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審決分類 審判 全部申立て  登録を維持 W25
管理番号 1400819 
総通号数 20 
発行国 JP 
公報種別 商標決定公報 
発行日 2023-08-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2022-08-17 
確定日 2023-07-18 
異議申立件数
事件の表示 登録第6570351号商標の商標登録に対する登録異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 登録第6570351号商標の商標登録を維持する。
理由 第1 本件商標
本件登録第6570351号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲1のとおりの構成よりなり、令和3年12月20日に登録出願、第25類「被服,ガーター,靴下留め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊靴,運動用特殊衣服」を指定商品として、同4年5月9日に登録査定され、同年6月13日に設定登録されたものである。

第2 引用商標
1 登録異議申立人(以下「申立人」という。)が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用する商標は、以下の(1)ないし(5)の商標であり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第5899658号商標(以下「引用商標1」という)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成28年6月14日に登録出願、第18類「汎用キャリーバッグ,旅行かばん,トランク,運動用バッグ,スポーツバッグ,クラッチ型財布,財布,ハンドバッグ,肩掛けかばん,トートバッグ,ビーチバッグ,札入れ,バックパック,クーリエバッグ,ブリーフケース,傘,つえ,動物用首輪」及び第25類「被服,ジャケット,スウェットシャツ,コート,ブレザー,スーツ,ズボン,ジーンズ製の被服,プルオーバー型セーター及びプルオーバー型シャツ,セーター,チョッキ,ショーツ及び半ズボン,ワイシャツ類,ドレス,スカート,ネクタイ,ネッカチーフ,ストール,ショール,スカーフ,靴下,ベルト,バンド,ズボンつり,帽子,手袋,履物,ブーツ,スニーカー,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同年11月25日に設定登録されたものである。
(2)登録第5899659号商標(以下「引用商標2」という)は、別掲3のとおりの構成よりなり、平成28年6月14日に登録出願、第18類「汎用キャリーバッグ,旅行かばん,トランク,運動用バッグ,スポーツバッグ,クラッチ型財布,財布,ハンドバッグ,肩掛けかばん,トートバッグ,ビーチバッグ,札入れ,バックパック,クーリエバッグ,ブリーフケース,傘,つえ,動物用首輪」及び第25類「被服,ジャケット,スウェットシャツ,コート,ブレザー,スーツ,ズボン,ジーンズ製の被服,プルオーバー型セーター及びプルオーバー型シャツ,セーター,チョッキ,ショーツ及び半ズボン,ワイシャツ類,ドレス,スカート,ネクタイ,ネッカチーフ,ストール,ショール,スカーフ,靴下,ベルト,バンド,ズボンつり,帽子,手袋,履物,ブーツ,スニーカー,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同年11月25日に設定登録されたものである。
(3)登録第5899661号商標(以下「引用商標3」という)は、別掲4のとおりの構成よりなり、平成28年6月14日に登録出願、第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,オンラインによる被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、同年11月25日に設定登録されたものである。
(4)登録第6148364号商標(以下「引用商標4」という)は、別掲5のとおりの構成よりなり、平成30年5月11日に登録出願、第25類「被服,ジャケット,スウェットシャツ,コート,ブレザー,スーツ,ズボン及びパンツ,ジーンズ地の被服,プルオーバー型セーター及びプルオーバー型シャツ,セーター,チョッキ,ショーツ及び半ズボン,ワイシャツ類,ドレス,スカート,ネクタイ,ネッカチーフ,ストール,ショール,スカーフ,靴下,ベルト,バンド,ズボンつり,帽子,手袋,履物,ブーツ,スニーカー,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、令和元年5月31日に設定登録されたものである。
(5)登録第6276477号商標(以下「引用商標5」という)は、別掲6のとおりの構成よりなり、令和元年6月26日に登録出願、第9類「警笛音発生型警報器,保安用ヘルメット,信号用警笛,眼鏡,眼鏡用及びサングラス用枠,眼鏡用レンズ,サングラス用レンズ,サングラス及び眼鏡の部品及び附属品,眼鏡用及びサングラス用のケース,サングラス,運動用保護ヘルメット,ホイッスル」を指定商品として、同2年8月4日に設定登録されたものである。
引用商標1ないし引用商標5をまとめていう場合は、以下「引用商標」という。
2 申立人が、本件商標に係る登録異議申立ての理由において、本件商標が商標法第4条第1項第15号に該当するとして引用する商標は、申立人の業務に係る商品「被服、ベルト、履物」等(以下「申立人商品」という。)について使用され、需要者の間に広く知られているとする、別掲7に示す、引用商標と近似した構成の、白色と黒色の太い線を右上がりに傾斜して交互に複数配置した矩形のストライプ模様(以下「申立人商標」という。)と申立人が主張するものである。

