• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 商3条1項6号 1号から5号以外のもの 登録しない W0305
管理番号 1401808 
総通号数 21 
発行国 JP 
公報種別 商標審決公報 
発行日 2023-09-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2022-07-15 
確定日 2023-08-24 
事件の表示 商願2021−101439拒絶査定不服審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。
理由 第1 本願商標及び手続の経緯
本願商標は、「香りと過ごす」の文字を標準文字で表してなり、第3類及び第5類に属する別掲1のとおりの商品を指定商品として、令和3年8月16日に登録出願されたものである。
本願は、令和4年2月7日付けで拒絶理由の通知(以下「拒絶理由通知」という。)がされ、同年3月22日付けで意見書が提出されたが、同年4月12日付けで拒絶査定がされ、これに対して同年7月15日に拒絶査定不服審判の請求がされたものである。

第2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定は、本願商標は「香りと過ごす」の文字を標準文字で表してなるところ、本願の指定商品を取り扱う業界では、「香りと過ごす」の文字が、商品の宣伝広告において一般的に使用されている実情があり、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する需要者は、商品の宣伝広告を表示したものと理解するにとどまり、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないから、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

第3 当審における審尋
当審において、令和5年2月24日付け審尋(以下「審尋」という。)により、請求人(出願人)(以下「請求人」という。)に対し、別掲2のとおりの事実を提示した上で、本願商標は商標法第3条第1項第6号に該当する旨の暫定的見解を示し、相当の期間を指定して、これに対する意見を求めた。

第4 審尋に対する請求人の意見(要旨)
請求人は、上記第3の審尋に対し、令和5年4月5日付け回答書を提出し、要旨、以下の1及び2のとおりの意見を述べた。
1 本願商標を構成する「香りと過ごす」の語は、「よいにおいと時間を経過させる。」、「よいにおいと日を送る。」、「よいにおいと生活する。」又は「よいにおいと暮らす。」などを意味するところ、「『どのような時を』よいにおいと送る」のか、具体的とはいえず、また、審尋で摘示された事実は、そのほとんどすべてが、「香りと過ごす」の語が文章中で使用されているものにすぎず、当該語がそれ単独で宣伝広告して使用されているものとはいえない。
2 異議決定(異議2022−900167号)において、登録商標を構成する語の意味合いが漠然としており、当該語が単独で、取引上一般的に使用されていたと認めることができないことを理由に、商標登録を維持した事案があり、本件は、審尋において、「香りと過ごす」の語の意味合いが具体的であることを、根拠をもって説明したものとはいえないため、「香りと過ごす」の語が単独で、宣伝広告として取引上一般的に使用されているともいえない。

