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審決分類 審判 一部申立て  登録を維持 W093541
管理番号 1401999 
総通号数 21 
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2023-09-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2023-06-02 
確定日 2023-09-07 
異議申立件数
事件の表示 登録第6684193号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6684193号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6684193号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、令和4年9月9日に登録出願、第9類、第35類及び第41類に属する別掲2のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同5年2月14日に登録査定され、同年3月27日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件登録異議の申立てにおいて引用する登録第6658654号商標(以下「引用商標」という。)は、「SEED BLUE PROJECT」の欧文字を標準文字で表してなり、令和4年7月29日に登録出願、第9類、第40類及び第41類に属する別掲3のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、同年12月8日に登録査定され、同5年1月4日に設定登録されたものである。

第3 登録異議の申立ての理由の要点
申立人は、本件商標は、その指定商品及び指定役務中、第9類「眼鏡,眼鏡の部品及び附属品」、第35類「時計及び眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」及び第41類「セミナーの企画・運営又は開催,技芸・スポーツ又は知識の教授,インターネットを利用して行う映像の提供,インターネットを利用して行う音楽の提供」について、商標法第4条第1項第11号に該当するものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録が取り消されるべきであるとして、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
1 本件商標について
本件商標は、上部に眼鏡の枠を彷彿させる図形と、その下に普通の書体による「See Blue Project」の英文字を配してなり、当該英文字部分から、「シーブループロジェクト」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。
2 引用商標について
引用商標は、「SEED BLUE PROJECT」の英文字(標準文字)からなり、そのつづりから、「シードブループロジェクト」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。
3 商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標の称呼は10音、引用商標の称呼は11音からなり、共に冗長であるにもかかわらず、両商標の称呼上の相違は、わずかに中間音の「ド」のみであり、その他の10音は共通しているものである。そして、この相違に係る「ド」も、語頭やアクセントが置かれる音ではなく、中間に位置する弱い音として他の10音に埋没し得る相違である。したがって、両商標は、称呼において類似と判断されるべきものである。
また、観念においては、両商標は比較し得ないものである。
そして、引用商標の指定商品及び指定役務と、申立に係る本件商標の指定商品及び指定役務は同一又は類似する。
以上から、本件商標は、引用商標との関係で、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものである。

第4 当審の判断
1 商標法第4条第1項第11号の該当性について
(1)本件商標について
ア 本件商標は、別掲1のとおり、上段に眼鏡の枠を連想させる図形部分(左右の丸枠内にはマイナス記号とプラス記号がそれぞれ配されている。)と、下段に「See Blue Project」の欧文字を配してなり、文字部分には均一に、図形部分には濃淡をつけて、青色に着色した構成からなるものであるところ、これら図形部分と文字部分とは、相互に特段の関連性を見いだすことはできず、また、本件商標の指定商品及び指定役務との関係で品質等を表すなどの事情も認められないから、それぞれが独立して自他商品役務の識別標識としての機能を果たすものである。
そうすると、本件商標からは、その構成中の「See Blue Project」の文字部分を要部として抽出し、他の商標と比較することも許される。
イ 本件商標の要部である「See Blue Project」の文字部分は、全体として辞書等に掲載されているものではなく、また、特定の意味合いをもって知られているというような事情も見いだせないものである。そして、その構成中の「See」は「見える」、「Blue」は「青」、「Project」は「計画」をそれぞれ意味する平易な英単語(ジュニアクラウン中学英和辞典第14版)であるところ、これらを一連に並べても具体的な意味合いを認識することができないものであるから、これより出所識別標識としての観念は生じないというべきである。
したがって、本件商標は、その要部である「See Blue Project」の文字部分から、その構成文字に相応して「シーブループロジェクト」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。
(2)引用商標について
引用商標は、前記第2のとおり、「SEED BLUE PROJECT」の欧文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、全体として辞書等に掲載されているものではなく、また、特定の意味合いをもって知られているというような事情も見いだせないものである。そして、その構成中の「SEED」は「種」、「BLUE」は「青」、「PROJECT」は「計画」をそれぞれ意味する平易な英単語(ジュニアクラウン中学英和辞典第14版)であるところ、これらを一連に並べても具体的な意味合いを認識することができないものであるから、これより出所識別標識としての観念は生じないというべきである。
したがって、引用商標は、その構成文字に相応して「シードブループロジェクト」の称呼が生じ、特定の観念は生じないものである。
(3)本件商標と引用商標の類否
本件商標と引用商標の類否について検討すると、外観においては、本件商標の要部と引用商標とは、「Blue Project(BLUE PROJECT)」の文字部分のつづりを共通にするが、先頭の「See」と「SEED」の文字が相違する。これら両文字は、上記(1)及び(2)で述べたとおり、共によく知られた平易な英単語であり、後続の文字との間にスペースがあることも相まって、看者をして先頭に位置する両語を見誤るおそれはないといえる。そうすると、両商標は、看者の注意を引きやすい先頭の文字部分に明らかな差異があるから、外観上、判然と区別できるものである。
次に、本件商標の要部から生じる「シーブループロジェクト」の称呼と引用商標から生じる「シードブループロジェクト」の称呼とを比較すると、両者は3音目の「ド」の音の有無に差異を有するが、当該差異音は、長音を伴いはっきりと発音され、聴者の印象に強く残りやすい前半に位置することから、その相違が両称呼に与える影響は大きく、明瞭に聴別できるものである。
さらに、観念においては、本件商標の要部と引用商標は特定の観念を生じないものであるから、両者を比較することはできない。
そうすると、本件商標と引用商標は、観念において比較することができないとしても、外観及び称呼において相紛れるおそれのない非類似の商標である。
したがって、本件商標と引用商標は非類似の商標であるから、両商標の指定商品及び指定役務が同一又は類似するとしても、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
2 申立人の主張について
申立人は、本件商標の称呼は10音、引用商標の称呼は11音からなり、共に冗長であるにもかかわらず、両商標の称呼上の相違は、わずかに中間音の「ド」のみであり、この相違に係る「ド」も、語頭やアクセントが置かれる音ではなく、中間に位置する弱い音として他の10音に埋没し得る相違である旨主張する。
しかしながら、上記1(3)で述べたとおり、本件商標の要部及び引用商標の称呼上の相違は「ド」の音の有無であるところ、聴者の印象に強く残りやすい前半において相違するものであるから、その相違が両称呼に与える影響は大きいものというべきである。
したがって、申立人の主張を採用することはできない。
3 むすび
以上のとおり、本件商標は、登録異議の申立てに係る指定商品及び指定役務について、商標法第4条第1項第11号に該当するものではなく、その登録は、同条第1項の規定に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
別掲
【別掲1】本件商標(色彩は原本参照)