第3 登録異議の申立ての理由
申立人は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号に違反して登録されたものであるから、本件商標は同法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきであると申立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第50号証(なお、表記にあたっては、「甲○」のように省略して記載する。)を提出した。
1 商標法第4条第1項第11号について
(1)本件商標の特定
本件商標は、外観について、白色と黒色の太い線を左上がりに傾斜して交互に複数配置した正方形のストライプ模様であり、模様の中央に「U」の欧文字を配置している。
称呼について、「U」の欧文字から、「ユー」の称呼が生じ、観念について、ストライプ模様は特定の意味合いを有する図形等ではなく、「U」の欧文字一文字は特定の意味合いを有しないため、観念は生じない。
(2)引用商標1の特定
引用商標1は、外観について、白色と黒色の太い線を右上がりに傾斜して交互に複数配置した正方形のストライプ模様である。
称呼について、可読文字を有しないため称呼は生じず、観念について、ストライプ模様は特定の意味合いを有しないしため、観念は生じない。
(3)引用商標2の特定
引用商標2は、外親について、白色と黒色の太い線を右上がりに傾斜して交互に複数配置した縦長の矩形のストライプ模様である。
称呼について、可読文字を有しないため称呼は生じず、観念について、ストライプ模様は特定の意味合いを有しないしため、観念は生じない。
(4)引用商標3の特定
引用商標3は、外観について、白色と黒色の太い線を右上がりに傾斜して交互に複数配置した横長の矩形のストライプ模様である。
称呼について、可読文字を有しないため称呼は生じず、観念について、ストライプ模様は特定の意味合いを有しないしため、観念は生じない。
(5)引用商標4の特定
引用商標4は、外観について、白色と黒色の太い線を右上がりに傾斜して交互に複数配置した横長の矩形のストライプ模様である。
称呼について、可読文字を有しないため称呼は生じず、観念について、ストライプ模様は特定の意味合いを有しないしため、観念は生じない。
(6)引用商標5の特定
引用商標5は、外観について、白色と黒色の太い線を右上がりに傾斜して交互に複数配置した正方形のストライプ模様である。
称呼について、可読文字を有しないため称呼は生じず、観念について、ストライプ模様は特定の意味合いを有しないしため、観念は生じない。
(7)本件商標と引用商標の対比
外観について、本件商標は、白色と黒色の太い線を左上がりに傾斜して交互に複数配置した正方形のストライプ模様であり、模様の中央に「U」の欧文字を配置している。
一方、引用商標は、白色と黒色の太い線を右上がりに傾斜して交互に複数配置した正方形若しくは縦長又は横長の矩形のストライプ模様である。両商標は、白色と黒色の太い線の傾斜の向きと文字の有無等において差異があるものの、白色と黒色の太い線を傾斜して交互に複数配置した正方形又は矩形のストライプ模様において共通する。
称呼について、本件商標は「ユー」の称呼が生じるが、引用商標は称呼が生じないから、両商標は称呼において差異がある。
観念について、本件商標は特定の観念は生じず、引用商標も特定の観念は生じないから、両商標は観念において対比できない。
引用商標は、図形のみからなる商標であって特定の称呼及び観念は生じないから、需要者及び取引者は、外観を頼りにして引用商標を記憶する。そして、簡易迅速を尊ぶ取引の実際においては、線の太さ、ストライプの向き、本数といった外観における詳細な構成は省略して記憶されるため、引用商標に接した需要者及び取引者は、白色と黒色の太い線を傾斜して交互に複数配置した正方形又は矩形のストライプ模様の外観として、強く印象付けられるものである。
したがって、本件商標と引用商標の外観、称呼、観念によって需要者及び取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に親察すれば、両商標は外観において相紛らわしい類似の商標である。
また、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品である。
(8)小括
以上のことから、本件商標は引用商標と類似する商標であって、引用商標の指定商品又は指定役務と同一又は類似の商品について使用するものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
2 商標法第4条第1項第15号について
(1)申立人商標について
申立人は、白色と黒色の太い線を右上がりに傾斜して交互に複数配置した、正方形、縦長の矩形又は横長の矩形からなるストライプ模様を使用した(甲13〜甲48)。
(2)申立人商標を使用した商品について
申立人は、申立人商品に商標を使用した(甲13〜甲48)。