第5 当審の判断
1 商標法第3条第1項第6号該当性について
(1)商標法第3条第1項第6号の趣旨について
商標法は、「商標を保護することにより、商標の使用をする者の業務上の信用の維持を図り、もつて産業の発達に寄与し、あわせて需要者の利益を保護することを目的とする」ものであるところ(同法第1条)、商標の本質は、自己の業務に係る商品又は役務と識別するための標識として機能することにあり、この自他商品の識別標識としての機能から、出所表示機能、品質保証機能及び広告宣伝機能等が生じるものである。同法第3条第1項第6号が、「需要者が何人かの業務に係る商品又は役務であることを認識することができない商標」を商標登録の要件を欠くと規定するのは、同項第1号ないし第5号に例示されるような、識別力のない商標は、特定人によるその独占使用を認めるのを公益上適当としないものであるとともに、一般的に使用される標章であって、自他商品の識別力を欠くために、商標としての機能を果たし得ないものであることによるものと解すべきである(知的財産高等裁判所 平成21年(行ケ)第10270号、知的財産高等裁判所 平成24年(行ケ)第10323号判決参照)。
(2)本願商標の商標法第3条第1項第6号該当性について
本願商標は、「香りと過ごす」の文字を標準文字で表してなるところ、当該文字は、「よいにおい。香。」を意味する「香り」の文字及び「時間を経過させる。日を送る。生活する。暮らす。」などを意味する「過ごす」の文字を助詞「と」で結合したもの(いずれも「広辞苑 第7版」株式会社岩波書店)と容易に認識できるものであるから、構成全体として「よいにおいとともに、時間を経過させる(日を送る。生活する。暮らす。)」ほどの意味合いを理解させるものである。
そして、別掲2に記載のとおり、「香りと過ごす」の語は、本願の指定商品中、「洗濯用柔軟剤,化粧品,香料,芳香剤(身体用のものを除く。),消臭芳香剤(身体用のものを除く。),その他の薫料,芳香消臭剤(身体用・動物用及び工業用の芳香消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。),その他の消臭剤(身体用・動物用及び工業用の消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。)」等の香りを放つ(芳香の成分を含有する)商品を取り扱う業界において、当該商品がよいにおいとともに、時間を経過させる商品であることをうたう、宣伝広告として一般的に使用されている実情が認められる。
そうすると、本願商標をその指定商品中の「洗濯用柔軟剤,化粧品,香料,芳香剤(身体用のものを除く。),消臭芳香剤(身体用のものを除く。),その他の薫料,芳香消臭剤(身体用・動物用及び工業用の芳香消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。),その他の消臭剤(身体用・動物用及び工業用の消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。)」等の香りを放つ(芳香成分を含有する)商品に使用しても、本願商標に接する需要者は、これを需要者に関心を抱かせるための宣伝広告の一類型を表示したものと認識するにとどまり、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないというのが相当である。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。
2 請求人の主張について
(1)請求人は、本願商標を構成する「香りと過ごす」の語は、「よいにおいと時間を経過させる。」、「よいにおいと日を送る。」、「よいにおいと生活する。」又は「よいにおいと暮らす。」などを意味するところ、「『どのような時を』よいにおいと送る」のか、具体的とはいえず、また、審尋で摘示された事実は、そのほとんどすべてが、「香りと過ごす」の語が文章中で使用されているものにすぎず、当該語がそれ単独で宣伝広告して使用されているものとはいえない旨主張する。
しかしながら、上記1(2)のとおり、本願商標は、その指定商品中、香りを放つ(芳香の成分を含有する)商品を取り扱う業界において、当該商品がよいにおいとともに、時間を経過させる商品であることの紹介や説明において使用されていることからすれば、本願商標をその指定商品中の香りを放つ(芳香成分を含有する)商品に使用しても、本願商標に接する需要者は、これを需要者に関心を抱かせるための宣伝広告の一類型を表示したものと認識するにとどまり、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないと判断するのが相当である。
(2)請求人は、異議決定(異議2022−900167号)において、登録商標を構成する語の意味合いが漠然としており、当該語が単独で、取引上一般的に使用されていたと認めることができないことを理由に、商標登録を維持した事案があり、本件は、審尋において、「香りと過ごす」の語の意味合いが具体的であることを、根拠をもって説明したものとはいえないため、「香りと過ごす」の語が単独で、宣伝広告として取引上一般的に使用されているともいえない旨主張する。
しかしながら、当該異議決定と本願商標とは、商標の構成等を異にするものである。
そして、登録出願された商標が自他商品の識別機能を有するか否かは、当該登録出願の査定時又は審決時において、これに接する取引者、需要者の認識を基準として判断されるべきであり、当該商標の構成態様と指定商品との関係や商品の取引の実情をも踏まえて、個別具体的に判断されるものであるから、決定例等の存在によって、本願商標が、商標法第3条第1項第6号に該当するという上記判断が左右されるものではない。
(3)請求人の上記各主張は、いずれも採用することができず、また、その他の請求人の主張も採用することができない。
3 まとめ
以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当するから、登録することはできない。
よって、結論のとおり審決する。
別掲

別掲1(本願の指定商品)
第3類「家庭用帯電防止剤,家庭用脱脂剤,さび除去剤,染み抜きベンジン,洗濯用柔軟剤,洗濯用漂白剤,かつら装着用接着剤,洗濯用でん粉のり,洗濯用ふのり,つけまつ毛用接着剤,口臭用消臭剤,動物用防臭剤,塗料用剥離剤,靴クリーム,靴墨,つや出し剤,せっけん類,歯磨き,身体用消臭剤,身体用防臭剤,その他の化粧品,香料,芳香剤(身体用のものを除く。),消臭芳香剤(身体用のものを除く。),その他の薫料,研磨紙,研磨布,研磨用砂,人造軽石,つや出し紙,つけづめ,つけまつ毛」
第5類「芳香消臭剤(身体用・動物用及び工業用の芳香消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。),その他の消臭剤(身体用・動物用及び工業用の消臭剤並びに口臭用消臭剤を除く。),防臭剤(身体用・動物用及び工業用のものを除く。),脱臭剤(工業用のものを除く。),その他の薬剤,医療用試験紙,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,おりものシート,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド,綿棒,医療用接着テープ,歯科用材料,おむつ,おむつカバー,はえ取り紙,防虫紙,乳幼児用粉乳,サプリメント,食餌療法用飲料,食餌療法用食品,乳幼児用飲料,乳幼児用食品,栄養補助用飼料添加物(薬剤に属するものを除く。),人工受精用精液」

