2022年の販売数量は、約17,000ボトル、売上高は日本円にして約2億7,700万円であり、日本における高級ビンテージワイン(prestige vintage)市場の約1.5%を占めるとされる(甲4、申立人の主張)。しかしながら、甲第4号証の作成者及び出典等が明らかではなく、また、売上高及びシェアを示す証拠の提出もないことから、上記売上高等を客観的に把握することができない。
(ウ)申立人商品は、2022年にいくつかの賞を受賞したとされる(甲5、申立人の主張)。しかしながら、これがどのような賞(開催国、規模、歴史、参加者数等)であるのかについて記載がなく、その内容について把握することができない。
(エ)申立人は、日本向けウェブサイトにおいて、2016年から現在までに継続的にニュースを発信したことはうかがえる(甲6)。しかしながら、甲第6号証には、見出しのみが記載されており、記事の内容が不明であるばかりか、申立人商品についての記載がない記事が多数見受けられ、また、当該ウェブサイトの閲覧数等も不明である。
(オ)申立人は、2022年に申立人商品等に係るイベントを開催したとされる(甲7の2、申立人の主張)。しかしながら、当該イベントがいかなる目的(例えば、申立人商品の広告・宣伝のため。)で開催されたものであるのか、また、その内容(規模、参加者数等)が不明である。また、甲第7号証の2が示す資料の頒布先、頒布枚数等も不明である。
(カ)申立人商品に関する記事や宣伝広告が、新聞及び雑誌に掲載されたことはうかがえる(甲8、甲9)。しかしながら、甲第8号証及び甲第9号証が示す新聞及び雑誌について、その頒布地域、頒布数及び掲載回数等の記載がなく、確認することができない。
(キ)申立人商品に関する記事がSNS上で発信したとされる(甲10、申立人の主張)。しかしながら、甲第10号証は、その多くを占める外国語による記事が、我が国の需要者に向けて発信された記事とは考え難く、発信者や記事の内容等も不明である。また、日本語による記事についても、飲食店等で提供されている申立人商品の写真を単に個人が掲載しているにすぎないと思われるものが多い。さらに、同号証における記事の閲覧数、共有数等も不明である。
イ 上記アの事実によれば、申立人は、申立人商品を製造し、日本において高級ビンテージワインとして販売していることがうかがえるとしても、申立人の主張及び同人が提出した証拠によっては、申立人商品の日本国内又は外国における売上高、販売数量などの販売実績はもとより、市場シェア、広告宣伝の規模等について、客観的に判断し得る証拠の提出が認められないことから、引用商標の周知性を立証する証拠としては不十分なものといわざるを得ない。
したがって、引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできないものである。
(2)商標法第4条第1項第11号該当性について
ア 本件商標について
本件商標は、上記1のとおり、「LOUISON」の欧文字及び「ルイゾン」の片仮名を上下2段に書してなるところ、下段に表された片仮名は、上段の欧文字の読みを特定するために書されたものというべきであり、その構成文字に相応して、「ルイゾン」の称呼を生じ、当該文字は、辞書等に載録がない語であることから、特定の観念を生じない。
イ 引用商標について
引用商標1は、我が国を指定するものではなく、商標法第4条第1項第11号該当性を判断するための引用商標たり得ないことから、以下、引用商標2について検討する。
引用商標2は、上記2(2)のとおり、「LOUISE」の欧文字を書してなるところ、その構成文字に相応して、「ルイーズ」の称呼が生じ、当該文字は、辞書等に載録がない語であることから、特定の観念を生じない。
ウ 本件商標と引用商標2との類否について
本件商標の欧文字部分と引用商標2とは、語頭からの「LOUIS」の欧文字において共通するとしても、当該文字に続く「ON」と「E」の文字に差異を有し、かつ、本件商標は、欧文字と片仮名の2段書きの構成からなるところ、欧文字のみからなる引用商標2とは、その構成において明らかな差異を有することから、外観において相紛れるおそれはない。
また、本件商標から生じる「ルイゾン」の称呼と引用商標2から生じる「ルイーズ」の称呼は、ともに4音からなり、語頭部分における「ルイ」の音を共通にするとしても、それに続く「ゾン」の音と「イ」の音に帯同する長音「ー」及び「ズ」の音に差異を有し、4音という短い音構成にあっては、その差異音が全体の称呼に大きく影響し、両者を一連に称呼する場合、明確に聴別し得るものである。
さらに、観念において、本件商標及び引用商標2からは、特定の観念は生じないから、両商標は観念において比較することができない。
以上からすると、本件商標と引用商標2とは、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において、明らかに相違し相紛れるおそれがない非類似の商標である。
エ 小括
以上のとおり、本件商標と引用商標2は非類似の商標であるから、両商標の指定商品が同一又は類似するとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものといえない。
(3)商標法第4条第1項第10号該当性について
本件商標と引用商標2とは、上記(2)のとおり非類似の商標であることからすれば、引用商標2と同一の文字構成からなる引用商標1についても同様に、本件商標とは非類似の商標といえるものである。
また、引用商標は、上記(1)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めることができない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。
(4)商標法第4条第1項第15号該当性について
ア 引用商標の周知性について
引用商標は、上記(1)のとおり、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の需要者の間に広く知られているとはいえない。
イ 本件商標と引用商標の類似性の程度について
本件商標と引用商標とは、上記(2)及び(3)のとおり、類似するものとはいえない別異のものであるから、本件商標と引用商標との類似性の程度は低いといえる。
ウ 本件商標の指定商品と申立人の業務に係る商品の関連性、需要者の共通性について
本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は、同一又は類似するアルコール飲料を指定しているものであるから、その関連性を有し、需要者を共通するといえる。
エ 出所の混同のおそれについて
上記アないしウからすると、本件商標と引用商標の指定商品とが関連性があり、その需要者を共通にするとしても、引用商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたと認めることができない。
また、本件商標と引用商標とは、類似しないものであるから、類似性の程度は低いものである。
そうすると、本件商標権者が本件商標をその指定商品について使用をした場合、これに接する取引者、需要者が、引用商標を連想、想起し、申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係のある者の業務に係る商品であると誤認し、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものである。
その他、本件商標が出所の混同を生じさせるおそれがあるというべき事情は見いだせない。
オ 小括
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
(5)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同項第11号及び同項第15号に該当するとはいえず、他に同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。

別掲
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異議決定日 2023-11-21 
出願番号 2022108132 
審決分類 T 1 651・ 251- Y (W33)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 高野 和行
特許庁審判官 豊瀬 京太郎
板谷 玲子
登録日 2022-12-21 
登録番号 6655315 
権利者 株式会社オーク
商標の称呼 ルイゾン、ルイソン 
代理人 外川 奈美 
代理人 青木 篤 
代理人 大橋 啓輔 

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