(3)申立人商標の周知性について
申立人商標は、数多くの雑誌、インターネット記事に掲載されていることから(甲13〜甲48)、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、需要者に広く認識されている。
取引の実際における申立人商品の性質は、申立人の設立者でありデザイナーであったヴァージル・アブロー氏の作品として、一品ごとに丁寧に少量が生産される品質の高い商品であって、特に、申立人商品は、唯一無二のデザイン性を備えた希少性の高い商品であり、その流通経路は限られている。すなわち、申立人商品は、大量生産される一般的な商品ではなく、非常に高い品質と芸術性を備えた少量生産品であり、これは、申立人商品の価格が、一般に流通している同一の商品と比較して大変高価格であることや、申立人商品を紹介する雑誌等がファッションに敏感な需要者を対象としている雑誌やウェブサイトで紹介されていることからも明らかである。
このような事情から、需要者は、申立人商品の選択にあたり、第三者の業務に係る同一の商品と価格を比較するものではなく、また、申立人も商品の価格で第三者と競争するものでもないから、申立人商品の周知性は、販売実績、市場占有率、広告宣伝費等の立証及びその軽重によって否定されるものではない。
一方、申立人商標の周知性を表すものとして、申立人商品の模倣品が多数流通している取引の実情がある(甲50)。
以上の申立人商品の性質や模倣品が流通する取引の実情によれば、申立人商標は、ファッションに関心を有する需要者及び取引者等において広く認識されている。
(4)本件商標と申立人商標の類似性の程度について
外観について、本件商標は、白色と黒色の太い線を左上がりに傾斜して交互に複数配置した正方形形状であって、模様の中央に「U」の欧文字を配置している。
一方、申立人商標は、白色と黒色の太い線を右上がりに傾斜して交互に複数配置した正方形、縦長の矩形又は横長の矩形形状からなるものであり、本件商標と申立人商標とは、白色と黒色の太い線の傾斜の向き、文字の有無、形状において差異があるものの、白色と黒色の太い線を傾斜して交互に複数配置した矩形形状という構成において共通する。
称呼について、本件商標は「ユー」の称呼が生じるが、申立人商標は称呼が生じないから、本件商標と申立人商標は称呼において差異がある。
観念について、本件商標は特定の観念は生じず、申立人商標も特定の観念は生じないから、本件商標と申立人商標は観念において対比できない。
したがって、本件商標と申立人商標の外観、称呼、観念によって需要者及び取引者に与える印象、記憶、連想等を総合して全体的に観察すれば、本件商標と申立人商標は外観において相紛らわしいものであり、類似性の程度は高い。
(5)商標の独創性について
申立人商標は、申立人商品との関係において、普通名称慣用商標、記述的表示等の識別力を欠いた商標ではなく、また、申立人が、本件商標の登録出願日までに、白色と黒色の太い線を右上がりに傾斜して交互に複数配置した矩形の申立人商標を構成に含む商標登録出願を7件行っており、全ての商標登録出願について商標登録を受けた(甲49)。
(6)商品の関連性について
本件商標の指定商品中、第25類「被服」は、申立人商品中、「ズボン,ジャケット,セーター,帽子,ティーシャツ,スウェットシャツ,靴下,プルオーバー型シャツ,ジーンズ製の被服,半ズボン,シャツ,マフラー,被服」と同一又は類似し、本件商標の指定商品中、第25類「ベルト」は、申立人商品中、「ベルト」と同一であり、本件商標の指定商品中、第25類「履物」は、申立人商品中、「靴」を含むため、本件商標の指定商品は、申立人商品と関連性を有するものである。
(7)需要者及び取引者の共通性・注意力について
上記のとおり、申立人商品と本件商標の指定商品は類似するものであるから、需要者及び取引者は共通し、需要者及び取引者の注意力に関して特に考慮すべき事情は見当たらないから、本件においては一般的な需要者及び取引者の注意力をもって判断すればよい。
(8)小括
以上のことから、本件商標と申立人商標の類似性の程度は高く、本件商標の指定商品と申立人の使用した商品は同一若しくは類似の関連性があり、申立人商標は申立人の業務に係る商品を表示するものとして周知性を獲得している。
そして、申立人商標は独創性の程度が高く、取引者及び需要者も共通し、考慮すべき取引者及び需要者の注意力や取引の実情もない。
したがって、これらの事実を総合的に判断すると、本件商標を指定商品に使用すれば、申立人の業務に係る商品であると出所の混同を生じさせるものである。
また、本件商標の使用は、本件商標の商標権者と申立人との間に、いわゆる親子会社や系列会社等の緊密な営業上の関係がある等の広義の混同を生じさせるものである。
さらに、本件商標の使用は、引用商標に化体した顧客吸引力へのただ乗り希釈化を招くものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当する。