別掲2(本願の指定商品との関係において、「香りと過ごす」の語が、商品の紹介や説明において記載されている事実)
(1)「花王」のウェブサイトにおいて、「柔軟仕上げ剤 フレア フレグランス IROKA ホームリュクス アロマティックミューゲ [本体]」の見出しの下、「香りと過ごす、リュクスなひととき。プレミアム柔軟剤。リネンからふわりと香りたち、お部屋のムードまで、やわらかく。香料中にエッセンシャルオイルを配合した奥深くゆたかな香りは、あなたをリュクスな時間へ誘います。」との記載がある。
https://www.kao.com/jp/products/iroka/4901301360557/
(2)「Vogue Japan」のウェブサイトにおいて、「香りと過ごす、冬のおこもり。」の見出しの下、「まだまだ寒い冬。VOGUEでも過去に度々「冬のおこもり」企画が提案されていますが、今回は、家タイムを香りで楽しむアイテムをご紹介します。」との記載及び「グリーン好きのためのルームスプレー。香りにも好みがありますが、観葉植物などのグリーンが好きな人にぴったりなのが「イソップ」のルームスプレー「オロウス」。グリーンとシトラス植物の香りで、家にいながらも自然の存在を感じられるようなグリーンアロマが特徴的です。甘い香りに抵抗がある人や男性へのギフトにも!」との記載がある。
https://www.vogue.co.jp/fashion/editors_picks/2017-01/22/shizue-hamano
(3)「お香フレグランスの日本香堂」のウェブサイトにおいて、「香り立つ秋−秋を楽しむひととき−」の見出しの下、「「秋の夜長を香りと過ごす」日暮れが早まり、肌寒さを感じる季節になってきました。あたたかみのある香りで身も心もほっこりしませんか。」との記載及び「おうちで楽しめる秋の香り かゆらぎ 金木犀 スティック40本入 自然の恵みを想起させる和風の香りを表現。甘く華やかなフルーティフローラルの香り。」との記載がある。
https://www.nipponkodo.co.jp/iyashi/kohtatsuaki/
(4)「GINZA」のウェブサイトにおいて、「ピースフルに過ごすお家時間。深呼吸したくなるルームフレグランス vol.3」の見出しの下、「毎日のいろんなシーンを香りと過ごす。それこそが何より贅沢なリトリート。心と身体に響きインテリアとしても最適な選りすぐりを、1日のシーン別でセンスのいい人が教えてくれました。」との記載がある。
https://ginzamag.com/beauty/room-fragrance-3/
(5)「JUN公式オンラインショップ“Life&Beauty”」のウェブサイトにおいて、「#香りと過ごす」の見出しとともに、同社が扱うフレグランス類の商品が紹介されている。
https://landb.junonline.jp/news/99352
(6)「ユイカ(yuica)」のウェブサイトにおいて、「甘く爽やかなヒメコマツの香りと過ごす、心地よい冬。」との記載とともに、エッセンシャルオイルの紹介がされている。
https://www.yuica.com/blogs/topics/甘く爽やかなヒメコマツの香りと過ごす-心地よい冬
(7)「PORTRAY AROMAS(ポトレイアロマ)」のウェブサイトにおいて、「香りの定期便 季節の香りと過ごす一年 12ケ月の香りのルームフレグランス13.5mlを毎月ご自宅やオフィスへお届けします。」との記載がある。
http://www.refle.tokyo.jp/portray_works_12.html
(8)「naturallyONLINESHOP」のウェブサイトにおいて、「【オーガニックコスメ】香りと過ごす|エッセンシャルオイルについて」との記載がある。
https://naturallyonlineshop.com/blogs/natural-organic/kaori-to-sugosu
(9)「DreamNews」のウェブサイトにおいて、「心地良い香りと過ごすエフォートレスな夏をお届けします。」との記載とともに、フレグランス商品 の紹介がされている。
https://www.dreamnews.jp/press/0000213133/
(10)「VILLAGEVANGUARDオンラインストア」のウェブサイトにおいて、「ステキな香りと過ごす、おうち時間」との記載とともに、フレグランス商品の紹介がされている。