【別掲2】本件商標の指定商品及び指定役務
第9類「写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,測定機械器具,電気通信機械器具,電子応用機械器具(「ガイガー計数器・高周波ミシン・サイクロトロン・産業用X線機械器具・産業用ベータートロン・磁気探鉱機・磁気探知機・地震探鉱機械器具・水中聴音機械器具・超音波応用測深器・超音波応用探傷器・超音波応用探知機・電子応用扉自動開閉装置・電子顕微鏡」を除く。),電子管,半導体素子,電子回路(「電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路」を除く。),電子計算機用プログラム,眼鏡,眼鏡の部品及び附属品,インターネットを利用して受信し及び保存することができる画像ファイル,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,電子出版物」
第35類「時計及び眼鏡の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,広告業,トレーディングスタンプの発行,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査又は分析,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,輸出入に関する事務の代理又は代行,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,求人情報の提供
第41類「セミナーの企画・運営又は開催,技芸・スポーツ又は知識の教授,興行の企画・運営又は開催(映画・演芸・演劇・音楽の演奏の興行及びスポーツ・競馬・競輪・競艇・小型自動車競走の興行に関するものを除く。),電子出版物の提供,インターネットを利用して行う映像の提供,インターネットを利用して行う音楽の提供,教育・文化・娯楽・スポーツ用ビデオの制作(映画・放送番組・広告用のものを除く。)」

【別掲3】引用商標の指定商品及び指定役務
第9類「コンタクトレンズ,コンタクトレンズ用容器」
第40類「プラスチックの加工,ゴムの加工,廃棄物の再生,廃棄物の分別及び処分,廃棄物及び再生品の分別」
第41類「技芸・スポーツ又は知識の教授,セミナーの企画・運営又は開催,インターネットを利用して行う映像の提供,映画の上映・制作又は配給,インターネットを利用して行う音楽の提供,演芸の上演,演劇の演出又は上演,音楽の演奏,インターネットを利用して行う動画・音声・静止画の提供,インターネットを利用して行う静止画像・動画像・音声付き静止画像・音声付き動画像・映像の提供」



(この書面において著作物の複製をしている場合の御注意) 本複製物は、著作権法の規定に基づき、特許庁が審査・審判等に係る手続に必要と認めた範囲で複製したものです。本複製物を他の目的で著作権者の許可なく複製等すると、著作権侵害となる可能性がありますので、取扱いには御注意ください。
異議決定日 2023-08-30 
出願番号 2022104622 
審決分類 T 1 652・ 261- Y (W093541)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 大橋 良成
特許庁審判官 冨澤 武志
小林 裕子
登録日 2023-03-27 
登録番号 6684193 
権利者 株式会社インターメスティック
商標の称呼 シーブループロジェクト、シーブルー、シー、エスイイイイ、プロジェクト 
代理人 吉澤 大輔 
代理人 川崎 仁 
代理人 中里 卓夫 
代理人 八鍬 昇 
代理人 三嶋 景治 
代理人 中里 浩一 

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