第4 当審の判断
1 申立人商標の周知性について
(1)申立人の主張及び提出に係る証拠によれば、以下の事実が確認できる。
ア 左上部及び右下部に、黒塗り三角形を、それぞれの長辺を向かい合わせに離れて配置し、それら三角形の間に、複数の同色の細長の台形を、右に傾斜させ、左上半分に配置された台形は右下部が長辺となるように、また、右下半分に配置された台形は左上部が長辺となるように、各図形の間隔を均等に空けて、それら各図形の短辺が一直線状となるように配置した構成よりなる申立人商標を付した申立人商品が、平成26年ないし令和3年にかけての複数の雑誌、インターネット記事及びSNSに掲載されており(甲13〜甲16、甲19〜甲25、甲27〜甲31、甲34〜甲36、甲38〜甲48)、当該雑誌及びインターネット記事には、例えば、「太いストライプのインパクトあるグラフィック・・・」(甲14)、「斜めストライプが新たなアイコンに!」(甲15)、「日本での人気を見せつけたストライプのバイアスロゴ」(甲21)、「アイコニックな斜めストライプパターンといえば、もはや定番だ。」(甲28)、「背面にはトレードマークのWHITEロゴと斜めストライプ。」(甲34)、「オフ−ホワイトのアイコンのなかで最も有名なモチーフが、この黒と白の斜めのストライプ。」(甲43)など、申立人商標のモチーフについて言及されている記事も見受けられる。
イ 申立人商品は、日本国内の直営店舗(南青山、銀座(東京))のほか、東北、関東、北陸甲信越、東海、近畿、中国、九州地域のセレクトショップや百貨店(35店舗)などで取り扱われている(甲13、甲31、甲32、甲42)。
(2)上記(1)の事実からすれば、次のとおり判断できる。
平成26年から令和3年にかけての複数の雑誌、インターネット記事及びSNSにおいて、申立人商標が付された申立人商品に関する記事が掲載され、一部の雑誌やインターネット記事には、申立人商標のモチーフについて言及されている記事が見受けられ、また、申立人商品は、日本国内の直営店、セレクトショップ及び百貨店などで取り扱われていることがうかがえる。
しかしながら、申立人商品の我が国における販売数、売上高、市場シェア等の販売実績を示す主張、証拠は見いだせず、また、申立人商品の雑誌、インターネット記事以外の宣伝広告の方法、期間、規模及び広告宣伝費などの申立人商品の周知性を判断するための証拠は提出されていない。
よって、申立人提出の証拠からは、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人商標が申立人商品を表示するものとして、我が国の取引者、需要者にどの程度認識されているのかを把握、評価することができない。
したがって、提出された証拠によっては、申立人商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものと認めることはできない。
2 商標法第4条第1項第11号該当性について
(1)本件商標について
本件商標は、別掲1のとおり、右上部及び左下部に黒塗りの三角形をそれぞれの長辺を向かい合わせに離れて配置し、その三角形の間に、複数の同色の細長の台形又は細長の六角形を、左に傾斜させ、右上半分に配置された台形は左下部が長辺となるように、また、左下半分に配置された台形は右上部が長辺となるように、各図形の間隔を均等に空けて、それら各図形の短辺が一直線状となるように配置した図形と、その中央に「U」の太文字を、細長の六角形と重なる部分は白抜きに、図形と重ならない部分は黒色で塗りつぶしたものを配した構成よりなるところ、これらの構成要素は、バランスよく組み合わされており、その構成全体がまとまりある一体の図形として認識されるとみるのが相当である。
そして、当該図形は、特定の事物を表したもの又は何らかの意味合いを表すものとして直ちに認識され、親しまれているというべき事情は認められないことから、特定の称呼及び観念は生じない。
したがって、本件商標は、特定の称呼及び観念は生じない。
(2)引用商標について