https://vvstore.jp/feature/detail/16526/
(11)「キナリノ」のウェブサイトにおいて、「甘く暖かな香りと過ごす、冬のおうち時間」との記載とともに、フレグランス商品の紹介がされている。
https://kinarino.jp/cat6/42011
(12)「INOBUN」のウェブサイトにおいて、「香りと過ごす季節の変わり目」との記載とともに、フレグランス商品の紹介がされている。
https://www.inobun.co.jp/blog/nara_area/archives/26272
(13)「ISETAN MEN‘S net」のウェブサイトにおいて、「フロアアテンダントが選ぶ“秋に始める”アイテム 秋の夜長に新しい香りと過ごす時間を」との記載とともに、フレグランス商品の紹介がされている。
https://www.imn.jp/post/108057197735
(14)「株式会社香塾本店」のウェブサイトにおいて、「アロマオイルについて 香と過ごす心と体の豊かな日常生活」との記載とともに、アロマオイル商品の紹介がされている。
http://kohjyukuhonten.com/aromasetsumei.html
(15)「AROMA SOMMELIER」のウェブサイトにおいて、「空間を優しく包み込むアロマは、香りそのものの良さをお楽しみいただけるだけでなく、香りと過ごす心地よい時間を贈ることのできるアイテムです。大切な方に想いを込めて、今年の冬は香りのギフトを贈りませんか?」との記載とともに、フレグランス商品の紹介がされている。
https://aroma-sommelier.com/study/1782.html
(16)「COLORIA MAGAZINE」のウェブサイトにおいて、「メゾンマルジェラでワンランク上の香水を♪」の見出し下、「日常的に家にあるインテリアと合わせてリラックス空間を作ったり、非日常的なトラベルシーンでスプレーしたりと、香りと過ごすライフスタイルはあなたの生活を豊かにしてくれるはずです。」との記載とともに、フレグランス商品の紹介がされている。
https://coloria.jp/magazine/articles/WF9Ox
(17)「にしてつニュース」のウェブサイトにおいて、「【まとめ】香りと過ごす夏」の見出し下、「夏を快適に過ごすために、香りのアイテムを取り入れてみませんか。爽やかな香りに囲まれると、心も体もリフレッシュできるはず。インテリアとしても素敵なアロマグッズを扱う、1年以内にオープンしたショップを紹介します。」との記載とともに、フレグランス商品の紹介がされている。
https://www.nishitetsu.jp/nishitetsu_news/entry_type/post-2141/
(18)「香源」のウェブサイトにおいて、「部屋用お香」の見出し下、「趣味のお香 好きな香りと過ごす、お香ライフ」との記載とともに、お香の紹介がされている。
https://www.kohgen.com/ic/HobbyIncense

なお、審尋において提示した上記別掲の事実のうち、別掲2(14)のウェブサイトは、現在、閲覧することができない。


(行政事件訴訟法第46条に基づく教示)
この審決に対する訴えは、この審決の謄本の送達があった日から30日(附加期間がある場合は、その日数を附加します。)以内に、特許庁長官を被告として、提起することができます。
(この書面において著作物の複製をしている場合のご注意)
本複製物は、著作権法の規定に基づき、特許庁が審査・審判等に係る手続に必要と認めた範囲で複製したものです。本複製物を他の目的で著作権者の許可なく複製等すると、著作権侵害となる可能性がありますので、取扱いには御注意ください。
審理終結日 2023-06-22 
結審通知日 2023-06-27 
審決日 2023-07-13 
出願番号 2021101439 
審決分類 T 1 8・ 16- Z (W0305)
最終処分 02   不成立
特許庁審判長 豊田 純一
特許庁審判官 岩谷 禎枝
杉本 克治
商標の称呼 カオリトスゴス、スゴス 
代理人 藤本 一 
代理人 杉村 憲司 
代理人 杉村 光嗣 

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