引用商標は、別掲2ないし別掲6のとおり、いずれも、左上部及び右下部に、黒塗り三角形を、それぞれの長辺を向かい合わせに離れて配置し、それら三角形の間に、複数の同色の細長の台形を、右に傾斜させ、左上半分に配置された台形は右下部が長辺となるように、また、右下半分に配置された台形は左上部が長辺となるように、各図形の間隔を均等に空けて、それら各図形の短辺が一直線状となるように配置した構成よりなるところ、当該各図形は、特定の事物を表したもの又は何らかの意味合いを表すものとして直ちに認識され、親しまれているというべき事情は認められないことから、特定の称呼及び観念は生じない。
したがって、引用商標は、特定の称呼及び観念は生じない。
(3)本件商標と引用商標との類否について
ア 外観について
本件商標と引用商標とを比較すると、いずれも黒塗りの三角形、台形等の図形(以下「黒塗り図形」という。)を傾斜させた図形を描いている点で共通するとしても、黒塗り図形の大きさ、向き及び数の差異並びに中央部における「U」の欧文字の有無の差異により、両者から受ける印象が全く異なり、外観上、明確に区別し得るものである。
イ 称呼及び観念について
本件商標及び引用商標は、いずれも特定の称呼及び観念を生じないものである。
ウ 小括
以上から、本件商標と引用商標とは、称呼及び観念において比較することはできないとしても、外観において明確に区別し得るものであるから、これらを総合して判断すれば、相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。
その他、本件商標と引用商標とが類似するというべき事情も見いだせない。
(4)本件商標の指定商品と引用商標の指定商品との類否について
本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似する商品を含むものである。
(5)小括
以上のとおり、本件商標の指定商品が、引用商標の指定商品と類似する商品を含むとしても、本件商標と引用商標は非類似の商標である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
3 商標法第4条第1項第15号該当性について
上記1のとおり、申立人商標は、本件商標の登録出願時及び登録査定時において、申立人の業務に係る商品を表示するものとして、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたとはいえないものであり、また、上記2のとおり、本件商標と引用商標は、非類似の商標である。
そうすると、本件商標は、これをその指定商品に使用しても、申立人又は申立人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのように、商品の出所について混同を生じさせるおそれがある商標とはいえない。
その他、本件商標が商品の出所について混同を生じさせるおそれがあるというべき事情を見いだせない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当しない。
4 まとめ
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号及び同項第15号のいずれにも該当するものではなく、ほかに同法第43条の2各号に該当するというべき事情も見いだせないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。

別掲
別掲1(本件商標)



別掲2(引用商標1)



別掲3(引用商標2)



別掲4(引用商標3)



別掲5(引用商標4)



別掲6(引用商標5)



別掲7(申立人商標)





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異議決定日 2023-07-04 
出願番号 2021158479 
審決分類 T 1 651・ 261- Y (W25)
最終処分 07   維持
特許庁審判長 矢澤 一幸
特許庁審判官 杉本 克治
小田 昌子
登録日 2022-06-13 
登録番号 6570351 
権利者 UNSEEN株式会社
商標の称呼 ユウ 
代理人 田中 克郎 
代理人 稲葉 良幸 
代理人 弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所 
代理人 伊藤 亮介 
代理人 廣中 健 
代理人 小林 奈央 

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